(株) アドヴィックス 2017年3月期の動向

近年の動向

事業概況 (2017年3月期)

-2017年3月期の売上高は、国内外の得意先の生産台数増加などにより、前年比0.7%増の555,400百万円。
-営業利益は、収益体質強化活動の成果があったものの、為替差損などの減益要因により33.7%減の6,100百万円。

事業計画

-トヨタ自動車、アイシン精機デンソー住友電気工業は、アドヴィックスの増資と持ち株比率の変更で合意したと発表した。今年9月にアドヴィックスが103億3800万円の第三者割当増資を行い、アイシン精機、トヨタ、デンソーが引き受ける。併せて、デンソーは住友電工から株式譲渡を受ける。この結果、持ち株比率はアイシン精機が55%から51%へ、デンソーが18%から34%へ、住友電工が18%から6%へ変更される。トヨタは9%で変わらない。増資は、アドヴィックスの事業基盤強化に活用する。(2016年5月2日付日刊自動車新聞より)

受注

-トヨタ自動車のレクサス「LC500/LC500h」に、アルミ対向型の6ポットキャリパーが採用。世界で初めて「センターピントルク受け構造」を採用し、ブレーキ制御時に発生する音を抑制する。(2017年3月29日付日刊自動車新聞より)

-欧州メーカーの開拓を加速している。同社は独ダイムラーからブレーキキャリパーを初受注したのに合わせてチェコ工場を新設し、2015年から供給を開始した。当初「メルセデス・ベンツGLC」向けのみだったが、16年夏までに「Eクラス」や「AMG・C43」向けの受注を獲得した。「キャリパーのボディーを鋳鉄からアルミに置き換え、2割の軽量化を実現したことが評価された」(同社・ドイツ販売会社幹部)としている。同社では、欧州上級ブランドの電動車両向けの受注開拓を目指しており、ポルシェ、アウディにも提案を始めた。(2016年10月3日付日刊自動車新聞より)

研究開発費

(単位:百万円)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
合計 18,000 19,300 19,000

製品開発

-2016年4月、同社は年内に、10年先を見据えた技術開発の長期ビジョンを策定すると発表。長期的な視点のロードマップを示すことにより、次世代の技術や商品を効率的に開発する。長期ビジョンでは、先進運転支援システム(ADAS)など自動運転につながる技術への対応に加え、環境負荷を軽減できる新技術や製品開発を軸とする方針だ。同社では車両を安全に停止させる観点から、ADASの中でもブレーキシステムが重要な鍵を握るとみている。先行技術の開発を強化することで高精度なブレーキシステムを開発し、ADASの進化に貢献する。(2016年4月20日付日刊自動車新聞より)

設備投資額

(単位:百万円)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
合計 39,771 23,730 25,800

設備の新設計画

-2017年3月31日現在、同社はブレーキおよびシャシー関連製造設備等に22,000百万円を投資する計画。