(株) エイチワン 2017年3月期の動向

業績

(IFRS、単位:百万円)
2017年
3月期
2016年
3月期
増減率
(%)
要因
売上収益 182,737 200,224 (8.7) -主力得意先向けの自動車フレームの生産量は前期に比べ約13%増加した一方で、為替相場が前期に比べ円高水準にあったことによる為替換算上の影響などから減収。
営業利益 7,760 6,067 27.9 -前期に比べ北米では金型等に係る利益額が減少した一方で、日本では生産台数の増加効果と生産コストの低減によって利益改善が図られ、中国では主に生産台数増加の効果、アジア・大洋州地域ではタイの生産台数増加の効果やインドネシア子会社の損益改善があり、増益。
税引前利益 7,549 4,377 72.5
親会社の所有者に帰属する当期利益 6,057 2,383 154.2
日本
売上収益 37,844 33,512 12.9 -自動車フレームの生産量が増加したことを主因に、増収。
税引前利益 3,707 1,219 204.1 -生産コストの低減と増量効果及び在外子会社からの配当金の受取額の増加により増益。
欧州・北米
売上収益 81,992 99,904 (17.9) -主力得意先向けの自動車フレームの生産量は堅調に推移したものの為替換算上の影響により減収。
税引前利益 2,187 2,560 (14.6) -持分法による投資利益の増加がありましたが、金型に係る利益額の減少及び為替換算上の影響もあり減益。
中国
売上収益 37,340 39,020 (4.3) -主力得意先向けの自動車フレームの生産量は前期に比べて増加した一方で、為替換算上の影響により減収。
税引前利益 4,014 2,226 80.3 -生産台数の増加効果や車種構成の良化を主因に減益。
アジア・太洋州
売上収益 25,560 27,786 (8.0) -自動車フレームの生産量はインドの減少を他が補いセグメント全体では前期に比べて増加した一方で、為替換算上の影響があり減収。
税引前利益 (218) (597) - -インドでは生産減少などから損益が悪化したものの、生産コストの低減によりタイ及びインドネシアの子会社の損益が改善した。

事業動向

生産

  • 中国:武漢愛機汽車配件有限公司 [WH Auto Parts Industries Inc.] において、3,000t サーボトランスファープレス機の導入が完了し、10月に稼動を開始。
  • インド:H-one India PVT., Ltd.の第2工場 (ラジャスタン州) にプレスラインが完成し、同工場はプレスから溶接工程までの一貫生産体制を構築。
  • 日本:亀山製作所 (三重県亀山市) の溶接ラインの再構築 (高効率化) を来年度にかけて実施予定。

開発技術

  • 日本:同社と新日鐵住金、日鉄住金鋼管が共同で技術開発を進めてきた角型鋼管による3次元熱間曲げ焼入れ (3DQ:Three-Dimensional HotBending and Direct Quench) 技術に関して、同技術を用いたフロントピラーの開発に成功し、製品の量産をスタートした。同社は自動車フレームに適用可能な量産技術開発を担当した。



中期経営計画 (2018年3月期 - 2020年3月期)

-第5次中期経営計画を2017年4月からスタート。

経営方針:H-oneブランドの確立を目指し、品質信頼性向上とNo.1技術確立で収益力向上を強力に推し進める

  • 重点施策
  • サステナビリティ強化
  • 品質高位安定化
  • 収益性の向上
  • No.1技術確立と事業領域の拡大
  • 人材開発の強化

-ESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:企業統治)の取り組み強化と人材開発を当社グループの持続的発展の基盤としながら、自動車フレームに今後求められる様々なニーズに対して、それを具現化する新たな技術開発や商品開発を進めるほか、グローバルで顧客の求めるQCDを満たすため事業基盤をさらに強化するとともに、取引先開拓などを通じて事業の拡大を図る方針

2018年3月期の見通し

(IFRS,単位:百万円)
2018年3月期
(予測)
2017年3月期
(実績)
増減率
(%)
売上収益 170,000 182,737 (7.0)
営業利益 6,000 7,760 (22.7)
税引前利益 5,000 7,279 (31.3)
親会社の所有者に帰属する当期利益 3,000 5,766 (48.0)


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
合計 1,848 1,689 1,161


-日本における研究開発費が全てを占めており、自動車部品関連事業に係る研究開発費が大半。

研究開発体制

-開発技術本部を中心とし、ホンダグループを始めとした多くの研究開発機関と連携をとり研究開発を実施。

研究開発拠点

拠点名 所在地 役割
機種開発センター 栃木県芳賀郡 製品設計
営業企画
機種開発センター烏山 栃木県那須烏山市 研究開発
試作開発
開発技術センター 福島県郡山市 機種企画
溶接技術
金型技術
金型製造
KTH Parts Industries Inc. 米国オハイオ州 研究開発

自動車部品事業関連の主要課題

-溶接接合加工工法技術の開発
-高強度材料、軽量化材料のプレス加工工法技術の開発
-外板部品プレスの加工工法技術の確立
-厚板精密プレス加工方法と組付加工技術との複合による機能部品の開発
-材料の硬度化技術の開発
-CAD、CAM、CAEの技術革新にあわせたシステム開発および技術者養成
-精密金属部品のプレス加工工法技術の確立

設備投資額

(単位:百万円)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
合計 15,657 16,680 33,995


-自動車部品事業関連では、新型自動車部品の量産開始に合わせ専用設備5,488百万円、生産効率化のための生産用汎用設備および工場の増改築等10,168百万円の投資を実施。

設備の新設計画

(2017年3月31日現在)
会社名/事業所名 所在地 投資予定金額
(百万円)
着手年月 完了年月
エイチワン
亀山製作所 三重県亀山市 3,214 2017年1月 2019年3月
前橋製作所 群馬県前橋市 1,785 2017年3月 2019年1月
郡山製作所 福島県郡山市 2,178 2017年3月 2019年2月
連結子会社
KTH Parts Industries Inc. 米国
オハイオ州
16,580 2016年12月 2019年3月
Kalida Manufacturing, Inc. 米国
オハイオ州
1,479 2016年10月 2019年3月
KTH Leesburg Products, LLC. 米国
アラバマ州
511 2017年2月 2019年3月
KTH Shelburne Manufacturing, Inc. カナダ
オンタリオ州
792 2017年3月 2019年3月
広州愛機汽車配件有限公司
[GH Auto Parts Industries Inc.]
中国
広東省
7,804 2016年12月 2020年2月
清遠愛機汽車配件有限公司
[QH Auto Parts Industries Inc.]
中国
広東省
1,429 2017年3月 2019年3月
武漢愛機汽車配件有限公司
[WH Auto Parts Industries Inc.]
中国
湖北省
4,370 2017年1月 2019年3月
H-one Parts (Thailand) Co., Ltd. タイ
アユタヤ県
4,115 2017年3月 2019年3月
H-one Parts Sriracha Co., Ltd. タイ
チョンブリ県
178 2017年3月 2019年3月
H-one India PVT., Ltd. インド
ウッタルプラディッシュ州
1,641 2017年2月 2019年3月
PT. H-one Kogi Prima Auto Technologies Indonesia インドネシア
カラワン県
1,763 2015年11月 2018年3月