(株) エクセディ 2015年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2015年
3月期
2014年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 256,011 234,262 9.3 -インド、メキシコ等新拠点・新製品の売上増加
-円安による外貨の換算差拡大
営業利益 17,887 19,434 (8.0) -
経常利益 19,582 21,024 (6.9) -
当期純利益 9,503 12,268 (22.5) -
MT事業
売上高 71,447 67,649 5.6 -自動車メーカーからの受注増加および補修品販売の堅調な推移。
営業利益 9,374 10,226 (8.3) -
AT事業
売上高 156,947 141,859 10.6 -自動車メーカーやトランスミッションメーカーからの受注増加および円安効果。
営業利益 9,797 10,422 (6.0) -

生産関連

-自動変速機 (AT) 車用のトルクコンバーターの累計生産台数が1億台を達成したと発表した。同社は1958年からAT車用トルコンの開発に取り掛かり、75年に生産を開始した。手動変速機 (MT) 車用クラッチなどの生産が主力だったころから高性能なトルコンの開発・製造に取り組んできた。現在は5カ国6拠点で年間850万台を生産し、同社の総売上高のうち、AT車用部品が6割以上を占める。(2014年5月30日付日刊自動車新聞より)

受賞


-子会社のエクセディダイナックス上海 [EXEDY DYNAX Shanghai Co., Ltd.] およびダイナックス工業上海 [DYNAX Industry (Shanghai) Corporation] がGM Chinaより2014年度品質優秀賞「GM Supplier Quality Excellence Award」を受賞したと発表した。エクセディダイナックス上海は2年連続受賞、ダイナックス工業上海は3年連続受賞となる。(2014年11月21日付 プレスリリースより)

<ダイハツ>
-ダイハツより「商品力向上賞」および「品質改善優良賞」を受賞したと発表した。(2014年6月6日付プレスリリースより)

<ジヤトコ>
-中国子会社のエクセディダイナックス上海が加特可 (広州) 自動変速箱有限公司 [Jatco (Guangzhou) Automatic Transmission Ltd.] より、「2013年度 Jatco Supplier Award 特別賞」を受賞したと発表した。(2014年5月20日付プレスリリースより)

-ジヤトコより「2013年度 JATCO Supplier Award リージョナル特別賞」を受賞したと発表した。(2014年4月1日付プレスリリースより)

2016年3月期の見通し

(単位:百万円)
2016年3月期
(予測)
2015年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 270,000 256,011 5.5
営業利益 20,000 17,887 11.8
経常利益 19,000 19,582 (3.0)
当期純利益 10,500 9,503 10.5


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
MT事業 884 863 922
AT事業 1,574 1,533 1,386
その他 1,095 685 736
新商品開発費 1,654 1,490 1,132
合計 5,208 4,573 4,177

研究開発体制

-2015年3月31日現在、研究開発スタッフはグループ全体で497名。総従業員の約3%に相当。
-研究開発は同社を中心に以下拠点で実施:

名称 所在地
国内
(株) ダイナックス 北海道
海外
愛思帝 (重慶) 駆動系統有限公司
[EXEDY Chongqing Co., Ltd.]
中国 重慶市
エクセディダイナックス上海
[EXEDY DYNAX Shanghai Co., Ltd.]
中国 上海市
EXEDY Friction Material Co., Ltd. タイ チョンブリ
EXEDY ENGINEERING ASIA Co., Ltd. タイ チョンブリ
EXEDY India Ltd. インド マハラシュトラ州

研究開発活動

MT事業
-乗用車系部品では、環境問題・低燃費に対応した希薄燃焼型エンジンや直噴ディーゼルエンジンから生じる振動を効率的に吸収する、高性能ダンパー付きクラッチや2マスフライホイールの開発を推進している。

-商用車系部品では、マニュアルクラッチをはじめ、マニュアルトランスミッションの発進・変速操作を自動化したAMT (オートメーテッドマニュアルトランスミッション) 用として、コンピューターユニットの指令に従って正確に作動するアクチュエーターユニットおよびモータードライバーなどの製品を開発している。

AT事業
-湿式クラッチに関して、内部の油の流れ、面圧を解明し、スリップ性能改善につなげる研究を最新のコンピューターシステムを駆使して継続的に進めている。

-低燃費を実現するために低速度域までロックアップ領域を拡大し、低速のクラッチ締結時の振動を減衰するトルクコンバーターの開発に成功し、新規受注を獲得。

-連結子会社のダイナックスでは、ロックアップクラッチ用摩擦材をはじめ、自動変速機の部品を開発しており、不織布を用いた湿式摩擦材などの技術を培っている。商用車系では、デュアルクラッチトランスミッションへの適用部品開発を進めており、ダイナックスは商用車初の湿式デュアルクラッチを量産。

その他
-ハイブリッド車用に、モーター内周部に収容でき、エンジン/モーター間を断接する乾式多板クラッチや、エンジン/モーター切替え時に発生する振動を吸収するダンパー装置、エンジンへの過大負荷入力を防止するトルクリミッター付きダンパーなどの新製品分野の開発も行っている。

設備投資額

(単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
MT事業 4,422 4,662 3,052
AT事業 19,851 16,943 11,216
その他 3,439 6,310 1,766
合計 27,713 27,915 16,034


MT事業
-同社およびアジア子会社での合理化および増産対応等による投資。

AT事業
-同社、国内子会社およびアジア子会社での増産対応等による投資。

海外投資

<ハンガリー>
-ハンガリー子会社のEXEDY DYNAX Europeがダイナックス製品のペーパーディスクの生産能力拡大に向けて、工場を拡張すると発表した。現工場の隣接地約37,000平方メートルを新たに購入し、総敷地面積は約57,000平方メートルとなる。工場は7,725平方メートルを増築し、総面積は12,360平方メートルとなる予定。生産ラインは3本から10本に増え、ペーパーディスクの年産能力を約75百万枚に引き上げる。拡張した工場では、2016年1月より生産を開始する予定。 (2014年11月25日付プレスリリースより)

設備投資計画

-2016年3月期、同社グループは30,000百万円の設備投資を計画。このうち、MT事業に6,810百万円、AT事業に19,690百万円を投資する計画。