(株) TBK 2013年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2013年 3月期 |
2012年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 42,904 | 44,768 | (4.2) | - |
営業利益 | 3,136 | 3,775 | (16.9) | - |
経常利益 | 3,209 | 3,856 | (16.8) | - |
当期純利益 | 2,042 | 2,504 | (18.5) | - |
2013年3月期に実施した主な施策・活動
1) 新商権の獲得
-国内外のトラックメーカー、建設・産業機械メーカー、エンジンメーカーに積極的な受注活動を行った結果、新規商権の受注を獲得した。
2) 総原価低減活動
-総原価の削減を目標に活動し。材料費の削減、生産効率の改善、経費の削減等コスト管理を徹底した。
3) 市場適格商品および環境対応商品への開発部門の対応
-国内外のトラックメーカーおよび建設・産業機械メーカー、エンジンメーカーに対し、低価格が要求される新興国向けモデル、省エネが求められる電動ポンプ等の環境対応製品の展開を積極的に行い、一部受注獲得に結びついた。
4) 海外業務の拡充
-中国・インドの生産拠点への商用車用部品需要に対応し、中国で一汽四環ブレーキ [FAW Sihuan Brake] と商用車用ブレーキおよび関連製品を製造・販売する合弁会社を設立した。インドでは、合弁会社として発足したTBK India Private Ltd.を前年度に子会社化し、今年度には新工場を立ち上げる等、企業基盤を強化した。また、タイ・中国・米国の海外子会社でも業容拡大に努めた。
乗用車向け部品の開発・製造に参入
-主力であるトラックやバス、建機向け部品の開発力を活用し、ハイブリッド車 (HV) や電気自動車 (EV) 向け電動ポンプなどを開発、受注活動を本格化する。同社製品はこれまで、ブレーキ部品の一部が汎用製品として乗用車に採用されたことはあるが、乗用車専用部品として開発したのは今回が初めて。受注活動に注力するのと同時に、来年度中の量産化開始に向けて生産体制の整備も始めている。さらに、乗用車向け部品としてEVの暖房機ユニットやインバーターも開発済みで、早期商品化を目指すとともに、関連展示会にも精力的に出品しアピールする。 (2012年9月6日付日刊自動車新聞より)事業再編
-浙江亜太機電股份有限公司 [Zhejiang Asia-Pacific Mechanical & Electronic Co., Ltd.] は2013年1月4日、浙江亜太機電が75%の株式を保有する、同社との合弁会社「杭州亜太特必克汽車制動系統有限公司」 [Hangzhou TBK-APG Brakes Co., Ltd.] を解散、清算すると発表した。合弁双方が合弁期間満了前に合弁を解消することに同意した。合弁会社の2012年9月末時点での総資産は4,334.20万元。2012年1-9月の売上は4,023.50万元だった。合弁会社の在庫、未収入金および機械設備等の価格は合弁双方で決定の上、浙江亜太機電がこれを取得し、2013年1月1日より「APGブランド」として生産、経営を行う。 (2013年1月4日付け会社公告より)>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2013年3月期 | 2012年3月期 | 2011年3月期 | |
ブレーキ部門 | 441 | 451 | 510 |
エンジンコンポーネント他部門 | 709 | 599 | 496 |
合計 | 1,150 | 1,050 | 1,007 |
-2013年3月期の新商品の開発に係る金額は56百万円。
研究開発体制
-第一開発部、第二開発部、新製品開発部および実験部により推進。-研究スタッフは、グループ全社で78名、総従業員の約5.4%に相当。
研究開発活動
-電気自動車 (EV) やハイブリッド車 (HV) 用の新たな暖房システムを開発した。新システムはモーターとファンで構成、モーターのドライバー部とコイル部から発する熱を利用しファンで送風する仕組み。エネルギー効率は現在普及している電気ヒーター式の約70%を大幅に上回る88%を達成した。また、ヒーターコアなどが不要なためユニット自体の軽量コンパクト化を実現、ファン部も冷房装置との共用も可能だ。同社ではこの新システムを自動車メーカーや自動車空調メーカー向けに提案、早期の製品化を目指す。(2012年9月24日付日刊自動車新聞より)ブレーキ部門
-国内メーカー全社に採用されたエアウエッジドラムブレーキはさらに車種を増加し、一部輸出にも展開を拡大。
-次期ブレーキとしてのエアディスクブレーキはモジュール化商品として、独自開発のパッド、ロータを含めた商品の開発を進め、採用に向けて展開。
-新興国向けに、Sカムブレーキの構造合理化を行い、幅広いニーズに対応できる様、開発を推進。
-安全性向上、環境対応、省エネ対応を主眼とした研究・開発に注力し、将来への継承技術を蓄積。
エンジンコンポーネント部門
-小型、中型、大型トラック・バス用エンジンの水ポンプと油ポンプの改良・開発を推進。
その他部門
-リターダは排出ガス規制対応エンジンに適した装置として中型、大型トラック・バス用として採用を拡大中。
-リターダのラインアップの充実を図り、適用車種の拡大に向けた開発を実施。
技術供与 |
(2013年3月31日現在) |
相手方の名称 | 国名 | 契約品目 | 契約内容 | 契約期間 |
TBKK (Thailand) Co., Ltd. | タイ | 自動車用ブレーキ、カムシャフト、油ポンプ、水ポンプ | 1.工業所有権の実施権の設定 2.技術情報の提供 3.製造権および販売権の許諾 |
1990年3月29日 販売開始日より10年以後1年ずつ自動更新 |
Sangsin Brake Co., Ltd. | 韓国 | 大型車両用ブレーキ | 同上 | 1994年1月14日 量産時より10年以後1年ずつ自動更新 |
Full Win Developments Ltd. | 中国 | ブレーキライニング | 同上 | 2002年8月1日 発効日より10年以後1年ずつ自動更新 |
Hangzhou TBK-APG Brakes Co., Ltd. | 中国 | 大型車両用ブレーキ | 同上 | 2003年7月30日 量産時より10年以後1年ずつ自動更新 |
Changchun TBK Shili Auto Parts Co., Ltd. | 中国 | 商用車用ブレーキ摩擦材 | 同上 | 2005年12月22日 量産時より10年以後1年ずつ自動更新 |
TBK America, Inc. | 米国 | 自動車用水ポンプ油ポンプ | 同上 | 2006年11月15日 頭金支払い後10年以後1年ずつ自動更新 |
Sangsin Brake Co., Ltd. | 韓国 | 電磁式リターダ | 同上 | 2010年9月30日から 量産時より10年以後1年ずつ自動更新 |
TBK India Private Ltd. | インド | 自動用水ポンプ油ポンプ | 同上 | 2011年6月28日から 量産時より10年 |
Changchun FAW Sihuan TBK Co., Ltd. | 中国 | 商用車用ブレーキ | 同上 | 2012年7月5日 量産時より10年以後1年ずつ自動更新 |
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2013年3月期 | 2012年3月期 | 2011年3月期 | |
自動車部品等製造事業 | 2,899 | 2,376 | 1,296 |
-日本 | 1,982 | 1,647 | 1,068 |
-アジア | 873 | 687 | 209 |
-北米 | 55 | 40 | 18 |
日本:エンジンコンポーネント関連646百万円、ブレーキ関連444百万円
アジア:エンジンコンポーネント関連490百万円
海外投資
<アジア>-タイを中心としたアジア拠点の生産能力増強を急ぐ。主力の商用車向け部品の海外需要拡大に対応するもので、今期中にタイと中国拠点にそれぞれ8億円を投じる。また、9月に開所したインド拠点では早期の供給開始を目指し、今期中に売上高5億円の達成を狙う。同社ではノックダウン用部品を含む国内での需要減を受け、海外での現地生産対応を本格化させており、同時に原材料の現地調達を拡大し収益力拡大を目指す。 (2012年12月5日付日刊自動車新聞より)
<インド>
-インドの子会社で2015年にも大型車用部品の売上高30億円を狙う。インド生産工場を現地市場向けのほか、欧米市場向けの生産拠点と位置付け、欧州メーカーなどにも拡販する。建設中の新工場が9月にも本格稼働する予定で、生産能力の増強を図ると同時に、現地材料の使用を拡大するなどでコスト競争力も高める。この新工場では既存拠点と同じく、大型トラック用ウォーターポンプやオイルポンプなどを9月にも生産を始める予定で、今年の売上高は7億円を見込んでいる。新工場稼働を機に拡販に取り組む考えで、現地日系メーカーや地場メーカー向けに加え、欧州の大型メーカー向けにも営業活動を強化する。 (2012年7月18日付日刊自動車新聞より)