Bosch [ボッシュ (株)] 2014年12月期までの動向

国内事業

-2011年、最新型のESC (横滑り防止装置) ユニットの生産体制の増強に乗り出す。栃木工場で小型・軽量化した第9世代目となる油圧ユニットを生産できる設備に順次切り替えるとともに、ESCを増産する。国内では2012年10月以降、新型車(登録乗用車)へのESCの装着が義務付けられるほか、14年10月以降は軽自動車を除く全ての乗用車にESCの装着が義務付けられ、需要の急増が見込まれるため、これに対応していく。(2011年10月28日付日刊自動車新聞より)

事業方針

-2014年12月期の日本での売上高が前年比7.0%増の3,430億円に達したと発表。農機用コモンレールシステム、四輪車および二輪車のABSや横滑り防止装置ESC、CVT (Continuously Variable Transmission; 自動無段変速機) ベルトなどの売上が好調だった。従業員数は2015年4月現在で約6,700人。この数字には2015年1月にボッシュが完全子会社化したJVのZF Lenksysteme GmbH (現Robert Bosch Automotive Steering GmbH) の従業員も含まれている。 (2015年6月18日付プレスリリースより)

-2013年12月期の日本での売上高が前年比2.5%増の約3,200憶円に達したことを発表した。北米向けの二輪車向けビジネスの増加やCVT (Continuously Variable Transmission; 自動無段変速機) ベルトなどの自動車機器関連での売上が順調に推移したことが成長の要因。また、2014年の日本の自動車メーカー向けのグローバルな売上高が前年比10%の伸びになると述べた。「日本の自動車メーカーが市場を独占している東南アジア地域で自動車の伸びが最も大きい」とし、同地域で日本メーカー向け製品の生産を拡大する方針を示した。インドネシア工場が2014年6月10日に稼働しガソリンエンジン用インジェクターの生産を始め、今後O2センサーなど生産品目を追加し生産を拡大していく予定。また、タイでも2013年末に新工場を稼働しガソリン関連製品の量産を開始しており、2014年末にはシャシーシステム関連製品も製造を開始する予定。 (2014年6月19日付プレスリリースより)

-2010年9月、2010年12月期の業績が当初計画を上回り、前期比32%増の3,200億円規模になるとの見通しを明らかにした。CVT (無段変速機) の搭載車種拡大に伴いボッシュ・グループが生産している変速ベルトの販売が伸びたほか、ディーゼル燃料噴射装置の回復が進んだことから、予 想を上回ることが確実になった。ボッシュ・グループの10年12月期業績については、中国事業の拡大に伴いアジア太平洋地域の売上高が前期比30%増とな り、100億ユーロを突破する見通しとした。(2010年9月9日付日刊自動車新聞より)

-2010年、主力事業のディーゼル噴射装置の拡販をねらい、日本でディーゼル乗用車の普及に向けた技術提案を再強化する。ディーゼル車が主力の欧州で日本の「ポスト新長期規制」と同等な排ガス規制が2014年にスタートする。これにともない従来よりも低いコストで日本仕様の設定が可能になることを日系自動車メーカーに訴求していく。合わせて燃費や排ガスの改善に優位な高圧噴射を低コストで実現する燃料システムを投入するなどして自動車メーカーの開発を支援し、ディーゼル乗用車の本格設定に結びつける。(2010年1月15日付日刊自動車新聞より)

-2010年5月、中期の事業戦略を明らかにした。自動車部品については、低価格車向け部品の開発で実績を持つインド法人を始めボッシュグループ内での設計ノウハウの共有を拡大しながら、グループとして生産分担の適正化を進め「価格競争力の向上につなげていく」と述べた。また、技術開発ではハイブリッド車(HV)などの電気駆動システムが長期的に不可欠とする半面、2020年の段階で従来車が世界市場で80%を占めるとの見通しを示した。このため、当面は日系メーカーでは採用の少ないガソリン直噴システムやクリーンディーゼル用ユニットといった環境対応技術の受注開拓にも力を入れる。2010年12月期の業績は、前期比24.6%増の2980億円に回復するが、ピークだった07年12月期に対して80%弱の水準にとどまる。また、税引き前利益率は最低5%を確保できる見込みだが、目標の7-8%を下回る。今後は工機関連の生産技術拠点を東松山工場(埼玉県)に統合するなど一層の合理化に取り組み、収益力の改善につなげる。(2010年5月28日付日刊自動車新聞より)

工場閉鎖

-自動車向け電子制御ユニットを製造している富岡工場 (群馬県富岡市) を2013年第3四半期に閉鎖。電子制御ユニットの生産は、主に製造コストの安い中国からの輸入に切り替える。現在約100人いる従業員は、他の生産拠点に移管する予定。ドイツのロバート・ボッシュグループ全体で経営資源を有効活用することでコスト競争力を確保する。ボッシュは富岡工場で電子制御ユニットを製造していた。エアバッグのコントロールユニットの生産については昨年末で生産を終了し、ロバート・ボッシュグループの中国にある生産拠点からの輸入に切り替えた。今後、残りの電子制御ユニットの生産についても、納入先からの了承を得た後、中国からの輸入に切り替えていく予定だ。工場跡地は売却する。(2013年1月23日付日刊自動車新聞より)

受賞

-2011年2月、トヨタから「グローバル貢献賞」を受賞した。同社は2002年と2006年にも同賞を獲得している。(2011年2月発行プレスリリースより)

研究開発費

-2012年の研究開発費は、売上の約8%相当の金額を投資する計画。

-2011年、同社は日本において研究開発関連で2010年に比べ0.7ポイント増となる売上高の7.6%相当を投資し、研究施設の拡充や電動化を始めとした環境関連技術の研究に注力する。2011年の日本事業については、アジア向けビジネスや、電動化を始めとした次世代車関連の研究開発を強化する。手狭となりつつある横浜(神奈川県)や、東松山(埼玉県)の研究関連設備設の拡充なども検討する。(2011年7月15日付日刊自動車新聞より)

研究開発体制

安全運転支援開発人員を1.5倍に
-安全運転支援開発に関わる人員を、2014年に13年の1.5倍に増やす。日系自動車メーカー各社から自動ブレーキやレーン逸脱防止など、運転支援機能の引き合いが増えているため。制御開発の経験のある人材は、同様の目的から外資系サプライヤーを中心に獲得競争が過熱している。同社は社内異動を中心に増員を図る考えで、外部採用に頼るリスクは抑えられるとしている。人員は衝突検知システムを実用化した01年と比べると3倍に増える。増員を図るのは自動車メーカーからの引き合いが増えていることに加え、日本特有の道路事情も関係する。日本は欧米に比べ道路幅が狭く、トンネルが多い。また文字が書かれた標識、歩行者や自転車と走行区間が分離されていない道路が多い。こうした環境では欧州で開発した支援機能に大幅な改良を加える必要が生じる。レーン検知や歩行者検知、標識検知などは、日本市場向けのアルゴリズムを開発するなど新たな工程が発生する。 (2013年10月30日付日刊自動車新聞より)

-2011年、同社の研究開発要員は約1,300名。7カ所の研究開発拠点、女満別・塩原の2ヵ所にあるテストコースで研究開発に従事しており、すべての拠点は世界のボッシュ・グループの研究開発センターのネットワークと密接に連携している。

研究開発拠点

名称 所在地 備考
ボッシュ (株)
横浜事務所 神奈川県
横浜市
ブレーキシステム関連、ガソリンシステム応用技術、車両診断機器の応用開発
栃木工場 栃木県
那須塩原市
-
むさし工場 埼玉県
比企郡
-
東松山工場 埼玉県
東松山市
-
寄居工場 埼玉県
大里郡
-
太田工場 群馬県
太田市
-
女満別テクニカルセンター 北海道
網走郡
ブレーキシステムの開発、テストコース
塩原試験場 (テストコース) 栃木県
那須塩原市
ブレーキシステムの開発、テストコース
子会社
ボッシュエンジニアリング (株) 神奈川県
横浜市
パワートレイン、安全性・快適性のためのシステム電子制御システムの統合、センサーシステムの開発
リチウムエナジーアンドパワー (株) 京都府
京都市
次世代リチウムイオン電池の開発


-2010年11月、北海道の女満別テクニカルセンター (TCM) におけるテストコース拡張工事が終了したと発表。31億円を投じ、テストコースの面積をこれまでの倍の63万平方メートルに拡張。1992年の開所以来、TCMには総額83億円が投資されたことになる。この拡張されたテストコースは直径300メートルのダイナミック路、長さ800メートルの4車線直進路や新たな緊急回避スペースを完備。2013年までにハンドリングコースや周回路の増設のためにさらに10億円の投資を見込んでいるという。43億円を投じたボッシュの研究開発施設である横浜事務所の拡張工事も2010年6月に終了。これによりボッシュにとって日本は、車両安全技術の開発拠点としてドイツ国外で最大規模となった。(2010年11月16日付プレスリリースより)

-2010年6月、横浜研究開発センターの拡張工事を完了、正式に開所したと発表した。ブレーキシステムなどの安全装置および電気駆動ユニットを含むパワートレーン関連の開発拠点で、日系自動車メーカーから要望されている環境、安全技術の高度化に向けて、43億円を投じ床面積を2倍の2万1千平方メートルに広げるなど体制を強化した。人員は2007年比のほぼ2倍となる1千人に増員。ボッシュグループの本拠地であるドイツ開発センターを除くと、拡張後の体制はアクティブセーフティー分野で世界最大になった。(2010年6月16日付日刊自動車新聞より)

設備投資額

-2010年12月期の投資額を前期の3倍、120億円規模に引き上げる。09年12月期の投資は金融危機の影響で生じた損失を削減するため大幅に投資を抑えた。これを通常期のレベルに戻し、タイの工場用地取得や研究開発の強化に費やす。今期の売上高はピークだった07年12月期の70%ほどにしか回復しない見通しだ。しかし、中期のアジア新車市場の成長、新興国向け低価格車への対応をにらみ生産、開発投資を活発化し優位性の確保を目指す。 (2010年1月7日付日刊自動車新聞より)

国内外投資

-2010年、同社は日本で装着義務化の決定した横滑り防止装置 (ESC) の供給拡大とコスト改善に向けて生産体制を見直す。独ボッシュ・グループのドイツ拠点から栃木工場 (栃木県那須塩原市) にESCユニットの組み立てに対応した自動生産装置を移設、増産体制を整える。また、中国拠点をアジアにおける自動車用電子部品の供給基地と位置づけ、同拠点に生産を集約することを決めた。これに合わせて日本の富岡工場 (群馬県富岡市) を2014年をめどに閉鎖する方針。こうして競争力を高めESCの新規需要の吸収に結びつける。 (2010年12月16日付日刊自動車新聞より)

各種データ

従業員数

  2014年12月末 2013年12月末 2012年12月末 2011年12月末 2010年12月末
合計 6,700 7,100 7,500 6,820 6,925

 

売上高

(単位:百万円)
  2014年
12月期
2013年
12月期
2012年
12月期
2011年
12月期
2010年
12月期
2009年
12月期
売上高 343,000 320,000 313,000 285,968 290,787 209,054