スタンレー電気 (株) 2019年3月期の動向
業績 |
(単位:百万円) |
2019年 3月期 |
2018年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 434,124 | 442,165 | (1.8) | - |
営業利益 | 53,927 | 53,169 | 1.4 | 米州、中国における自動車用ランプ販売の減速 |
経常利益 | 61,015 | 57,657 | 5.8 | - |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 40,265 | 36,008 | 11.8 | - |
研究開発活動
-「光の5つの価値」 (光を創る、光で感知・認識する、光で情報を自在に操る、光のエネルギーを活かす、光で場を演出する) を追求。
-コア技術 (配光、デザイン、CAE、回路、制御、光源、プロセス改革) の進化・融合。
-主な研究開発分野
- オプトエレクトロニクス分野: 高出力白色LED、高出力赤色/赤外LED、高速高感度イメージセンサー
- ディスプレイ分野: 超高コントラストLCD、光マイクロスキャナー、ディスプレイ駆動回路
- 光源・照明分野: 自動車用照明機器、LED道路照明・屋内照明機器、点灯駆動回路・電源
- ソフトウェア分野・CAE技術開発: 配光シミュレーション、光学デバイス最適形状設計ツール
- 材料・加工技術等の開発
- 全社製品のスタイリングデザイン
- 上記デバイスや関連技術を統合化した応用製品
製品開発
次世代ランプシステム
-夜間の交差点の進入時に、パッシングを使って自動で自車の存在をアピールする次世代ランプシステムを開発する。GPSと地図データを照合して自車位置を認識し、見通しの悪い交差点などに近付くと自動で機能する。周囲の車や歩行者に、車の接近を認知してもらい交通事故の発生リスクを低減する。将来的には自動運転の車対車コミュニケーションでの活用も想定する。2020年の実用化を目指す。
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2019年3月期 | 2018年3月期 | 2017年3月期 | |
全社 | 18,258 | 16,330 | 13,800 |
自動車機器事業 | 12,002 | 10,318 | 9,290 |
研究開発拠点
施設名称 | 所在地 |
技術研究所 | 神奈川県横浜市 |
宇都宮技術センター | 栃木県宇都宮市 |
横浜技術センター | 神奈川県横浜市 |
オプトテクニカルセンター | 神奈川県横浜市 |
みなとみらいテクニカルセンター | 神奈川県横浜市 |
-京都大学とスタンレー電気は、次世代の白色レーザー発光技術の開発に成功したと発表した。拡散性の高い黄色蛍光の指向性を高める「ナノアンテナ」技術により、青色レーザーの指向性を損なわずに強い白色を発光できるようになった。自動車用ヘッドランプなどで応用されそうだ。京大とスタンレーは、厚さ200マイクロメートルの黄色蛍光体基盤の上に数百ナノメートル間隔でアルミニウムの微粒子「ナノアンテナ」を配置。ナノアンテナにより、黄色蛍光の光の向きが垂直に伸びるため、基盤を透過していく青色レーザーと進行方向が揃い、均一な混色を実現した。垂直方向に光が集中するため、ナノアンテナがない場合と比べ、光の強さは7倍になった。(2018年12月8日付日刊自動車新聞より)
技術導入契約 |
(2019年3月31日現在) |
提携先 | 内容 | 期間 |
OSRAM GmbH | 白色LEDに関する特許 | 該当特許の有効期間中 |
技術提供契約 |
(2019年3月31日現在) |
提携先 | 内容 | 期間 |
Thai Stanley Electric Public Co., Ltd. (タイ) | 自動車用ランプ類に関する技術 | 2018年4月1日 - 2021年3月31日 |
SL Corporation (韓国) | 自動車用ランプ類に関する技術 | 2019年4月1日 - 2022年3月31日 |
Lumax Industries Ltd. (インド) | 自動車用ランプ類に関する技術 | 2019年4月1日 - 2020年3月31日 |
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2019年3月期 | 2018年3月期 | 2017年3月期 | |
全社 | 36,619 | 32,700 | 34,440 |
-自動車機器事業 | 23,154 | 20,832 | 26,058 |
-スタンレー電気は13日、山形県鶴岡市に新工場を開設すると発表した。約60億円を投じてLEDランプの生産工場を開設し、2021年5月に稼働する。これに加え、神奈川県横浜市には研究開発拠点、同秦野市には試験施設を開設する。総投資額は約150億円。自動運転やコネクテッド、電動化といった「CASE」への対応を加速する。新工場は、連結子会社のスタンレー鶴岡製作所が新設する。既存工場の隣接地5万8200平方メートルの敷地を取得し、1万6600平方メートルの建屋を建設する。新工場の稼働後に既存工場は取り壊す。既存工場から移管する従来型のLEDランプのほか、暗部でも視認できるハイパワー赤外LEDや殺菌効果のある深紫外LEDなどの次世代製品も生産する。(2019年5月14日付日刊自動車新聞より)
-Lumax Industriesは、同社の取締役会が照明システム用プリント回路基板(PCB)製造施設の導入を決定したと発表した。今回の決定は、自動車メーカーからの電子部品の需要増に対応するもので、導入にあたって必要なプロセス技術と製造の専門知識は、この分野のパイオニアである合弁パートナーのスタンレー電気が提供するという。投資額は750百万ルピー規模となる見込み。(2019年2月15日付プレスリリースより)