Schaeffler Group (Schaeffler Technologies GmbH & Co. KG) 2010年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2010年
12月期
2009年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 9,495 7,336 29.4 -
純利益 63 (1,204) - -
自動車部門
売上高 6,341 4,743 33.7

要因
1)
-2009年の市況の低迷からの回復により、2010年の同社自動車部門売上高は前年比33.7%増の6,341百万ユーロ(2009年:4,743百万ユーロ)となった。

-同部門は、アジアおよび北米市場の急峻な回復により、2桁台の成長を遂げた。また、新規プロジェクトの立ち上げも好影響となった。さらに、乗用車のダウンサイジングにともない、可変バルブ制御システムの導入が進んだことが同社売上を平均以上に高めたとしている。

-自動車業界の市況の回復が広範に進んでことにより、同社自動車部門の個々の事業部においても収益を前年より増加させた。2009年に比べて、平均の月次の受注件数は40%増加し、全工場の稼働率が2010年第2四半期から高いレベルで推移している。
 

受注

-CVT(無段変速機)の変速チェーンで日系自動車メーカーの新規受注にめど。日系メーカーとチェーン式CVT開発の相互協力に着手、数年後に採用される見通し。日系には2009年に富士重工業への供給を開始しており、これに続く納入先の開拓となる。チェーン式CVTは、高出力エンジンの燃費改善に効果を持つ技術。(2010年7月26日付日刊自動車新聞より)

受賞
-Schaeffler Brasil Ltda.は、トヨタ・メルコスールから「Quality Achievement Performance Certificate」を受賞した。(2010年5月12日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2010年12月期 2009年12月期 2008年12月期
全社 467
384 -

 

研究開発体制

-世界中にある40ヶ所を超える研究開発センターで約5,000名が新製品や新技術の開発に従事。

特許

-出願中の技術を含み16,000以上の特許を取得。2010年には、約1,600件の新技術を開発し特許を取得している。

研究開発拠点

<日本>
-自動車部品の研究開発センターを同社が買収した独コンティネンタルグループの横浜エンジニアリングセンター(横浜市神奈川区)内に設立する。メカ部品の得意などうしゃは、電子制御に強みを持つコンティネンタルと連携を図りながら、次世代の環境・安全技術における優位性の確立を目指す。その一環として日本ではコンティネンタルの施設を活用、協業体制の構築を進めるとともに、投資を効率化して競争力の向上に結びつける。また、一部の開発機能については 当初計画に対し1年前倒しとなる2011年に立ち上げる。(2010年8月5日付日刊自動車新聞より)

製品開発

ハイブリッド車のコンセプトモデル
-ハイブリッド車のコンセプトモデル「Schaeffler Hybrid」を開発。この車両はガソリンエンジンのほか、電気モーターユニット、ホイールハブモーター2個、リチウムイオン電池(16kWh)を搭 載。駆動方式はエンジンのみ、パラレルまたはシリアルハイブリッド、電気モーターのみの3つに対応。ホイールハブモーター「eWheel Drive」は自社開発。電気モーターは、ドイツ子会社のINA - Drives & Mechatronics GmbH & Co. oHG (IDAM)が開発・生産した。同社はハイブリッド車・電気自動車用部品として、ハイブリッドクラッチ、電気機械式シャシー・ステ アリング部品、フェイススプライン付ディファレンシャル、エレクトリックディファレンシャルなどを生産している。(2010年4月30日付プレスリリース より)

デュアルマスフライホイール

-デュアルマスフライホイール(DMF)のラインナップを拡充。DMFは同社傘下のLukが1985年に導入。2008年には遠心振り子式制振装置を備えたDMFが、初めてBMW「330d」および「320d Efficient Dynamics Edition」に採用された。また、Lukは小型車向けDMF「ZmartDamp」を開発している。ドイツ、ハンガリー、中国にDMF製造拠点を置いており、年間計600万個超を生産中。(2010年8月17日付プレスリリースより)

TURBOチャージャー
-Continentalが開発したガソリンエンジン用新型ターボチャージャーの量産を来年から開始する。計画では、2014年までに年産能力を200万個 にまで引き上げることにしている。このターボチャージャーは完全自動組み立てを採用していて、品質と低価格を両立する。予定では、欧州のガソリンエンジン プラットフォームモデルに供給することになっている。(2010年1月25日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
セグメント 2010年12月期 2009年12月期 2008年12月期
会社合計 386 325 -
自動車部門 156 88 -

 

海外投資

<アジア地域>
-同社は、今後数年間に渡ってアジア地域に300百万ユーロ規模の投資を行うと発表した。中国に2工場を建設し、ロールベアリングやエンジン・トランスミッション 部品を生産する計画。また、インドにも新工場(1拠点)を建設する。これら3工場はすべて2012年までに完工予定。投資の一部を中国、インド、韓 国、ベトナムにある既存生産拠点の強化に充てるという。同社は既に中国と韓国に開発拠点を置いているが、インド、日本にも開発拠点を設立する計画。(2010年7月19日付プレスリリースより)