PKC Group Oyj 2011年12月期までの動向

ハイライト

近年の動向

業績

(単位:百万EUR)
  2011年
12月期
2010年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 550.2 316.1 74.1 -
営業利益 34.5 29.7 16.2 -
ワイヤリングシステム部門
売上高 477.2 242.4 96.9 1)
営業利益 35.5 24.5 44.9
エレクトロニクス部門
売上高 73.0 73.7 (0.9) 2)
営業利益 2.4 7.7 (68.8)

要因
1)
-2011年12月期のワイヤリングシステム部門の売上高は、前年比96.9%の増加。

-同営業利益は、前年比44.9%の増加。買収による売上高増加が営業利益を押し上げた。

2)
-2011年12月期のエレクトロニクス部門の売上高は、前年比0.9%の減少。

-同営業利益は、前年比68.8%の減少。設計・製造サービス(ODM)、および電気通信部品の需要減が利益を圧迫した。

企業買収

-2011年、Platinum Equity傘下の投資会社からAEES companies (AEES)を買収することで合意したと発表。AEESは北米に本拠を置き、大型・中型トラックおよび小型車向けにワイヤーハーネスを生産している。トラック市場における主要顧客は、Daimler Trucks North America、Navistar、PACCAR。また小型車市場では、Continental、Ford、GM、Learが納入先に含まれる。AEESの2010年売上額は、454百万ユーロ。米国、メキシコ、ブラジル、アイルランドに拠点を持ち、2011年6月末時点で従業員約13,800名を抱える。今回の買収金額は、約110百万ユーロ。2011年10月1日付で買収を完了する見込み。(2011年8月9日付プレスリリースより)

-2011年、Segu Systemelektrik GmbH(ドイツ)、Segu Polska Sp. z o.o. (ポーランド)、TZOV HBM Kabel Corp (ウクライナ)を完全子会社化することで合意したと発表。Seguのこれらの拠点では、自動車用および建設機器用ワイヤーハーネスの生産・開発を行っている。Seguは2010年に約38百万ユーロの連結売上を記録し、同年末時点で約1,000名の従業員を抱えている。なお、今回の買収金額は20百万ユーロ。2011年4月30日までに買収完了を見込んでいる。(2011年2月28日付プレスリリースより)

-2008年、MAN Nutzfahrzeuge AG傘下のMAN Star Trucks & Buses Spo. z.o.o.(ポーランド)からケーブルハーネス生産事業の買収を発表。買収金額は約22百万ユーロ。2008年における同ケーブルハーネス事業の売上は 約70百万ユーロ。現地子会社PKC Group Poland Sp. z.o.o.が事業運営に当たる。この買収にともないMAN Groupと長期供給契約を結んだことから、顧客ベースの拡大が実現。(2008年12月31日付プレスリリースより)

-2006年8月1日、自動車及び電子技術機器用ワイヤーハーネスの製造で40年の歴史を持つElectro Canada社を買収。買収はカナダ・トロント市の本社社屋、米国Nogales市にあるワイヤーハーネス生産工場と営業施設が含まれる。Electro Canadaのカナダ事業は、既に設立していたPKC Group Canada, Inc. が継続。Electro Canadaの売上げは、2005年度で22百万ユーロ。

事業再編

-2011年、子会社PKC Electronics(フィンランド)の人員削減に関する交渉が合意に達したと発表。会社側は2011年8月17日に、80名の人員削減案を提示。交渉の結果、削減する人員は77名とされた。(2011年10月3日付プレスリリースより)

-2010年、フィンランド国内子会社PKC Wiring Systems Oyでの人員削減をめぐる労使交渉に入る予定。同子会社の全従業員が対象で、最大50名が解雇される見通し。同社は既に、Kempeleのワイヤーハーネス拠点での生産を打ち切る意向を明らかにしている。(2010年6月3日付プレスリリースより)

-2009年、子会社PKC Electronics OyのフィンランドRaahe拠点を対象に、無期限のレイオフをめぐる交渉を開始すると発表。なお、レイオフの期間と開始時期については、交渉を経て決定される見込み。(2009年6月17日付プレスリリースより)

-2009年、フィンランドKempeleのワイヤーハーネス拠点で労使交渉を開始すると発表。同拠点の全員を対象として、無期限のレイオフをめぐる交渉を行う。(2009年5月13日付プレスリリースより)

-2008年、縮小する需要動向に対応するため各生産工場の生産体制を見直し、各部門での人員削減を行った。ブラジルではCuritiba工場の生産体制強化を目的とした新規生産工場を立ち仕上げ、コスト削減と生産効率をめざし、カナダの生産工場をメキシコに移転。この結果、カナダの事業は販売会社のみとなる。こうした体制変更により北米市場の事業展開は同社の北米事業所に一括管理されることになった。2008年後半にはワイヤーハーネスの生産工場であるロシアのPskov工場の閉鎖を決定、中国Suzhouのエレクトロニクス工場に統合させる。2009年までに稼働が予定されている。

認証

-2011年、同グループの全ての工場において、自動車産業向け品質マネジメントシステムの国際規格「ISO/TS16949」の認証を取得していると発表。また、ポーランドSosnowiec工場とウクライナMukachevo工場を除いた全工場が、品質マネジメントシステム規格「ISO9001」および環境マネジメントシステム規格「ISO14001」の認証取得を達成。なお、Sosnowiec工場とMukachevo工場は、2012年第1四半期の「ISO14001」取得を目指してシステム構築を開始している。(2011年8月4日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期 2008年12月期
全社 6.9 5.7 5.5 5.8
売上高比 1.3% 1.8% 2.7% 1.9%
製品開発従事者数 143 120 114 101

製品開発

-2004年度、商用車の電気システム用の、LINプロトコルに準拠したバステクノロジーを開発。

LIN(ローカルインターコネクトネットワーク)バスシステム(LIN (Local Interconnect Network) Bus System)
  -LINテクノロジーは、シングルワイヤーシステムで、センサー及びアクチュエーターをひとつの通信バスに沿って分配することが可能。モジュラー化及びワイヤー数の削減でケーブル布線及びハーネスデザインが簡単になる。モジュラーLINシステムは容易に拡大でき、モジュールのリプログラミングによって、システムの機能を後に修正できる。
  -LIN技術は、Audi、BMW、DaimlerChrysler、Motorola、Volcano Communications Technologies (VCT)、Volkswagen、Volvoによって設立されたLINコンソーシアムによって2000年に導入された。同社は2004年初頭以降、LINコンソーシアムの会員となっている。

商用車におけるLINバスシステムの典型的アプリケーション
   -内・外装ライト
   -ヘッドランプ方向コントロール
   -シートおよびドア機能
   -小型モーター
   -磁気バルブ
   -フルイドレベルセンサー
   -流量センサー
   -バッテリーシステムの電圧及び電流測定

設備投資

設備投資額

(単位:千ユーロ)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期 2008年12月期
合計 101,532 8,575 8,226 27,426

-2011年12月期は、SeguおよびAEESの買収と、主に製造機械と製造装置の購入に投資。

海外投資

<ロシア>
-2006年5月、ロシアPskov市にワイヤーハーネス工場を設立。新工場は、高まる受注に対応するための能力増強と中央及びロシア市場への製品供給も視野に入れている。2006年12月に生産を開始。2007年末までの設備投資額は合計で2.3百万ユーロとなる見込み。

<中国>
-2006年夏に、中国蘇州工場でエレクトロニクス業界向けの製品製造を開始。将来的には、自動車業界の顧客へも納入を行う予定。