Cummins, Inc. 2013年12月期の動向

ハイライト

業績

 (単位:百万ドル)
2013年12月期 2012年12月期 増減率 (%) 要因
全社 17,301 17,334 (0.2) -
部門別
エンジン事業 10,013 10,733 (6.7) 1)
コンポーネント事業 4,342 4,012 8.2 2)

要因
1)
-エンジン事業部門の2013年12月期の売上高は前年比6.7%減。定置式発電機向け、大型トラック向け、産業機器向けの需要低迷が響いた。前年同期の買い換え需要の反動で上期に北米の大型トラック向けが落ち込んだ。

2)
-コンポーネント事業部門の2013年12月期の売上高は、排ガス規制対応ソリューション事業の伸びで前年比8.2%増。排ガス規制対応ソリューション事業は北米ではOEM向けとアフターマーケット向けが回復、西ヨーロッパでは2012年に買収した独Hiliteのエミッションコントロール事業が引き続き寄与した。

米国生産

-2013年10月、新型の5L V8ディーゼルエンジン「ISV5.0」の生産を開始すると発表。このエンジンは、北米市場で販売される集配車などの小型・中型トラック、スクールバス、キャンピングカーなどに使用される。「ISV5.0」の燃料システムと可変ジオメトリーターボチャージャー「Cummins VGT」は、ピークトルク560ポンドフィートと素早いスロットルレスポンスに貢献。200馬力 (149kW) から275馬力 (205kW) を実現する。Cumminsは、この「ISV5.0」エンジンとピックアップトラック用の5.0L V8ターボディーゼルの生産を、2014年第4四半期から米国のColumbus Engine Plantで開始する計画。(2013年10月4日付プレスリリースより)

-2013年8月、米国ニューヨーク州のJamestownエンジン工場において、エンジンの累計生産台数150万基を達成したと発表。同工場はここ数年、年間10万台超のエンジンを生産しており、これは2012年にCumminsが生産したエンジンの12%にあたる。主に、大型車向けエンジン「ISX15」、「ISX12」、ディーゼルエンジン「ISM」を生産している。大型トラック市場において「ISX15」エンジンは、引き続き同社のエンジンで最も販売数が多くなるとみられ、Jamestown工場における2003年からの累計生産台数は67.7万台を超える。さらに、同工場ではCummins Westport製の高性能大型天然ガスエンジン「ISX12 G」の量産も行っている。(2013年8月15日付プレスリリースより)

搭載状況

-2013年10月、Detroit Dieselは、Freightlinerのトラック「Cascadia」にテレマティクスシステム「Detroit Connect」が採用されたと発表。このモデルはCummins製のディーゼルエンジンおよび天然ガスエンジンを搭載している。「Detroit Connect」は、2014年第1四半期から工場装着用に納入される予定。車両、ドライバー、フリート管理者の連携を高めることで、動作可能時間や効率の向上に貢献する。この「Detroit Connect」には、フリート管理ソフトウェア「Visibility」と新型の車載タブレットが含まれる。(2013年10月21日付プレスリリースより)

「SuperTruck」プロジェクト
-Modineは、ディーゼルエンジンの排気流から回収した排熱を、エンジンの効率化・CO2低減に活用するさまざまな小型熱交換器の開発を行っている。この取り組みの一環として、同社は米国エネルギー省が出資するプログラム「SuperTruck」において、CumminsとPeterbiltが開発した公道試験用のコンセプトカーに熱交換器を提供した。このトラックは、公道試験で10.7mpgを実現。また、24時間の直接比較試験において、2009年に開発したベースラインのトラックに比べて75%の燃費向上を実現したという。(2014年2月21日付プレスリリースより)

-2014年2月、CumminsとPACCAR傘下のPeterbilt Motorsは、「SuperTruck」プログラムにおける最新バージョンのトラクタートレーラーが、2014年1月に行った実際の走行条件下での試験において10.7mpgを達成したと発表した。このプロジェクトでは、エンジンのアイドリング低減に向けて、高効率のクリーンディーゼルエンジン、排熱回収システム、空気力学を考慮したトラクターおよびトレーラーの連結、リチウムイオン電池の補助動力ユニットなどの開発・実証を行っている。今回、CumminsとPeterbiltが使用したトラックは、Cummins製「ISX15」エンジンを搭載したClass 8のPeterbilt 「Model 579」。また、このプロジェクトの一員であるEatonも、この大型トラックの燃費向上に貢献する次世代自動トランスミッションを開発している。(2014年2月18日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2013年12月期 2012年12月期 2011年12月期
全社 713 728 629
エンジン事業 416 433 397
コンポーネント事業 218 213 175

研究開発体制

-全世界に19の技術センターを保有。

製品開発

-2013年3月、EatonとCumminsは、北米の大型トラック市場向けに新たに開発したパワートレインパッケージを発表。3~6%の燃費向上を実現するほか、メンテナンス費用やライフサイクルコストの削減に貢献する。この製品は、Eatonの自動トランスミッション「Fuller Advantage」シリーズとCumminsのエンジン「ISX15 SmartTorque2」を組み合わせたもので、2013年秋に発売される予定。(2013年3月11日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2013年12月期 2012年12月期 2011年12月期
エンジン事業 372 399 339
発電事業 141 95 87
コンポーネント事業 106 134 141
物流事業 57 62 55
合計 676 690 622

設備投資

<ドイツ>
-2013年4月、ドイツ拠点Cummins Marktheidenfeld (CMHF) において、新工場の着工式を開催し新工場では、傘下のCummins Emission Solutionsがディーゼルエンジン用のSCR (選択触媒還元) 噴射システムの開発・生産を行う予定。今夏に建設を開始し、完成は2014年はじめを見込んでいる。なお、Cumminsは、2012年7月にHilite InternationalよりSCR噴射システム事業を買収している。(2013年4月23日付プレスリリースより)