武蔵精密工業 (株) 2013年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2013年 3月期 |
2012年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 125,993 | 125,205 | 0.6 | - |
営業利益 | 938 | 10,377 | (91.0) | - |
経常利益 | 2,597 | 10,677 | (75.7) | - |
当期純利益 | 2,529 | 4,432 | (42.9) | - |
<日本>
-主要販売先の減産に伴い販売が減少したこと等により、売上高は35,353百万円 (前年度比0.3%減) となり、営業利益は子会社向け設備販売の増加等により3,586百万円の利益 (前年度比26.0%増) となった。
<北米>
-四輪車用製品の販売が増加したこと等により、売上高は26,310百万円 (前年度比29.6%増) となり、営業利益は439百万円の利益 (前年度は105百万円の損失) となった。
<欧州>
-四輪車用製品の販売が減少したこと等により、売上高は5,150百万円 (前年度比23.0%減)、営業利益は421百万円の利益 (前年度比56.2%減) となった。
<アジア>
-四輪車用製品の販売が増加したこと等により、売上高は45,016百万円 (前年度比6.8%増) となったが、営業利益は昨年のタイの洪水被害に関連した代替生産のため多額のコストが発生したこと等により3,835百万円の損失 (前連結会計年度は4,540百万円の利益) となった。
<南米>
-二輪車用製品の販売が減少したこと等により、売上高は14,162百万円 (前年度比31.2%減) となり、営業利益は507百万円の利益 (前年度比79.4%減) となった。
受注
受注会社 | 発注元/対象 | 受注部品 | 備考 |
本社 | ホンダ北米仕様の 「Accord」 | プラネタリィASSYを拡大受注 | 2012年6月より生産・納入を開始 |
本社 | ホンダ国内向け 「Step Wgn」 | 新型CVTのプラネタリィASSY | 2012年3月より納入 |
Musasi Auto Parts India | Honda Cars Indiaよりインド向け「Brio」 | マニュアルトランスミッション部品、足廻り部品、エンジン部品 | 2012年9月より生産・納入を開始 |
Musashi Auto Parts Michigan | ZFから新型トランスミッション向け | デファレンシャルASSY | - |
Musashi Auto Parts Canada | GMから主要グローバルブランドの四輪車向け | カムシャフト | 2012年3月から量産・納入を開始。 |
Musashi Auto Parts Indonesia | Aisin Indonesiaよりトヨタの世界戦略車向け | トランスミッション部品 | - |
Musashi Hungary Manufacturing | Jaguar Land Rover | V6 DOHCエンジンに採用されるカムシャフト | 2012年5月に量産・納入を開始。 年間40万個 (10万セット) の販売を予定。 |
事業計画
- 2011年秋に発生したタイの洪水を踏まえ同国での生産体制を見直す。部品の生産をバンコク東部プラチンブリ県にある第二工場に今年中に集約し、水害を受けたナワナコンの第一工場は生産設備や金型の生産に特化する。タイ洪水では第一工場が水没し、自動車メーカーのラインに納入する量産用部品の生産に支障が出た。今後も第一工場周辺では水害の危険があることから対策を講じる。 (2012年7月23日付日刊自動車新聞より)-今夏にインド北部ハリアナ州の生産拠点で四輪車用部品の生産を始める。ホンダの新興国向け小型車 「Brio」 用の部品で、エンジン、マニュアルトランスミッション (MT)、サスペンション用の鍛造部品の生産を一斉に立ち上げる。これまで日本とタイから輸出していた部品の生産を現地化することにより、ホンダの新興国での現地調達化ニーズに対応する。生産量は輸出分も含め年間15万台分を計画している。 (2012年6月13日付日刊自動車新聞)
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2013年3月期 | 2012年3月期 | 2011年3月期 | |
全社 | 1,481 | 1,539 | 1,337 |
研究開発体制 |
(単位:百万円) |
担当部門 | 役割 | 要員 | 研究開発費 |
開発部 |
-シャシー系、エンジン系、駆動系商品の開発 -次世代商品に向けた技術開発 -知的財産の管理 |
83名 | 867 |
生産技術部 | -新生産技術方案の研究開発 | 83名 | 220 |
九州武蔵精密 (株) 技術部生産技術課 |
-二輪、汎用ギヤ、カムシャフト等の 生産技術に関する研究開発 |
39名 | 393 |
研究開発活動
シャシー系商品開発-主要客先の機種開発に対応し、ほぼ計画通りの提案及び開発を実施。具体例としては、ボールジョイントのシリーズ化ラインナップの完了と、現地鋼材を活用した仕様・製法の開発・評価を終え、2014年から15年モデル以降の量産化適用に注力している。また、コスト削減に対する複数の技術も、量産適用を順次開始している。
エンジン系商品開発
-二輪・四輪のカムシャフト、バランサーシャフト等、今後の事業拡大に向けたコスト競争力強化に取り組んでいる。併せて主要顧客のエンジン構造の進化への対応や、国内外の新規顧客との積極的な推進をしている。
駆動系商品開発
-デフにおいては、独自の3次元歯形によるベベルギアの小型化・高精度という優位性を核に、デフケース形状も最適化した2ピニオンタイプの軽量デフASSYのシリーズ化の完了に注力している。
-主要客先の2ピニオンタイプのデフASSYの量産適用の拡大が図られた。
-新規海外顧客よりデフASSYを受注し、現在は量産開始に向けた段階。
-ムサシグローバルネットワークを活用した現地仕様開発、現地生産を拡大。
先進技術開発
-要素技術開発の領域については、異材技術による接合軽量化技術の開発を強力に推進している。
-愛知県の推進する「知の拠点」重点研究プロジェクトである「低環境負荷型次世代ナノ・マイクロ加工技術の開発プロジェクト」に参画した。
-トライボロジー力学を用いた表面改質技術開発にも今後注力していく。
-ハイブリット車や電気自動車、電動二輪車向けの新商品・新技術の開発についても、電動ユニットの先行開発を推進する。
生産技術開発関連
-デファレンシャルギアの独自設計歯型による小型化・軽量化のシリーズ化を継続して推進。
-環境性能にも配慮した冷間鍛造と機械加工の一貫ラインの確立やASSYでの製品機能保証するための新組立ラインの海外展開を果たした。
-主要顧客のトランスミッションの形式が変化する中、その主要部品であるプラネタリーギアの自動組み立てラインの海外展開や、世界市場で大幅な需要が見込めるDCTや新興国で需要拡大が進むMTに欠かせない逆テーパー形状のDOG歯一体ギアのコスト競争力を高めるべく、シミュレーション解析を使った最適形状による型寿命向上の研究を推進。
-足廻り系商品においては、冷間加工に欠かす事の出来なかったボンデ処理皮膜から、環境に配慮した一液処理皮膜での冷間加工にいち早く取り組み、量産化を実現。
-切削レスハウジングを始め、無切削ボールジョイントの鍛造法の確立にも力を入れ研究を推進。
技術援助契約 |
(2013年3月31日現在) |
相手方の名称 (国名) | 契約品目 | 契約内容 | 契約期間 |
Musashi Auto Parts Michigan Inc. (米国) |
四輪・二輪自動車および汎用製品で随時決定される特定部品 | 1.「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助 2.工業所有権の提供 |
1994.02.01-1999.01.31 以降1年ごとの自動更新 |
Musashi Auto Parts Co., Ltd. (タイ) |
四輪・二輪自動車および汎用製品で随時決定される特定部品 | 1.「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助 2.工業所有権の提供 |
1987.12.28-1992.12.27 以降1年ごとの自動更新 |
P.T. Musashi Auto Parts Indonesia (インドネシア) |
四輪・二輪自動車および汎用製品で随時決定される特定部品 | 1.「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助 2.工業所有権の提供 |
1996.05.08-2001.05.07 以降1年ごとの自動更新 |
Musashi Auto Parts Canada Inc. (カナダ) |
四輪・二輪自動車および汎用製品で随時決定される特定部品 | 1.「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助 2.工業所有権の提供 |
1998.01.01-2002.12.31 以降1年ごとの自動更新 |
Musashi Hungary Manufacturing Ltd. (ハンガリー) |
四輪・二輪自動車および汎用製品で随時決定される特定部品 | 1.「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助 2.工業所有権の提供 |
2001.01.01-2005.12.31 以降1年ごとの自動更新 |
Musashi do Brasil Ltda. (ブラジル) |
四輪・二輪自動車および汎用製品で随時決定される特定部品 | 1.「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助 2.工業所有権の提供 |
2008.11.01-2013.10.31 まで5年間 |
Musasi Auto Parts India Private Ltd. (インド) |
四輪・二輪自動車および汎用製品で随時決定される特定部品 | 1.「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助 2.工業所有権の提供 |
2003.04.01-2004.03.31 以降1年ごとの自動更新 |
Musashi da Amazonia Ltda. (ブラジル) |
四輪・二輪自動車および汎用製品で随時決定される特定部品 | 1.「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助 2.工業所有権の提供 |
2009.11.01-2014.11.01 まで5年間 |
武蔵精密汽車零部件 (中山) 有限公司 [Musashi Auto Parts (Zhongshan) Co., Ltd.] (中国) |
四輪・二輪自動車および汎用製品で随時決定される特定部品 | 1.「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助 2.工業所有権の提供 |
2006.0101-2015.12.31 まで10年間 |
Musashi Auto Parts Vietnam Co., Ltd. (ベトナム) |
二輪自動車および汎用製品で随時決定される特定部品 | 1.「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助 2.工業所有権の提供 |
2012.12.15から無期限 |
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2013年3月期 | 2012年3月期 | 2011年3月期 | |
全社 | 22,907 | 18,182 | 9,705 |
<日本>
-新機種対応として859百万円、増産対応として770百万円等、合わせて2,757百万円の設備投資を実施。
<北米>
-新機種対応として767百万円、増産対応として388百万円等、合わせて1,861百万円の設備投資を実施。
<欧州>
-合理化投資として51百万円、増産対応として37百万円、既存設備の更新として32百万円等、合わせて151百万円の設備投資を実施。
<アジア>
-増産対応として5,177百万円、新機種対応として4,140百万円等、合わせて15,917百万円の設備投資を実施。
<南米>
-新機種対応として284百万円、既存設備の更新として274百万円、合理化投資として185百万円等、合わせて2,221百万円の設備投資を実施。
設備の新設計画 |
(2013年3月31日現在) |
地域 | 計画金額 (百万円) | 設備等の主な内容・目的 |
日本 | 4,000 | 新機種対応、商品開発力およびマザー機能の強化 |
北米 | 3,900 | 新機種対応、四輪部品の生産能力増強、合理化 |
欧州 | 400 | 四輪部品の生産能力増強、合理化 |
アジア | 14,200 | 新機種対応、二輪・四輪部品の生産能力増強、合理化 |
南米 | 1,500 | 新機種対応、既存設備の更新 |