Norsk Hydro ASA 2012年12月期の動向

ハイライト

近年の動向
熱交換器
-同社Hamburg工場に設置された圧延機により、熱交換器を製造。乗用車、商業車ほか、さまざまな分野で使用されている。同社によると、同事業で欧州最大規模の生産力を持ち、BehrデンソーModineなどを顧客に持つ。

アルミニウムシートおよびコイル
-同社はアルミシート・コイルサプライヤーでは欧州自動車業界で2番目に大きな規模を持つ。内装および外装車体パーツ、シャシー、コンポーネント用の部材を提供。主な顧客は、BMW、Daimler、Peugeot、Porsche。同事業は同社GrevenbroichおよびHamburg工場で行われている。

精密チューブ
-同社は、精密チューブなど伝熱材料を製造。同製品事業の約75%が自動車市場向け。同事業はグローバルに展開しており、欧州、北米、南米で大手の地位を築いている。また、アジアでも地歩を固めつつある。

受注

-2012年、イタリアの自動車設計会社PininfarinaとフランスのBollore Groupが共同開発したEV「Bluecar」のサイドウォールパネルに、同社のアルミニウムボディーシートが採用されていると発表。このシートは、ド イツGrevenbroichの圧延工場で開発・生産が行われた。2011年に生産された「Bluecar」は約3,000台。これらは全て、2011年 12月にフランス・パリで開始されたカーシェアリングプログラム「Autolib」で使用されている。また、Hydroは2012年に生産される 「Bluecar」向けに、圧延アルミニウム200メートルトンを追加受注した。この第2世代の「Bluecar」は、スチール構造において50kg超の 軽量化を実現する計画。この他に、HydroのRolled Visionチームは、EV用電池の特殊アルミホイルを開発している。さらに、同社は国際プロジェクト「LIGHT e-BODY」において、VolkswagenやFordのほか12の機関とともにEV用軽量ボディーの開発を行っている。 (2012年2月28日付プレスリリースより)

新工場

-2012年、中国江蘇省の蘇州 (Suzhou) 工業園区において、既存のアルミチューブ工場を2倍に拡張したほか、同拠点に新たに押出工場を開設したと発表。2011年はじめに開始されたこのプロジェクトへの投資額は、300百万ノルウェークローネ (約41百万ユーロ) 。今回、新たに設置された2台の押出プレス機のうち、1台は熱交換器用の部品に使用し、もう1台は顧客向けに加工などの付加サービスを行う予定。なお、Hydroは蘇州において、2005年にアルミチューブ工場を建設し生産を開始した。同工場では、熱交換器向けに精密引抜きチューブやマイクロチャネル製品などを生産。現在、蘇州拠点には約300名の従業員が勤務している。 (2012年11月20日付プレスリリースより)

工場閉鎖

-2012年、台湾のアルミ再溶解工場の売却に関して、Ting Sin Metal Co. Ltd.との間で拘束力のある契約を締結したと発表。Ting Sin Metalは、台湾市場に様々なアルミ合金製品の供給を行っている。今回の売却により、Hydroは台湾向けの一次金属製品の供給に注力する計画。売却完了は、2012年10月に予定されている。なお、同工場はHydroの完全子会社として2008年3月に設立。主に台湾に供給される押出インゴットの年産能力は、約75,000メートルトンとなる。 (2012年9月24日付プレスリリースより)

-2012年、ノルウェーのArdal工場においてアルミ製品用の再溶解工程を停止すると発表した。再溶解をしない完成品の生産に関しては操業を続ける予定。これによりHydroは、同拠点の2つの鋳造工場のうち1工場を閉鎖することになる。閉鎖される工場では、約60名の従業員が冷間金属の再溶解工程に携わっている。同工場は、2012年秋に閉鎖される見込み。 (2012年8月15日付プレスリリースより)

-2012年、Hydroは、ポルトガルの押出工場Portalexの売却に関して、ドイツのBavaria Industriekapitalと拘束力のある契約を締結したと発表。売却手続きは2012年8月31日付で完了する見込み。同工場はリスボン (Lisbon) 近郊のCacemに位置し、従業員約170名が勤務する。なおHydroは1995年に、同工場を英国のCaradonより買収した。 (2012年8月1日付プレスリリースより)

-2012年、米国ミズーリ州Monettにある押出工場を2012年10月に閉鎖すると発表した。同工場には約140名の従業員が勤務。Hydroは2009年に、同州のCassville周辺の押出事業をMonettに集約していた。 (2012年8月1日付プレスリリースより)

-2012年、オーストラリア・Kurri Kurriのアルミ工場を完全閉鎖することを検討していると発表。同工場には3つの生産ラインがあり、生産能力はあわせて18万メートルトン。そのうち1つの生産ラインを2012年1月に閉鎖したため、現在の1次アルミニウムの生産能力は12万メートルトンとなる。同工場の従業員数は344名。帳簿価額は11億ノルウェークローネ (約1.46億ユーロ) となる。 (2012年5月23日付プレスリリースより)

-2012年、デンマークのアルミチューブ工場がトルコのKonveyorと協業契約を締結したと発表。HVAC製品で使用される銅チューブの、アルミ製への代替を促進することが目的。Hydroはアルミ精密引抜チューブを供給し、一方のKonveyorは毛細管チューブを生産。さらに、ベンディング、ビーディング、スウェージングなどの加工作業も行う。 (2012年2月6日付プレスリリースより)

-2012年、オーストラリア・Kurri Kurriのアルミ工場において、生産能力の縮小を検討中と発表。2002年にHydroが買収した同工場は生産3ラインを保有しており、年産能力は18万メートルトン。現在、従業員約500名を雇用している。 (2012年1月11日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発拠点
開発センター ノルウェー:Oslo、Raufoss、Sunndalsora、Karmoy、Porsgrunn、Ardal
デンマーク:Logumkloster
ドイツ:Bonn、Ulm、Neuss
ベルギー:Neupen
米国:Holland (MI)