東海ゴム工業 (株) 2012年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2012年 3月期 |
2011年 3月期 |
増減率(%) | 要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 251,943 | 272,488 | (7.5) | - |
営業利益 | 12,824 | 16,796 | (23.6) | - |
経常利益 | 13,050 | 15,983 | (18.4) | - |
当期純利益 | 6,095 | 9,940 | (38.7) | - |
自動車用品 | ||||
売上高 | 193,721 | 217,524 | (10.9) | -東日本大震災による上半期の国内自動車生産台数の大幅減少に加え、タイの洪水による下半期の製品納入減により、自動車用防振ゴム・ホース、ウレタン内装品・制遮音材の売上高が前年を下回った。 |
営業利益 | 9,058 | 13,440 | (32.6) | - |
海外事業
<ポーランド>-同社は欧州メーカーから防振ゴムの受注を獲得した。欧州メーカーとの直接取引は初めて。2013年度中にもポーランドに設置する生産子会社から欧州域内の取引先の工場に供給を開始する。ポーランド工場は主に日系メーカー向けの製品を手がけてきたが、新規受注の獲得により中長期の供給量が生産能力を上回る可能性も出ている。このため、同工場の増強か新工場を設置して十分な能力を確保するかとの検討も始めた。(2012年1月30日付日刊自動車新聞より)
<ブラジル>
-同社は2012年度中にもブラジルに進出する。現地メーカーを買収し、防振ゴムや燃料ホースの生産、供給基盤を取得する。11年度後半から現地で複数の候補と協議に入った。12年度中にも交渉をまとめる計画だが、条件が折り合わなかった場合には新工場を建設する代替案も用意している。同社がブラジルに生産基盤を持つのは初めて。現地では日系メーカーが完成車生産の拡充に動いているほか、同社が受注獲得を目指す欧州メーカーも工場を設置している。事業基盤の取得後は自社の品質基準に見合う生産体制を確立し、早期に供給を開始する考えだ。海外には北米、欧州、中国、東南アジアなどに生産基盤を築いている。足元では新興国市場での生産拡大に向けて矢継ぎ早に手を打っており、12年はインドやインドネシアで新工場が立ち上がる予定だ。今後は、次の新興国プロジェクトとしてブラジルでの生産基盤の整備に取り組む。買収費用は15年度までの5年間で予定している設備投資額2,000億円のなかから拠出する考えだ。(2012年1月23日付日刊自動車新聞より)
<ドイツ>
-同社は、独ヴォルフスブルクに駐在員事務所を設立すると発表した。欧州地域における拡販活動を強化するのが狙いで、顧客ニーズや開発動向の把握や各種の調査活動を展開する。同社は1999年ポーランドに自動車用防振ゴムの製造販売を手がける「TRI (ポーランド)」を設立するなど、防振ゴムやホース、内装品など自動車部門の海外事業拡大に取り組んできた。旧西欧地域には数年前まで情報収集拠点を持っていたが、新たに駐在事務所を設立し顧客ニーズに迅速に対応できる体制とする。また将来的には現地法人化も視野に入れる。 (2011年5月20日付日刊自動車新聞より)
新会社
-中国浙江省の嘉興(Jiaxing)市において、自動車用ゴム・樹脂製品の開発子会社である東海橡塑技術中心(中国)有限公司(Tokai Rubber Technical Center (China) Co., Ltd.: TRTC)の起工式を行ったと発表。総投資額は約42百万元(約550百万円)で、敷地面積は約5,000平方メートル。2012年秋に稼動を開始する予定。TRTCは、日本・米国・タイに次ぎ、同社にとって4カ所目の開発拠点となる。(2012年3月14日付プレスリリースより)合弁会社
-自動車用防振ゴムの金具成型用プレス金型を製作販売する合弁会社「東海津栄模具(天津)有限公司(TJD)」の開所式を実施した。東海ゴムは、自動車用防振ゴムのコスト競争力を高めてグローバルでの受注拡大を図るため、低コストで高品質なプレス金型を生産する体制づくりを進めている。その一環として、東海ゴムと同子会社のTRIメテックス、中国プレス部品メーカーの天津市津栄天宇精密机械有限公司の3社合弁でTJDを設立、2011年12月に本格生産を開始した。(2012年3月19日付日刊自動車新聞より)
2013年3月期の見通し |
(単位:億円) |
2013年3月期 (予想) |
2012年3月期 (実績) |
増減 (%) |
|
売上高 | 2,700 | 2,519 | 7.2 |
営業利益 | 135 | 128 | 5.5 |
経常利益 | 135 | 131 | 3.1 |
当期純利益 | 80 | 61 | 31.1 |
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
中期経営計画
-2011年11月に、中期経営計画「2015年TRI GROUP VISION」を策定。計画最終年度となる2015年度の経営目標数値は以下の通り;- 売上高:4,200億円
- 営業利益:340億円
- 営業利益率:8%
- ROE:10%
- ROA:8%
- 成長著しい新興国の旺盛な需要に対応するため、インドネシアやインドに自動車用品の生産拠点を設立し稼動を開始し、新興国での供給体制を強固なものとする。
- 中国・上海に物流子会社を設立し、中国の生産拠点と日本や他のアジア諸国との原材料や製品の輸出ルートを確保。
- 国内では生産体制の再構築に取り組む。国内4カ所に分散していた化成品事業部の開発・生産・営業拠点を、2012年9月末までに富士裾野製作所と同社子会社の株式会社TRI大分AEに集約。生産効率の向上や製品開発力・営業力の強化を図る。
- 原価低減策を積極的に推進。
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2012年3月期 | 2011年3月期 | 2010年3月期 | |
全社 | 8,660 | 8,182 | - |
自動車用品 | 6,770 | 6,596 | - |
ゴム製品事業 | - | - | 6,241 |
研究開発体制
-技術研究所「テクノピア」において、材料技術研究所・新事業開発研究所の連携により必要な技術開発を進めている。2011年3月には「新作業連携センター室」および「自動車連携センター室」を設け、事業化・商品開発の促進を図っている。-中国での現地開発体制を強化するため、浙江省嘉興市に自動車用ゴム・樹脂製品の開発センターを設立すると発表した。7月に設立し2012年5月から業務を開始する予定。設立するのは「東海橡塑技術中心(中国)有限公司」で、浙江省嘉興市の嘉興経済開発区内に拠点を置く。資本金は5千万元で全額を東海ゴムが出資する。(2011年6月17日付日刊自動車新聞より)
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2012年3月期 | 2011年3月期 | 2010年3月期 | |
全社 | 20,191 | 14,938 | 10,277 |
自動車用品 | 17,237 | 12,530 | - |
ゴム製品 | - | - | 8,448 |
-自動車用品事業では、同社および海外子会社の自動車用防振ゴム、ホースの生産設備を中心に投資。
海外投資
<インド>-インド南部のカルナタカ州で新工場の開所式を実施したと発表した。2008年に防振ゴムの現地生産会社東海ラバー・オートパーツ・インディア(TRI)を設立した際にはレンタル工場で生産体制を整えたが、事業拡大に合わせて自社工場を設置した。投資額は約13億円。トヨタ自動車を始め、スズキ、ホンダ、日産自動車などの現地生産拠点に製品を納入する。TRIの新工場は、東海ゴムとして2カ所目の現地拠点。中期的には首都デリーの近郊にも新工場を設置することを検討している。新工場の敷地面積は約4万平方メートル、建屋面積は約8千平方メートル。従業員数は15年度に210人を予定している。(2012年3月3日付日刊自動車新聞より)
-インド南部のバンガロール近郊に自動車用防振ゴムを製造する工場を新設したと発表した。同社グループではインドでの自動車用防振ゴムはこれまで、アセンブリー生産のみ行ってきたが、自動車生産台数の増加が見込まれるインドで、自動車用防振ゴムの本格生産に移行、供給体制を拡充する。同社グループでは、インドで2005年に自動車用ホースを製造する子会社「トーカイ・インペリアル・ラバー・インディア」(TIR)を設立、08年には自動車用防振ゴムを製造・販売する子会社「トーカイ・ラバー・オートパーツ・インディア」(TRIN)を設立して2拠点で自動車用品事業を展開してきた。新工場では12年1月から本格生産する。新工場は敷地面積が約4万平方メートル、建屋が約8千平方メートル。15年には従業員数を210人に増やし、売上高約7億ルピー(約12億円)を目指す。(2011年8月26日付日刊自動車新聞より)
<インドネシア>
-インドネシアに自動車用防振ゴムを製造する工場を新設すると発表した。同社はインドネシアに二輪車用樹脂ホースの製造拠点の新設を決定したばかりで、新拠点は同社としてインドネシア3番目の生産拠点となる。自動車用防振ゴムを製造する新会社「PT・トーカイ・ラバー・インドネシア」(TRID)を西ジャワ州カラワン県KIM工業団地に8月に新設する。資本金は1150万米ドル(約9億6000万円)で、東海ゴムが100%出資する。現在、インドネシア向けの自動車用防振ゴムは、フコクとのインドネシアの合弁会社であるPT・フコク・トーカイ・ラバー・インドネシア(FTR)が供給している。新会社TRIDを設立し、自動車用防振ゴムの現地生産体制を拡充、生産能力を増強するとともに、納入先のニーズに迅速に対応していく。新工場の敷地面積は5万平方メートル、建物面積が7,680平方メートル。2012年から自動車用防振ゴムを生産開始する予定。15年度に従業員数約300人、売上高3,100億ルピア(約30億円)を見込んでいる。(2011年7月15日付日刊自動車新聞より)
-インドネシアに自動車用樹脂製燃料ホースを生産する子会社を設立すると発表した。11月にまずは二輪車用ホースの生産を開始し、日系の二輪車メーカーなどに供給する。その後、順次、四輪車用ホースの生産も立ち上げる。新会社の社名は「トウカイ・ラバー・オート・ホース・インドネシア」(略称TRHI)とし、西ジャワ州ブカシ県のチカラン・ジャバベカ工業団地内に工場を置く。資本金450万米ドルの全額を東海ゴムが出資して、7月中に設立予定。(2011年7月8日付日刊自動車新聞より)