Eaton Corp. 2013年12月期の動向

ハイライト

業績

 (単位:百万ドル)
  2013年12月期 2012年12月期 増減率
(%)
要因
全社
売上高 22,046 16,311 35.2 -
営業利益 3,178 2,216 43.4 -
車両部門
売上高 3,835 3,914 (2.0) 1)
営業利益 592 570 3.9 -

要因
1)
-2013年12月期の自動車部門の売上高は、為替要因により前年比2%の減少。NAFTA地域のクラス8トラック市場が落ち込む一方、中南米市場と世界の乗用車市場が好調に推移した。

受注

-2014年1月、「Ward's 10 Best Engines 2014」に選出された6つのエンジンに同社製品が採用されたと発表。これらのエンジンに搭載された製品と生産7拠点は以下の通りとなる。
スーパーチャージャー (Twin Vortices Series:TVS)
・Audi 「S5」の3.0L TFSI V型6気筒:ポーランドTczew拠点
バルブアクチュエーション (気筒休止システム)
・GM 「Chevrolet Corvette」の6.2L LTI V型8気筒:米国ノースカロライナ州Roxboro拠点
バルブ (高性能・軽量・超合金製)
・Audi 「S5」の3.0L TFSI V型6気筒:ドイツNordhausen拠点
・BMW 「535d」の3.0L N57 直列6気筒:イタリアBosconero拠点
・GM 「Chevrolet Corvette」の6.2L LTI V型8気筒:米国ネブラスカ州Kearney拠点
・Ford 「Fiesta」の1.0L EcoBoost 直列3気筒:ポーランドNordhausen拠点およびBielsko Biala拠点
・ホンダ 「Accord」の3.5L SOHC V型6気筒:米国サウスカロライナ州Westminster合弁工場
・Chrysler 「Ram 1500 Crew Cab」の3.0L RA630 V型6気筒:ポーランドBielsko Biala拠点
(2014年1月15日付プレスリリースより)

「SuperTruck」プログラム

-2014年2月、CumminsとPACCAR傘下のPeterbilt Motorsは、「SuperTruck」プログラムにおける最新バージョンのトラクタートレーラーが、2014年1月に行った実際の走行条件下での試験において10.7mpgを達成したと発表。このプロジェクトでは、エンジンのアイドリング低減に向けて、高効率のクリーンディーゼルエンジン、排熱回収システム、空気力学を考慮したトラクターおよびトレーラーの連結、リチウムイオン電池の補助動力ユニットなどの開発・実証を行っている。今回、CumminsとPeterbiltが使用したトラックは、Cummins製「ISX15」エンジンを搭載したClass 8のPeterbilt 「Model 579」。また、このプロジェクトの一員であるEatonも、この大型トラックの燃費向上に貢献する次世代自動トランスミッションを開発している。(2014年2月18日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

 (単位:百万ドル)
  2013年12月期 2012年12月期 2011年12月期
合計 644 439 417

研究開発拠点

<チェコ>
-2013年7月、チェコのRoztokyにおいて新たにイノベーションセンターの建設を開始したと発表。2012年にプラハ (Prague) で開設した既存のイノベーションセンター「European Innovation Center」の拡張に伴うもの。同センターでは現在、パワーマネジメントシステムの開発を行い、欧州市場の電気・油圧・航空・自動車産業の顧客向けに供給している。新施設は2014年末ごろに完成し、2015年はじめから従業員が異動を開始する予定。また、イノベーションセンターの従業員数を、現在の25名から2016年末までに140名超に増員する見込み。(2013年7月22日付プレスリリースより)

新製品

EV用急速充電システム
-2013年12月、同社初となる最大1メガワット (MW) までの充電が可能なEV用急速充電システム「HyperCharger」を発売したと発表。世界最大サイズの電気バス向けで、走行ルート上に設置できる。すでに米国のフロリダ州Tallahassee、マサチューセッツ州Worchester、カリフォルニア州Stocktonなど複数の都市に設置されている。充電範囲は200kWから1MW。試験ルートでの記録では、ルート上で行った平均8回の充電で1日240マイルの走行が可能であったという。(2013年12月9日付プレスリリースより)

充電ステーション
-2013年9月、2台のEVを同時に充電できる充電ステーション「Dual AC Level 2」を発売したと発表。従来の充電システムに比べてEVの充電速度が最大3倍になるため、住宅事業や商用EVおよびフリートEV事業にとって費用効率の高い製品となる。(2013年9月30日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

 (単位:百万ドル)
  2013年12月期 2012年12月期 2011年12月期
全社 614 593 568
車両部門 161 148 172
 

国内投資

-2014年2月、同社は日鍛バルブとの米国合弁会社U.S. Engine Valve (USEV) がサウスカロライナ州とネブラスカ州の拠点に向けて、今後5年間で40百万ドルを投じると発表。これにより、2016年までに新たに最大150名を雇用する予定。USEVはまず、2013年から2017年の間にサウスカロライナ州のWestminster工場に約34百万ドルを投資する。同拠点を38,000平方フィート拡張し、バルブ加工装置や鍛造プレス機を新たに設置する計画。同工場の拡張工事はすでに開始されており、2014年3月に完成する見込み。このほかに、USEVはネブラスカ州KearneyにあるEatonの工場にも6百万ドルを投じて、バルブの生産拡大に対応していく意向。(2014年2月6日付プレスリリースより)

-2013年8月、米国インディアナ州のSouth Bend工場に1.9百万ドルを投じて、クロスウェッジ圧延機を導入したと発表。大型トラック用のトランスミッションシャフトの生産に使用するもので、9月中旬にフル稼働に入る予定。この圧延機の導入により、鍛造工程を一貫して行うことができ、生産効率の向上につながるという。同拠点は、Eatonの米国ノースカロライナ州・Kings Mountain工場、米国アイオワ州・Shenandoah工場、メキシコ・San Luis Potosi工場に鍛造ギアを供給している。これら3拠点では、トラックメーカー向けにトランスミッションの組み立てを行っている。(2013年8月20日付プレスリリースより)