スタンレー電気 (株) 2017年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2017年
3月期
2016年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 388,560 404,148 (3.9) -グローバルでの市場ニーズを的確に捉えた製品開発
-受注拡大を目指した営業力強化や生産能力の増強
-生産工程や間接部門の徹底的なムダ取りといった生産革新活動による生産性向上 等
営業利益 42,305 36,774 15.0
経常利益 45,720 39,402 16.0 -
親会社株主に帰属する当期純利益 28,685 25,537 12.3 -
自動車機器事業
売上高 308,176 312,780 (1.5) -米州の金型会計処理の統一による一時的な売上の増加があったが、為替が円高に推移したことが影響し減収
営業利益 26,034 21,185 22.9 -光源から一貫して製造しているLEDヘッドランプの採用車種が増加したことに加え、前年度の一過性費用からの回復により、増益
コンポーネンツ事業
売上高 28,745 30,504 (5.8) -遊技、AV市場及び産業機器向け等のLED、自動車用電球が減少し減収
営業利益 6,674 5,602 19.1 -LEDヘッドランプなどの光源として用いられる車載用LEDが増加したことで、増益
電子応用製品事業
売上高 51,347 59,879 (14.2) -社内向けLED灯体の光源や制御等に用いる電子基板が増加したもののPC用バックライト、ストロボが減少したことで、減収減益
営業利益 6,684 6,837 (2.2)



海外事業

<タイ>
-タイの現地法人Thai Stanley Electricの2017 - 2018年度の売上高が前年比16.3%増の116.5億バーツ、利益は14.8億バーツに達すると発表した。タイ経済の回復および新製品投入により、2016年と比較して自動車部品産業は1-3%成長し、1.95-2百万ユニットになると予測。しかしながら、いすゞ「Mu-X」、ホンダ「CR-V」、ホンダ「Scoopy I」およびヤマハ「QBIX」向け新製品の不良品比率により、生産コストは上昇すると見込んでいる。(2017年7月7日付 Khao Hoonより)

製品開発

HUDモジュール
-2017年をめどに、低グレード車向けヘッドアップディスプレー (HUD) 用モジュールを開発する。表示機能を最小限に抑えることで、使用する部品点数を減らす。既存のHUD用モジュールと比べて、コストを半分にまで大幅削減する。独自の高輝度バックライトや液晶ディスプレーの駆動技術を採用することで、高い視認性も確保する。高級車を中心にHUDの採用が進む中、日系自動車メーカー向けを中心に普及価格帯で提案し、受注拡大を目指す。新たに開発するHUD用モジュール「HUD用パッシブ駆動カラーPBTLCDモジュール」は、小型スクリーン(コンバイナー)に走行速度などを表示するシステム。パッシブ型は、フルカラーのTFT液晶ディスプレーと比べ、表示できるコンテンツに限りがある一方で、ガラスや絶縁膜など、使用する材料が少なく、大幅なコストダウンが図れる。パッシブ型はこれまで、電卓やインパネ周りで活用されているが、今回初めてHUD向けに応用、低価格HUDの実用化を支援していく。(2016年10月7日付日刊自動車新聞より)

研究開発活動

-「光の5つの価値」 (光を創る、光で感知・認識する、光で情報を自在に操る、光のエネルギーを活かす、光で場を演出する) を追求。

-コア技術 (配光、デザイン、CAE、回路、制御、光源、プロセス改革) の進化・融合。

-主な研究開発分野

  • オプトエレクトロニクス分野: 高出力白色LED、高出力赤色/赤外LED、高速高感度イメージセンサー
  • ディスプレイ分野: 超高コントラストLCD、光マイクロスキャナー、ディスプレイ駆動回路
  • 光源・照明分野: 自動車用照明機器、LED道路照明・屋内照明機器、点灯駆動回路・電源
  • ソフトウェア分野・CAE技術開発: 配光シミュレーション、光学デバイス最適形状設計ツール
  • 材料・加工技術等の開発
  • 全社製品のスタイリングデザイン
  • 上記デバイスや関連技術を統合化した応用製品



研究開発費

(単位:百万円)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
全社 13,800 5,527 5,513
自動車機器事業 9,290 3,335 3,044
コンポーネンツ事業 2,802 1,462 1,794
電子応用製品事業 1,389 699 578
特定のセグメントに帰属しない費用 318 30 95



研究開発拠点

施設名称 所在地
技術研究所 神奈川県横浜市
宇都宮技術センター 栃木県宇都宮市
横浜技術センター 神奈川県横浜市
オプトテクニカルセンター 神奈川県横浜市


-2015年8月、中国・天津市に自動車用ランプの設計開発などを行う新会社 「天津斯坦雷電気科技有限公司 [Tianjin Stanley Electric Technology Co., Ltd.]」 を設立。

技術導入契約

(2017年3月31日現在)
提携先 内容 期間
日亜化学工業株式会社 白色LEDに関する特許 該当特許の有効期間中
OSRAM GmbH 白色LEDに関する特許 該当特許の有効期間中



技術提供契約

(2017年3月31日現在)
提携先 内容 期間
Thai Stanley Electric Public Co., Ltd. (タイ) 自動車用ランプ類に関する技術 2015年4月1日 -
2018年3月31日
SL Lighting Corporation (韓国) 自動車用ランプ類に関する技術 2017年4月1日 -
2017年9月30日
Lumax Industries Ltd. (インド) 自動車用ランプ類に関する技術 2017年4月1日 -
2018年3月31日



設備投資額

(単位:百万円)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
全社 34,440 39,003 38,834
-自動車機器事業 26,058 29,408 28,531
-コンポーネンツ事業 2,699 1,353 3,413
-電子応用製品事業 3,625 5,192 3,012
-その他 8 580 125
-全社 (基礎的試験研究活動および管理部門に係る設備投資額) 2,048 2,469 3,749


-2018年3月期の設備投資額は、全社合計で44,690百万円を計画。

2018年3月期の見通し

(単位:百万円)
2018年3月期
(予想)
2017年3月期
(実績)
増減率
(%)
全社
売上高 398,000 388,560 2.4
営業利益 46,800 42,305 10.6
経常利益 50,400 45,720 10.2
親会社株主に帰属する当期純利益 32,000 28,685 11.6
自動車機器事業
売上高 320,000 308,176 3.8
営業利益 29,000 26,034 11.4
コンポーネンツ事業
売上高 30,200 28,745 5.1
営業利益 8,400 6,674 25.9
電子応用製品事業
売上高 44,700 51,347 (12.9)
営業利益 8,100 6,684 21.2


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)



第Ⅵ期中期3ヶ年経営計画 (2018年4月 - 2020年3月)

目標値 2017年3月期実績 2018年3月期計画
ROE 15% 9.4% 10.3%
連結配当性向 20% 20.9% 19.6%
総還元性向 35% 34.8% 35.0%