Johnson Electric Group [徳昌電機] 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ドル)
  2013年3月期 2012年3月期 増減率 (%) 要因
全社
売上高 2,059.69 2,140.80 (3.79) 1)
営業利益 212.92 221.11 (3.70) -
税引き前利益 218.01 220.51 (1.13)
純利益 196.89 188.89 4.24
自動車用製品グループ(APG)
売上高 1,303.9 1,284.70 2.44 2)

要因
1) 全社の売上高は前年比4%減の20.6億ドル。自動車市場における顧客需要は好調だったが、工業製品の売上高が低いことや為替レートの変動、非中核企業の売却により売上高が減少。

2) 自動車部品部門の売上高は前年比6%増の12.3億ドル。アジアをはじめとする全ての主要市場で売上が好調だった。

自動車用製品グループ

-2012/13年度の売上額は、経常外項目を除いて前年比6%増の13.04億ドルとなった。自動車メーカー向けに燃費・安全性向上および排出ガス削減に貢献する製品を供給している。各主要地域で市場拡大を実現した。

<地域別>
- 為替の影響を除き、2011/12年度から2012/13年度までの売上高は、全社で前年比6%増、アジアで同8%増、欧州で同5%増、米州で同5%増となった。

- 中国を始め、アジア市場での販売が増加。冷却ファン、ロック、電動サンルーフなどの製品が好調に推移したことが増加に寄与。

- 欧州では、新製品を投入したことから冷却ファンや電動ウィンドウ用ギアモータードライブシステムの売上が増加。

- 米州では、ブラシレスエンジン冷却システム、ステッパーアクチュエータ、ドアロックおよびアジャスタブルシート向け製品の売上が増加。エンジン冷却ファン事業では、主に冷却ファンモジュールを自動車メーカーおよびティア1のサプライヤーに納入している。

- コスト効率が良く、軽量で高出力密度のモーターおよびサブシステムの開発に向けて、引き続き投資を行っている。これらの製品は、自動車の安全性および燃費向上、排出ガス削減に貢献する。

新工場

- メキシコのサカテカス (Zacatecas) に北米および南米顧客向けの生産拠点を建設する。第一段階として約7400平方メートルの工場を建設し、500名の人員を雇用する。工事はすでに開始しており、生産開始は2012年9月を予定している。なお同社は14の国と地域に22の工場を有している。 (2012年5月3日付けプレスリリースより)

- アジア、米州、欧州において徐々に拠点を拡大している。アジアでは、中国で広西チワン族自治区の北海市にある工場を拡張したほか、インドでも拠点を追加。米州では、メキシコにハブ拠点となる新工場を建設した。欧州においても、東欧で新たに生産工場の建設を検討している。

事業縮小

- 2013年2月、Saia-Burgess Controlsを1億ユーロでHoneywell Internationalに売却。Saia-Burgessは欧州を本拠とし、プログラマブルロジックコントローラーの生産・組立を行っている。Johnson Electricの非中核企業。2012年の売上額は69.9百万ドル。(2012年会社年報より)

開発動向

研究開発体制

- エンジニアリングセンターは、香港、ドイツ、スイス、英国、イタリア、日本、中国、イスラエル、米国に設置。

新製品

アクチュエータ
- タッチスクリーンディスプレイ向けに新しいハプティクスアクチュエータを発表した。ハプティック (触覚) フィードバックはすでに各種のコントロール系統に実用されているが、同社はこれを自動車技術の重要な要素と位置づけている。今回発表したLedex-HAブランドのHA110ハプティクスアクチュエータは最小サイズで、高い応答性と反応速度を実現。寿命は1,000万サイクル以上の長寿命で、従来型の20倍となる。Ledexブランドのアクチュエータは出力周波数が低く、人識別に非常に適しており、また刺激程度の調整が可能なため様々な環境下で多種の触覚効果が得られるのが特長。(2012年11月27日付けプレスリリースより)

EGR用モーター
- ユーロ6基準に対応する排気ガス再循環装置用EGRモーター製品ラインを発表した。この製品は従来品と同じ大きさでトルク30%増を実現。160℃の高温、50Gの振動という環境下においても正常な稼働が可能で、EMC (電磁両立性) はCISPR25標準の5級をクリアしている。(2012年10月25日付けプレスリリースより)

バルブアクチュエータ
- エンジン冷却回路とキャビン内冷房回路用のバルブアクチュエータ新製品を発表した。Saia-Burgessブランドとして市場に投入するこのアクチュエータは燃料効率の向上、排出ガスの低減、EV、HVの航続距離延長のために設計された。幅広い回転速度とトルク性能に対応し、各種パワートレイン用にカスタムデザインすることができる。またこのアクチュエータは作動温度、振動、取り付け位置により3つのクラスに分けられている。クラス1: シャーシー上に取り付け、温度105℃まで クラス2: トランスミッション上に取り付け、温度125℃まで クラス3: エンジン上に取り付け 温度140℃まで。サーモスタットに替えて精密バルブを使用することでエンジンの熱量管理性能を改善し、燃費の向上、排出ガスの低減を実現する。(2012年9月21日付けプレスリリースより)

ESCモーター
- 自動車の横滑り防止装置 (ESC) システム用のモーターシリーズを発表した。このESCモータ製品ラインには、磁気回路設計、巻き線パターン、コンミュテータ結線など様々な先進技術が採用されている。これらの技術により、最大350Wの出力と350時間以上の動作寿命を達成しており、これは競合製品に比べて出力で50%、製品寿命で15%の向上となる。(2012年8月28日付プレスリリースより)

モーター
- 2012年7月、新しいドアロックモーター、新型ハイブリッドウォームギアモーターの新製品を発表した。高い信頼性と低い拘束電流を特長とするこのモーターは、伝統的なDカットタイプウォームに替わるハイブリッドウォーム技術を採用し、取り付けは圧入式となっている。製品寿命、引抜き力、TIR (Total Indicator Reading) などで高い性能を実現。またこのハイブリッドウォームギアは真鍮ウォームギアの代替品にも適しているとしている。(2012年7月10日付けプレスリリースより)

電子スロットル制御モーター
- 2012年5月、電子スロットル制御モーター製品ラインを発表した。このモーターは高トルクで、振動に強く、作業温度範囲が広いのが特徴で、160℃の高温、50Gの振動という環境下での使用が可能である。磁気回路設計、巻線技術など独特の技術を応用したこのモーターは業界標準品 に比べEMC(電磁両立性)が大幅に向上しており、CISPR 25標準の5級をクリアしている。(2012年5月16日付けプレスリリースより)


サンルーフドライブモーター

- 2012年3月、業界内で最も軽量となるコンパクトタイプのサンルーフドライブモーターCompact Lite Sunroof Driveを発表した。 この製品は希土類磁石を使わない設計で、従来品に比べ30%の軽量化を実現、騒音も6デシベル軽減している。ギアボックス、整流器、ブラシホルダー、同社が特許を有する「カーブモーター」など独特の技術を採用し、振動を減少させ騒音を低くすることに成功した。低騒音化、コンパクト化によって車内空間をより 広く快適にすることができる。(2012年3月27日付けプレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
合計 82.6 91.3 85.6