アルパイン (株) 2014年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2014年 3月期 |
2013年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 285,884 | 222,309 | 28.6 | -売上の80%以上を占める自動車メーカー向けビジネスでは、技術展を開催し、高度化・複合化する車載情報機器を提案し、新規受注の獲得に努めた。さらに北米市場での好調な新車需要を背景に、メキシコ拠点での生産を拡大。 |
営業利益 | 9,813 | 2,305 | 325.7 | |
経常利益 | 11,763 | 4,291 | 174.1 | - |
当期純利益 | 9,229 | 1,747 | 428.3 | - |
音響機器事業 | ||||
売上高 | 69,378 | 59,107 | 17.4 | -北米で2012年9月より販売が開始された日系自動車メーカーの新車に採用された音響機器や、米国自動車メーカー向けサウンドシステムの販売が好調。 |
営業利益 | 2,552 | 232 | 1,000.0 | |
情報・通信機器事業 | ||||
売上高 | 216,505 | 163,202 | 32.7 | -北米市場における日系自動車向けのナビゲーション機能を核としたディスプレイ付き複合製品の販売が好調。さらに同社製品が搭載されている欧州高級自動車メーカーの新車販売が北米および中国において好調。 |
営業利益 | 11,857 | 6,709 | 76.7 |
経営の課題と対応
課題 | 対応 |
1. コンシューマエレクトロニクス機器の機能進化に追従した技術革新 | -クラウド化に対応すべく、日・米・欧・中の4極にそれぞれソフトウェエア技術開発体制を整備。 -親会社であるアルプス電気との連携を強化。車載機器のトータルソリューションの提供、先進のコンシューマエレクトロニクス技術の車載機器への融合を目指す。 |
2. 収益力および経営基盤の強化 | -サプライアー各社と一体となったVE活動や生産性向上。 -間接構造改革を推進し、収益力を高める。 |
3. 「軽量化・省電力化・安価」に対応した商品開発 | - |
4. 「安心・安全」を実現するドライバー支援システムの機能向上・充実 | - |
組織変更
-2013年4月1日付で組織変更を実施。カーナビゲーションシステムやカーオーディオの開発体制を高めることを目的としたもの。サウンド・メディア製品開発担当を新設し、車載用音響機器開発において社内の連携を強める。提案活動、マーケティング活動
-グローバルで自動車メーカーに向けた提案活動を強化する。提案力を高めるため、海外の開発拠点を通じたマーケティング活動や自動車メーカーのニーズを収集して製品開発に反映させる。同社はグローバルで開発生産拠点を持ち、日本・欧州・米国の自動車メーカーにカーナビやオーディオなどを供給している。現在、クラウドなど情報通信の急速な発達により、スマートフォンとカーナビとの接続など、車載機器は高機能化が求められている。さまざまな機能を安全に車内で使用できる新製品の開発を通じて提案活動を積極的に展開し、採用拡大に結びつける。-2013年4月、インドネシア・ジャカルタに駐在員事務所を新設したと発表した。タイ・バンコクの地域統括会社アルパイン・エレクトロニクス・オブ・アジアパシフィックの現地事務所として、市販向けカーオーディオの売り上げ拡大を図る。将来的には、日系自動車メーカーへの供給に向けた受注活動の展開を視野に入れるなど、インドネシアでの事業拡大を目指す。駐在員の派遣により、市販製品の販売店や代理店、ディーラーとの関係を強化する。現地の市場調査を行うことで、ニーズに沿ったマーケティング活動につなげる。インドネシアは日系メーカーが生産能力を増強しており、メーカーへの受注活動を展開する考え。
中期経営戦略「VISION2020」
課題 | 対応 |
1. ビジョンステートメント | アルパインは、あなたのカーライフを豊かにする、モービルメディア・イノベーションカンパニーを目指します。 |
2. コーポレートメッセージ | Driving Mobile Media Innovation (モービルメディアの未来価値へ) |
3. 事業領域 | AVNCD2.0 (A:Audio, V:Visual, N:Navigation, C:Communication & Cloud Service, D:Drive Assist & Cockpit Display) |
4. 事業目標 | 2020年 連結売上3,300億円、 営業利益率5% |
5. 成長戦略 | ・新分野参入とお客様のCar Lifeを軸に、Originalityある顧客価値の創造 -ビジネスモデル |
・技術の内部蓄積と積極的な外部アライアンスによる競争力の強化 -技術・商品開発 |
|
・顧客志向を軸に、人と組織・仕組みのグローバル連携 -> Global One Team -人と組織・仕組み |
2015年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2015年3月期 (予測) |
2014年3月期 (実績) |
増減率 (%) | |
売上高 | 275,000 | 285,884 | (3.8) |
営業利益 | 8,000 | 9,813 | (18.5) |
経常利益 | 9,000 | 11,763 | (23.5) |
当期純利益 | 6,000 | 9,229 | (35.0) |
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2014年3月期 | 2013年3月期 | 2012年3月期 | |
全社 | 19,800 | 16,800 | 17,200 |
音響機器事業 | 2,900 | 3,200 | 3,800 |
情報・通信機器事業 | 16,900 | 13,600 | 13,400 |
研究開発活動
音響機器事業-同社初のスマートフォンアプリである「TuneIt」を「TuneIt2.0」に進化させた。対応車種やアルパイン製スピーカー・サブウーハーのデータを拡充し、さらに精緻な音響調整が可能となった。
情報・通信機器事業
-北米音声対話ベンチャーSpeaktoit社と出資提携し、車載クラウド時代における新たなHMI (ヒューマン・マシン・インターフェイス) の共同開発を開始した。利用者が話しかけた言葉を理解しもとめられた情報を提供する機能。今後オーディオやナビゲーション機器へ順次搭載してゆく。
主な技術導入契約 |
(2014年3月31日現在) |
契約先 | 国名 | 契約内容 | 契約期間 |
Dolby Laboratories Licensing Corporation | 米国 | DVD等の雑音低減装置に関する特許実施権の許諾 | 1977年1月1日から 特許存続期間満了日まで |
Thomson S.A. | フランス | DVDプレーヤーに関する特許実施権の許諾 | 2000年10月1日から 2005年9月30日まで 以後5年ごとの自動更新 |
株式会社 東芝 | 日本 | DVDプレーヤーに関する特許実施権の許諾 | 2000年12月31日から 2007年12月31日まで 以後5年ごとの自動更新 |
MPEG LA, LLC | 米国 | DVDプレーヤーに関する特許実施権の許諾 | 2002年1月1日から 特許存続期間満了日まで |
Microsoft Corporation | 米国 | 基本ソフトに関する使用権の許諾 | 2003年7月1日から 2012年12月31日まで 以後5年ごとの自動更新 |
ソニー株式会社 | 日本 | オーディオ機能付きナビゲーション機器に関する特許実施権の許諾 | 2014年1月1日から 2018年12月31日 |
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2014年3月期 | 2013年3月期 | 2012年3月期 | |
全社 | 8,193 | 6,719 | 5,328 |
音響機器事業 | 2,076 | 1,882 | 1,378 |
情報・通信機器事業 | 6,100 | 4,833 | 3,949 |
2014年3月期の主な設備投資
音響機器事業 | (単位:百万円) |
2014年3月期 | |
金型を中心とした有形固定資産 | 443 |
ソフトウェアの開発等 | 106 |
生産設備の投資 | |
-米州生産拠点 「Alpine Electronics of America, Inc.」 | 179 |
-メキシコ生産拠点 「Alcom Electronicos de Mexico, S.A. de C.V.」 | 253 |
-欧州生産拠点 「Alpine Electronics Manufacturing of Europe, Ltd.」 | 158 |
-中国生産拠点 「Dalian Alpine Electronics Co.,Ltd.」 | 161 |
-タイ生産拠点 「Alpine Technology Manufacturing (Thailand) Co., Ltd.」 | 318 |
情報・通信機器事業 | (単位:百万円) |
2014年3月期 | |
新製品開発および生産の合理化をめざした有形固定資産 | 1,668 |
ソフトウェアの開発等 | 400 |
生産設備の投資 | |
-米州生産拠点 「Alpine Electronics of America, Inc.」 | 440 |
-メキシコ生産拠点 「Alcom Electronicos de Mexico, S.A. de C.V.」 | 559 |
-欧州生産拠点 「Alpine Manufacturing of Europe, Ltd.」 | 654 |
-中国生産拠点 「Dalian Alpine Electronics Co.,Ltd.」 | 901 |
設備の新設 |
(2014年3月31日現在) |
事業所名 | 所在地 | 設備の内容 | 投資 予定額 (百万円) |
着手年月 | 完了予定年月 |
いわき事業所 | 福島県 いわき市 |
生産設備・研究開発・その他設備 | 2,464 | 2014年4月 | 2015年3月 |
Dalian Alpine Electronics Co. Ltd. | 中国 大連市 |
生産設備 | 829 | 2014年4月 | 2015年3月 |
Alcom Electronicos de Mexico, S.A. de C.V. | メキシコ レイノサ市 |
建物 | 971 | 2014年7月 | 2015年3月 |