(株) エフ・シー・シー 2012年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
2012年
3月期
2011年
3月期
増減率 (%) 要因
全社
売上高 117,068 117,621 (0.5) -東日本大震災およびタイの洪水の影響による主要顧客の国内外における四輪車生産の減産、並びに円高の影響等により、減収。
営業利益 11,056 12,852 (14.0)
経常利益 11,494  12,672 (9.3)
当期純利益 7,276  8,041 (9.5)
四輪車用クラッチ部門
売上高 46,426 49,419 (6.1) -東日本大震災およびタイの洪水の影響による主要顧客の国内外における四輪車生産の減産、並びに円高の影響等により、減収。
営業利益 1,601 2,948 (45.7)

受注

-ドイツのトランスミッションメーカーのZFからクラッチ部品などの新規受注を獲得したと発表した。米国の生産拠点から出荷する。ZFから受注したのはクラッチASSYとディスクセット。米インディアナ州にある「FCCインディアナ」からクラッチASSYを、米ノースカロライナ州の「FCCノースカロライナ」から摩擦板と芯板をそれぞれ出荷する。(2011年6月16日付日刊自動車新聞より)

海外事業

<米国>
-地震による津波や液状化のリスクを避けるため、静岡県磐田市の竜洋、天竜の2工場の主要製造工程を国内の他工場と米国子会社に移管すると発表した。竜洋工場の摩擦材の生産を鈴鹿工場(三重県鈴鹿市)とエフ・シー・シー・ノースカロライナ(ノースカロライナ州)に移管するほか、四輪車用クラッチ部品の生産を浜北工場(浜松市浜北区)に移す。天竜工場の摩擦板の生産は細江工場(浜松市北区)、二輪車用クラッチ部品の生産は鈴鹿工場にそれぞれ移管する。(2012年3月23日付日刊自動車新聞より)

-四輪車用クラッチの摩擦材を米国で生産する。摩擦材はこれまで日本で生産してきたが、米国でクラッチの生産量が拡大していくほか、自然災害などのリスク対応を踏まえ、日本と米国で生産する体制にする。北米では、フォード・モーター向けのクラッチ生産が増えるほか、独のオートマチックトランスミッション(AT)メーカー、ZF向けの生産も始まる。同社は二輪車用、四輪車用ともに、摩擦材は竜洋工場(静岡県磐田市)と鈴鹿工場(三重県鈴鹿市)で生産している。竜洋は海岸から1.5キロメートルと近く、地震による津波のリスクが高い。このため、竜洋に3本ある摩擦材のラインのうち、1本を早ければ12年中にも鈴鹿に移し、1本を米生産拠点に移す。(2012年2月28日付日刊自動車新聞より)

<ドイツ>
-欧州における四輪車用クラッチ事業の強化に向け、ドイツのミュンヘン(Munich)に駐在員事務所を設立すると発表。2012年4月に業務を開始する予定。(2011年12月22日付プレスリリースより)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発体制

-研究開発施設として、技術研究所(静岡県浜松市)、生産技術センター(静岡県浜松市)がある。

研究開発費

(単位:百万円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
全社 2,933 2,853 2,807
四輪車用クラッチ部門 1,658 1,548 1,474

研究開発活動

四輪車用クラッチ部門
-CVTを含めたオートマチックトランスミッション用の湿式摩擦材およびマニュアルトランスミッション用乾式摩擦材を骨格として、小型軽量化、低コスト化および燃費向上に寄与するクラッチの研究開発を行う。
-独自技術であるセグメント方式の摩擦板製造方案をベースに、新規顧客向けの燃費性能と耐久性向上を図ったオートマチックトランスミッション用新湿式摩擦材の開発。
-商品性と耐久性向上を図ったセンターデファレンシャル用摩擦材の量産化。
-新たな多段オートマチックトランスミッションに対応した新構造クラッチの開発。

製品開発

耐熱性に優れた摩擦材
-耐熱性に優れた摩擦材を開発、近く、自動車メーカーにクラッチ部品として供給を開始する。「ホット・スポット」と呼ばれる焼けなどの不良が出にくい材料。高速で擦れて動いているものを低負荷で捕捉した際の耐熱性は、4割近く向上した。まずは四輪車用クラッチで実用化し、二輪車用クラッチにも用途を拡大する。同社は、新開発の摩擦材を使ったクラッチを次世代品と位置づけ、性能や品質が高い製品として自動車メーカー各社に売り込んでいく。すでに、四輪車用で正式受注しており、さらに二輪車用途での受注獲得も目指す。(2011年6月8日付日刊自動車新聞より)

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
全社 11,051 4,744 4,283
-中期的に成長が期待できる製品分野および研究開発の分野に重点を置き、合わせて省力化、合理化および製品の信頼性向上のための投資を行った。

設備の新設

会社名/事業所
(所在地)
事業の部門 設備の
内容
投資
予定金額
総額
(百万円)
着手 完了予定
同社
鈴鹿工場
(三重県鈴鹿市)
二輪車用クラッチ
四輪車用クラッチ
クラッチ製造設備 1,125 2012.04 2013.03
技術研究所
(静岡県浜松市)
研究開発 試験機および測定機器 458 2012.04 2013.03
浜北工場
(静岡県浜松市)
四輪車用クラッチ 建物
クラッチ製造設備
352 2012.04 2013.03

細江工場

(静岡県浜松市)
二輪車用クラッチ
四輪車用クラッチ
クラッチ製造設備 348 2012.04 2013.03
子会社
PT.FCC Indonesia
(インドネシア カラワン県)
二輪車用クラッチ
四輪車用クラッチ
クラッチ製造設備 2,512 2012.04 2013.03
FCC (North Carolina) LLC. (米国ノースカロライナ州) 二輪車用クラッチ
四輪車用クラッチ
建物
クラッチ製造設備
2,433 2012.04 2013.03
FCC (Thailand) Co., Ltd. (タイ バンコク) 二輪車用クラッチ
四輪車用クラッチ
建物
クラッチ製造設備
1,660 2012.04 2013.03
FCC Adams , LLC.
(米国 インディアナ州)
四輪車用クラッチ クラッチ製造設備 1,178 2012.04 2013.03
FCC Rico, Ltd.
(インド ハリヤナ州)
二輪車用クラッチ
四輪車用クラッチ
建物
クラッチ製造設備
951 2012.04 2013.03