ZF Friedrichshafen AG 2016年12月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
2016年
12月期
2015年
12月期
増減率 (%) 要因
全社
売上高 35,166 29,154 20.6 1)
営業利益 1,614 1,081 49.3 2)
部門別売上高
パワートレインテクノロジー 7,981 7,785 2.5 3)
シャシーテクノロジー 6,447 6,550 (1.6) 4)
商用車テクノロジー 2,960 2,983 (0.8) 5)
E-Mobility 862 717* - 6)
アクティブ&パッシブセーフティテクノロジー 14,446 8,941 61.6 7)

*数字は以前のエレクトロニックシステム部門からのもの


要因
1) 売上高
-2016年12月期の売上高は、前年比20.6%増の35,166百万ユーロ。売上増の主な要因は2016年度がZF TRWが連結決算に含まれる初年度によるもの。

2) 営業利益
-2016年12月期の営業利益は、前年比49.3%増の1,614百万ユーロ。増収理由は同社の通期の連結決算の一部としてZF TRWが含まれたことによる。

3) パワートレインテクノロジー部門
-2016年12月期の売上高は、前年比2.5%増の7,981百万ユーロ。主な増収理由は、中型車、高級車向けATの販売が伸びたこと。ATの販売は特に北米・欧州市場において増加。

4) シャシーテクノロジー部門
-2016年12月期の売上高は、前年比1.6%増の6,447百万ユーロ。部門としては本業の成長はしたが、特に中国市場での為替のマイナス影響により売上増は相殺された。

5) 商用車テクノロジー部門
-2016年12月期の売上高は、前年比0.8%減の2,960百万ユーロ。欧州での販売増にも関わらずブラジル市場の低迷、為替のマイナス影響などにより部門としては減収であった。

6) E-Mobility部門
-2016年12月期の売上高は、862百万ユーロ。E-モバイル部門は他の事業部門に加え、以前のエレクトロニックシステム部門を含む。


7)アクティブ・パッシブセーフティ部門
-2016年12月期の売上高は、前年比61.6%増の14,446百万ユーロ。増収理由は、2016年が同社の連結決算にZF TRWが含まれる最初の会計年度となったため。

最近の動向
-同社はドイツFriedrichshafenに90百万ユーロをかけ、「ZF Forum」 と名付けられた本社社屋を開設した。2013年2月5日の鍬入れ式から3年半を費やして完成した新社屋は、700人の社員を収容する最新設備のオフィス・エリアのほか、一階部分の展示スペース、カンファレンス用のフロア、350席の講堂、子供向けの知識ワークショップ(Knowledge Workshop)、社員用食堂を擁する。社屋の東ウィングには、従業員や取引先がZF製品に直接触れながら技術トレーニングを受ける施設や、トレーニング用のトラックやバスを配置したワークショップがある。(2016年11月22日付プレスリリースより)

-同社は、技術系企業への投資を行う新会社「Zukunft Ventures GmbH」を設立した。ドイツFriedrichshafenを本拠とし、2016年9月に営業を開始。同社に関連すると思われる技術を開発している会社を精査し、投資を行う。同社はここ最近、IbeoやdoubleSlashの株式40%を取得するなど複数の技術会社に投資を行っており、こういった事業がZukunft Venturesを通じて行われることになる。(2016年10月17日付プレスリリースより)

-同社の北米子会社は、米国で制御センサー50万5,000ユニットをリコールすると発表した。同社製9速トランスミッションが、走行中に突然ニュートラルへ変速してしまう可能性があるという。複数の自動車メーカーがこのトランスミッションを採用しており、各社がリコールに踏み切る予定。同社によると、ワイヤーハーネスの星形のコネクター部分の不具合により電気抵抗が増加し、ギアがニュートラルに入ってしまう場合があるという。この問題は、FCAが7月に米国で323,000台をリコールしたことで発覚した。リコール対象モデルは、2015年モデル以降の「Chrysler 200」、「Ram ProMaster City」、「Jeep Renegade」、「Jeep Cherokee」など。同社は、ソフトウェアのアップデートによりこの問題が解決するとしている。(2016年8月6日付Detroit Free Pressより)

-ZF TRWは、新たにエレクトロニクス事業本社「ZF TRW Global Electronics Headquarters」を開設すると発表した。米国ミシガン州のDetroit郊外にあるFarmington Hillsに位置し、171,000平方フィートのオフィスと実験室を備える。また、600名超のエレクトロニクスの専門家が勤務し、運転支援、乗員安全、高周波エレクトロニクス製品などの分野に関して、部品および車両試験能力を有する。新本社の建物は、2016年上期に完成する見込み。(2016年1月29日付プレスリリースより)

-同社は、米国ミシガン州のLivoniaにあるZF TRWの本社を、2016年4月より同社の北米本社にすると発表した。また、Livoniaから車で約20分の距離に位置する同社のNorthville拠点を中核の販売・エンジニアリングセンターとする計画。ZF TRWは、Livoniaに1,200名、Northvilleに400名の従業員を雇用している。(2016年1月11日付プレスリリースより)

ハルデックス(Haldex)買収の試みの経過
-同社は、Haldexに対する買収提案を発表した。1株あたり100.00スウェーデンクローナ (約11.74ドル) で、提示額は44億スウェーデンクローナ (約516.3百万ドル)。両社の事業を連携させることにより、ブレーキやエアサスペンションなど、商用車向けのドライブトレインおよびシャシー分野のほか、今後の主流とみられるモビリティ分野において、企業価値を高めるねらい。今回の提案は、ZFがHaldexの発行済株式の90%超を保有することについて、Haldexの株主の承認を得ることなどが条件とされている。Haldexは今回、2016年7月にSAF-HOLLANDが行った買収提案よりも同社の条件が優れていると判断した。(2016年8月4日付プレスリリースより)

-同社は、Haldexに対する買収提案に関して、買い取り価格を1株あたり110スウェーデンクローナに引き上げたと発表した。これにより、買収総額は48.5億スウェーデンクローナ (約571.6百万ドル) となる。(2016年9月14日付プレスリリースより)

-同社は完全子会社のZF Internationalを通じて、Haldexに対する公開買付け (TOB) を断念すると発表した。同社は2016年9月16日付で、Haldexに対する買い取り価格を1株あたり120スウェーデンクローナに引き上げると発表していた。買付け期間が終了した2016年10月3日時点で、同社は4,238,980株 (全体の9.59%) を取得した。このTOBは同社がHaldexの過半数株式を取得することを条件としていたが、これに達しなかったためこれ以上の追加取得を行わないこととした。現在の同社の保有比率は21.67%で、Haldexの筆頭株主となる。(2016年10月5日付プレスリリースより)

-同社は完全子会社のZF Internationalを通じて、同社が保有するHaldexの株式所有割合を11月30日付で20.11%に縮小したと発表した。同社はKnorr-BremseによるHaldex株式の公開買付けを受け入れ、保有株式を1株当たり125スウェーデンクローナですべて売却する意向。同社はこれまでHaldexの株式21.67%を保有する筆頭株主だった。(2016年11月30日付プレスリリースより)

買収

-同社は、同じくドイツのFriedrichshafenを本拠とするソフトウェア会社doubleSlash Net-Businessの株式40%を取得することで合意したと発表した。これにより、車載ネットワーク分野を強化する。両社はソフトウェア開発、ネットワーク対応製品およびサービス、製品データ管理、エンタープライズ情報管理 (EIM) の4分野における提携に向けて、2015年秋に戦略的提携契約を締結している。doubleSlash Net-Businessの従業員数は約100名。2014年の売上高は約10百万ユーロだった。(2016年9月9日付プレスリリースより)

-同社は、ドイツのHamburgを本拠とするIbeo Automotive Systemsの株式40%を取得したと発表した。2009年に設立されたIbeoは、LiDAR技術で業界をリードし、主に自動運転車向けに環境認識ソフトウェアの開発を行っている。顧客には、複数のグローバル自動車メーカーが含まれる。また、中期的に従業員数を50名から250名に増員し、自動運転技術のコンピテンスセンター (Autonomous Driving Competence Center:AD-CC) も設立する予定。AD-CCでは、自動運転システムの量産やマーケティングに注力する。(2016年8月2日付プレスリリースより)

再編

-ドイツの民間投資会社GENUIは、同社の子会社Cherry Groupを買収する。同社は主要事業に注力するため、Cherryの全株式を売却する予定。同社は2008年にCherryを買収し、コンピューター入力装置の製品ラインを立ち上げた。CherryはドイツAuerbachを本拠としており、従業員数は380名。2015年の売上高は約80百万ユーロだった。この取引は2016年11月に完了する見込み。(2016年10月20日付プレスリリースより)

-同社は、Illinois Tool Worksへのファスナー事業「Engineered Fasteners and Components」の売却を完了したと発表した。売却金額は約450百万ドル。同事業は、同社のアクティブ/パッシブセーフティテクノロジー部門であるZF TRWの傘下であった。今回の売却により、同社は先進安全技術、効率化、電動化などの中核事業の成長に注力するほか、自動運転技術の開発を進める意向。(2016年7月1日付プレスリリースより)

業務提携
-同社はKSPG AGと契約期間5年、総額約66百万ユーロのライフタイム値の5年業務提携契約にサインした。供給される製品としてはトランスミッション、ブレーキ、ショックアブソーバー、シャシーシステム、ダンパー付フライホイールなどに使用するスラストワッシャーやブッシュ。今回の提携により、KSPGの子会社KS Gleitlagerは、同社の6速、8速、9速オートマチックトランスミッション用ベアリングの100%グローバルサプライヤーとなる。この契約は金属製および金属/樹脂の複合ベアリングをカバーしている。これらの部品は、ドイツのSt. Leon-Rot工場とメキシコのCelaya工場で生産される予定。(2016年5月25日付プレスリリースより)

受注
-ZF TRWは、2017年より大手欧州自動車メーカー向けに、ヒーター付ステアリングホイールシステム (CIHS:Conductor Insert Heating System) の生産を開始すると発表した。ハンズオン検知 (HOD) 機能により安全・快適性の向上に貢献し、自動運転の開発をサポートする。ステアリングホイールの表面に電熱線を組み込むことで、熱誘導キャリア材料を不要としながら製品性能を向上させた。これにより、軽量化や複雑性の軽減を実現するほか、顧客の要望に合わせたステアリングホイールの機能を追加することができるという。(2016年5月18日付プレスリリースより)

-ZF TRWは、インド合弁会社のBrakes India Limitedが電動パーキングブレーキ (EPB) システムを初受注したと発表した。2017年よりグローバル自動車メーカー向けに生産を開始する。ZF TRWはこれまで、グローバルで6,500万ユニットを超えるEPBシステムを生産している。(2016年2月4日付プレスリリースより)

-ZF TRWは、Rinspeedの新型自動運転車「Etos」に、同社の格納式ステアリングホイールが搭載されていると発表した。このステアリングホイールには、ステアリングを握っているかを検知する機能など、自動運転走行中にドライバーをサポートする複数の機能が備えられている。このほかに「Etos」には、ZF TRWのルーフエアバッグやシートベルトウェビングも搭載されている。(2016年1月20日付プレスリリースより)

見通し
-2017年12月期の売上高は、36,000百万ユーロとなる見通し。中期として同社は市場参入の拡大や安定した販路拡大に基ずき年間約6%の成長を期待している。

研究開発費  (単位:百万ユーロ)

2016年12月期 2015年12月期 2014年12月期
合計 1,948 1,390 891


-同社は毎年、売上高の約5%を研究開発費に充てている。
-2017年12月期、同社は2016年に比べ売上高に対する研究開発の投資の割合を少し上げることを計画している。

研究開発体制

-2016年12月期で世界各国で約14,550名が研究開発業務に従事。

研究開発拠点

-主な研究開発拠点

  • Friedrichshafen (ドイツ) :研究開発本部。Pilsen (チェコ共和国) と東京の開発活動を調整している。
  • Dielingen (ドイツ)
  • Passau (ドイツ)
  • Schweinfurt (ドイツ)
  • Pilsen (チェコ共和国)
  • 中国 上海
  • 日本 東京
  • Detroit (米国ミシガン州)

-同社は、インドHyderabadに同社にとってインド初となる技術センターを開設すると発表した。新センターでは、ソフトウェアおよび機械工学分野の開発に注力する。2017年1月までに稼働を開始し、2020年までにエンジニア2,500名を雇用する計画。同社の開発チームをグローバルでサポートするほか、現地での製品開発を加速させる意向。ZF TRWは、TVS GroupやRane Groupとの合弁会社を通じて、インドで50年以上にわたって事業を展開している。(2016年8月5日付プレスリリースより)

-ZF TRWは13日、中国の安亭研究開発センターに衝突試験スレッド部門を新設したと発表した。同社の衝突試験場としてはグローバルで4カ所目の拠点で、最新型のサーボ式スレッドやダミー設定調整装置を導入する。試験装置は、現実に近い正面衝突シミュレーションを、三次元で再現する。縦・横方向の荷重を用いた高度な正面衝突試験が可能で、米国NCAP(自動車アセスメント)の時速90キロメートルでの傾斜移動台車試験基準を上回る厳しい試験が可能。座席別の試験でも、前席や後席衝突のみ、その両方を組み合わせた試験が可能で、席配置仕様の変更にも対応する。(2016年4月14日付日刊自動車新聞より)

研究開発活動

-ZF TRWは、米国のミシガン州Farmington Hillsに移転させた技術センターの周辺で、自動運転システムの走行試験を行った。この技術センターには600名のエンジニアが勤務しており、今後さらに150名を増員する計画。171,000平方フィートの建物の購入・改修には30百万ドルを投じた。アダプティブクルーズコントロール、車線維持支援、緊急ブレーキなどのシステム向けにカメラ、センサー、レーダー、ソフトウェアの開発を行っている。ZF TRWは、2018年に米国で幹線道路における半自動運転システムの実用化を目指している。(2016年10月25日付Detroit Newsより)

-同社は、フランスBrestの運転支援システム施設において、部分的自動運転システムのデモンストレーションを行う。環境検知、自動ステアリング操作、自動ブレーキおよび加速などが可能な高速走行支援機能「Highway Driving Assist Multi-Lane」を体験できるという。このシステムでは、車線の種類や隣車線の車両の有無などを検知しながら、ドライバー主導の自動車線変更をサポートする。デモカーは、ZF TRWの「AC1000」レーダー、次世代カメラシステム、ベルトドライブ式電動パワーステアリング、横滑り防止装置などを備える。(2016年7月14日付プレスリリースより)

-同社は、新たなテスト車両をメディア向けに公開した。同社とTRWそれぞれの専門分野の統合により、付加価値の高いソリューションを生み出せることを示すもの。このプロトタイプでは、フロントアクスルにZF TRWのデュアルピニオン電動パワーステアリング (EPS) 、リアアクスルに同社のアクティブキネマティクスコントロール (AKC) を搭載している。これにより大幅に安全性が高まり、滑りやすい路面でも車線変更や追い越し時に正しい走路を維持することができるという。この2つのステアリングシステムの連携は、今後実用化される半自動運転や全自動運転にも活用が期待できる。(2016年2月23日付プレスリリースより)

製品開発

新規NHTSA衝突テスト用エアーバッグコンセプト
-同社は米国運輸省道路交通安全局 (NHTSA) の新しい衝突シナリオ試験に対応して、新たなエアバッグコンセプトを導入すると発表した。新しい性能試験シナリオは、「傾斜 (Oblique) ムービング・デフォーマブル・バリア (OMDB)」 と呼ばれ、2019年モデルの車両評価からNHTSAが採用する。NHTSAはさらに新しいより感度の高い 「Test devices for Human Occupant Restraints (THOR)」 と称する試験用ダミーの使用を始める。ZFの新しいエアバッグシステムは、時速90kmでの正面ならびに側面からの衝突による重度の損傷から前席の乗員を守ることを目的として設計されている。ルーフライナーに格納されたZFの新エアバッグは、作動時に運転者の頭部のそばで室内形状に応じてV字あるいはU字型に開き、安全性をさらに高める。また、正面あるいは側面衝突時における前席乗員の前方向あるいは左方向の動きに対応するため、車両の中央に向かって広がる特殊な形状の内部設計を特徴とする「パラレル・セル (parallel cell) 前席エアバッグ」も開発した。(2016年12月6日付プレスリリースより)

オープンマテックダッシュボードフリートポータルアプリケッション
-同社傘下のアフターマーケットコネクティビティ専業者であるOpenmaticsは、レンタカー、カーシェアリングサービス会社、工場、保険会社など多種類の車両を所有するフリート業者向けに新しいアプリケーションを発表した。Openmaticsは6年前に商用車市場で創業、2017年には乗用車向けのサービスを開始する。オンボードユニット (OnBoard-Unit) が、車両固有のデータをクラウド上の安全なデータベースに送信し、ウェブベースのアプリがこのデータベースにアクセスして分析する。新アプリ 「Dashboard」 により、Openmaticsはフリートポータルの機能も提供する。「Dashboard」 は、フリート車両をデジタルマップ上にリアルタイムで表示して分析することができ、車両使用状況、サービス需要の予想、車両位置などのさまざまな評価指標 (KPI) を提供する。電気自動車を含むフリートの場合、「Dashboard」 はバッテリーの充電状況や近隣の充電ステーションまでの最短ルートを表示し、効率的な充電管理をサポートする。すでにドイツの主要都市では、同様の機能が電動路線バスの運行調整に使用されている。レンタカー会社では、顧客の望むルートと電気自動車の空き状況のマッチングを行うことができる。従来型の車両についても、レンタカー会社の駐車場に戻ってくる車両の給油管理に役立てることができる。 (2016年11月30日プレスリリースより)

X2安全通信インテリジェントアルゴリズム
-同社は交通安全を推進するクラウドベースのX2Safeインテリジェント・アルゴリズムを発表した。このアルゴリズムは、車車間通信や路車間通信システムのベースとして活用され、自動車とすべての道路利用者に対するクラウドネットワーキングを可能にする。ZFのX2Safeインテリジェント・アルゴリズムは、車両、スマートフォン、スマートウォッチと通信することにより、ドライバー、歩行者、自転車の運転者に事故の危険性を知らせ、さらに自動ないし半自動の回避動作を行わせることができる。この新技術はインテリジェント・モビリティのサプライヤーとしてのZFの地位をより強固なものとし、メカニカル部品のデジタル化、エレクトロモビリティの推進、ならびに交通事故や排気ガスの低減に焦点を当てるものとなる。(2016年11月29日付プレスリリースより)

商用車衝突回避システム
-WABCOは、商用車用衝突回避システム「Evasive Maneuver Assist (EMA)」の試作品を発表した。WABCOと同社の共同プロジェクトにより開発した技術で、WABCOのトラック、トレーラー向け先進ブレーキ技術、安定制御技術、車両ダイナミクス制御技術と同社のアクティブステアリング技術を組み合わせたもの。商用車の自動運転を実現するための大きな一歩になると期待されている。 (2016年6月29日付プレスリリースより)

モジュールリアアクスルシステム
-同社は、モジュール設計のリアアクスルシステムを開発したと発表した。エンジン動力による駆動やリアモーター駆動、後輪操舵システムなどを自由に組み合わせることができる。モジュール式のリアアクスルの開発は同社では初めて。コストを抑制しながら幅広い駆動方式や地域ニーズに対応できるシステムとして自動車メーカーに提案していく。(2016年3月9日付日刊自動車新聞より)

エレクトリックアクスルドライブシステム
-同社は、2018年より欧州自動車メーカー向けに、電動アクスルドライブシステムの量産を開始すると発表した。このシステムでは、非同期モーター (ASM) を電気モーターとして設定している。出力は最大150kWで、エンジントルクは380Nm。これによりアクスルのトルクは3,500Nmを実現した。重量は113kgとなる。このシステムは、電気自動車 (EV)、燃料電池車 (FCV)、ハイブリッド車 (HEV) の四輪駆動システムに使用できるほか、前輪駆動・後輪駆動システム向けにも適用可能となる。同社は、E-Mobility部門が本拠を置くドイツのSchweinfurtでこのシステムの生産を行う予定。すでに、新たな生産施設の建設が進められているという。(2016年3月2日付プレスリリースより)

特許
-2016年で、同社は1,200以上の新しい特許を申請した。

-同社は、2015年に1,036件の特許を登録したと発表した。前年に比べて14%増加している。最新の技術には、乗用車用AT向けギア、船のスクリュープロペラ用回転ユニット、大型自動車向けパーキングブレーキ、大電流プリント基板などが含まれる。(2016年5月12日付プレスリリースより)

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
2016年12月期 2015年12月期 2014年12月期
全社 1,185 1,290 1,005


-2016年12月期の設備投資額の内訳は、技術設備および機械に約81%、工場やオフィスなどに16%、土地・建物に3%となっている。新製品の立ち上げ、既存製品の生産能力拡大に関連する設備投資が最も大きな割合を占めている。

-地域別に見ると、設備投資額の大半は、ドイツ、米国、中国、メキシコに充てられている。

国内投資

-同社は、ドイツのBrandenburg工場において、新型の8速デュアルクラッチトランスミッション (8DT) の生産を開始したと発表した。同社とPorscheのエンジニアは、この8DTをベースとして二輪および四輪駆動システム向けのハイブリッドトランスミッションのモジュラーキットを開発した。この8DTの生産に向けて、同拠点には100百万ユーロ超が投じられている。同工場では、乗用車用マニュアルトランスミッションやデュアルクラッチトランスミッションの開発・生産を行っている。従業員数は1,200名で、トランスミッションの生産能力は1日あたり600基超。また、2008年から7速デュアルクラッチトランスミッションを生産しているほか、2012年に初の7速マニュアルトランスミッションの生産を開始した。(2016年6月16日付プレスリリースより)

海外投資
<インド>
-同社子会社のZF Steering Gearは Pithampur, Madhya Pradeshに新しい製造施設を設立することを決定した。同社は土地の所有権を既に取得し、必要な設備を準備しており、約18か月間で生産開始を計画している。同社は新しい工場を展開するのに約1,500億インドルピーの投資を予定。この工場はZF Steering Gear (India) の生産能力拡大に寄与する。(年次総会におけるZF Steering Gear会長発言より)

<フランス>
-同社は、フランスのBrestにあるレーダー工場に約2.9百万ユーロを投じると発表した。次世代レーダーセンサーの開発に向けた設備、工具、部品に充てられるほか、倉庫を500平方メートル拡張する。同社のレーダーシステムの設計・組立・試験は、この約2,200平方メートルのBrest工場で行われている。同工場では年間約30万ユニットを生産しており、2020年までに生産能力は年間100万ユニット超になるとみられる。(2016年7月13日付プレスリリースより)

<イラン>
-同社はイランの首都テヘランに子会社を新設したと発表した。2016年1月に経済制裁が緩和されたことから、イラン市場における事業活動を強化するのが狙い。新会社の名称はZF Pars SSK。開設時の従業員数は10名程度で、事業規模の拡大に合わせ増員を予定している。同社は約30年前にイランに進出、1980年代半ばに同国のトランスミッションメーカーS.S. Charkheshgarに16.7%を出資。バスなどの商用車向けトランスミッションを同国北部のTabriz工場で生産している。同合弁事業も強化する予定で、生産施設の更新を行う予定。(2016年6月15日 プレスリリースより)