住友ゴム工業 (株) 2013年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2013年
12月期
2012年
12月期
増減率 (%) 要因
全社
売上高 780,608 710,246 9.9 1)
営業利益 77,055 69,722 10.5
経常利益 74,581 67,351 10.7
当期純利益 44,794 35,451 26.4
タイヤ事業
売上高 681,099 619,361 10.0 2)
営業利益 69,850 63,089 10.7

要因
1) 全社
-天然ゴム相場が引き続き低位で安定的に推移したことに加えて、為替の円安による輸出環境の改善があったが、主にタイヤ海外市販市場において競合他社との競争が激化し、厳しい状況で推移。

2) タイヤ事業
-国内新車用タイヤは、自動車生産台数がエコカー補助金終了による国内向け生産の減少や海外への生産移管により前期を下回ったため、売上高は前期を下回った。
-海外新車用タイヤは、中国、インドネシアなどでの自動車生産の拡大に対応して販売数量を伸ばしたことにより、売上高は前期を上回った。

企業買収

<南アフリカ>
-南アフリカのアポロ・タイヤ・サウスアフリカ (アポロ南ア) の買収を完了したと発表した。アポロ南アの親会社であるアポロ・タイヤからアポロ南アの本社とレディスミス工場、販売ネットワーク、アフリカ30カ国とインド洋にある2カ国で「ダンロップ」ブランドタイヤの販売権と製造権を6,000万米ドル (約60億円) で買収した。アポロ南アは、社名を「スミトモラバー・サウス・アフリカ」に変更する。住友ゴムは今後、レディスミス工場を同社の南ア製造拠点と位置づけ生産能力を増強する。2016年には乗用車用、ライトトラック用タイヤの生産能力を現在の日産9,600本から同1万2,000本に引き上げる予定。(2013年12月10日付日刊自動車新聞より)

受注

-2013年の主な受注
製品名 搭載モデル
Grandtrek ST30 トヨタ 「Harrier」
SP Sport Maxx GT 600 DSST CTT 日産 「GT-R」
SP Sport Maxx GT 600 DSST CTT (NR1) 日産 「GT-R Nismo」
SP Sport Maxx TT マツダ 「Axela」
SP Sport Maxx 050 トヨタ 「Crown」
SP Sport 2050 トヨタ 「Crown Majesta」
Falken Eurowinter HS449 Volkswagen 「Polo」
エナセーブ050 ホンダ 「Accord Hybrid」、「Accord Plug-in Hybrid」
エナセーブ EC300 ダイハツ 「TanTo」
日産 「DAYZ/DAYZ Highway Star」
三菱 「eKWagon/eK Custom」
スズキ 「Alto Eco」
日産 「Lafesta Highway Star」
マツダ 「Premacy」
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2013年12月期 2012年12月期 2011年12月期
全社 21,822 19,538 19,273
-タイヤ事業 18,976 17,033 16,771
タイヤ事業が占める割合 (%) 87.0 87.2 87.0

研究開発体制

-グッドイヤーとの世界的提携に基づく技術交流を実施。テーマ別にプロジェクトチームを編成し、共同調査研究を行っている。
>>>グッドイヤーとの提携に関する詳細へ

研究開発拠点

-2009年に竣工した、タイヤテクニカルセンター (兵庫県神戸市) をタイヤ技術研究開発の中心とし、環境に配慮した次世代タイヤの開発を行う。

タイヤテストコース 岡山県美作市
北海道名寄市
北海道旭川市

製品開発

-2013年度の製品開発
製品名 内容 製品化予定
高機能バイオマス材料 非石油系の天然素材への材料置換 2016年
超・低燃費タイヤ「50%転がり抵抗低減タイヤ」 高純度天然ゴム「UPNR」と、ナノレベルで分子を最適化した「変性S-SBR (溶液重合スチレン・ブタジエンゴム)」を採用 2014年秋
高純度天然ゴム「UPNR」 燃費性能、耐摩耗性能ともに、既存の天然ゴムを使用する場合と比較して1割程度向上 2014年に発売する低燃費タイヤの一部で実用化
エナセーブ EC203 転がり抵抗12%低減、耐摩耗性はスタンダードパターンで9%、軽・コンパクトカー専用パターンで17%向上 2014年

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2013年12月期 2012年12月期 2011年12月期
全社 57,270 56,889 48,515
-タイヤ事業 54,268 53,940 45,777
タイヤ事業が占める割合 (%) 94.8 94.8 94.4

-タイヤ事業においては、主に国内工場の設備改善および生産設備の合理化・省人化、生産改善に投資。

-タイヤ事業の海外工場においては、主にタイ工場の生産設備増強、ブラジル工場の建設に投資。

-2014年全社投資予定金額は、63,249百万円。

海外投資

<ブラジル>
-自動車用ラジアルタイヤ工場「Sumitomo Rubber do Brasil Ltda. (SRB)」を開設。総投資額は750百万レアル (約353億円) で、敷地面積は約50万平方メートル。生産能力は、2015年末で日産15,000本を見込んでいる。(2013年10月4日付プレスリリースより)

<トルコ>
-同社にとってトルコ初となる乗用車用ラジアルタイヤ工場Sumitomo Rubber AKO Lastik Sanayi ve Ticaret A.S.を起工したと発表した。同工場は2013年2月に設立され、資本金は約30百万ドル (約29億円)。出資比率は住友ゴムが80%、Abdulkadir Ozcan Lastik Sanayi ve Ticaret A.S.が20%となっている。工場の敷地面積は100万平方メートル、総投資額は約5億ドル (約475億円)。2015年7月に生産を開始する予定で、2019年末までに日産能力は3万本を見込んでいる。(2013年9月10日付プレスリリースより)

設備の新設計画 (自動車事業関連)

(2013年12月31日現在)
会社名
事業所
(所在地)
設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手年月 完了予定
年月
完成後の
増加能力
住友ゴム工業
名古屋工場
(愛知県豊田市)
自動車タイヤ製造設備 5,487 2013年1月 2014年12月 -
住友ゴム工業
白河工場
(福島県白河市)
自動車タイヤ製造設備 8,802 2013年1月 2014年12月 -
住友ゴム工業
泉大津工場
(大阪府泉大津市)
自動車タイヤ製造設備 1,692 2013年1月 2014年12月 -
住友ゴム工業
宮崎工場
(宮崎県都城市)
自動車タイヤ製造設備 6,665 2013年1月 2014年12月 -
P.T. Sumi Rubber Indonesia
(インドネシア ジャカルタ)
自動車タイヤ・ゴルフボール
製造設備
5,451 2013年1月 2014年12月 -
住友橡膠 (常熟) 有限公司
[Sumitomo Rubber (Changshu) Co., Ltd.]
(中国 江蘇省)
自動車タイヤ製造設備 3,465 2013年1月 2014年12月 -
住友橡膠 (湖南) 有限公司
[Sumitomo Rubber (Hunan) Co., Ltd.]
(中国 湖南省)
自動車タイヤ製造設備 23,500 2010年9月 2017年12月 生産能力30,000本/月
Sumitomo Rubber
(Thailand) Co., Ltd.
(タイ ラヨーン県)
自動車タイヤ製造設備 10,670 2013年1月 2014年12月 生産能力14%増加
産業車両タイヤ製造設備 9,900 2012年5月 2017年12月 生産能力50,000本/月
SUMITOMO RUBBER DO BRASIL LTDA.
(ブラジル パラナ州)
自動車タイヤ製造設備 28,000 2011年7月 2016年12月 生産能力15,000本/日
Sumitomo Rubber AKO Lastik Sanayi ve Ticaret A.S
(トルコ共和国 チャンクル県)
自動車タイヤ製造設備 40,000 2012年10月 2019年12月 生産能力30,000本/日
Sumitomo Rubber South Africa (Pty) Ltd.
(南アフリカ共和国 クワズール・ナタール州)
自動車タイヤ製造設備 11,300 2013年12月 2016年12月 生産能力12,000本/日