Knorr-Bremse AG 2014年12月期の動向
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2014年12月 | 2013年12月 | 増減率 (%) | 要因 | |
売上高 | 5,206.0 | 4,302.7 | 21.0 | - |
純利益 | 560.0 | 366.7 | 52.7 | - |
商用車用システム部門 | ||||
売上高 | 2,227.7 | 2,070.4 | 7.6 | 1) |
要因
1)
-2014年度の商用車用システム部門の売上は、前年比7.6%の増加となった。
地域別要因
<欧州>
-ディスクブレーキと電子制御ブレーキシステムが売上の主流。大手商用車メーカーと製品一式につき2019年までの長期供給契約を結んだことに加え、別の商用車メーカーともブレーキ制御システムの長期契約を結んだ。
<北米>
-北米事業はBendixブランドで展開されているが、売上として過去最高の10億ドル超を記録した。
<南米>
-2014年よりブラジルで新車登録される商用車にはABS装着が義務付けられたことにより増収。
<アジア/オーストラリア>
-ダンパーとコンプレッサーを現地のエンジンメーカーに納入開始したため、市場シェアアップ。
-日系商用車メーカーのプラットフォームにEBSシステムの契約が決まり、2015年第4四半期より供給開始する予定。
合弁
<中国>
-Knorr-Bremse Asia Pacificと東風電子科技股份 [Dongfeng Electronic & Technology Co., Ltd.] が合弁会社「東科克諾爾商用車制動技術有限公司 [Knorr-Bremse DETC Commercial Vehicle Braking Technology Co., Ltd.]」を設立することで合意したと発表。この合弁会社の投資総額は175百万元、資本金は70百万元。東風電子科技は49%を、Knorr-Bremseは51%を出資する。新会社は、中国の湖北省十堰 (Shiyan) に位置し、商用車用ブレーキシステム一式を生産する。取り扱う製品には、中型・大型トラック向けのABS、エアディスクブレーキ、ブレーキバルブ、トランスミッション、排気ブレーキ部品などが含まれる。 (2014年7月31日付プレスリリースより)
受注
-Karsan (トルコのバス・商用車メーカー)、Alexander Dennis Limited (ADL) (英国の大手バスメーカー) より、エアサプライ、エアトリートメント、ブレーキコントロール、ホイールエンドソルーションおよび車線逸脱警報装置、自動緊急ブレーキシステムなどを受注した。
受賞
-2014年度の主な受賞
工場 | 授与者 | 受賞名 | 受賞理由 |
Bendix 米国インディアナ州 Huntington工場 |
PACCAR | Premium Supplier | 製品の不良率50PPM目標に対し、15PPM |
Bendix Spicer 米国ケンタッキー州 Bowling Green工場 |
PACCAR | Premium Supplier | 製品の不良率50PPM目標に対し、46PPM |
Bendix 米国 |
Daimler Trucks North America | 2013 Master of Quality Supplier Award | 品質、納期、価格、継続的改善を評価 |
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2014年12月期 | 2013年12月期 | 2012年12月期 | |
合計 | 295.5 | 252.5 | 249.7 |
売上に占める割合 (%) | 5.7 | 5.9 | 5.8 |
-2014年度は、インドおよび中国などへの研究開発センターへの費用が増加。
-約3,176名が研究開発に従事している。 (2014年12月時点)
研究開発拠点
-ドイツのMunichにおいて試験・開発センターを着工したと発表。投資額は約80百万ユーロ。新センターには、鉄道車輌システム部門 (Rail Vehicle Systems) と商用車用システム部門 (Commercial Vehicle Systems) の両部門の試験・開発機能を集約する。床面積は約17,000平方メートルで、最大350名の研究者・技術者が勤務する予定。約100のテスト装置を備え、ブレーキシステムとそのサブシステム用部品に関して、技術試験および品質保証試験を行う。 (2014年4月28日付プレスリリースより)
-ミュンヘン政府とともに、ドイツのOverschleissheimにあるテストサーキットの拡張工事を検討している。
-ハンガリーのKecskemetで新たに商用車用システムの工場および試験センターを開設したと発表。新拠点では、従業員110名を新たに雇用。900名超が勤務し、商用車用のブレーキ部品の開発・生産を行う。生産およびオフィススペースは約25,000平方メートル。投資額は約20百万ユーロ。 (2014年3月28日付プレスリリースより)
製品開発
空気式ブースターシステム
-ターボチャージャー付きディーゼルエンジンのターボラグを排除し、燃費向上に資するシステム。加速時に、圧縮エアシステムから供給するエアをインテークマニホールドに短時間噴射する。これにより、噴射される燃料量が増大し、最大トルクが瞬時に得られる。専用ECUと一体となっており、エンジンECUと直接連携できる。効率面では、加速力が大幅に向上することにより、エンジンのダウンサイジングまたはダウンスピーディングに繋がり、燃費を抑えられる。
制動距離の低減
-自動運転へのステップとして、商用車の制動距離の短縮を先行開発ベースで実証した。最大ブレーキトルクを増やすことなく、個々の部品を最適化し、システム内の連携を向上させることにより、実現した。フル積載した40トントラックを85km/hから停止まで緊急ブレーキを利かせたときの制動距離を、小型乗用車と同等までに短縮した。
自動緊急ブレーキシステム (AEBS) 、車線逸脱警報装置 (LDWS)
-2015年後半より欧州で販売される商用車への義務化が予定されているため、フィールドトライヤルを複数の自動車メーカーと行っている。
ABS (Anti-lock Braking System) とEBS (Electronic Braking System) の統合
-次世代のブレーキコントロールシステムのコンセプトとして、ABSとEBSを統合したモジュールが検討されている。グローバルにバリエーション展開が可能な基本システム。
電子空気式パーキングブレーキ (EPB)
-電子式エア制御 (EAC) システムと一体化された製品の次のステップとして、欧州商用車向けに単独で機能する電子空気式パーキングブレーキの開発を行っている。
トランスミッションコントロールシステム
-2015年に同社開発のメカトロニックトランスミッションコントロールがZF社の全自動ギアシフトシステムとの組み合わせで量産化される。同社製品は電子制御部、エアモジュール部、位置・温度・回転スピードを感知するセンサーユニット部を組み合わせるモジュラー構造となっている。モジュラー構造の利点として一部のモジュールが故障した場合、その部分だけの置き換えで済む。
大型トラック向けデュアルクラッチトランスミッション用シフトモジュール
-世界初の大型トラック向けデュアルクラッチトランスミッション用シフトモジュールが市販化された。快適性・利便性ととも燃費の向上にも寄与する。
設備投資費 |
(単位:百万ユーロ) |
2014年12月期 | 2013年12月期 | 2012年12月期 | |
商用車用システム部門 | 57.7 | 67.3 | 56.9 |
鉄道車輛システム部門 | 93.7 | 84.0 | 79.5 |
その他 | 9.2 | 8.2 | 29.4 |
全社 | 160.6 | 159.5 | 165.8 |
-2014年は、主にハンガリー (Kecskemet) 工場とドイツ (Munchen) の試験/開発センターの建設に充てられた。
海外投資
<ハンガリー>
-ハンガリーのKecskemetで新たに商用車用システムの工場および試験センターを開設したと発表。新拠点では、従業員110名を新たに雇用。900名超が勤務し、商用車用のブレーキ部品の開発・生産を行う。生産およびオフィススペースは約25,000平方メートル。投資額は約20百万ユーロ。 (2014年3月28日付プレスリリースより)