(株) エフテック 2014年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2014年
3月期
2013年
3月期
増減率 (%) 要因
売上高 172,456 144,089 19.7 -事業構造改革への取り組み、北米自動車販売の好調、為替の円高是正等の影響による。
営業利益 6,725 4,479 50.1
経常利益 7,077 4,574 54.7 -
当期純利益 3,319 (3,131) - -
日本
売上高 30,170 32,905 (8.3) -主要得意先における国内生産車種構成が変化したことに加えて、海外子会社での現地生産化の影響を受けた。
営業利益 1,331 (942) - -事業構造改革推進による固定費削減、海外子会社からの開発業務委託収入による。
北米
売上高 102,209 82,270 24.2 -北米市場の堅調な新車販売による主要得意先への売上増加、為替の円高是正等の影響による。
営業利益 3,940 4,406 (10.6) -メキシコ生産工場の立ち上げ費用の発生、開発機能の現地強化に伴う費用負担による。
アジア
売上高 40,077 28,913 38.6 -中国市場の日本車販売低迷やタイ洪水による減産からの回復、為替の円高是正等の影響による。
営業利益 1,157 993 16.5 -

事業計画

-2014年、第12次中期経営計画 (2015年3月期-2017年3月期) を策定。「圧倒的競争力を持つシャシーシステムメーカーになる」ことを方針として掲げ、売上高200,000百万円、営業利益10,000百万円を目指す。基本事業戦略は以下の通り:

1. シャシーシステム体制への変革

-サブフレーム、サスペンションアーム単体機能から組み付け部品を含めた複合機能でシャシーをシステムで開発する:
モジュール開発を行うための体制づくりに乗り出す。防振ゴムやボールジョイントなどの部品メーカーと協力し、主力製品のサブフレームを、製品単体ではなく、周辺部品を含めた「機能モジュール」として開発する体制の構築を目指す。取引先の海外の自動車メーカーからの要請もあって検討を始めたもので、モジュール開発で先行する欧米サプライヤーをベンチマークとしてグローバル競争を勝ち抜く開発力を獲得する。(2013年9月18日付日刊自動車新聞より)

2. グローバルオペレーションへの進化
-日本がマザー機能として、各拠点 (北米、中国、東南アジア) で営業、開発、技術、生産、購買を自ら進める。
-新設したインドネシア、メキシコ拠点の安定立ち上げを行ない、拡大市場での新たなビジネスの獲得。
-グローバル人材育成

3. 環境対応技術の強化
-シャシーシステムでさらなる軽量化設計、また、コア技術の深化 (ハイドロフォーム、摩擦攪拌接合、パイプフォーム焼鈍) を目指す。
-ペダル部品の電子化等、電子化関連技術をシャシーに採用していく。
-地域最適生産技術を立案する。また、独自技術 (精密成形プレス技術、レーザー接合) の創出を目指す。

事業再編

-国内のプレス加工拠点を亀山事業所 (三重県亀山市) に集約する。これまで久喜事業所 (埼玉県久喜市) と亀山事業所の両拠点でプレス加工を行ってきたが、自動車メーカーの国内生産量の減少、車の小型化による国内生産量の減少に対応し、集約効果が見込めるプレス工程の生産体制を見直すことにした。超円高により一時は新興国に移管することも検討したが、昨年後半から円高が修正されてきたため、国内での生産を残すことにした。(2013年5月10日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2014年3月期 2013年3月期 2012年3月期
全社 2,667 2,367 1,840

-2014年3月期の地域別セグメント内訳:国内1,330百万円、北米1,169百万円、アジア167百万円

研究開発体制

-芳賀テクニカルセンター (栃木県芳賀市) は東日本大地震により甚大な被害を受けたが、2013年11月に新管理棟が完成し、すべての復興が完了した。
-日本、北米、アジア地域の研究開発メンバーの連携により、それぞれの地域ニーズにあった開発に対応している。
-北米研究開発技術センターと中国研究開発技術センターを中心としたGMへの本格参入で、開発車種がさらに拡大しているため、米国ミシガン州トロイにオフィスを開設し、更にコミュニケーション良く開発を進めるよう対応している。

研究開発活動

-ホンダの新型「Fit」のフロントサブフレームにおいて、最適な骨格・板厚・板組を導き出す独自最適化設定により、前モデルに比べて大幅な軽量化を実現した。
-クラッシュドトーションビームは、ハイドロ加工技術を更に進化させ、焼鈍加工技術と組み合わせることにより、車重の重いミニバンクラスにも適用できる技術を構築した。
-また、このハイドロ加工技術を進化させ、車重の軽いエントリーカー向けに廉価なクラッシュドトーションビームを開発中。

主な技術供与契約

(2014年3月31日現在)
相手先 国名 契約の内容 契約期間
成宇工業股分有限公司
[Cheng YU Industry Co., Ltd.]
台湾 製造販売に関する技術援助契約 1994年12月21日-
1999年12月20日
以後一年の自動更新
Gestamp Tallent Ltd. 英国 製造販売に関する技術援助契約 2011年7月18日-
2016年7月17日
或いは対象製品の継続期間
Progressive Tools & Components Pvt. Ltd. インド 製造販売に関する技術援助契約 1996年11月29日-
以降出資中継続契約
YPS Limited トルコ 製造販売に関する技術援助契約 2010年9月30日-
2015年9月29日
或いは対象製品の継続期間
Benteler Componentes Automotivos Ltda. ブラジル 製造販売に関する技術援助契約 2011年5月20日-
2016年5月19日
或いは対象製品の継続期間
SMC Co. Ltd. 韓国 製造販売に関する技術援助契約 2006年4月4日-
2011年4月3日
以降一年の自動更新
Cosma do brasil ブラジル 製造販売に関する技術援助契約 2007年9月27日-
2012年9月26日
技術援助対象商品の生産が終了するまで契約継続
Formex Mexico, S.A. de C.V. メキシコ 製造販売に関する技術援助契約 2010年8月30日-
2015年8月29日
或いは対象製品の継続期間

技術導入契約

(2014年3月31日現在)
契約会社名 国名 相手先 契約の内容 契約期間
エフテック、
F&P Mfg Inc.、
F&P America Mfg Inc.
英国 TI Corporate Services Limited
(Variform, Inc.)
パイプ成形に関する技術導入 1994年10月20日-
2023年10月20日

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2014年3月期 2013年3月期 2012年3月期
全社 12,715 10,696 7,873

-2014年3月期地域別セグメント内訳:日本3,011百万円、北米4,296百万円、アジア5,767百万円

設備の新設計画

(2014年3月31日現在)
会社名
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資
予定金額
(百万円)
着手 完了 完成後の増加能力
芳賀テクニカルセンター
(栃木県芳賀郡)
研究開発設備 629 2013年4月 2016年3月 開発能力の拡充
久喜事業所、亀山事業所
(埼玉県久喜市、三重県亀山市)
事業構造改革 1,300 2013年7月 2016年3月 内作化による原価低減効果および物流費削減効果
自動車部品関連設備 2,174 2013年
12月
2015年
3月
新機種立上げに伴う設備増強
F&P America Mfg., Inc.
(米国オハイオ州)
自動車部品関連設備 2,453 2014年
4月
2015年
3月
新機種立上げに伴う設備増強
偉福科技工業 (中山) 有限公司
[F.tech Zhongshan Inc.]
(中国広東省)
自動車部品関連設備 2,201 2014年
4月
2015年
3月
新機種立上げに伴う設備増強
偉福科技工業 (武漢) 有限公司
[F.tech Wuhan Inc.]
(中国湖北省)
自動車部品関連設備 2,760 2014年
4月
2015年
3月
新機種立上げに伴う設備増強