(株) ショーワ 2015年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2015年
4月期
2014年
3月期
増減率 (%) 要因
全社
売上収益 266,407 271,021 (1.7) -四輪車用製品およびステアリング製品の販売が減少したため減収。
営業利益 15,978 11,709 36.5 -事業所再編費用、製品保証引当金繰入額及び独占禁止法関連損失が減少したため増益。
税引前当期利益 18,222 12,395 47.0
親会社株主に帰属する当期利益 11,570 6,044 91.4
四輪事業
売上収益 96,039 97,957 (2.0) -主に日本および南米における販売の減少により減収。
営業利益 3,971 (584) - -
ステアリング事業
売上収益 74,380 79,629 (6.6) -主に日本およびアジアにおける販売の減少により減収。
営業利益 3,144 3,426 (8.2) -

生産移管

生産の一部を中国からインドに移管
-中国・人民元の値上がりを受け、四輪用ショックアブソーバー (SA) の一部製品の生産を、中国からインドに移管する方向で検討を始めた。「ユニットダンパー」と呼ぶリア用のSAで、現在は中国で全世界向けを生産している。最近の元高により、中国のコスト競争力が低下。今後もこの傾向が続くと見て、生産場所を切り替える。2年後の稼働を目指し、インドに新工場を建設する方向で具体的な検討を進める。(2015年2月26日付日刊自動車新聞より)

電動パワーステアリングの生産をメキシコに集約
-北米での電動パワーステアリング (EPS) の生産をメキシコに集約する。カナダ、米国での生産を2015年以降、モデルの切り替えに合わせて順次終了し、メキシコからの供給に変更していく方針だ。メキシコでは15年7月に年間生産能力が50万台のEPS工場を稼働し、同社初のデュアルピニオン式EPSを生産する計画。能力の高い新工場に生産を集約することにより、事業の収益性を高めながらEPSの販売拡大を図る。(2014年10月2日付日刊自動車新聞より)

受注

-ショックアブソーバー、ステアリングギヤボックス、ガススプリングがホンダ 「S660」に採用。

-ショックアブソーバー、フロントにS-SEES (Showa Super Empowering Efficient Suspension)、ガススプリングがマツダ 「CX-3」に採用。

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
二輪・汎用事業 2,517 2,344 1,800
四輪事業 3,354 2,992 2,117
ステアリング事業 3,767 3,296 2,483
ガススプリング事業 110 94 90
合計 9,750 8,044 6,492

研究開発活動

ステアリングホイールとショックアブソーバーの統合制御技術を開発
-ステアリングホイールとショックアブソーバー(SA)の統合制御技術を開発する。ステアリングの動きに合わせてSAの減衰力を制御することで、より安全で快適な走行を実現する。自動運転時代に必要な技術と位置付け、2020年までに開発を完了させる方針だ。自動運転ではドライバーに代わり、周辺状況に応じて車を最適に動かす仕組みが必要になる。主力製品であるパワーステアリング、SAの技術を組み合わせ、自動運転で求められる車体制御を実現する。(2014年10月22日付日刊自動車新聞より)

可変ショックアブソーバーの開発・販売拡大
-乗り心地と操縦安定性を両立する可変ショックアブソーバー (可変SA) の販売割合を2020年に四輪用SA全体の3割に高め、10年後には全量を可変タイプに切り替える。可変SAには機械式と電子制御式があるが、早期のコストダウンを見込める機械式の開発を先行させ、既存SAからの置き換えを進める。同社は機械式と電子制御式の可変SAの開発を進めており、機械式の製品「SFRD」がホンダの「Accord Hybrid」に初めて搭載された。今後は「Fit」などコンパクトクラスへの適用を目指した次世代型の開発を進める。一段と高性能な電子制御式は専用センサーが不要なタイプを高級車向けに開発する。可変SAの採用は欧米自動車メーカーでも高級車に限られており、新車全体に占める採用割合は5%程度にとどまっている。機械式SAのメーカーとしては独ZF傘下のザックスが先行しており、ホンダは「Odyssey」や「Vezel」にザックス製を採用している。(2014年9月5日付日刊自動車新聞より)

車輪速センサーを活用したダンパーのスカイフック制御
車輪速センサーを活用してダンパーのスカイフック制御を可能にする世界初の技術を開発した。専用センサーを不要にしたことで、低コストで乗り心地や操縦安定性を向上できる。スカイフック制御はダンパーを電気的に制御することにより、車両の操縦安定性や乗り心地を向上させる技術。専用のセンサーを各ダンパーの上下に合計8個搭載し、ばね上の上下動速度とダンパーのストローク速度を検知する必要があった。車輪速センサーは横滑り防止装置やアンチロックブレーキシステム (ABS) 搭載車に使われているセンサーであるため、コストが重視される軽自動車やコンパクト車にもスカイフック制御の適用が可能になるという。(2014年5月22日付日刊自動車新聞より)

中国における研究開発拠点を設立
-中国における開発新拠点「昭和汽車零部件研究開発 (広州) 有限公司」で開所式を行ったと発表した。中国での新機種開発、拡販、現地調達および品質対応を含めた開発力の強化と、顧客のニーズに対応する迅速な開発活動により、中国事業拡大の基盤構築を図る。(2015年2月4日付プレスリリースより)

ドイツに開発・営業拠点を開設
-ドイツLangenに開発・営業拠点「Showa UK Ltd. Europe R&D Office」を開設したと発表した。(2014年5月16日付プレスリリースより)

研究開発拠点

事業所 (所在地) 主な研究開発内容
4輪開発
(埼玉県行田市)
四輪車用ショックアブソーバ、ガススプリングの研究・開発
栃木開発センター
(栃木県芳賀郡)
油圧機器、パワーステアリング、ドライブトレイン並びに材料の研究・開発
2輪開発
(静岡県袋井市)
二輪車用ショックアブソーバの研究・開発

設備投資額

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期
二輪・汎用事業 3,014 4,287
四輪事業 3,314 3,776
ステアリング事業 7,127 4,104
ガススプリング事業 35 51
その他 382 676
合計 13,873 12,896

-2015年3月期における前年比7.6%の増加は、ステアリング事業におけるメキシコでの新規立ち上げ並びにタイでの増産対応のための設備拡充によるもの。

設備の新設計画

-2015年3月期末現在における投資予定総額は、25,637百万円であり、主要な設備の新設等の計画は以下のとおり。

会社名/事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定総額
(百万円)
着手 完了予定 完成後の
能力増加
埼玉工場他
(埼玉県行田市)
四輪車用部品生産設備・製造機械設備他 1,493 2014年4月 2016年3月 (注) 2
秦野工場
(神奈川県秦野市)
四輪車用・二輪車用部品生産設備 762 2014年5月 2016年3月 (注) 1
御殿場工場
(静岡県御殿場市)
四輪車用部品生産設備 1,077 2014年4月 2016年3月 (注) 2
栃木開発センター
(栃木県芳賀市)
研究開発設備 1,630 2014年4月 2016年3月 (注) 2
浅羽工場他
(静岡県袋井市)
四輪車用・二輪車用部品生産設備 776 2014年4月 2016年3月 (注) 2
American Showa, Inc.
Sunbury Plant
(米国オハイオ州)
四輪車用・二輪車用部品生産設備 1,803 2014年4月 2016年3月 (注) 1
Showa Autoparts Mexico, S.A. de C.V
(メキシコ グアナフアト州)
四輪車用部品生産設備 9,170 2013年9月 2015年8月 (注) 1
P.T. Showa Indonesia Manufacturing
(インドネシア チカラン)
四輪車用・二輪車用部品生産設備 751 2014年2月 2015年12月 (注) 2
Showa Autoparts (Thailand) Co., Ltd.
(タイ チョンブリ)
四輪車用・二輪車用部品生産設備 1,010 2014年8月 2016年3月 (注) 2
Showa India Pvt. Ltd.
(インド ハリアナ州)
四輪車用・二輪車用部品生産設備 960 2013年4月 2016年3月 (注) 2
広州昭和汽車零部件有限公司
武漢工場
[Guangzhou Showa Autoparts Co., Ltd.]
(中国 武漢)
四輪車用部品生産設備 1,287 2014年11月 2016年3月 (注) 1

(注1) 主に能力拡充、合理化のための設備計画であるため、完成後の能力増加が若干見込まれる。
(注2) 完成後の増加能力は、算定が困難なため記載を省略。