横浜ゴム (株) 2016年12月期の動向

業績

(単位:百万円)
2016年
12月期
2015年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 596,193 629,856 (5.3) -
営業利益 42,317 54,536 (22.4) -
経常利益 39,131 49,334 (20.7) -
当期純利益 18,787 36,307 (48.3) -
タイヤ事業
売上高 450,562 500,623 (10.0) -国内新車用タイヤは、年初からの自動車生産台数の減少や価格下落の影響が大きく、低調に推移。
-国内市販用タイヤの販売は、需要低迷もあり販売量、売上高は前年同期を下回った。
-海外市販用タイヤは、円高や価格競争の影響を受け減収となったが、海外全体としての販売量は増加し、北米では新車用タイヤが好調に推移。欧州でも新規の販路が寄与するなど好調に推移したほか、中国では小型車向けの減税による自動車販売の回復等により新車用タイヤが好調だった。
営業利益 36,329 43,037 (15.6) -

買収

<欧州>
-2016年7月1日付で、オランダのAlliance Tire Group B.V. (ATG) の全株式を取得し、買収を完了したと発表。連結決算には2016年12月期第3四半期(7~9月期)から反映される。ATGを買収することにより、同社の生産財 (B to B) タイヤのラインナップに農業機械用タイヤ、林業機械用タイヤが新たに加わることになる。買収により生産財タイヤ事業の売上高を6割拡大させ、さらに生産効率の改善や共同購買などにより、2019年に営業利益で1500万ドル (約17億円) 増のシナジー効果を目指す。ATGは「ALLIANCE」「GALAXY」「PRIMEX」の3ブランドを展開。中でも農機用タイヤは2大市場である米国と欧州で10%前後のシェアを確保している。

<日本>
-同社は、2017年3月15日付で愛知タイヤ工業株式会社の全株式を取得したと発表した。愛知タイヤは愛知県春日井、小牧に工場を保有。産業車両用タイヤや工業用ゴム製品を製造販売している。2016年3月期の売上高は約74億円。横浜ゴムはこの買収により、生産財タイヤ事業を一層強化・拡大させるねらい。 (2017年3月15日付プレスリリースより)

業務提携解消

-2016年3月、同社とContinentalは、合弁会社であるヨコハマコンチネンタルタイヤ (YCC) を2016年3月末で解消すると発表。YCCは、日本および韓国の自動車メーカーのグローバル調達に対応するため、2002年に設立された。その間、両社ともそれぞれのグローバル生産ネットワーク網を構築し、対応力を強化してきた。今後は、個々にビジネスを拡大していくことで合意した。 (2016年3月8日付プレスリリースより)

原材料調達拠点

-2015年4月、シンガポールに現地法人Yokohama Rubber Singapore Pte. Ltd.を設立した。横浜ゴムグループの原材料調達機能をグローバルに効率化することが狙い。日本向けの天然ゴムの調達業務からスタートし、日本以外のグループ海外工場向けにも調達業務を拡大する。天然ゴムに加え、その他の原材料調達も手がける計画。さらに原材料の在庫管理機能を強化し、より安定的・効率的な調達体制を確立する。 (2016年5月14日付プレスリリースより)

受注

-2016年12月期の主な受注:

製品名 搭載モデル
新車装着用 (OE) タイヤ
低燃費タイヤ
BluEarth E70
トヨタ 「Prius」 日本、オセアニア、欧州市場向けモデル
低燃費タイヤ
BluEarth S34
トヨタ 「Prius」 北米市場向けモデル
低燃費タイヤ
BluEarth E52
日産 「Serena」
Aspec A349 トヨタ 「Prius」 その他市場向けモデル
ADVAN Sport V105 SUBARU 「Impreza」 日本、豪州市場向けモデル
Porsche 「911」、「718 Boxster」、「718 Cayman」
プレミアムコンフォートタイヤ
ADVAN dB
トヨタ 「Auris」
AVID S34 SUBARU 「Impreza」 北米市場向けモデル
FCA 「Chrysler Pacifica」 米国、カナダ、メキシコ市場向けモデル
低燃費タイヤ
Geolander G91
マツダ 「CX-4」
ハイウェイテレーンタイヤ
Geolander H/TG056
マツダ 「CX-9」



中期経営計画

中期経営計画 「GD100 フェーズIV (2015~17年)」
-2015年2月、中期経営計画 「GD100 フェーズIV (2015~17年)」 を発表した。グローバルでの新車装着用 (OE) タイヤの受注を拡大し、20年までにOEタイヤの海外納入比率を現在の35%から70%まで高めていく。3年間で合計1,200億円の設備投資を行い、20年までにタイヤ生産能力を現在より2,100万本増となる年間8,900万本まで拡大する。グローバルでの競争力を高めることで17年末までに売上高7,700億円 (14年比23.2%増)、営業利益800億円 (同35.4%増)、営業利益率10.4% (同1.0ポイント増) を目指す。(2015年2月14日付日刊自動車新聞より)


-2016年12月14日、2017年の経営方針として「グローバルで新車装着用タイヤの納入拡大を加速するとともに、補修用ではここ数年で最も積極的な新商品を投入する」と述べ、事業拡大戦略を加速させる方針を示した。17年に最終年度を迎える中期経営計画「GD100 フェーズIV」では、グローバルでの自動車メーカー向け新車装着用タイヤの採用拡大を掲げており、引き続きポルシェやメルセデス・ベンツなどの欧州上級車向けを中心に受注拡大を狙う。「自動車メーカーのニーズに迅速に対応するとともに、これまでの採用実績による信頼感」()を強みに新車装着用タイヤのシェアアップを図る。これによって補修用タイヤでの販売にも結びつけていく構え。(20161216日付日刊自動車新聞より)


タイヤ成長戦略

グローバルOE (新車装着) 市場への注力
  1. 低燃費技術により、お客様のさまざまなニーズにお応えし、世界の自動車メーカーからの技術承認取得に努める。2020年12月期に新車装着用 (OE) タイヤの海外納入本数を2014年12月期に比べ約4倍に増やす計画。

    -2020年に新車装着用 (OE) タイヤの生産能力を14年比85%増の年間3700万本まで拡大する。生産全体に占めるOEタイヤ比率も14年の29%から42%に高める。海外ではOEタイヤへの採用実績が補修用タイヤの販売に直結する地域が多い。環境規制が強まる中、同社が強みとする転がり抵抗の低減に関する技術で日系に加えて海外の自動車メーカーへの提案活動を積極化。新車への採用を切り口にタイヤ全体の販売拡大に結びつける考えだ。(2015年5月13日付日刊自動車新聞より)
大需要・得意市場でプレゼンス向上
  1. フェーズⅣでは、特に大需要地である中国・欧州・北米市場、得意市場である日本・ロシアを中心に地産地消を進める。フェーズⅣの期間に総額1,200億円を投じ、全世界のタイヤ年間生産能力を、2014年度末の約6,800万本から2017年度末までに約7,400万本、2020年度末には約8,900万本まで引き上げる計画。

    -2020年までに欧州連合 (EU) 域内にタイヤ生産拠点を設置する方向で検討を始めた。EUに生産拠点を設けるのは初めて。新たに設立する生産拠点は、場所や規模などの詳細は未定としている。工場新設や欧州にある他社の拠点のM&Aを含めて検討し、17年までに決定する。現在、タイヤ生産拠点は日本の他に、米国、中国、ロシア、タイ、フィリピン、ベトナム、インドに設けており、EUへの供給はロシアやフィリピンなどからの輸出で対応している。同社ではタイヤ生産能力を20年までに14年比2,100万本増の年間8,900万本に高める計画を打ち出している。その中で市場規模の大きい欧州での販売強化が不可欠となる。同時に世界的にシェアを拡大するフォルクスワーゲンへの納入実績がない横浜ゴムでは、欧州での事業強化が課題となっている。(2015年4月3日付日刊自動車新聞より)

  2. モータースポーツで高い技術力を訴求
    -新城工場 (愛知県新城市) で18インチ以上のハイインチタイヤを増産。
生産財タイヤ事業の拡大に向けた戦略
  1. 2015年、タイヤ生産財事業本部を設立。

  2. 2015年下期に操業開始した米国トラック・バス用タイヤ新工場の稼働により、地産地消を促進するほか、49インチ以上の鉱山・建設車両用大型ラジアルタイヤの開発・拡販に取り組む。

    -米国のタイヤ生産子会社Yokohama Tire Manufacturing Mississippi (YTMM) がトラック・バス用タイヤ工場の開所式を開催したと発表した。同工場の年間生産能力は100万本で、総投資額は3億米ドル。新工場は500エーカー (約200ヘクタール) の土地の一角に建設されており、今後、需要に応じて順次工場拡張を進めていく計画。(2015年10月6日付プレスリリースより)



MB (工業品) 成長戦略

自動車部品ビジネスのグローバル展開
  1. 2015年現在、自動車用ホース・配管の生産拠点を6カ国、自動車窓枠用接着剤の生産拠点を4カ国に設置し、グローバルに事業を展開している。

  2. 地球温暖化への影響が少ない次世代冷媒に対応したカーエアコンホースの開発に成功。欧州向け車両に同ホースを採用したエアコンが搭載されている。

    -カーエアコンの次世代冷媒として欧州で普及が進んでいるHFO-1234yfに対応するカーエアコン用ホース 「AC6B 11」 を開発したと発表。すでに、カーエアコンシステムメーカーに新型ホースを納入しており、主に欧州向け車両に同ホースを採用したエアコンが搭載されている。HFO-1234yfは長期使用により徐々に分解が進むことで酸が発生する性質があるため、従来のホースでは樹脂が腐食するという問題があった。この対策として、ポリアミド樹脂に受酸剤を配合して酸を取り込む設計とし、樹脂の腐食・冷媒の漏えいを防ぐことに成功した。すでにこの技術の特許を取得している。欧州をはじめ、米国でも販売活動を強化していく考え。(2015年4月30日付プレスリリースより)

  3. メキシコのYokohama Industries Americas Mexicoが操業開始し、現地自動車メーカーに納入を開始する。

    -メキシコで自動車用ホースアセンブリー工場の開所式を開催した。同工場は同社グループ初となるメキシコの生産拠点で、全額出資子会社であるYokohama Industries Americas Inc.のメキシコ工場としてアグアスカリエンテス州に設立し、1月から操業している。エアコンホースやトランスミッションオイルクーラーなど自動車用ホースアセンブリーを生産しており、メキシコ国内向けに供給している。(2015年6月2日付日刊自動車新聞より)

  4. Yokohama Rubber (Thailand) Co., Ltd. (タイ) にてディーゼルターボオイル供給ホースを、現地自動車メーカーに納入を開始する。

    -トヨタ自動車が開発したGDエンジンを搭載する新型 「Hilux」 の一部に、ディーゼルターボ用オイル供給ホースが採用されたと発表した。取り付けの自由度を大幅に高められるフレキシブルなテフロンホースを使用している。同社が得意とする金具とホースの組立技術を活用し、開発した。これにより、エンジンレイアウトのコンパクト化によって、取り付け間隔が狭くなっているディーゼルターボ用のオイル配管で、取り付け工数の削減に貢献する。また、製品テストを簡素化できる治具を開発するなどして、製品1個当たりの完成スピードを向上した。2015年2月から長野工場で生産を開始していたが、16年からはタイのYokohama Rubber (Thailand) Co., Ltd.に移管し、量産している。(2016年8月31日付日刊自動車新聞より)



2017年12月期見通し

(単位:百万円)
2017年12月期
(予想)
2016年12月期
(実績)
増減率
(%)
売上高 660,000 596,193 10.7
営業利益 50,000 42,317 18.2
経常利益 48,000 39,131 22.7
親会社株主に帰属する当期純利益 30,000 18,787 59.7


-2016年8月10日、2016年12月期連結業績見通しを下方修正すると発表。前回公表値から売上高を520億円マイナスの6千億円、営業利益を170億円減の380億円、最終利益を140億円減の200億円に下方修正した。為替レートが円高に推移したことに加えて、主力のタイヤ事業がロシアや中南米、北米を中心に販売が当初の想定を下回る見込みとなったため。MB事業も需要が低迷していることや、7月に買収完了したオランダのAlliance Tire Group B.V. (ATG) の買収に伴うのれん償却と取得関連費用も織り込んだ。(2016年8月12日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)


研究開発費

(単位:百万円)
2016年12月期 2015年12月期 2014年12月期
全社 14,483 14,221 13,438
-タイヤ事業 10,026 9,996 8,985
-MB (工業品) 事業 2,762 2,666 2,180
-研究開発本部 1,265 1,250 1,349

研究開発拠点

-基盤技術に関する研究開発は研究本部が、直接製品にかかわる研究開発はタイヤ事業、MB (工業品) 事業、その他の技術部門が担当。

タイヤ事業

拠点名 所在地
RADIC研究開発センター 神奈川県
平塚市
日本
D-PARC
総合タイヤテストコース
茨城県
久慈郡
日本
北海道タイヤテストセンター 北海道
旭川市
日本
Tire Test Center of Asia
総合タイヤテストコース
ラヨーン県
タイ
Yokohama Tire Test Center of Sweden
冬季タイヤテストコース

Visttrask
スウェーデン


<日本>
-2016年1月、北海道旭川市に完成した冬用タイヤテストコース 「北海道タイヤテストセンター (Tire Test Center of Hokkaido:TTCH)」 の開所式を行ったと発表。敷地面積は906,462平方メートル。直線が約1kmにおよぶ圧雪路のほか、氷盤路、登坂路、雪上/氷上旋回路、ハンドリング路を備えている。乗用車で時速100km以上のテスト走行ができるほか、トラックやバスについても登坂など様々な路面状況で制動・発進・加速テストができる。(2016年1月26日付プレスリリースより)

<米国>
-2016年8月31日、米ノースカロライナ州にタイヤ研究開発センターを新設し、今月から研究開発活動を開始すると発表した。これに合わせて北米の研究開発スタッフを現状の2倍に拡大し、北米市場に適した新製品の開発を加速する。これまで北米市場向けのタイヤ開発拠点は米国内の複数の州と日本に分散していた。今後は新拠点に集約することで開発体制を強化する。まず消費財タイヤの設計から開始し、その後、生産財タイヤの設計、試験、評価、技術サービス、品質保証に業務範囲を拡大していく。また、研究開発活動の拡大に応じて研究設備などへの追加投資も視野に入れる。(2016年9月1日付日刊自動車新聞より)


共同開発

接着劣化の3次元解析で新技術
-2017年5月22日、東北大学多元物質科学研究所の陣内研究室、日立ハイテクノロジーズと共同で、世界で初めてタイヤ内のゴムとスチールコードの接着劣化を3次元で解析する技術を開発したと発表した。接着劣化しにくい材料配合や新素材などの研究に今回開発した技術を活用し、耐久性の高いタイヤ開発につなげていく。解析技術の開発では、日立ハイテクのリアルタイム3DアナリティカルFIB―SEM複合装置「NX9000」を活用した。これに陣内研究室が開発した画像処理技術を組み合わせることで、劣化した接着界面の正確な把握と劣化によって発生する元素レベルでの組成変化を解析することに成功した。(2017年5月23日付日刊自動車新聞より)


研究開発活動

流体音響シミュレーション
-同社研究本部と藤井孝蔵教授 (宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所) らの研究チームは、世界で初めて、限りなく実スケールに近いレベルで路面上を回転するタイヤ周りの空気の渦流れ構造 (乱流) とそこから発生する音響波 (騒音) を捉える流体音響シミュレーション技術の開発に成功。同技術は2016年10月、HPCI (High Performance Computing Infrastructure) 利用研究課題の優秀成果賞を受賞した。



製品開発

タイヤ事業
-欧州と中国市場向け新車装着用 (OE) タイヤと市販用タイヤのトレッドパターンを共通化する。共通化に向けてタイヤの開発手法を変更し、OEタイヤのトレッドパターンを先行開発した後、市販用タイヤに同じトレッドパターンを採用する。OEタイヤは、車両の目標性能などに応じて開発するため、同じ銘柄のものであっても市販用タイヤとトレッドパターンが異なっていた。中国や欧州市場では、OEタイヤと同じ製品を交換用でも購入したいというニーズが高いため、トレッドパターンを統一することで市販用タイヤの売り上げ拡大につなげていく。(2016年4月28日付日刊自動車新聞より)


設備投資額

(単位:百万円)
2016年12月期 2015年12月期 2014年12月期
全社 35,900 50,900 55,300
-タイヤ事業 25,200 45,400 50,500
-MB (工業品) 事業 5,200 4,200 3,500


2016年12月期の設備投資内容

  • タイヤ事業国内工場:新商品の上市およびタイヤのハイインチ化・高性能化に対応するため、国内工場の製造設備の増強、生産性向上および品質向上を図った。海外子会社においても生産能力の増強を図った。
  • MB (工業品) 事業:各種ホースを中心とした生産能力を増強したほか、品質向上を図り、52億円の設備投資を実施した。


国内投資

タイヤ事業
-2016年2月、愛知県新城市にある新城工場で乗用車用大径タイヤを現在比約2割増産すると発表。約37億円を投資する。2017年6月にラインを立ち上げて、18年4月までにフル生産を可能とする。今回の能力増強では18インチ以上の高性能タイヤを対象とする。同社はメルセデス・ベンツやアウディ向けのOEタイヤとして大径タイヤの納入を増やしており、それに伴い大径タイヤは増産が求められていた。また、大径タイヤはSUV人気やOEタイヤの大径化を背景に世界的に需要が拡大する見通し。利益率が高く価格も下落しにくいため、供給能力を高めて収益性向上を図る。(2016年2月16日付日刊自動車新聞より)


海外投資

タイヤ事業

-同社は、北米に開発体制を構築する。3月から開発部門の責任者などを北米に配置し、製品開発に関する権限を委譲。その後、開発に必要な設備など順次整える。場所は生産拠点に併設する。15年に稼働したミシシッピ工場などを候補としており、今後検討していく。SUVの販売が好調な北米では、収益性が高い大径タイヤの販売が伸張しているほか、オールシーズンタイヤなど北米特有の需要がある。現地で地域ニーズに沿った開発体制を整えることで、販売拡大につなげていく。(2016年2月13日付日刊自動車新聞より)

<ロシア>
-同社は、ロシア工場で欧州市場向けのタイヤの生産を開始したことを明らかにした。資源価格の下落や通貨安の影響でロシア経済が悪化、タイヤの需要も低迷しており、同社のロシア工場の稼働率も低い水準で推移していた。生産能力の余剰分を活用し、欧州で販売する市販用タイヤを生産、工場の稼働率を引き上げる。ユーロに比べてルーブル安が進行したため、ロシアから欧州向けの輸出は為替の面でもメリットが大きく、ロシア事業の収益改善に結びつける方針だ。横浜ゴムでは、ロシアのタイヤ需要動向を踏まえながら欧州市場向けタイヤの輸出を増やしていく方針で、欧州向け新車装着用タイヤの供給も視野に入れる。日本やフィリピンの生産拠点はロシア向けタイヤの生産を減らしていく構え。(20161220日付日刊自動車新聞より)



MB (工業品) 事業

-2016年9月、Yokohama Industries Americasがケンタッキー州にあるVersailles工場に5.2百万ドルの設備投資を行うと発表した。同社のホース部門の工場に生産ラインを2本追加する。同工場では、車載エアコンシステム、パワーステアリングシステム、トランスミッションオイルクーラーシステム向けのホースASSYを生産している。 (2016年9月29日付Kentucky Cabinet for Economic Developmentの発表より)


設備の新設計画

(2016年12月31日現在)
事業所
(所在地)
事業 設備内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
完成後の
増加能力
平塚製造所
(神奈川県平塚市)
タイヤ 生産設備 7,569 2016年
1月
2017年
12月
-
三重工場
(三重県伊勢市)
タイヤ 生産設備 5,364 2016年
1月
2017年
12月
-
三島工場
(静岡県三島市)
タイヤ 生産設備 3,192 2016年
1月
2017年
12月
-
新城工場
(愛知県新城市)
タイヤ 生産設備 11,489 2016年
1月
2018年
4月
生産能力
20%増加
尾道工場
(広島県尾道市)
タイヤ 生産設備 1,896 2016年
1月
2017年
12月
-
平塚製造所
(神奈川県平塚市)
MB (工業品) 生産設備 5,856 2016年
1月
2017年
12月
-
長野工場
(長野県下伊那市)
MB (工業品) 生産設備 2,448 2016年
1月
2017年
12月
-
蘇州優科豪馬輪胎有限公司
[Suzhou Yokohama Tire Co., Ltd.]
(中国江蘇省)
タイヤ 生産設備・その他の設備 26,500 2013年
7月
2021年
12月
生産能力
600万本/年
Yokohama Tire Philippines, Inc.
(フィリピン クラーク特別経済区)
タイヤ 生産・その他の設備 11,000 2013年
5月
2017年
11月
生産能力
25%増加