(株) 今仙電機製作所 2017年3月期の動向
業績 |
(単位:百万円) |
2017年 3月期 |
2016年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 110,275 | 120,100 | (8.2) | - |
営業利益 | 2,670 | 3,202 | (16.6) | -画像処理技術を活用して昨年度に開発した検査設備を海外拠点にも導入することで、検査工数の削減や検査精度の向上、省人化を実現したものの減益 |
経常利益 | 2,047 | 2,747 | (25.5) | |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,567 | 883 | 77.5 | -前期に計上した米国法人における2国間協定の法人税の減少により増益 |
自動車部品関連事業 | ||||
売上高 | 106,670 | 115,907 | (8.0) | -国内の生産減少や為替影響などにより、減収 |
営業利益 | 2,842 | 3,205 | (11.3) | - |
中長期経営計画
-IMASEN中長期経営目標「Dream 2020」において、2021年3月期に連結売上高1,800億円、営業利益率7%の達成を目指す。
-2021年3月期目標に至るまでのフェーズ2 (2016年3月期~2018年3月期) として、2018年3月期の営業利益率5.5%を目標に掲げる。
-コントローラーなど電装部品の売上高を、2020年度に自動車部品事業の2割に拡大する。現在は6~7%にとどまっているが、車の電動化によって電装部品の需要が高まっていることを踏まえて納入先の拡大を狙う。同社はシートアジャスターをはじめとしたシート機構部品を主力にしている。今後、より高い成長が見込まれる電装部品分野への投資を拡大し、シート機構部品に次ぐ第2の柱に育成する。(2015年9月1日付日刊自動車新聞より)
Dream2020 フェーズ2 (2016年3月期 - 2018年3月期) の主な取り組み
<技術革新>
-2015年4月:「IMASENグローバル開発・研修センター」を開設。
- グループ技術者を集結。
- 画像技術を利用した「安全運転支援システム」を開発し、東京モーターショーで展示。走行中の自車周り360°の状況を、車内モニターに3Dビューで映し出す機能により、ドライバーに安全で快適な運転環境を提供する。
- 愛知県犬山市に、「IMASEN グローバル開発・研修センター」と「今仙歴史館」を竣工した。先進技術の研究開発と、グローバルで活躍できる人材の育成に活用する。同社の創業の地で、従来、子会社の今仙技術研究所があった場所に建設した。開発・研修センターは延べ床面積2844平方メートルの3階建てで1階を研修、2階を宿泊、3階を研究開発のフロアとして活用する。(2015年7月14日付日刊自動車新聞より)
-グローバル開発センターを軸とした新規製品の開発を実施。
<国内事業の再構築>
-2016年1月:中部地区の製造部門の組織を統合。
-国内工場再編による固定費削減の推進。
<グローバル拠点の最適化>
-2015年4月:グローバル経営事業部の発足。
-2015年10月、2016年1月:海外子会社の体制強化。
- 主力のシート機構部品でグローバルでの生産拠点の最適化に着手する。急速に拠点展開を拡大してきた海外について、今後の受注見通しや為替、労務費などを考慮し、将来の成長に向けた効率的な生産体制を整える。成長市場での拠点展開が一段落したことから、今後3年間は生産の効率を追求する。(2015年10月6日付日刊自動車新聞より)
- 北米事業収益改善に向けた取り組み:2016年3月期、北米事業において増収・営業利益の黒字化を達成。(駐在員の配置適正化、北米3拠点の管理機能のスリム化、メキシコ拠点の活用による原価低減、為替変動に応じた最適な生産体制の検討対応)
- アジアの収益悪化に対する改善着手:売上減少に対しても利益を確保できる体質の構築を図る。
(コア製品の現地化、原価低減活動の推進、現調化・内製化の推進、中国3拠点の管理・生産体制の最適化、インドネシア (販売拠点開設) での拡販)
-2015年6月:ドイツ支店 (ドイツ フランクフルト) の設立。
- 欧州メーカーへの営業活動を開始。
-中国3拠点の最適な管理、生産体制を構築する
<人材育成>
-グローバル開発・研修センター活用による各種専門教育の実施。
-海外現地スタッフの育成強化
2018年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2018年3月期 (予測) |
2017年3月期 (実績) |
増減 (%) | |
売上高 | 113,000 | 110,275 | 2.5 |
営業利益 | 3,900 | 2,670 | 46.1 |
経常利益 | 3,800 | 2,047 | 85.6 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,500 | 1,567 | 59.5 |
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2017年3月期 | 2016年3月期 | 2015年3月期 | |
全社 | 1,758 | 1,672 | 1,626 |
-自動車部品関連事業 | 1,722 | 1,638 | - |
研究開発拠点
-広島テクニカルセンター (広島県東広島市)
-栃木テクニカルセンター (栃木県芳賀郡)
-IMASENグローバル開発・研修センター (愛知県犬山市)
研究開発活動
-以下の研究開発を推進している:
自動車部品関連事業
<シートアジャスター>
-衝突時の乗員保護を目的とした高強度製品や衝撃を吸収する製品。
-低燃費を実現させるため、部品の削減、新素材、新加工による小型軽量化製品を開発。
-快適で利便性に優れ、リラクッスできる空間を提供できる安全なシートアジャスタの開発。
-CAE解析技術を活用した製品開発期間の短縮と、スライド、リクライニング、ハイトなどの基本機能向上、低コスト化を目指した研究開発。
-音・振動といった感覚的性能に優れたパワーシートアジャスターの開発、パワー作動時の挟み込み防止技術などシートの動作を制御する電子ユニットとの融合開発。
<電子ユニット>
-各種装置の複合制御を可能とした統合ユニットの製品化。
-シート、サンルーフやオープンカールーフなどの各種ECUを製品化。
-各種シートアレンジ制御など機構と電子を融合したメカトロニクス製品の研究開発。
-ドライバーの状態を監視し、居眠り等を検知してドライバーへ警告する安全装備の研究開発。
-燃費向上に貢献する電圧変換制御ECUの製品化。
-環境対応車 (EV、HEV) 用の電子機器製品および車載カメラの映像信号から人の目では見落としがちな前方車両との距離、歩行者等を人の目の代わりとなって交通事故の減少に繋がる技術の研究開発。
<ランプ>
-LED素子を採用したリアコンビネーションランプ、方向指示器、ルームランプなどの多種の新規ランプを開発。
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2018年3月期 (見通し) |
2017年3月期 (実績) |
2016年3月期 (実績) |
2015年3月期 (実績) |
|
全社 | 4,500 | 3,526 | 4,361 | 6,512 |
-自動車部品関連事業 | - | 3,456 | 4,325 | 6,415 |
国別設備投資額 (全社) | ||||
日本 | 2,876 | 1,907 | 2,346 | 3,056 |
北米 | 377 | 685 | 945 | 1,829 |
メキシコ | 44 | 238 | 183 | 442 |
中国 | 637 | 263 | 485 | 740 |
タイ | 313 | 369 | 247 | 323 |
フィリピン | 115 | 35 | 75 | 89 |
台湾 | 42 | 21 | 19 | 0 |
インド | 92 | 2 | 18 | 27 |
インドネシア | 0 | 2 | 39 | 3 |
-2016年3月期の主な設備投資の対象は、ラウンドリクライニングアジャスターおよびシートアジャスターの製品生産設備。
設備の新設計画 (自動車部品関連事業) |
(2017年3月31日現在) |
会社名 事業所名 (所在地) |
設備の内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着手 | 完了 予定 |
名古屋工場 (愛知県犬山市) |
生産設備 | 646 | 2017年3月 | 2018年3月 |
岐阜工場 (岐阜県加茂郡) |
生産設備 | 1,181 | 2017年3月 | 2018年3月 |
八百津工場 (岐阜県加茂郡) |
生産設備 | 8 | 2017年3月 | 2018年3月 |
岡山工場 (岡山県倉敷市) |
生産設備 | 238 | 2017年3月 | 2018年3月 |
可児工場 (岐阜県可児市) |
生産設備 | 19 | 2017年3月 | 2018年3月 |
春里工場 (岐阜県可児市) |
生産設備 | 106 | 2017年3月 | 2018年3月 |
広島工場 (広島県東広島市) |
生産設備 | 391 | 2017年3月 | 2018年3月 |
広州今仙電機有限公司 [Guangzhou Imasen Electric Industrial Co.,Ltd.] (中国 広東省) |
生産設備 | 125 | 2017年1月 | 2017年12月 |
武漢今仙電機有限公司 [Wuhan Imasen Electric Industrial Co., Ltd.] (中国 湖北省) |
建物、生産設備 | 511 | 2017年1月 | 2017年12月 |
Imasen Bucyrus Technology Inc. オハイオ工場 (米国 オハイオ州) |
生産設備 | 319 | 2017年1月 | 2017年12月 |
Imasen Bucyrus Technology Inc. テネシー工場 (米国 テネシー州) |
生産設備 | 57 | 2017年1月 | 2017年12月 |
Imasen Manufacturing India Pvt. Ltd. (インド ラジャスタン州) |
生産設備 | 92 | 2017年1月 | 2017年12月 |
Imasen Manufacturing (Thailand) Co., Ltd. (タイ アユタヤ県) |
生産設備 | 313 | 2017年1月 | 2017年12月 |
Imasen Philippines Manufacturing Corporation (フィリピン ラグナ州) |
生産設備 | 115 | 2017年1月 | 2017年12月 |
Imasen Mexico Technology S.A. de C.V. (メキシコ グアナファト州) |
生産設備 | 44 | 2017年1月 | 2017年12月 |