ボッシュ株式会社 2007年12月期の動向
ハイライト
業績
単位:百万円 | 2007年 12月期 |
2006年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 |
売上高 | 343,406 | 338,875 | 1.3 | -自動車製品の拡販。 |
経常利益 | 28,263 | 33,187 | (14.8) | |
-ディーゼルエンジン用燃料噴射システム関連事業 | ||||
売上高 | 145,483 | 139,777 | 4.1 | -従来型製品の販売は低下したが、タイでの売上が前年に比べてほぼ倍増。 |
-乗用車用ブレーキシステム関連事業 | ||||
売上高 | 83,947 | 85,067 | (1.3) | -ABSなどの輸出減少。 |
-自動車用エレクトロニクスおよびパワートレイン関連事業 | ||||
売上高 | 64,689 | 61,608 | 5.0 | -ガソリンエンジン用燃料噴射システム及びエアバッグシステム向けのコントロールユニットの販売が好調。 |
-その他の事業 | ||||
売上高 | 49,286 | 52,422 | (6.0) | -オートモーティブアフターマーケット事業の販売が減少。 |
開発動向
研究開発費用
<部門別動向>
ディーゼルエンジン用燃料噴射システム関連事業:
・欧州で発売された高性能のピエゾ式インジェクターの日本への導入を進めている。また、次期排気ガス規制に対応するため、乗用車及び商用車向けに高圧コモンレール・システムを開発中。
・ディーゼルエンジンに欠かせない排気ガスの後処理技術であるディーゼル微粒子除去装置(DPF)や選択還元型NOx触媒(SCR)などの開発に注力、選択還元型触媒用尿素水噴射装置(SCR用DXTRONIC-1)を市場に展開。また、ジメチルエーテル(DME)などの代替燃料に対応する燃料噴射装置の研究も実施中。
乗用車用ブレーキシステム関連事業:
①シャシーシステムコントロール部門
・ABS、TCS(Traction Control System)および横滑り防止装置 (ESC)の更なる小型、軽量、低コストを目指した新世代システムの開発。
・車両適用の工数削減を図るため、ABS、TCSと横滑り防止装置 (ESC)とのモジュラー化及びスケーラブル化の開発。
・ESCの高機能・長寿命化を図ることによる付加価値機能の開発。(例:坂道発進補助機能、中高速から低速までのクルーズコントロールを支援する減速度制御機能、緊急時のブレーキアシスト機能、雨天時のブレーキディスクワイピング機能)
・ESCをベースに安全性、快適性、機能性の改善を図るVMM (Vehicle Motion Management)システムの開発。
-ステアリングやダンパーなど、他のアクティブシステムとの統合制御を行うVDM ( Vehicle Dynamic Management)システム。
-レーダー、超音波センサー、ビデオカメラなどの各種センサーやエアバッグ、シートベルトなどのパッシブセーフティーシステムと組み合わせた運転手支援システム(DA: Driver Assistance System)や先進統合安全システム(CAPS: Combinated Active and Passive safety System)
・ハイブリットカー等の回生協調ブレーキ機能の開発。
・モーター・サイクル用ABSの開発。
②アクチュエーション部門
・ブレーキフィール改善技術を織り込んだマスターシリンダーを開発中で、2009年には量産移行できる見込み。
・日本国内のハイブリッド車両向け専用の協調回生制御に提要できるアクチュエーション技術を開発中。
技術導入契約 (2007年12月現在)
単位: 百万円 | 2007年度 | 2006年度 | 2005年度 | 2004年度 |
ディーゼルエンジン用燃料噴射システム関連事業 | 2,507 | 1,552 | 1,637 | 1,804 |
乗用車用ブレーキシステム関連事業 | 1,041 | 998 | 1,516 | 1,535 |
自動車用エレクトロニクスおよびパワートレイン関連事業 | 362 | 438 | 286 | 396 |
合計 | 3,910 | 2,989 | 3,440 | 3,736 |
<部門別動向>
ディーゼルエンジン用燃料噴射システム関連事業:
・欧州で発売された高性能のピエゾ式インジェクターの日本への導入を進めている。また、次期排気ガス規制に対応するため、乗用車及び商用車向けに高圧コモンレール・システムを開発中。
・ディーゼルエンジンに欠かせない排気ガスの後処理技術であるディーゼル微粒子除去装置(DPF)や選択還元型NOx触媒(SCR)などの開発に注力、選択還元型触媒用尿素水噴射装置(SCR用DXTRONIC-1)を市場に展開。また、ジメチルエーテル(DME)などの代替燃料に対応する燃料噴射装置の研究も実施中。
乗用車用ブレーキシステム関連事業:
①シャシーシステムコントロール部門
・ABS、TCS(Traction Control System)および横滑り防止装置 (ESC)の更なる小型、軽量、低コストを目指した新世代システムの開発。
・車両適用の工数削減を図るため、ABS、TCSと横滑り防止装置 (ESC)とのモジュラー化及びスケーラブル化の開発。
・ESCの高機能・長寿命化を図ることによる付加価値機能の開発。(例:坂道発進補助機能、中高速から低速までのクルーズコントロールを支援する減速度制御機能、緊急時のブレーキアシスト機能、雨天時のブレーキディスクワイピング機能)
・ESCをベースに安全性、快適性、機能性の改善を図るVMM (Vehicle Motion Management)システムの開発。
-ステアリングやダンパーなど、他のアクティブシステムとの統合制御を行うVDM ( Vehicle Dynamic Management)システム。
-レーダー、超音波センサー、ビデオカメラなどの各種センサーやエアバッグ、シートベルトなどのパッシブセーフティーシステムと組み合わせた運転手支援システム(DA: Driver Assistance System)や先進統合安全システム(CAPS: Combinated Active and Passive safety System)
・ハイブリットカー等の回生協調ブレーキ機能の開発。
・モーター・サイクル用ABSの開発。
②アクチュエーション部門
・ブレーキフィール改善技術を織り込んだマスターシリンダーを開発中で、2009年には量産移行できる見込み。
・日本国内のハイブリッド車両向け専用の協調回生制御に提要できるアクチュエーション技術を開発中。
技術導入契約 (2007年12月現在)
会社名 | 品目 | 契約内容 | 契約期間 |
ロバートボッシュ ゲーエムベーハー (ドイツ) |
列型および分配型ディーゼル燃料噴射ポンプならびに燃料噴射電子制御装置 | 特許実施権の供与 技術情報の提供 |
1993.11.24-2008.12.31 |
高圧分配型燃料噴射ポンプ | 1996.04.01-2008.12.31 | ||
コモンレールディーゼル燃料噴射ポンプシステム | 1999.07.20-2008.12.31 | ||
第二世代型コモンレール方式ディーゼル燃料噴射ポンプシステム | 2001.09.01-2008.12.31 | ||
自動車用ABS、横滑り防止装置、制動倍力装置およびディスクブレーキ | 2003.01.01-2008.12.31 | ||
次世代型自動車用ABSおよび横滑り防止装置 | 2004.01.13-2012.12.31 | ||
自動車用エアバッグおよびシートベルトテンショナー電子制御装置 | 1987.11.12-2009.06.30 | ||
自動車用トランスミッション油圧制御部品および電子制御装置 | 2000.09.07-2009.06.30 | ||
コモンレール方式ディーゼル燃料噴射ポンプシステム用電子制御装置 | 2006.01.01-2015.12.31 | ||
ロバートボッシュ コーポレーション (米国) |
自動車用真空倍力装置およびカートリッジマスターシリンダー | 特許実施権の供与 技術情報の提供 (クロスライセンス) |
2003.01.01-2008.12.31 |
ロバートボッシュ ゲーエムベーハーおよびロバートボッシュエルエルシー(ドイツ、米国) |
自動車用真空倍力装置およびマスターシリンダー | 2005.05.16-2009.12.31 | |
自動車用ディスクブレーキ | 2006.01.01-2012.12.31 |
設備投資
設備投資費用
ディーゼルエンジン用燃料噴射システム関連事業:
コモンレールシステムの生産設備等のため、東松山第一工場を中心に3,024百万円の設備投資を実施。
乗用車用ブレーキシステム関連事業:
生産設備の拡充及び生産の合理化等のため、むさし工場を中心に3,331百万円の設備投資を実施。
自動車用エレクトロニクスおよびパワートレイン関連事業:
新規製品立上げ、生産効率化及び品質向上のため、富岡工場を中心に1,343百万円の設備投資を実施。
設備の新設計画
単位: 百万円 | 2007年12月期 | 2006年12月期 | 2005年12月期 | 2004年12月期 |
設備投資費 | 7,869 | 10,049 | 9,675 | 11,478 |
ディーゼルエンジン用燃料噴射システム関連事業:
コモンレールシステムの生産設備等のため、東松山第一工場を中心に3,024百万円の設備投資を実施。
乗用車用ブレーキシステム関連事業:
生産設備の拡充及び生産の合理化等のため、むさし工場を中心に3,331百万円の設備投資を実施。
自動車用エレクトロニクスおよびパワートレイン関連事業:
新規製品立上げ、生産効率化及び品質向上のため、富岡工場を中心に1,343百万円の設備投資を実施。
設備の新設計画
事業所名 | 所在地 | 事業部門の名称 | 設備の内容 | 投資予定 金額 (百万円) |
着手 年月 |
完了 予定 年月 |
東松山 第一工場 |
埼玉県 東松山市 |
ディーゼルエンジン用燃料噴射システム関連事業 | 新型燃料噴射装置生産設備 | 4,690 | 2007年 1月 |
2010年 12月 |
栃木工場 | 栃木県 那須塩原市 |
乗用車用ブレーキシステム関連事業 | ABS/ESC生産設備 | 5,170 | 2007年 1月 |
2010年 12月 |