TE Connectivity Ltd. (旧 Tyco Electronics Ltd.) 2016年9月期の動向

業績

(単位:百万ドル)
2016年
9月期
2015年
9月期
増減率 (%) 要因
全体
売上高 12,238 12,233 0.0 1)
営業利益 1,902 1,749 8.7 -
輸送ソリューション部門
売上高 6,503 6,351 2.4 2)
営業利益 1,191 1,193 (0.2) -


要因
1) 全社
-2016年9月期の売上高は前年並みの12,238百万ドル。輸送ソリューション部門と産業ソリューション部門の増収が通信ソリューション部門の減収を相殺した。為替による悪影響は254百万ドルだった。本業の売上高は1.5%増となった。

2) 輸送ソリューション部門
-輸送ソリューション部門の2016年9月期売上高は前年比2.4%増の6,503百万ドル。本業の売上高は4.9%増加したが、為替の悪影響により2.7%相殺された。また、前年より1週間多かったため130百万ドル増加した。

-本業の売上高のうち自動車市場向けは5.6%増で、アジア太平洋地域が8.4%増、欧州・中東・アフリカ (EMEA) 地域が5.9%増、米州地域が0.9%減となった。アジア大洋州地域では電子化および中国でのシェア伸長、EMEA地域では電子化および新モデル発売が増収に貢献した。米州地域は北米市場の停滞と南米のマクロ経済の悪影響を受けた。

買収

-2016年9月期、スピードセンサーメーカーJaquet Technology Groupを含め4社を買収した。合計の買収額は13億ドル。(2016年9月期アニュアルレポートおよび2016年5月20日付プレスリリースより)

売却

-2016年3月、LittelfuseはTE Connectivityより回路保護事業の取得が完了したと発表した。買収金額は350百万ドル。同事業は、自動車、バッテリー、工業、通信、モバイルコンピューティングなどの市場において、ポリマーベースの回路保護機器で主要な地位を占めている。米国カリフォルニア州のMenlo Parkを本拠とし、中国では上海と江蘇省昆山 (Kunshan) に生産拠点があり、日本では筑波事業所を保有している。買収後もLittelfuseは引き続き、TE Connectivityの「PolySwitch」、「2Pro」、「PolyZen」などの回路保護製品の生産・販売を行う予定。(2016年3月25日付プレスリリースより)

2017年9月期の見通し

-2017年9月期の売上高は123億~129億ドルと予測。産業ソリューション部門と輸送ソリューション部門の売上高が増加し、通信ソリューション部門の減収を相殺する見通し。

-2017年9月期は自動車のグローバル生産台数が前年比1%増と予測、1台当たりの部品搭載数とマーケットシェア伸長により生産台数増を上回るペースの増収を見込む。また商用輸送機およびセンサー市場向けも増収と予測している。

研究開発費

(単位:百万ドル)
2016年9月期 2015年9月期 2014年9月期
全体 566 540 484
-輸送ソリューション部門 312 262 196

研究開発体制

-7,000名以上のエンジニアが研究開発、エンジニアリングに従事。

-過去3年間に開発された製品改良を含む新製品の売上高は、全社売上高の約20%を占める。

設備投資額

(単位:百万ドル)
2016年9月期 2015年9月期 2014年9月期
全社 628 600 635
-輸送ソリューション部門 429 400 379

海外投資

<中国>
-2017年1月、中国自動車事業部の蘇州保税区外工場(NEPZ工場)は第2期拡張工事の定礎式を行った。このプロジェクトの総投資額は1億米ドル。2017年稼働開始の予定。拡張後の工場の延べ床面積は4.5万平方メートルで、主にコネクター、ワイヤーハーネス、ジャンクションボックス及びセンサーなど新エネルギー車用部品を生産する。また蘇州保税区内工場(EPZ工場)も第3期拡張工事を計画しており、完成すれば工場延べ床面積は3.65万平方メートルに達する。こちらも2017年の稼働開始を目指す。(2017年1月10日付け各種リリースより)