Pirelli Tyre S.p.A. 2011年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2011年
12月期
2010年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 5,654.8 4,848.4 16.6 -
営業利益 581.9 407.8 42.7 -
部門別売上高
タイヤ部門 5,601.6 4,772.0 17.4 1)


要因
1)
-2011年のタイヤ部門売上高は前年の4,772.0百万ユーロから17.4%増の5,601.6百万ユーロ。

-プレミアム製品が売上高を牽引。プレミアム製品売上高は前年比27.3%増の1,844百万ユーロとなった。

-コンシューマ用製品および工業用製品の両方で売上が増加。コンシューマ用は前年比18.9%増(為替の影響は-1.4%)、工業用は13.9%増(為替の影響は-2.2%)となった。

-販売チャンネル別では、売上高の74.5%がリプレイス用、25.5%が新車用に純正タイヤとして販売された。

事業方針

-同社アジア・パシフィックCEO(最高経営責任者)ジュゼッペ・カッターネオ氏は14日、今後2~3年をめどにアジア・パシフィック地域でのマーケットシェアを現状の2倍に引き上げていく方針を明らかにした。中国工場の4輪乗用車用タイヤの生産能力を2012年に倍増するとともに、マーケティング活動に力を入れていくことで、販売量で先行している欧州や南米と同様の市場シェアを早期に獲得していく意向を示した。 (2011年1月15日付日刊自動車新聞より)

企業買収

-2011年12月、同社はCamfin Groupより、Pirelli & C. Ambiente SpAとPirelli & C. Eco Technology SpAの株式残り49%を取得したと発表。Pirelli & C. Ambienteは、エネルギー・環境分野に注力し、持続可能な開発のためのソリューションを提供している。また、Pirelli & C. Eco Technologyは、粒子除去フィルターおよび低環境負荷燃料関連の製品を生産。なお、今回の買収金額は、2社あわせて約7百万ユーロとなる。(2011年12月23日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
全社 169.7 149.7 137.1
売上対比 3.0% 3.1% 3.4%

技術提携

-2011年11月、同社とイタリアのミラノ工科大学は、タイヤ部門の共同研究に向けて提携契約を締結した。契約期間は2011年から2014年までの3年間。同社のインテリジェントタイヤ「Cyber Tyre」などを研究対象とする。このタイヤはカーカスに半導体チップを付属しており、車両と運転者に対して、タイヤの状態や路面状況に関する情報を提供することができる。(2011年11月4日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
全社 626.2 438.6 225.2

海外投資

<ロシア>
-2011年12月、同社とRussian TechnologiesのロシアKirovのタイヤ工場買収が完了。Pirelli、Sibur、Russian Technologiesの3社は、今回の譲渡に関して2011年7月25日付で合意していた。(2011年12月14日付プレスリリースより)

-2011年7月、同社とRussian Technologies State Corporationは、両社による合弁会社がSibur HoldingよりロシアのKirov工場を買収すると発表した。買収手続きは、2011年11月までに完了する見込み。PirelliとRussian Technologiesは、2010年11月にロシアに合弁会社の設立計画を発表していた。Kirov工場の乗用車・小型トラック用タイヤの生産能力は、現在7百万本超。さらに資産を買収し、2014年までに11百万本に生産能力を拡大する予定。これらの買収金額の合計は222百万ユーロ。なお、合弁会社の年間売上は2012年に300百万ユーロ、2014年に500百万ユーロの規模となる見込み。2012年から2014年の3年間で200百万ユーロを投資し、同工場のアップグレードおよび生産能力増強を行うことで、増収につなげる計画。(2011年7月25日付プレスリリースより)

<アルゼンチン>
-2011年10月、アルゼンチンにトラック用ラジアルタイヤ工場を建設すると発表。2012年に建設を開始する予定。第1フェーズ(2012-2014年末)では約300百万米ドル、第2フェーズでは約200百万米ドルを投じる計画。このうち一部は、アルゼンチン政府より援助される。また、第1フェーズでは従業員約700名を雇用し、年産能力はタイヤ70万本。第2フェーズでの従業員数は約1,200名で、年産能力は1.4百万本を見込む。なお、2011年のアルゼンチンにおける売上額は、2010年より40%増加し500百万米ドルに達する見込み。(2011年10月13日付プレスリリースより)

<ルーマニア>
-2011年8月、ルーマニアSlatinaのタイヤ工場拡張の記念式典を行ったと発表。同社は2005年から2010年まで、ルーマニアに300百万ユーロを投資済み。この投資額は2014年までに450百万ユーロを超える見込み。対象は、タイヤ工場とスチールコード工場を有するSlatina拠点および、ディーゼルエンジン用粒子除去フィルター工場を有するBumbesti Jiu-Gor拠点。投資額のうち、160百万ユーロはSlatinaのタイヤ工場に投じられる予定で、2008年から2013年にかけて拡張を行う。なお、この拡張に対しては、約28百万ユーロがルーマニア政府から支援されている。今後の投資により同タイヤ工場の年産能力は、2011年末に7百万本、拡張完了時には10百万本まで引き上げられる予定。また、当初10万平方メートルだった敷地面積は、現在16万平方メートルまで拡張されており、最終的には17.5万平方メートルにおよぶ計画。(2011年8月30日付プレスリリースより)