(株) タチエス 2015年3月期の動向
業績 |
(単位:百万円) |
2015年 3月期 |
2014年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
売上高 | 250,940 | 219,661 | 14.2 | -国内販売は減少したものの、北米・中南米および中国での販売増加や、為替変動による円換算額増加等により、増収。 |
営業利益 | 1,672 | 1,337 | 25.1 | -国内での合理化効果に加え、海外では量産立ち上げにかかる一時費用の発生はあったが、北米での売上高増加による利益貢献等により、増益。 |
経常利益 | 4,615 | 4,635 | (0.4) | - |
当期純利益 | 882 | 1,627 | (45.8) | - |
部門別売上高 | ||||
-日本 | 117,472 | 123,379 | (4.8) | - |
-北米 | 51,359 | 38,587 | 33.1 | -新規受注車の販売増加等により、増収。 |
-中南米 | 53,554 | 37,122 | 44.3 | -新規受注車の販売増加等により、増収。 |
-欧州 | 484 | 946 | (48.8) | -部品販売の減少等により、減収。 |
-中国 | 25,130 | 19,336 | 30.0 | -新規受注車の販売増加等により、増収。 |
-東南アジア | 2,939 | 287 | 924.0 | -TACHI-S Automotive Seating (Thailand) Co., Ltd.を連結の範囲に含めたことにより、増収。 |
合弁事業
-米Lear社との合弁会社4社の出資比率を見直すと発表。このうちタイ、米国の2社を同社の完全子会社にする。出資比率を見直すことにより、各地で顧客対応を迅速化する。Learとは海外での日産自動車向けシートの供給で提携し、2005年以降、英国、米国、タイ、インドに合弁会社「TACLE Seating」を展開してきた。提携から8年が経過し、各地域での運営・生産が安定化してきたことから合弁形態を見直して事業強化を図る。英国、インドの合弁会社はLearが完全子会社化して事業を継続する。 (2014年4月18日付日刊自動車新聞より)
海外事業
- シート生産開始: 中国:襄陽 (2014年10月) と大連 (2014年10月)
- 部品生産 (縫製およびシートフレーム) 開始: 中国、タイ (2014年6月)、メキシコ (2014年10月)
受注
-2015年3月期のシートの主な受注: ( ) は同社生産立ち上げ時期、*はフレームのみ
自動車メーカー | 地域 | モデル |
ホンダ | 日本 | 「N-BOX Slash」 (2014年12月)、「Jade」 (2015年1月)、「S660」 (2015年3月) |
米国 | Acura 「TL」 (2014年7月) | |
メキシコ | 「HR-V」 (2015年1月) | |
中国 | 「Spirior (思鉑睿)」 (2014年11月) | |
日産 | 米国 | 「Murano」 (2014年10月) |
メキシコ | 「NP300 Frontier」* (2014年12月) | |
ブラジル | 「March」 (2014年5月)、「Versa」 (2014年12月) | |
中国 | 「Leaf (聴風)」* (2014年7月)、「X-Trail (奇駿)」 (2014年10月)、Infiniti 「Q50L」 (2014年10月) 「QX50」(2014年12月) | |
タイ | 「NP300 Navara」* (2014年6月) | |
吉利 (Geely) | 中国 | 帝豪 (Emgrand) EC718 (SDN) (2014年6月)、帝豪EC718 (HB) (2014年6月)、帝豪EC9 (2015年1月) |
受賞
-2015年3月期の主な受賞:
顧客 | 表彰名 | 受賞者 |
Honda de Mexico, S.A. de C.V. | Excellence in Quality and Delivery Award | TACHI-S Mexicoグアダラハラ工場 |
日産自動車 (株) 追浜工場 | 日産追浜工場賞 | タチエス平塚工場 |
東風日産乗用車公司 | Regional Quality Award (China) | 広州泰李汽車座椅有限公司 [TACLE Guangzhou Automotive Seat Co., Ltd.] |
東風本田汽車有限公司 | 品質優秀サプライヤー賞 | 武漢泰極江森汽車座椅有限公司 [Wuhan TACHI-S Johnson Controls Automotive Seat Co., Ltd.] |
長期ビジョン「Global Challenge 177 [GC177]」
-Global Seat System Creator (グローバルでフレーム開発からシート生産まで行う) を目指す。
-3つの目標
- 品質No.1
- 営業利益率7%
- 世界生産シェア7%
-グローバル対応
- 主要地域での開発体制確立
- 生産拠点の拡大・整備
- 部品事業拠点の拡大
-競争力ある体質への変革
- 提案力の強化
- モノづくり力の強化
- 変化への俊敏な対応
2016年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2016年3月期 (予想) |
2015年3月期 (実績) |
増減 (%) |
|
売上高 | 282,000 | 250,940 | 12.4 |
営業利益 | 6,000 | 1,672 | 258.8 |
経常利益 | 8,500 | 4,615 | 84.2 |
当期純利益 | 3,400 | 882 | 285.2 |
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2015年3月期 | 2014年3月期 | 2013年3月期 | |
全社 | 4,252 | 4,716 | 4,026 |
-2016年3月期の研究開発費は、3,845百万円を予定。
研究開発拠点
タチエス技術・モノづくりセンター | 東京都青梅市 |
アドバンスト・テクノロジー・センター | 東京都青梅市 |
タチエス技術センター愛知 | 愛知県安城市 |
TACHI-S Engineering U.S.A. Inc. | 米国ミシガン州 |
TACHI-S Engineering Europe S.A.R.L. | フランス ヴェリジー・ビラクブレー市 |
福州泰昌汽車座椅開発有限公司 [TACHI-S Engineering China Co., Ltd.] |
中国福州市 |
TACHI-S Engineering Latin America S.A. de C.V. | メキシコ アグアスカリエンテス州 |
TACHI-S Engineering Vietnam Co., Ltd. | ベトナム ホーチミン市 |
研究開発体制
-新製品の開発および新技術の基礎研究は、主に国内の技術・モノづくりセンターにおいて効率的な開発を行うとともに、米国・欧州の拠点および国内外の技術提携先企業等を通じて、先進技術や周辺技術の積極的な情報収集を実施している。また、蓄積された新製品・新工法技術は、同社直接または米国・欧州の拠点を通じて、グローバルに自動車メーカー各社や同部品メーカー各社に提案し、採用されている。
-国内において1999年8月に富士機工株式会社と、2006年11月には河西工業株式会社とそれぞれ業務提携を行い、機構部品および樹脂成形部品の技術開発力の向上、海外研究開発拠点の共同利用等、グローバルな視点での内装部品の商品力強化につなげる。
-日本国内において開発・生産・調達のモノづくりに関わる部門を集約すべく、2012年8月に東京都青梅市に技術・モノづくりセンターを開設。
-中国においては、2008年8月に福州泰昌汽車座椅開発有限公司 [Tachi-S Engineering China Co., Ltd.] を設立以降、同広東省広州市、同浙江省浙江市、同河南省鄭州市にも開発拠点を開設し、合計4カ所の開発拠点を保有している。
研究開発活動
シートおよびオリジナル機構部品開発
-自動車およびその他乗り物用シート、またシートのリクライニングデバイス、スライドレール、大移動量リフター、床下格納デバイス、RV車用シートのロングスライドレールおよびその付属機構、回転ユニット等の開発をシートシステムとして行い、得意先各社へ採用が進んでいる。
安全性向上技術開発
-安全性向上として、3点式シートベルト組込シート、サイドエアバック組込シート、乗員感知式スマートエアバック対応シート、頸部障害軽減システム等の開発をシートシステムとして行い、顧客から採用されている。また前後面、側面衝突に対応した安全シート構造の研究開発を行っている。
環境対応技術開発
-環境対策では、各種環境負荷物質の全廃に向けての対応や、自動車の燃費向上のため新材料、新構造技術を織り込んだ超軽量シートの開発等を行い、得意先各社へ提案し採用されている。
福祉車両商品の開発
-福祉車両用に操作性、乗降性に優れたヘルパーシートの開発を行い、得意先各社へ提案し採用されている。
原価低減商品の開発
-標準化、共通化を踏まえた低コスト次世代シートを開発し、国内外の得意先各社に採用されている。
生産技術開発
-接着成形シートの改良技術開発、ヘッドレスト、アームレストの一体発泡成形技術開発、シート組立の省力化・自動化技術開発、CAD/CAMによる型製作等を展開。また、多品種少量生産を可能にした混流ラインを開発し、車種数や商品構成の増加に対応している。
シートの研究分野
-より快適なシートの開発を目指し、「座り心地」評価と、あるべきシートの構造方式について自主研究を継続。さらに、短期間での性能、質量、コストのバランスの取れた設計のため、CAE解析を行い開発期間短縮、コストダウン等を貢献。
シートデザインの開発
-将来シートコンセプト、新商品のデザイン開発、コーポレートデザインなどシートを含め同社に関するあらゆる分野のデザイン開発を独自で取組み、得意先各社へ提案し採用されている。
標準フレーム
-多様な車種で共通して使うことができる汎用性の高い標準フレームを独自に開発、得意先各社へ提案し採用されている。
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2015年3月期 | 2014年3月期 | 2013年3月期 | |
全社 | 6,067 | 9,075 | 4,535 |
-2015年3月期の地域別設備投資額は以下の通り:
地域 | 主な内容 | 投資金額 (百万円) |
日本 | 新規受注およびモデルチェンジ等に伴う生産対応設備のほか、情報システムの変更 | 1,128 |
北米 | 新規受注およびモデルチェンジ等に伴う生産対応設備 | 1,501 |
中南米 | 新規受注およびモデルチェンジ等に伴う生産対応設備 | 1,344 |
欧州 | 新規受注等に伴う生産対応設備 | 230 |
中国 | 新規受注および生産設備の更新 | 1,602 |
東南アジア | 新規受注および生産設備の更新 | 258 |
-2016年3月期の設備投資額は、7,688百万円を予定。
主な設備の新設計画 |
(2015年3月31日現在) |
会社名/事業所名 | 設備の内容 | 投資予定総額 (百万円) |
着工 | 完成予定 |
武蔵工場 | 自動車座席用製造設備 | 396 | 2015年04月 | 2016年03月 |
鈴鹿工場 | 自動車座席用製造設備 | 292 | 2015年10月 | 2016年06月 |
Industria de Asiento Superior S.A. de C.V. | 自動車座席用製造設備 | 965 | 2015年04月 | 2016年03月 |
TACHI-S Engineering Latin America, S.A. de C.V. | 自動車座席の実験設備 | 199 | 2015年05月 | 2015年09月 |
泰極愛思 (広州) 投資有限公司 [TACHI-S China Co., Ltd.] |
自動車座席の実験設備 | 146 | 2015年07月 | 2015年12月 |
泰極愛思 (武漢) 汽車内飾有限公司 [TACHI-S Trim Wuhan Co., Ltd.] |
自動車座席用製造設備 | 242 | 2015年10月 | 2015年12月 |