Valeo S.A. 2012年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2012年
12月期
2011年
12月期
増減率 (%) 要因
売上高 11,759 10,868 8.2 1)
EBITDA 1,260 1,212 4.0 2)

要因
1) 売上高
-2012年の売上高は、前年比8.2%増の11,759百万ユーロとなった。売上高の84%をOEM向けが占めた。

-2012年はアジアでの伸びと北米市場の好調を背景に世界の自動車生産が前年比6%増加した結果、OEM向け売上が8%伸びた。アジア向け売上比率は2011年の22%から2012年は26%に上昇した。

2) EBITDA
-2012年のビジビリティシステム部門のEBITDAは前年比21.1%減。アフターマーケット向けの不振と新規プロジェクトの立ち上げコストが響いた。

-2012年のパワートレイン部門のEBITDAは前年比22.8%増加した。

企業買収

-2012年、奇瑞汽車 (Chery Automobile) 傘下の蕪湖奇瑞科技 (Wuhu Chery Technology) より、蕪湖羅比汽車照明系統 (Wuhu Ruby Automotive Lighting Systems) の株式80%を取得したと発表。残り20%は、蕪湖奇瑞科技が引き続き保持する。中国安徽省の蕪湖 (Wuhu) を本拠とする蕪湖羅比汽車照明系統は、社名を「蕪湖法雷奥汽車照明系統 (Wuhu Valeo Automotive Lighting Systems) 」に変更し、ValeoのVisibility Systems部門に統合される予定。Valeo Lighting Systems製品の開発・生産・販売を行い、中国市場において主に奇瑞汽車向けに納入する。 (2012年1月3日付プレスリリースより)

売却

<ユーシンへのアクセスメカニズム事業の売却>
-2012年、ユーシンは 仏ヴァレオのキーセットなどのアクセスメカニズム事業を2013年3月29日に171億円で買収すると発表した。ヴァレオがオランダに設立する同事業の統括会社の全株式を取得する。キーセットやドアハンドルの製品シェアで世界トップ3入りし、新興国を含めてさらなる事業拡大を図る。買収するのは、ヴァレオのキーセットやラッチ、ステアリングロック、ドアハンドルなどの開発・製造・販売部門。 (2012年12月3日付日刊自動車新聞より)

-2012年、ユーシンは 31日、鹿島建設に対する第三者割当で自己株式41万4900株を処分して約2億円を資金調達すると発表した。ユーシンは6月に仏ヴァレオのキーセットやラッチ、ステアリングロック、ドアハンドルなどのアクセスメカニズム事業の買収協議に入った。調達した2億円は、事業取得資金の一部に充当する。ユーシンは、売上高に占める海外比率を現在の3割弱から早期に7割以上に引き上げる計画を立てている。そのため、仏ヴァレオのアクセスメカニズム事業を傘下に収めることで、グローバルでの事業拡大を狙っている。 (2012年8月2日付日刊自動車新聞より)

-2012年、Valeoは、アクセスメカニズム事業をユーシンに売却する交渉を進めていると発表。同事業の製品にはロックセット、ステアリングコラムロック、ハンドル、ラッチなどが含まれる。欧州および南米に広く拠点を展開しており、2011年の売上額は620百万ユーロを記録。12の生産拠点を保有し、従業員数は4,500名にのぼる。今回のアクセスメカニズム事業売却により、ValeoはCO2排出削減に向けた施策に注力するとともに、アジアをはじめとする新興国市場における事業強化を目指す計画。 (2012年6月25日付プレスリリースより)

事業提携

-2012年、同社とV. Johnson Enterprisesは、合弁会社「Detroit Thermal Systems (DTS) 」を設立し、Automotive Components Holdings (ACH) のクライメートコントロール事業を買収した。DTSへの出資比率はV. Johnson Enterprisesが51%、Valeoが49%。今回買収した事業は、米国ミシガン州のPlymouth TownshipにSheldon Road工場を保有している。FordとACHは、2012年10月25日付で同事業をDTSへ売却することで合意。DTSは、これまでACHがFord向けに供給していた既存製品を含め、自動車用のクライメートコントロールシステムおよび部品を生産する。最終的に約500名の従業員を雇用する計画。今回の買収によりValeoは、サーマルシステム事業の拡大および、北米を含む世界規模でのFordとの関係強化を目指す。 (2012年10月29日付プレスリリースより)

-2012年、市光工業は、 業務提携している同社と、中国にあるランプ関係子会社と関連会社の再編で基本合意したと発表した。両社の中国にある子会社などの大半 を、両社の中国地区事業統括会社として新設したヴァレオ市光ホールディングの傘下に入れる。中国統括会社の出資比率はヴァレオが85%、市光が15%とす る。 (2012年9月11日付日刊自動車新聞より)

海外拠点

-2012年、ハンガリーVeszpremにおいて工場拡張の記念式典を行ったと発表。同工場では快適性・ドライブアシストシステムの生産を行っている。今後数年間で、同工場の生産能力は50%拡大する見込み。この他に、新たな研究開発施設の起工式も実施。新研究施設により、同拠点における研究開発エリアはこれまでに比べて倍増する。また、同工場の売上額は過去4年間で2倍以上増加しており、今回の工場拡張と研究開発施設の建設により、同拠点はValeoにとって東欧におけるドライブアシストシステムの最大拠点となる。なお、同工場では現在1,200名超の従業員を雇用しており、トップコラムモジュール、車載コンピューター、インテリアコントロールシステムなど、ステアリングコラムやインストパネルに搭載するハイテクシステムを生産している。 (2012年6月8日付プレスリリースより)

-2012年、中国広東省・広州 (Guangzhou) 市の花都汽車城 (Huadu Auto City) において、Valeo Niles工場を開設したと発表。同工場は、Valeoの快適性・ドライブアシストシステム (Comfort and Driving Assistance) 部門の傘下で、運転時の安全性・快適性の向上に向けた様々なスイッチ製品を生産する。現在の従業員数は160名。今後数年間で1,500名まで増員する計画。 (2012年5月11日付プレスリリースより)

受注

-2012年、「BeamAtic」ライトオートメーションと「LaneVue」車線逸脱警報システムが、Renaultの新型量産モデルに採用されたと発表。「Scenic」、「Grand Scenic」、「Megane」、「Megane Coupe」に加え、フェイスリフトした「Megane Estate」が対象となる。これらのシステムはValeoの多機能カメラに組み込まれ、フロントガラスとリアビューミラーの間に設置される。 (2012年5月9日付プレスリリースより)

-2012年、北京モーターショー2012で展示されたCitroenのコンセプトカー「Numero 9」に、同社の「FullLED」ヘッドランプの新製品が搭載されたと発表。このヘッドランプの3つのロービームモジュールはそれぞれ幅9mm・高さ40mmで、フローティングレンズが装着されたハイビームモジュールと組み合わさっている。 (2012年4月23日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2012年12月期 2011年12月期
快適性・ドライブアシストシステム 171 153
パワートレインシステム 147 130
サーマルシステム 149 154
ビジビリティシステム 131 124
その他 - -
合計 598 561

 

研究開発拠点

-2012年12月31日現在、世界に研究センター21カ所、開発センター40カ所を保有

-2012年、ハンガリーVeszpremにおいて工場拡張の記念式典を行ったと発表。同工場では快適性・ドライブアシストシステムの生産を行っている。今後数年間で、同工場の生産能力は50%拡大する見込み。この他に、新たな研究開発施設の起工式も実施。新研究施設により、同拠点における研究開発エリアはこれまでに比べて倍増する。また、同工場の売上額は過去4年間で2倍以上増加しており、今回の工場拡張と研究開発施設の建設により、同拠点はValeoにとって東欧におけるドライブアシストシステムの最大拠点となる。なお、同工場では現在1,200名超の従業員を雇用しており、トップコラムモジュール、車載コンピューター、インテリアコントロールシステムなど、ステアリングコラムやインストパネルに搭載するハイテクシステムを生産している。 (2012年6月8日付プレスリリースより)


研究開発活動

-2012年、パリモーターショーで、二酸化炭素 (CO2) 排出量を削減する自動車技術を披露した。「ハイブリッド4オール」は、あらゆるタイプの車両、特にエントリークラスの車両に搭載できるハイブリッド・パワートレーンで、アイドリングストップ機能や回生ブレーキ、トルクアシストとの組み合わせで燃費を約15%改善できるとしている。「電気式スーパーチャージャー」は小型エンジンの低速時のダイナミックレスポンスを改善、エネルギー回生システムとの組み合わせで20%近い燃費向上効果をもたらす。「エアインテークモジュール」はエンジンに取り込む空気と燃料の混合を改善、冷却システムの効率を高める。ガソリン、ディーゼルの両エンジンに使用でき、ターボエンジンをよりクリーンで小型化することを可能にする。このほか、多機能コントロールパネルや新LEDヘッドライトなどを展示している。 (2012年10月4日付日刊自動車新聞より)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2012年12月期 2011年12月期 2010年12月期
快適性・ドライブアシストシステム 214 209 127
パワートレインシステム 262 226 158
サーマルシステム 148 117 88
ビジビリティシステム 234 156 89
その他 21 9 6
合計 879 717 468