Eaton Corp. 2011年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ドル)
  2011年12月期 2010年12月期 増減率
(%)
要因
全社
売上高 16,049 13,715 17.0 -
営業利益 2,260 1,700 32.9 -
自動車部門
売上高 1,746 1,547 12.9 1)
営業利益 209 163 28.2 -
トラック部門
売上高 2,644 1,997 32.4 2)
営業利益 486 245 98.4 -

要因
1)
-2011年12月期の自動車部門の売上高は、前年比13%の増加。内訳は、製品売上の12%増加、為替差益による2%増加、事業売却による1%の減少。世界の自動車市場が前年に続き堅調に推移したことが売上高増加に寄与。

2)
-2011年12月期のトラック部門の売上高は、前年比32%の増加。内訳は、製品売上が29%増加、および為替差益の3%増加。世界のトラック市場が前年に続き回復基調で推移したこと、およびNAFTA市場におけるClass 8トラック市場の力強い成長が売上高増加に寄与。

事業提携

-同社とDanaは、両社のマーケティングに関する提携を2012年半ばまでに終了すると発表。今後6ヶ月の間に、それぞれの販売・サービス体制を整える。同社は、Roadrangerブランドの同社とDanaの全製品に関して、2012年半ばまでサービスおよびサポートを続ける。一方、Danaは顧客に対して直接サービスを行うサポート体制を構築する計画。(2011年12月6日付プレスリリースより)

国内事業

-「Energy 376 Corridor」プロジェクトの一環として、米国ペンシルバニア州の州間高速道路376号線に、EV用充電ステーション45基を設置すると発表。ペンシルバニア州環境保護局の助成金プログラム「Pittsburgh Region Clean Cities (PRCC)」より238,467米ドルが授与され、また、民間投資約40万米ドルの援助を受けた。19の地方自治体・民間団体で構成される共同プロジェクト「Energy 376 Corridor」では、年間79,463ガロンの燃料、916,046ポンドの温室効果ガスの削減が見込まれている。(2011年11月4日付プレスリリースより)

-同社のハイブリッドシステムを採用した顧客車両の累積走行距離が、合計で2億マイルを超えたと発表。ディーゼル燃料消費8百万ガロン、排出ガス8万メートルトンの削減に貢献した。同社のハイブリッドシステムは現在、5,500台以上の車両に搭載されている。対象は、シティバス、スクールバス、宅配トラック、飲料配達トラック、冷凍配達トラック、ゴミ収集車、リサイクル回収車、ユーティリティ車両など。(2011年10月11日付プレスリリースより)

-同社は、需要が増加する事故電流対応製品として、DCブレーカーの製品群を拡大している。データセンター機器、太陽光発電機器、電気自動車部品向けで、 定格電圧は600ボルト。この製品は、電気故障の除去後にも再利用可能という。(2011年4月14日付プレスリリースより)

受注

-オハイオ州議会議事堂に6基のEV用充電ステーション「Pow-R-Station」を納入したと発表。この充電ステーションでは、6-8時間で充電が完了する。(2011年10月5日付プレスリリースより)

-2011年、7月18日-21日に米国ノースカロライナ州Raleighで開催される「2011 Plug-In Conference and Exposition」において、電気自動車(EV)向けの様々な充電システムを展示する。同社は2010年、このRaleigh市に3基の高速充電ステーション「Pow-R-Station」を供給。また、米国の非営利団体Plug-In Carolinaに加入し、サウスカロライナ州における充電ステーション導入・展開に貢献している。さらに同社は、Mitsubishi Motors North Americaおよび家電小売業者Best Buyと提携。2011年秋に発売予定の三菱「MiEV」用充電器を供給し、EVの普及に向けて協業する。(2011年7月14日付プレスリリースより)

-アルゼンチンのバスメーカーTecnologia Avanzada en Transporte S. A. (TATSA)との間で、アルゼンチン等の南米市場向けにハイブリッドパワーシステムを設計・供給する長期契約を締結した。TATSAの12メートルバスに搭載される予定。このEaton製システムは、Cummins製ディーゼルエンジンと最大出力44キロワットの電気モーターを組み合わせたもの。また、Eaton製の6速自動トランスミッションと4つのリチウムイオン電池も統合している。(2011年5月2日付プレスリリースより)

-同社は、新型自動マニュアルトランスミッション「UltraShift PLUS」をVolvoに納入している。Cummins製ディーゼルエンジン搭載の大型長距離車「VNシリーズ」(北米仕様)に、オプション搭載されるもの。これにより、VolvoはFreightliner、International、Peterbilt、Kenworthに続いて、「UltraShift PLUS」の納入先に加わった。なお、同社はこれまで、自動マニュアルトランスミッション「AutoShift」および「UltraShift」、マニュアルトランスミッション「Fuller」もVolvoに供給している。(2011年3月31日付プレスリリースより)

-同社は、電動ハイブリッドパワーシステムをNavistarのスクールバス「IC Bus」へ納入していると発表。ディーゼル・電気ハイブリッドバス「CE Series」が対象で、最大30%の燃費向上、35%の窒素酸化物(NOx)排出削減および85%のディーゼル粒子削減を実現。このハイブリッドシステムは、同社のMaxxForce Advanced EGR付MaxxForce DTエンジンと、最大出力44キロワットの電動モーターを一体化したもの。(2011年2月9日付プレスリリースより)

2012年12月期の見通し

-2011年2月現在、同社は2012年12月期の売上高を、前年比6%の増加と予測。主な要因は、2012年に6部門全てで成長し、製品売上が前年比5%(320百万ドル)増加すること、および直近の買収・事業売却効果による315百万ドル増が寄与。

-2012年12月期の自動車部門の売上高は、前年比約5%の成長を予測。自動車生産台数が米国で前年比約7%増加、米国外で同4%増加することにより、同社製品の売上が伸長すると予測。

-2012年12月期のトラック部門の売上高は、前年比約9%の成長を予測。米国市場で前年比約16%増、米国外で同4%増と予測。

開発動向

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
合計 417 425 395

研究開発拠点

-Power Systems Experience Centerにおいて、電子部品に関する実証・実験を実施。

-中国の上海にイノベーションセンターを保有。車両電動化やスマートグリッド分野に注力。

製品開発

-同社は、新型の電子多重スイッチモジュールを開発した。バス、キャンピングカー、緊急車両、清掃車両、その他特殊車両向け。デジタル半導体の使用により、ワイヤーハーネスの複雑さとコストを軽減し、車両軽量化が実現。配線が減少することでキャビン内のスペースが拡大するとともに、システムコストの低減および設置時間の短縮が実現する。(2011年3月17日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
全社 568 394 195
自動車部門 92 61 24
トラック部門 80 59 30
 

海外投資

<中国>
-同社は、中国の山東省済寧(Jining)市にエンジンバルブ工場を開設すると発表した。2011年9月より、中国市場向けに生産を開始する予定。また、同社は2015年までに中国市場での年間売上を20億米ドルにする計画と発表した。これは、2010年の売上10億米ドルの2倍にあたる。(2011年8月11日付プレスリリースより)