(株) リケン 2017年3月期の動向
業績 |
(単位:百万円) |
2017年 3月期 |
2016年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 75,904 | 73,292 | 3.6 | -堅調な受注および欧米・中国市場での非日系メーカー向け拡販も奏功。 |
営業利益 | 5,902 | 5,579 | 5.8 | - |
経常利益 | 5,982 | 6,163 | (2.9) | - |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,928 | 3,524 | 11.5 | - |
自動車・産業機械部品事業 | ||||
売上高 | 63,991 | 60,572 | 5.6 | - |
セグメント利益 | 4,484 | 4,257 | 5.3 | - |
事業提携
-海外で展開している独コルベンシュミット(KS)との合弁事業を強化し、2020年度までにKS製パワーシリンダーユニット向けピストンリングの供給量を2倍以上に増やす。現在はKSが調達するピストンリングの1割強をリケンが占めているが、4、5年後をめどに25%にまで引き上げる。リケンは、中国とインドでKSとの合弁事業を展開しており、KSが製造するパワーシリンダーユニット向けに高性能ピストンリングを納入している。欧州自動車メーカーの上級車向けが主力だが、最近は量販モデルにも採用が増え始めている。ただ、現地生産車向けが中心のため、KS製パワーシリンダーユニット全体に占めるリケンのシェアは1割強にとどまる。今後、KSとの連携を強化して環境性能向上や長寿命化に貢献するパワーシリンダーユニットの共同開発に力を入れることで、KSから高性能ピストンリングの受注量を増やしていく。リケンの日系自動車メーカー向けピストンリングのシェアは50%とトップだが、グローバルでのシェアでは20%にとどまる。日系以外の自動車メーカー向けのシェアは8%と1割以下で、事業の成長に向けては外資系への拡販が大きな課題となっている。中期経営計画の目標とするグローバルシェア30%に向けて外資系自動車メーカー向け需要を積極的に開拓、日系以外の自動車メーカー向けシェアを18%以上に引き上げる計画だ。(2016年9月13日付日刊自動車新聞より)
経営計画
中期経営計画「プラン2020」
-2020年度に非連結会社を含むグループ売上高で1,400億円超を目指す中期経営計画「プラン2020」を発表。中計では、最終年度の業績目標を15年度比26.0%増の売上高1400億円とした。まず18年までのステージ1終了時点で売上高1300億円を達成し、ステージ2の目標達成に向けて弾みをつける。具体的には、チルド鋳鉄製の超薄肉カムシャフトやダウンサイジングエンジン向けの小型部品などの受注拡大を目指す。また、耐熱性や耐摩耗性を高めたバルブガイド、バルブシート、ターボ用ブッシュなどの高付加価値製品のポートフォリオを拡充し、売上高を底上げする。主力のピストンリングでは、15年度に独ピストンメーカー・コルベンシュミットと提携強化したことを背景に、日系以外の自動車メーカーからの受注開拓に注力する。特に、合弁事業を展開している中国での受注を伸ばし、同部品のグローバル シェアを現在の20%から30%に引き上げる計画。中計期間中の設備投資総額は450億円。(2016年6月23日付日刊自動車新聞より)
業務提携
ブラザー精密工業と業務提携
-カムシャフトを中心とした自動車部品事業に関する業務提携契約および合弁会社設立契約を、ブラザー精密工業と締結したと発表した。両社が培ってきたノウハウを融合させて、一層の競争力強化を図り、グローバル事業を拡大していくことを目的とする。合弁会社の名称はリケンブラザー精密工業、所在地は愛知県知立市。設立予定は2017年4月1日。資本金90百万円で、リケンが51%、ブラザー精密工業が49%を出資する。 (2017年3月17日付プレスリリースより)
合弁解消
-米国のピストンリング合弁会社Allied Ring Corporationを2018年末に解散すると発表。リケンと合弁相手の独マーレグループ現地子会社Mahle Engine Components USA, Inc.が合意した。今後はそれぞれが独自に事業を展開する。(2017年3月24日付日刊自動車新聞より)
2018年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2018年3月期 (予想) |
2017年3月期 (実績) |
増減率 (%) | |
売上高 | 78,000 | 75,904 | 2.8 |
営業利益 | 6,000 | 5,902 | 1.7 |
経常利益 | 6,200 | 5,982 | 3.6 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 4,000 | 3,928 | 1.8 |
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2017年3月期 | 2016年3月期 | 2015年3月期 | |
全社 | 1,597 | 1,603 | 1,550 |
-自動車・産業機械部品事業 | 1,539 | 1,555 | 1,498 |
研究開発体制
-ハイブリッド自動車、電気自動車等の新たな発展分野向けの新製品創出を目的に新製品開発部が開発を行う。
-自動車・産業機械部品事業に関しては、研究開発部、リング製品技術部、リング生産技術部および各製造部門の製品開発・生産技術部門が実施。
研究開発活動
自動車・産業機械部品事業
1. 低燃費を実現する低フリクション・長寿命ガソリンエンジン用ピストンリングの開発
2. 低燃費、排気ガス規制に対応するディーゼルエンジン用ピストンリングの開発
3. 燃費低減に寄与する低フリクション自動車・産業機械用シール部品の開発
4. 軽量、低フリクション、高耐久自動車・産業機械用動弁部品の開発
5. 摺動特性、耐久性に優れる各種表面処理技術の開発
6. 軽量化、高強度化を実現する足回り部品の開発
7. 耐久性に優れた高強度アルミ製品の開発
製品開発
Rheinmetall Automotiveとピストンリングを共同で開発
Rheinmetall Automotive は、NAIAS 2017でリケンと共同開発したピストンリングを展示。
技術供与契約 |
(2017年3月31日現在) |
会社名 | 国 | 内容 | 契約年月日 | 契約期間 |
台湾理研工業股份公司 [Taiwan Riken Ind. Co, Ltd.] |
台湾 | ピストンリング、シリンダライナー、ブロック、カムシャフト、ナックルおよび各種鋳物製品の製造法 | 2008.08.22 | 9年 |
Siam Riken Ind. Co., Ltd. | タイ | ピストンリングの製造法 | 2015.01.18 | 5年 |
P.T. Pakarti Riken Indonesia | インドネシア | 管継手および自動車用鋳造部品の製造法 | 2016.01.01 | 5年 |
Shriram Pistons & Rings Ltd. | インド | ピストンリングの製造法 | 2014.03.01 | 7年 |
Allied Ring Corporation | 米国 | ピストンリングの製造法 | 2014.01.01 | 合弁契約終了まで |
Grede Holdings LLC | 米国 | 鋳物製品の製造法 | 2016.04.01 | 5年 |
Korea Piston Ring Inc. | 韓国 | ピストンリングの製造法 | 2015.03.01 | 5年 |
廈門理研工業有限公司 [Xiamen Riken Ind. Co., Ltd.] |
中国 | ピストンリングの製造法 | 2013.07.01 | 10年 |
カムシャフトの製造法 | 2013.07.01 | 10年 | ||
理研汽車配件 (武漢) 有限公司 [Riken Automobile Parts (Wuhan) Co., Ltd.] |
中国 | ピストンリング、シールリング、動弁製品およびその他鋳物製品の製造法 | 2015.03.01 | 5年 |
理研密封件(武漢)有限公司 (RIKEN SEALING PARTS (WUHAN) CO.,LTD.) |
中国 | シールリングの製造法 | 2015.07.01 | 5年 |
Riken Mexico, S.A. De C.V. | メキシコ | バルブリフターの製造法 | 2013.09.01 | 5年 |
シールリングの製造法 | 2014.07.01 | 2018.08.31まで | ||
ピストンリングの製造法 | 2015.09.01 | 3年 |
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2017年3月期 | 2016年3月期 | 2015年3月期 | |
全社 | 6,079 | 9,185 | 5,904 |
自動車・産業機械部品事業 | 5,756 | 7,254 | 4,725 |
自動車・産業機械部品事業
-同社における機械加工・表面処理設備やメキシコ子会社における機械加工設備等に投資。
<メキシコ>
-メキシコで自動車エンジン用ピストンリングを現地生産する。2017年前半に月産能力160万本の製造ラインを立ち上げ、量産を始める計画だ。稼働後は段階的に設備を増設し、20年をめどに月産300万本まで生産能力を引き上げる。日米欧の自動車メーカーからの受注拡大を見込んで、現地供給体制を整え、事業の拡大を図る構えだ。アグアスカリエンテス州にあるメキシコ子会社のリケンメキシコが主力製品のピストンリングを生産する。16年前半から製造ラインを試験的に稼働しているが、17年初頭には本格生産が可能になる見通し。18年前半には、メキシコで新車を生産している日系自動車メーカーの現地生産車向けにも供給を始める計画だ。これらの受注が本格化すると月産160万本では供給力が不足することから、生産設備を増強するなどして、20年までに生産能力を倍増させる。 (2016年11月8日付日刊自動車新聞より)
設備の新設計画 |
(2017年3月31日現在) |
会社名 事業所名 |
所在地 | 設備の 内容 |
投資予定 金額総額 (百万円) |
柏崎事業所 | 新潟県柏崎市 | ピストンリング、自動車部品等生産設備 | 1,981 |
熊谷事業所 | 埼玉県熊谷市 | ピストンリング、自動車部品等生産設備 | 567 |
Riken Mexico, S.A. De C.V. | メキシコ アグアスカリエンテス州 |
自動車部品等生産設備 | 733 |
理研汽車配件 (武漢) 有限公司 [Riken Automobile Parts (Wuhan) Co., Ltd.] |
中国武漢市 | 自動車部品等生産設備 | 1,009 |
P.T. Pakarti Riken Indonesia | インドネシア シドアルジョ県 |
自動車部品等生産設備 | 910 |