Johnson Matthey Plc 2012年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ポンド)
  2012年3月期 2011年3月期 増減率 (%) 要因
全社
売上高 12,023.2 9,984.8 20.4 -
EBITDA 576.2 489.4 17.7 -
環境テクノロジー
売上高 3,123.6 2,703.4 15.5 1)

要因
1)
排ガス規制テクノロジー
-2012年3月期の排ガス規制テクノロジーの売上高は前年比25%増加し、1,470百万ポンド。特に大型車両用ディーゼル触媒事業の成長が売上増加に寄与。

<軽量触媒事業>
-排ガス規制テクノロジーの年間売上の66%を占める、軽量触媒事業の2012年3月期の売上は10%増加し、969百万ポンドと堅調に増加。

欧州
-欧州市場における売上は、同地域の自動車生産台数が前年比わずか0.5%の増加に対して、8%の成長。西欧で生産される小型車の55%を占めるディーゼル車の売上が増加したことが寄与。また、同地域では全ての小型ディーゼル車に対して、DPF (ディーゼル粒子フィルター)の装着を義務づけていることも売上増加に貢献した。

アジア
-日本の大震災、タイの洪水、中国の経済成長鈍化の影響を受けながらも、同地域の2012年3月期の売上高は前年比20%増加の201百万ポンドとなった。2012年3月期のアジアの自動車生産台数がわずか1%を超える程度の増加であったが、多くの部品で市場シェアを拡大したことや、下半期に日本のOEMメーカーの生産が復調したことで旺盛な需要を受け、同地域の売上を急速に伸ばした。

北米
-同地域の軽量車の生産台数が10%近く成長したのに対して、同社の売上は同生産台数の成長率を若干下回る8%増加の180百万ポンドとなった。同社が高い市場シェアを有する、北米の日系自動車メーカーの工場が日本の大震災、タイの洪水によりサプライチェーンが途絶したことが影響。

<重量車両用ディーゼル触媒事業>
-2012年3月期の売上高は、前年比48%増の、438百万ポンドと昨年に引き続き大きく増加。営業利益は2倍以上の成長を達成。

-トラックメーカーが経年劣化したトラックを買い替えたため、北米の大型ディーゼルトラックの生産台数が前年比50%増加の452,000台に増加するなど、年間を通して堅調に推移した。また、欧州において世界経済低迷からの復調を受けてトラックの生産台数が7%増加したことが売上増加に寄与。

工場閉鎖

-2011年1月、ベルギー、ブリュッセルの製造工場の閉鎖を発表。2011年7月に製造を中止し、その他の拠点に生産を移管。これにより、年間およそ18百万ポンドの経費を削減。

開発動向

研究開発費

(単位:百万ポンド)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
全社 128.6 109.8 91.7

研究開発体制

-グループの技術センターが、中心となり全事業の戦略的な研究開発を実施。英国の2拠点(Sonning Common、Billingham)の間で実施。さらに、世界中に短期特別事業プロジェクト専門の研究開発センターや技術センターを設置している。
-研究開発人員は1,200人以上であり、環境テクノロジー部門がその61%を占める。

研究開発拠点

-グループの技術センター:英国Sonning Common、Billingham
-R&D拠点:以下8カ国に保有。
  • 米国
  • 英国
  • ドイツ
  • スウェーデン
  • 日本
  • 中国
  • 韓国
  • ブラジル

設備投資

設備投資額

(単位:百万ポンド)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
環境テクノロジー 97.1 90.1 93.8
貴金属製品 31.6  26.1 15.9
精製化学製品 15.8  16.0 22.0
相殺 -  - -
その他 5.1 5.7 2.7
合計 149.6 137.9 134.4

-2013年3月期の設備投資額は、約230百万ポンドと大幅に増加する見通し。

設備投資

環境テクノロジー
<排ガス規制テクノロジーユニット>
-2014年に施工される欧州の小型・大型ディーゼル車向けの規制に対応するため、以下拠点の生産能力を拡大。
  • 2011年の後半から、マケドニア工場の生産能力を2倍にするための拡張事業を開始。
  • 英国のRoyston拠点のディーゼル粒子フィルターの生産能力を拡大。
-2011年に、大型ディーゼル車の需要増加を見込んで中国拠点の生産能力を拡大。また、インド、東南アジアの乗用車生産の増加に対応するため、インドおよびマレーシア拠点を拡張した。