CIE Automotive, S.A. 2017年12月期の動向

近年の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
2017年12月期 2016年12月期 増減率 (%) 要因
全社
売上高 3,724.5 2,879.0 29.4 -
純利益 530.5 407.5 30.2 -


要因
-2017年12月期の自動車部門売上高は、前年比29.4%増の2,266.5百万ユーロ。すべての地域において市場の予測を上回ったことによる差益が寄与した。

企業買収

-同社とrupo Amaya Telleriaは、同社がAmaya Telleriaの全株式を取得することで合意したと発表した。取得金額は186百万ユーロ。Amaya Telleriaは、スペインのビスカヤ県Ermuaを本拠とし、同国のバスク州およびガリシア州のほか、スロバキア、メキシコ、ブラジルにそれぞれ生産子会社を保有している。アルミ射出成形や研磨技術を用いて、主にシャシー部品、トランスミッション部品、エンジン部品を生産している。(2016年5月9日付プレスリリースより)

-同社のインド子会社Mahindra CIE Automotive Limited (MCIE) は、Bill Forge Private Limited (BFPL) の全株式を13,312百万ルピーで取得すると発表した。この買収は、成長力の高いアジア市場においてMCIEに利益の増加をもたらし、鍛造事業におけるCIEグループおよびMCIEの世界的リーディングカンパニーの位置付けをさらに強化するものであるとしている。BFPLの補完的な製品と顧客ベースを加えることで、MCIE Indiaの事業ポートフォリオに大幅な多様化をもたらすという。1982年設立のBFPLは、インドBangaloreを本拠とする精密鍛造メーカー。インドではBangalore、Coimbatore、Haridwarにあわせて6つの工場を保有するほか、近くメキシコのCelayaにも新たに工場を開設する予定。インド国内外の二輪車・乗用車メーカーに納入する主要ティア1サプライヤーであり、主にステアリング、トランスミッション、ホイール関連の各種鍛造部品 (コールド、ウォーム、ホット) および機械加工部品を生産している。買収手続きは、2016年10月末までに完了する予定。(2016年9月12日付プレスリリースより)

再編

-Mahindra CIE Automotiveは、同社の海外子会社2社と親会社の合併案を承認した。合併されるのはMahindra Forging Global Limited (MFGL)とMahindra Forgings International Limited (MIFL)の2社。今回の合併により、MFGLとMFILが現在重複して行なっている法規制対応を削減することができる。MFGLとMFILはMahindra CIEの100%子会社で、今回の合併に伴う株式の発行はない。(2016年12月12日付け証券取引所報告資料より)

受賞

-2016年の受賞

授与者 受賞拠点 受賞名
GM CIE Autometal Diadema(ブラジル)
CIE Pemsa Celaya(メキシコ)
Bill Forge(インド)
OpEx(Operational Excellence)
Excellent quality supplier
Quality Excellence
Ford CIE Jardim sistemas(ブラジル) Best supplier
PSA ACS IBERICA(スペイン)
CIE NNORMA(スぺイン)
CIE COMPIEGNE(フランス)
PSA Best Plant
JAGUAR LandRover CIE Gameko(スペイン) Key supplier
CAT Nanging automotive forging(中国)
MCIE Gears(インド)
SQEP(Supplier Quality Excellence Process)
FCA CIE Pemsa Saltillo(メキシコ) Benchmark supplier
Mercedes-Benz CIE Durametal(ブラジル) 20 years collaboration
nexteer CIE Matic(メキシコ) Excellence in quality
NTN CIE Mar Sk(スロバキア) Logistic award
SIEMENS MCIE Gears(インド) Zero defect
RENAULT ACS France(フランス) Best quality improvement



中期計画 (2016-2020年)

2020年度目標

  • 売上高:  7%増
  • 純資産利益率:  20-25%
  • EBITマージン: 12%
  • 負債/EBITDA: 0.5倍
  • 設備投資額: 売上高の約6%

研究開発体制

-R&Dセンターを8カ所保有:

  • スペイン
  • ポルトガル
  • ドイツ
  • フランス
  • ブラジル
  • メキシコ
  • インド
  • 南アフリカ

研究開発活動

部品統合による駆動システムの最適化
-2013年、開発プロジェクト 「ODIN (Optimized electric Drivetrain by Integration)」 に参画。Bosch、Fuchs、GKN DrivelineおよびRenaultを始めとしたコンソーシアムが主導するこのプロジェクトは、高速電動モーターを用いた駆動システムの開発を行なっている。同プロジェクトの最終目標は低コスト・高効率な駆動システムの開発で、次世代ギアボックス、高速電動モーターおよび関連電子製品を一つのシステムとして統合するという。

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
2016年12月期 2015年12月期 2014年12月期
合計 186.4 166.6 127.9


-2016年12月期の設備投資額は186百万ユーロ。このうち109百万ユーロは既存工場の生産性、品質およびフレキシビリティ向上に、残りの77百万ユーロは新工場建設を含む能力拡大プロジェクトのための費用に充てられた。

海外投資

<ロシア>
-2015年11月、ロシアTogliattiの新工場が稼働開始。アルミ部品 (射出成形、機械加工) の生産に特化。

-2013年、ロシアのTogliattiに新工場を建設すると発表。AvtoVAZの工場近郊に位置し、RenaultのH4Mエンジン向けにアルミ部品を生産する。完成時のアルミ部品の年産能力は6,500トンで、従業員は約230名となる見通し。

<ブラジル>
-2015年7月、ブラジルPernambucoの新工場が稼働開始。FCA やTier 1サプライヤー向けに樹脂部品を生産する。

<中国>
-2014年、中国南京にある工場スペースを2倍に拡張。クランクシャフトの生産を新規開始、鍛造工場としての地位を確立。最初の電動パワーステアリング部品の供給を開始した。

<メキシコ>
-2014年、4工場 (機械加工、鍛造、プレス、アルミニウム) の着工開始。2017年の売上に寄与予定。

-2013年、子会社CIE Celayaの3,100平方メートル規模の工場拡張が終了。新規に受注した部品製造用の設備が設置された。

-Celayaに鍛造クランクシャフト専用のGreenfield熱間鍛造工場の建設を進めている。2013年第1四半期に建設が開始し、クランクシャフトの生産は2014年8月に開始予定。

<リトアニア>
-2012年、子会社CIE LT Forgeがクランクシャフト生産に関する公的機関からの認証を取得したことをうけ、クランクシャフト製造用の鍛造プレス機のラインを稼働。

国内投資

-2015年11月、子会社 CIE Galfor (スペイン Ourense) が、5本目のクランクシャフト鍛造ライン稼働開始。

-2011年12月、子会社CIE Galforがスペインで4番目のクランクシャフト製造ラインを稼働した。投資額は7百万ユーロ。同ラインの稼働により、年産能力が1百万ユニット増加し、2012年の生産能力は3.2百万ユニットになった。