Inergy Automotive Systems 2012年12月期の動向

ハイライト

事業概況

-2012年、同社は約17百万個の燃料システムを製造。同部品の世界市場シェアは21%。(同社調べ)

合弁会社

-2012年4月、同社とロシアの自動車部品メーカーDetalstroykonstruktsiyaは、ロシアに合弁会社DIPOを設立することで合意したと発表。同社が51%出資する新会社は、同社のStavrovo工場、DetalstroykonstruktsiyaのTogliatti工場を使用する。DIPOは燃料システムを製造し、供給先はAvtoVAZ、Ford、日産、RenaultおよびGM。

-2012年1月末、同社は、北京汽車工業 (BAIC) 子会社の北京海納川汽車部件 (BHAP) と、中国に合弁会社を設立すると発表。同社が60%、BHAPが40%を出資する。

受注

-2012年、同社はインドで現代自動車よりプラスチック燃料タンクを初受注したほか、Chennai近郊のRanipetに位置するトヨタ拠点より同様の契約を受注。

-2012年、同社はディーゼル車用SCR (選択触媒還元) システムの大部分をAudiへ納入する契約を締結した。2015年より、年間50万基の供給を開始する。受注金額は500百万ユーロ。このほか、GMやChrysler向けにも供給を行っている。(2012年2月2日付プレスリリースより)

受賞

-2012年12月、同社はトヨタより「World Quality award」を受賞。グローバルプラットフォーム向け製品の品質が高水準であったことが評価された。また、同年4月にはインド Vellore拠点が「Best Quality Supplier Award」をトヨタより受賞。インドで生産されたプラスチック製燃料システムが評価された。

開発動向

研究開発費

-研究開発費は売上の約1%。

研究開発体制

-世界の主要地域にR&Dセンターを5カ所、技術拠点を6カ所保有。

-同社は、フランスのCompiegne近郊にあるVenette拠点に国際研究開発センターを2014年に開設すると発表。排出ガス削減への取り組みにより、エネルギーや環境保護など自動車産業における今後の主要分野に対する強化・促進を目指す。また、現在Venetteおよびフランス中部Lavalに分割されている従業員430名と、ベルギーBrusselsにある研究開発センターのエレクトロニクスチームを新拠点に集約する。開設後2年以内に従業員約500名が勤務する見込み。(2012年6月28日付プレスリリースより)

製品開発

炭化水素、NOx、CO2排出の抑制
-TSBM (Twin Sheet Blow Molding) や、SCRで炭化水素、NOx、CO2等の削減を推進。
  • TSBM:燃料タンクを製造したあとに部品を溶接するのではなく、ブロー成形時に燃料タンク内に多くの部品を組み込むことで炭化水素の排出を抑制する技術。
  • DINOx Premium:第二世代のSCRシステムはディーゼルエンジン車のNOx排出を95%、CO2排出を最大8%削減することが可能。サイズの最適化や性能強化により、2014年に欧州で発効予定のEURO VIを含む排出・燃費基準に対応できる。

設備投資

海外投資

<米国>
-2012年、同社は米国ミシガン州のHuronにおいて燃料システム工場を開設。2011年6月にFordより買収したMilan工場からの生産移管を徐々に進めている。(2012年10月25日付プレスリリースより)

<メキシコ>
-2012年11月、同社はPuebla工場を建設しVolkswagen 「Jetta」向けの燃料システムの製造を開始。

<ロシア>
-同社は、2013年にロシアのSaint-Petersburgに新工場を建設すると発表。日産、GM、Fordに納入する予定。新工場を建設するのは、同社 (51%出資) とロシアの燃料システムメーカーDSKが2012年4月に設立した合弁会社。(2012年9月18日付プレスリリースより)

<中国>
-2012年、同社は瀋陽市と広州市で工場を建設中。GM、トヨタ、北京汽車向けの製品を2014年に製造開始予定。