(株) エイチワン 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2013年
3月期
2012年
3月期
増減率
(%)
要因
売上高 138,042 117,604 17.4 -自動車生産台数がグローバルに増加に転じたことを受けて、自動車フレームの生産が増加。
営業利益 5,595 2,490 124.7 -
経常利益 5,624 2,429 131.5
当期純利益 5,081 584 770.0 1)

要因
1) 当期純利益
-特別損失にタイの洪水に起因した災害による損失を10億74百万円計上する一方、特別利益に保険から支払われる金額を受取保険金として26億10百万円計上した。

<日本>
-子会社及び関連会社に対する金型および溶接設備等の販売が増加したものの、自動車フレームの生産が夏以降は低調に推移したことに加え、軽自動車に需要がシフトした影響もあり売上高は前年度比9.6%減となった。一方、コスト低減活動の効果により経常利益は同107.2%増となった。

<欧州・北米>
-主力得意先の北米における好調な自動車販売を受けて北米生産が過去最高水準で推移したことに加え、為替換算上の影響もあり売上高は前年度比54.0%増となり、増産対応費用の発生があったものの経常利益は同910.6%増となった。

<中国>
-自動車需要の増加に支えられ第3四半期までの生産は堅調に推移したものの、日中関係の影響から第4四半期の生産が大きく落ち込んだことにより売上高は前年度比6.5%減、経常利益は同1.4%減となった。

<アジア・大洋州>
-タイの洪水の被害を受けた H-one Parts (Thailand) Co., Ltd. の生産が4月から本格化し、同社の第2四半期から第4四半期までの生産が過去最高水準で推移したことから売上高は133億44百万円 (前期比82.0%増) となった。一方で、増産対応費用も生じており、加えて前期より連結の範囲に含めた H-one Parts Sriracha Co., Ltd. では受注が相次ぎ、現段階ではそれらの生産開始に向けた初期コストが先行していることなどから、経常利益は4億60百万円 (前期は経常損失2億71百万円) にとどまった。

合弁事業

-同社とジーテクトは、インドネシアで共同出資会社を12月に設立すると発表した。主要取引先のホンダの事業拡大に対応するため、共同で車体骨格部品を生産する。新会社は西ジャワ州カラワン県のブキットインダー工業団地に設立。資本金は約6億円で、両社で折半出資する。2013年8月から量産を開始。当面は溶接のみを行い、プレス部品はジーテクトの現地子会社や地元企業から調達する。(2012年11月2日付日刊自動車新聞より)

-同社とジーテクトは、メキシコに折半出資による合弁会社「G-One Auto Parts de Mexico, S.A. de C.V.」を設立すると発表。自動車用部品の製造・販売を行う。資本金は約20百万米ドル。2014年4月に稼動開始の予定。

受注

-スズキからタイで小型車向けの車体骨格部品を受注した。軽量・高強度の高張力鋼板 (ハイテン材) を使ったプレス部品を2014年春から納入する。スズキとは国内外を通じて初の取引になる。供給するのは主力のフロントサイドメンバーなど五つの車体骨格部品。素材には引っ張り強度が780メガパスカル級のハイテン材に加え980メガパスカルの超ハイテン材も使う。11年に稼働した「エイチワン・パーツ・シラチャ (HPS)」で生産し供給する。エイチワンは、ホンダ、ダイハツ工業、日野自動車、日産自動車、三菱自動車に車体骨格部品を納入している。タイでの受注拡大に対応するため、HPSで金型や溶接ラインを増強するほか、15年の稼働を目指して2,500トンの大型トランスファープレスを導入する。HPSではさらなる需要増に対応するため隣接地を取得し、従来の2倍にあたる12万平方メートル弱の用地を確保している。(2013年2月20日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
合計 970 813 764

-自動車部品関連事業に係る研究開発費が大半。

研究開発体制

-開発技術本部を中心とし、ホンダグループを始めとした多くの研究開発機関と連携をとり実施。

研究開発拠点

拠点名 所在地
研究開発センター 栃木県芳賀郡
機種開発センター 栃木県芳賀郡
開発技術センター 福島県郡山市

自動車部品事業関連の主要課題

-溶接接合加工工法技術の開発
-高強度材料、軽量化材料のプレス加工工法技術の開発
-外板部品プレスの加工工法技術の確立
-厚板精密プレス加工方法と組付加工技術との複合による機能部品の開発
-材料の硬度化技術の開発
-CAD、CAM、CAEの技術革新にあわせたシステム開発および技術者養成
-精密金属部品のプレス加工工法技術の確立

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
合計 17,813 13,424 6,836

-自動車部品関連事業を中心に設備投資を実施。
-自動車部品事業関連では、新型自動車部品の量産開始に合わせ専用設備88億16百万円、生産効率化のための生産用汎用設備および工場の増改築等89億98百万円の投資を実施。

<日本>
-より効率的な金型製作を目的に金型製造部門を福島県郡山市に集約し、金型のリードタイム短縮につなげた。

<インド>
-金型内製能力の増強のため H-one India PVT., Ltd. が金型製作用のトライプレス機を増設。

<中国>
-武漢愛機汽車配件有限公司 [WH Auto Parts Industries Inc.] の第2工場が完成し、省スペースで高い汎用性を備える競争力に優れた溶接ラインが稼働を開始。
-清遠愛機汽車配件有限公司 [QH Auto Parts Industries Inc.] ではトランスファープレス機を増強し、同社グループの中国拠点間でのプレス部品の相互補完体制を拡充。
-広州愛機汽車配件有限公司 [GH Auto Parts Industries Inc.] では既存のプレスラインにロボットを併設することで要員効率が飛躍的に向上。

<タイ>
-H-one Parts Sriracha Co., Ltd. が今後の生産量の拡大を見据え大型プレス機の導入を進めている。
-H-one Parts (Thailand) Co., Ltd. では生産効率の向上を主眼に溶接工程にロボットを導入する自動化ラインの構築を進めている。

設備投資計画

(2013年3月31日現在)
会社名/事業所名 所在地 投資予定金額
(百万円)
着手年月 完了年月
エイチワン
亀山製作所 三重県亀山市 3,259 2013年2月 2015年1月
前橋製作所 群馬県前橋市 3,561 2013年3月 2015年1月
郡山製作所 福島県郡山市 3,463 2012年9月 2015年3月
連結子会社
KTH Parts Industries Inc. アメリカ
オハイオ州
2,524 2012年9月 2015年9月
Kalida Manufacturing, Inc. アメリカ
オハイオ州
3,559 2013年3月 2016年3月
KTH Leesburg Products, LLC. アメリカ
アラバマ州
1,881 2012年5月 2015年9月
KTH Shelburne Manufacturing, Inc. カナダ
オンタリオ州
838 2013年3月 2015年9月
広州愛機汽車配件有限公司
[GH Auto Parts Industries Inc.]
中国
広東省
4,456 2012年8月 2015年5月
清遠愛機汽車配件有限公司
[QH Auto Parts Industries Inc.]
中国
広東省
160 2012年12月 2015年3月
武漢愛機汽車配件有限公司
[WH Auto Parts Industries Inc.]
中国
湖北省
4,880 2012年10月 2015年7月
H-one Parts (Thailand) Co., Ltd. タイ
アユタヤ県
4,456 2012年12月 2015年6月
H-one Parts Sriracha Co., Ltd. タイ
チョンブリ県
1,386 2013年3月 2015年6月
H-one India PVT., Ltd. インド
ウッタルプラディッシュ州
692 2013年3月 2015年9月