Halla Visteon Climate Control Corp. 2013年12月期までの動向

ハイライト

近年の動向

業績 (連結)

(単位:百万ウォン)
2013年
12月期
2012年
12月期
増減率 (%)
売上高 5,189,355 3,653,096 42.1
営業利益 363,535 309,597 17.4
当期純利益 312,103 245,144 27.3

事業買収

-2013年1月、VisteonとVisteonのクライメートコントロール事業を同社に売却することで合意したと発表。売却金額は410百万米ドル。同社は、社名をHalla Visteon Climate Control Corp.に変更し、世界第2位の自動車空調部品・システムメーカーとなる。売却手続きは2013年の第1四半期中に完了する見込み。(2013年1月11日付プレスリリースより)

子会社・関連会社
<ポルトガル>
-2013年12月、子会社のVisteon Climate Portugal S.A.がHalla Climate Control Portugal Unipessoal, Lda.を吸収合併すると発表。合併日は2014年1月1日を予定している。(2013年12月3日付プレスリリースより)

<ブラジル>
-2013年9月、子会社Halla Visteon Climate Control do Brasil Ltda (HVCC Brazil) を設立。同社の出資比率は99.9%。新会社は自動車用空調部品の製造・販売を行う計画。(2013年11月8日付プレスリリースより)

<中国>
-2011年8月、蕪湖奇瑞科技有限公司 [Wuhu Chery Technology CO., Ltd.] および旭慶有限公司 [Sunny Channel Limited] から、「蕪湖博耐爾汽車電気系統有限公司」[Wuhu Bonaire Automotive Electrical Systems Co., Ltd.] の持分37.5%を取得した。同社は安徽省の蕪湖 (Wuhu) 市に拠点を置き、HVACシステムやエンジンクーリングシステムを生産している。


生産関連

-2012年4月、京畿道の平澤 (Pyeongtaek) 工場においてコンプレッサーの累積生産台数が5,000万台を突破したと発表。同コンプレッサー工場は1991年10月に完成。2000年に累積生産台数1,000万台、2007年に3,000万台を記録していた。(2012年4月23日付プレスリリースより)

-2011年4月、蔚山 (Ulsan) 工場におけるフロントエンドモジュールの累積生産量が500万台を突破した。同工場は2002年5月よりフロントエンドモジュールを生産している。(2011年4月22日プレスリリースより)

受注
Tesla
-2012年4月、米国の電気自動車メーカーTesla Motorsから受注したエアコンシステムの出荷を開始した。このエアコンシステムは、今後5年間に渡って「Model S」に搭載される。(2012年4月2日付プレスリリースより)

受賞

-2013年4月、米国Automotive News誌の「PACE Awards」を受賞したと発表。製品革新分野において「メタルシートフィッティング技術」が評価されたもの。この技術は、エアコンの冷媒漏洩を防止するため既存のゴムリングの代わりに金属リングを利用しており、異物流入も完全に防止する。なお同社は、製造工程革新分野においても、平澤 (Pyeongtaek) 工場の「環境対応型レーザー前処理技術」が受賞の最終候補に選定された。(2013年4月17日付プレスリリースより)

-2012年12月以前の主な受賞
受賞年月 受賞拠点 授与社
2012年4月 中国子会社の偉世通汽車空調 (北京) 有限公司 [Visteon Climate Control (Beijing) Co., Ltd.] 北京海納川汽車部件股有限公司 [Beijing Hainachuan Automotive Parts Co., Ltd.] 2011年優秀パートナー賞
2011年8月 同社 現代モービス 2011年上半期優秀サプライヤー賞
2011年6月 同社 現代自動車 納入5つ星評価
2011年5月 HCC Turkey 現代・起亜自動車 品質5つ星評価

開発動向

研究開発費

(単位:百万ウォン)
2013年12月期
(連結)
2012年12月期
(単独)
2011年12月期
(単独)
金額 174,791 67,719 65,536
対売上高比率 3.4% 3.1% 3.3%

研究開発体制

-1989年、大田 (Daejeon) 市に技術研究所を開設。

-研究開発拠点は韓国に1拠点、欧州に2拠点、米州に1拠点を保有している。

研究開発活動

-2012年8月、現代自動車と共同で新型エアコンシステムを開発した。このエアコンは従来製品に比べて160gの軽量化し、ドライバーの搭乗空間を約43mm拡大する。また、小型化により緩衝空間を確保することで、歩行者との衝突時に発生する障害を軽減する効果を持つ。この製品は今後、現代自動車の車両に搭載される予定。(2012年8月24日付プレスリリースより)
 

近年の研究開発実績

研究課題 研究結果 等
補助ヒーティングシステム -暖房装置性能と快適性の向上
-エンジンの適正作動温度まで冷却水を早急に暖め、エンジン寿命の伸長を実現
-ディーゼル車を中心に関連技術が採用中
-国内外で特許取得あるいは出願中
自動車エアコン用斜板式可変容量コンプレッサー -温度調節性の向上
-乗り心地の向上 (クラッチ脱着回数の減少)
-エンジン動力損失の減少
-エンジン寿命の伸長
-2004年より量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
フロントエンドモジュール -モジュール単位の供給により売上増加
-自動車メーカーの開発費低減
-自動車組立ラインの革新
-2002年より量産中
小型エバポレーター開発 -小型軽量化
-車内スペースの拡大
-エアコンシステムの小型化対応技術の確保
-材料削減によるコスト競争力の向上
-2003年より量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
薄型コンデンサー -小型軽量化
-車内スペースの拡大
-エアコンシステムの小型化対応技術の確保
-冷媒消費量の低減
-2003年より量産中
-国内外で特許出願中
ウェーブ式冷却ファン -低ノイズ
-2003年より量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
-米国「2007 Automotive News PACE Award」を受賞
大型コンプレッサー -2000ccクラスのコンプレッサー開発により、HSコンプレッサーのフルラインナップを確立 (小型~大型車両に対応)
-2005年より量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
クラッチレスプーリー -部品重量の軽量化により燃費向上
-クラッチ脱着ノイズの改善、乗り心地向上
-2008年より量産中
-国内外で関連技術の特許取得あるいは出願中
インタークーラー -Eurolll、EurolV排出基準に適応した環境負荷低減型の製品開発
-2004年より量産中
-国内向けおよび欧州輸出向けモデルを中心に採用拡大中
-国内外で特許出願中
ハイブリッド自動車用空調システム -燃費向上および高効率システム/部品の技術採用
-国内外で関連技術の特許取得/出願中
-2005年より量産中
自動車用エアコンの臭気低減技術 -臭気成分の蒸発器表面への付着を最小化、耐食性に優れたコーティング液の開発
-2006年より量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
Mucell (微細発泡成形技術) 工法を適用したプラスチック射出成形技術 -中空射出成形技術を応用した、軽量/高強度プラスチック開発による製品軽量化および燃費改善
-2006年より量産中
-国内外で特許出願中
自動曇り除去装置 -フロントガラスの曇りを自動感知・事前除去することにより、安全な運転環境確保および車内の快適性を向上
-2008年より量産中
-国内外で特許出願中
冷媒漏れ評価システム -2008年1月、自動車空調システムの冷媒漏れ規制に関するEU承認を獲得
RSコンプレッサー -吸入バルブ除去を通じたパッケージ最適化
-エアコン効率向上および燃費改善
-2008年より量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
クラスターイオン発生器 -クラスターイオンを活用した臭気除去、空気中微生物の抗菌脱臭による快適な室内空気質の提供
-2008年より量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
積層型オイルクーラー -高性能トランスミッションクーリングシステムの開発により、競争力の強化と開発製品群の多様化
-2009年より量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
クラッチレス可変コンプレッサー -燃費改善を実現
-2009年より量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
アルミニウム製フィールドコイルを使用したクラッチ -アルミニウム製コイルを開発し、軽量化および燃費向上を実現
-2009年より量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
二重管式熱交換器 -エアコンシステムの効率および性能向上
-2010年より量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
電動コンプレッサー -ハイブリッド自動車・電気自動車の市場拡大に対応
-2010年より量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
AT用オイルウォーマー&クーラー -トランスミッションの性能向上および車両燃費改善
-2011年より量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
高電圧PWM PTCヒーター -電気自動車向け
-2011年より量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
CO2センサーを利用した空調負荷低減技術 -CO2センサーを活用した内気循環制御技術の開発
-燃費、冷暖房性能、除湿・換気快適性の向上
-国内外で特許取得あるいは出願中
超小型HVAC -量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
燃料電池車向け空気供給装置 -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中
歩行者保護フロントエンドモジュール -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中
燃料電池車向け高電圧冷却ファンおよびインバーター設計技術 -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中
電気自動車向けヒートポンプシステム -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中
メタルシールフィッティング -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中
マグネシウム合金プーリー -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中
電気自動車向けエアミックスドア -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中
蓄冷エバポレーター -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中
ハイブリッドヒーターコア -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中

設備投資

海外投資

<ブラジル>
-2013年12月、サンパウロ州Atibaiaに新たに工場を開設すると発表。新工場「HVCC Climatizacoes do Brasil Industria e Comercio Ltda.」は、同地域の自動車メーカー向けにHVAC製品を納入する。フル稼働時には、約100名の従業員を雇用する計画。生産スペースは3,000平方メートルで、必要に応じてさらに拡張が可能となる。2014年第2四半期に生産を開始する予定。新工場は同社にとって南米初の工場。これにより、HVCCは世界19カ国に拠点を置くことになる。(2013年12月13日付プレスリリースより)

<チェコ>
-2013年11月、Hluk拠点において新工場を開設したと発表。欧州自動車メーカー向けのEGRクーラーおよびラジエーターの生産能力を約20%増強する計画。新工場の従業員数は約430名で、グローバル自動車メーカーにラジエーター、EGR、コンデンサー、インタークーラーを納入する。2014年のフル稼働時までに約140名を増員する予定。今回のプロジェクトによりHluk拠点は8,000平方メートル拡張され、総面積は25,256平方メートルとなった。(2013年11月8日付プレスリリースより)

<ロシア>
-2013年9月、Togliattiに開設した工場を稼働させたと発表。同社のパートナーの敷地内に建設した新工場は、HVCCにとってロシア初の生産拠点となる。新工場「Halla Visteon Rus LLC」はまず、冷却モジュールおよびHVACユニットの組立を行い、同国内の自動車メーカーに納入する予定。今後3年間で、従業員数は300名近くに達する見込み。(2013年9月3日付プレスリリースより)

<米国>
-2013年7月、子会社Halla Visteon Climate Control USA, LLCが運営するアラバマ工場を拡張した。既存の工場260,000平方フィートに30,000平方フィート分を拡張し、生産能力を増強するもの。同工場ではHVACユニットやフロントエンドモジュールの生産を行っている。

2013年12月期の設備投資

(単位:億ウォン)
事業部門 投資の種類 投資目的 設備
投資額
投資期間
自動車用
エアコン
増設 -生産能力増強 1,018 2013年01月-12月
新設および
自動化
-新車種受注への対応
-経費削減
-生産性向上
1,001 2013年01月-12月
合計 2,019 -

2014年12月期以降の投資計画

(単位:億ウォン)
事業部門 投資の種類 投資目的 予定投資額 2014年
12月期
2015年
12月期
2016年
12月期
自動車用
エアコン
増設 -生産能力増強 2,653 893 880 880
新設および
自動化
-新車種受注への対応
-経費削減
-生産性向上
3,947 1,307 1,320 1,320
合計 6,600 2,200 2,200 2,200