日本特殊陶業 (株) 2015年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2015年
3月期
2014年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 347,636 329,758 5.4 -
営業利益 62,196 51,661 20.4 -
経常利益 67,907 54,960 23.6 -
当期純利益 36,753 32,704 12.4 -
自動車関連事業
売上高 292,794 271,834 7.7 -主に米国や中国市場において自動車販売が伸び、新車組付用製品も補修用製品も販売が堅調に推移
-為替相場における円安基調が追い風となり、売上高増加に寄与
営業利益 68,331 58,893 16.0 -



第6次中期経営計画「新化」 (2014年3月期-2016年3月期)

基本方針
-「経営資源を最大限に活用し、「進化」に向けて、新規事業領域・分野への果敢なる挑戦を実践する」

取組課題
-新事業領域への販売・技術マーケティングの戦略の確立と実践
-固有技術による圧倒的優位性の確立・展開と、新たな基盤技術の構築
-ものづくりのための現場力強化
-戦略的サプライチェーンの確立と機能の強化
-子会社・協力会社の役割と責任の明確化によるグループ力の向上
-環境変化を乗り越え、常に新しい価値に挑戦し続ける人“財”を輩出する仕組の構築
-全社機能戦略の強化と会社全体としてのマネジメントの確立
-CSRの徹底およびグローバル展開

自動車関連事業
-2020年の需要に応えるべく、新たなグローバル生産体制を構築中:

  • 2015年4月に操業開始のSparkTec (Thailand) Co., Ltd. (タイ) では、2020年までにスパークプラグ用主体金具の生産能力が年間140百万個に達する計画。
  • 2016年3月に操業開始予定である日特製作所の小牧工場では、中心電極・端子等のスパークプラグ部品の生産能力を、2020年までに現状比で約30%増加させる計画。
  • 日特スパークテック東濃では、絶縁体を増産している。

中計の業績目標

2016年3月期
売上高 3,630億円
営業利益 600億円
営業利益率 16.5%
純利益 385億円
ROE 11.7%



買収

-半導体関連事業の強化を目的に日本セラテック (仙台市泉区) を買収すると発表。4月1日付で日本セラテックの親会社である太平洋セメントから全株式を取得し、完全子会社とする。株式の取得費用は73億円。日本セラテックの持つ半導体製造装置部品の事業ノウハウ、販売ネットワークを生かし、日本特殊陶業の半導体関連事業の競争力アップにつなげる。(2015年3月2日付日刊自動車新聞より)

受賞

-2014年、Cumminsから米国におけるトップサプライヤーとして表彰を受けた。(2014年5月2日付プレスリリースより)

2016年3月期の見通し

(単位:百万円)
2016年3月期
(予測)
2015年3月期
(実績)
増減
(%)
全社
売上高 394,500 347,636 13.5
営業利益 67,000 62,196 7.7
経常利益 71,000 67,907 4.6
当期純利益 46,000 36,753 25.2
自動車関連事業
売上高 327,700 292,794 11.9
営業利益 70,100 68,331 2.6


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 21,337 19,400 17,100
既存製品の改良、応用研究等に
関する費用等を除いた研究開発費
4,596 4,017 3,733
-自動車関連事業 1,157 839 837



研究開発体制

-活動の主体となるのは、本社機構である技術開発本部、新規事業推進本部、燃料電池事業推進本部および各事業部技術部。また、国内外の学会・協会への参画、大学・公的研究機関との共同研究等により最新技術を入手・導入している。
-テクニカルセンターを米国、欧州、ブラジル、韓国に保有。

研究開発活動

スパークプラグ
-耐高温性・耐高電圧性・高着火性を高めるとともに、より一層の小径化・長尺化を推進し、材料開発から製品設計、製造方法まで一貫して開発を実施。
-小径、長尺化によりエンジン冷却性能を最大限に引き出すことが可能になるロングリーチプラグに耐電圧性能を向上させた新絶縁体を組み合わせたプラグを開発し、欧州メーカーに採用が開始。
-高効率ターボ機種におけるスパークプラグの要求性能である高耐久性と高着火性を実現したプラグ形状を可能とする電極接合方法を確立した。

ディーゼルエンジン用グロープラグ
-排気ガス規制に対応した、昇温特性に優れ、高寿命を有するプラグやその温度をコントロールする制御システムを開発を行っている。
-グロープラグと圧力センサーを一体化した新製品の開発を進め、過酷なエンジン条件で使用し続けた場合においても、従来製品に対して約3倍の長期間にわたり精度が維持できる構造を確立した。
センサー
-排気ガス規制に対応すべく、高温、熱衝撃、振動、被水などへの耐久性向上および省エネ、省資源タイプのセンサー開発を進めている。
-新しい排気ガス規制に必要となるOBD (車載の自己故障診断装置) 用のセンサーやEGRシステムを制御するためのセンサー開発を推進している。

-EGRシステムの最適制御を実現する世界初の吸気酸素センサーを開発。既存の排気酸素センサーの技術をベースに製品化したもので、エンジンの吸気側に取り付けて酸素濃度を検知する。これにより、最適なEGR環境を実現し、排出ガスの低減や燃費改善に結びつける。ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの双方に搭載可能としている。既に自動車メーカーから受注しており、2017年度をめどに供給を開始する。当初は、年数万本規模で生産を立ち上げるとしている。(2014年10月16日付日刊自動車新聞より)
>>>2015年人とくるまのテクノロジー展パネル

その他
-ガスエンジン用プラグの耐久性向上を目指した点火ユニットの開発製品化を推進している。
-自動車に搭載されたエンジン制御回路とのインターフェース機能を持つ全領域空燃比センサー用次世代ASIC (特定用途向けIC) を開発中。

設備投資額

(単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 36,372 41,034 24,012
-自動車関連事業 31,876 34,353 17,960


-2016年3月期の設備投資額は、61,500百万円を予定。その内、自動車関連事業は47,823百万円。

国内投資

-2016年をめどに日本国内に点火プラグの中心電極、端子などを手がける新工場を建設すると発表。子会社の日特製作所の新工場として愛知県小牧市に設置する。投資額は約70億円。国内の既存4工場 (日特製作所2カ所、日本特殊陶業2カ所) の生産を集約した上で能力を増強する。20年度までに点火プラグのグローバル生産能力を現状に比べ3割増の年10億個に引き上げる計画に合わせ、主要構成部品の生産効率と供給能力を高める。(2014年12月19日付日刊自動車新聞より)

-岐阜県可児市に設置した新工場の竣工式を実施。スパークプラグ用の絶縁体を手がけ、同製品の工場として国内で5カ所目の拠点となる。投資額は約280億円。順次、本格稼働し、2015年度末までに生産能力を月間1350万本に引き上げる。スパークプラグの供給能力を高めるほか、震災リスクに強い工場として製品の安定供給に活用する。(2014年4月16日付日刊自動車新聞より)

設備の新設計画

(2015年3月31日現在)
会社名 セグメント 投資予定額
(百万円)
設備の内容
同社 自動車関連 35,300 増産および研究開発設備
テクニカルセラミックス関連 12,400 増産および合理化設備
国内連結子会社 自動車関連 4,492 増産および保全設備
テクニカルセラミックス関連 - -
海外連結子会社 自動車関連 8,031 増産および合理化設備
テクニカルセラミックス関連 1,276 増産および合理化設備