Magneti Marelli Holding S.p.A. 2013年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2013年
12月期
2012年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 5,988 5,828 2.7 1)
EBIT 169 130 29.0 2)
部門別売上
照明 2,275 2,038 11.6 3)
エンジンコントロール 898 918 (2.2) 4)
サスペンションシステム 470 476 (1.3) 5)
ショックアブソーバー 309 354 (12.7) 6)
電子システム 935 875 6.9 7)
エキゾーストシステム 559 598 (6.5) 8)
プラスチック部品およびモジュール 410 419 (2.1) 9)

要因
1) 売上高
-2013年12月期の売上高は、前年比2.7%増の5,988百万ユーロ。NAFTAおよび中国市場における売上が好調。欧州市場においては小幅な伸び。

2) EBIT
-2013年12月期のEBITは、前年比で29.0%増の169百万ユーロ。2013年が好調。また、2012年に発生した単発の費用が2013年に発生しなかったため増益。

3) 照明
-照明部門売上高は、前年比11.6%増。いくつかの新製品が立ち上がったNAFTAと、Volkswagenから新規受注を獲得した中国市場が売上に寄与。

4) エンジン制御部門
-売上高は前年比2.2%減。欧州およびブラジル市場で微増ながら、インド市場の需要の減少が影響し減収。

5) サスペンションシステム部門
-売上高は前年比1.3%減。主な要因としては、イタリアおよびポーランドで収縮したため。ブラジルとメキシコでFiat 「Ducato」向けの増産により減少分が一部相殺。

6) ショックアブソーバー部門
-全体的な需要の減少により、売上高が前年比12.7%減。

7) 電子システム部門
-売上高は前年比6.9%増。PSA向けのテレマティクスおよびボディ系の電子製品が増加。

8) エキゾーストシステム部門
-売上高は前年比6.5%減。セルビアおよび中国での販売数量が増加。全体的な需要の減少により一部相殺。

9) プラスチック部品およびモジュール部門
-売上高は前年比2.1%減。主な要因は、全体的な需要の減少によるもの。

合弁事業

<中国>
-2013年10月、同社と中国南方工業集団公司 (CSI) は、中国で折半出資による合弁会社を設立することで合意したと発表した。Magneti MarelliのAutomotive Lighting部門とCSIの子会社である湖北華中光電科技 [Hubei Huazhong Photoelectric Science and Technology Ltd.] が出資し、自動車用ヘッドランプやリアランプなどを生産する。新会社「Hubei Huazhong Magneti Marelli Automotive Lighting Co. Ltd.」は湖北省孝感 (Xiaogan) 市に設立予定。工場は2015年第1四半期に稼働開始となる。フル稼働時の従業員数は800名超で、年産能力は約500万ユニットとなる見込み。総投資額は約40百万ユーロ。アダプティブフロントライティング (AFS) システム付きヘッドランプ (ハロゲン・キセノン・LED)、バルブランプ付きリアライト、LED、ライトガイド製品、フロントおよびリアフォグランプ用製品など、さまざまな種類の自動車用ランプを提供する。長安汽車および関連会社をはじめ、中国に拠点を置く自動車メーカー向けに納入する計画。(2013年10月14日付プレスリリースより)

<セルビア>
-同社子会社のPCMAとJohnson Controlsは、セルビアに合弁で内装部品工場を開設した。新工場はFiat 「500L」が生産されるFiat Automobiles Serbia (FAS)の工場内に建設され、ドアパネル、インストパネル、フロアコンソール、リアクウォーターパネルなど内装部品一式を同モデルに納入する。(2013年2月6日付プレスリリースより)

事業提携

-同社とFaurecia S.A.は、先進ヒューマン・マシン・インターフェース (HMI) を用いた自動車用内装部品の設計・開発・製造で提携すると発表した。これにより両社は、センタースタック、フェイシアコンソール、オーバーヘッドコンソール、格納式タッチスクリーンおよびディスプレイのほか、スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器など、さまざまな製品にHMIを追加し、内装システムの製品ポートフォリオを拡大するとしている。(2013年11月19日付プレスリリースより)

受注

-2013年の主な受注
OEM 搭載モデル 製品
Alfa Romeo MiTo 照明、サスペンション部品、パワートレイン部品
Giulietta 照明、サスペンション部品、パワートレイン部品
4C LEDリアライト、排気管、ショックアブソーバー、ECU、電子油圧アクチュエーター
Audi Q5 LEDライト、インストクラスター
S3 Sportback LEDリアライト
BAIC E-Series HB スロットルボディ
BMW X4 プロジェクターヘッドライト
X5 ハロゲンヘッドライト、バイキセノンヘッドライト、フルLEDヘッドライト
Z4 LEDリアライト
6 Series AFS機能搭載アダプティブキセノンヘッドライト
Chery A2 電子モーター制御システム、スロットルボディ
Chrysler Jeep Grand Cherokee CRD LEDリアライト
Citroen Grand C4 Picasso インストクラスター、ハロゲンおよびクセノンヘッドライト、LEDリアライト
C4L プロジェクターヘッドライト、インテークマニホールド、ショックアブソーバー
Elysee スロットルボディ、ショックアブソーバー
Daimler Mercedes Benz GLA ハロゲンおよびクセノンヘッドライト、LEDリアライト
Ferrari LaFerrari 「HY-KERS」ハイブリッド電子システム、電気モーター、インバーター、バッテリー制御部品、電子制御部品、高輝度バイキセノンヘッドライト、LEDリアライト、スロットルボディ、ECU、 「Superlift」システム
Fiat 500L Living ライティングシステム、パワートレイン部品、電子部品システム、サスペンションシステム、排気システム
Ford Mondeo LEDライト
GAC Trumpchi GA3 トランスミッション制御ユニット
GM Buick Regal GS LEDライト
Chevrolet Cruze HB インテークマニホールド、ショックアブソーバー
JAC YueYue FL 電子制御システム付きAMT 「Freechoice」、電子制御システム、油圧キット、排気システム
Heyue S30 電子制御システム付きAMT 「Freechoice」、電子制御システム、油圧キット、排気システム
Refine S5 排気システム
Land Rover Range Rover Sport Hybrid 先進フロントライト拡張技術 (AFX) 搭載ハロゲン・キセノンヘッドランプ、LEDリアライト
Maserati Ghibli 先進フロントライト拡張技術 (AFX) 搭載キセノンヘッドランプキセノンヘッドランプ、インストメーター、3.0L V6ガソリンエンジン用直噴ポンプ、ショックアブソーバー、ハンズフリーモジュールシステム
Quattroporte LEDリアライト、3.0L V6/3.8L V8ガソリン直噴エンジン用高圧ポンプ、インストクラスター
Peugeot 308 フルLEDヘッドランプ、「Touchscreen」インフォテインメントシステム、インストクラスター
208 HYbrid FE 「Touchscreen」インフォテインメントシステム
2008/2008 HYbrid Air 「Touchscreen」インフォテインメントシステム
Porsche 911 Turbo/911 Turbo S インストクラスター
Qoros Qoros 3 インストクラスター
Renault Fluence ハロゲンおよびキセノンライト、プロジェクターヘッドライト
Scenic TFT液晶インストクラスター
Seat Leon SC/Leon ST スロットルボディ、排気システム
Skoda Octavia スロットルボディ
Octavia Wagon スロットルボディ、AFS (Advanced Frontlighting System) 搭載高輝度ハロゲンヘッドライト
Rapid スロットルボディ、ガソリン直噴エンジン用インジェクター
Volkswagen Lavida HB スロットルボディ、インテークマニホールド
Sagitar GLI スロットルボディ、インテークマニホールド、ガソリン直噴エンジン用インジェクター
Cross up! インストクラスター、スロットルボディ
Golf LEDリアライト

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2013年12月期 2012年12月期 2011年12月期
全社 359 336 309

製品開発

照明部門
-2013年、同部門の開発案件は以下の通り:
  • 眩輝ハイビームLED技術:単一LEDと反射鏡技術を用いてコストを低減
  • ヘッドライト用レーザービーム:レーザービームを用いたハイビームの開発
エンジン制御部門
-Ferrari、Qoros、Chrysler向けにHEV、BEV用モーター/インバーターの開発を行っている。

サスペンションシステム部門

-2011年から、変厚部品用高抵抗メタルおよび合金の開発を継続して推進。

ショックアブソーバー部門
-2013年、同部門の開発案件は以下の通り:
  • 排出ガス削減に寄与するアルミモノチューブショックアブソーバーの開発
  • Iveco向け商用車用にキャビンの高さ調整用ショックアブソーバーを開発
  • デュアルステージバルブのショックアブソーバーを開発
  • 電子式周波数選択型ダンパーの開発
  • 回生ショックアブソーバーの開発を継続
電子システム部門
-2013年、同部門の開発継続案件は以下の通り:
  • Audi、Fiat-ChryslerのSUV用インストクラスタープラットフォームの開発
  • Fiat-Chryslerの米国向けCUSW (Compact United States Wide) プラットフォーム用ボディ系ECUの開発
  • スロバキアにおいてボディ系ECUの開発
  • 南米Fiat車用ボディ系ECUの開発
エキゾーストシステム部門
-2013年、同部門では排気システムおよび排熱回収システムの軽量化について研究を進めた。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2013年12月期 2012年12月期 2011年12月期
全社 N/A N/A 487

海外投資

<マレーシア>
-照明部門がマレーシアのペナン州Batu Kawanで、自動車用ヘッドランプおよびリアランプの生産工場を開設したと発表した。新工場は、Bayan Lepasにある既存工場に取って替わる予定で、ランプユニットの年産能力は170万個から220万個に増強される予定。今後、年産能力は290万個まで引き上げられる可能性がある。建物の総面積は56,600平方メートルで、そのうち26,600平方メートルが生産エリアとなる。従業員数は1,000名で、今後の生産能力拡大に伴い1.5倍に増員が見込まれる。主にフロント用ヘッドランプ、リアランプ、フォグランプを生産し、LEDシステムも採用する。ホンダ、マツダ、スズキなどの日本の自動車メーカーやマレーシアのProtonおよびPerodua、タイとインドネシアにあるFordやGMの拠点など、ASEAN地域に拠点を持つ自動車メーカー向けに納入する計画。(2013年10月8日付プレスリリースより)

<米国>
-照明部門が米国テネシー州のPulaskiに建設した新工場で、ヘッドランプおよびリアランプの生産を開始したと発表。同社にとって米国初のランプ工場となる。新工場への投資額は約54百万ドルで、従業員数は現在90名。今後4年間で約850名まで増員する見込み。ランプの生産エリアは約161,500平方フィート (15,000平方メートル) で、2014年までに213,000平方フィート超 (20,000平方メートル) に拡張する計画。ランプユニットの年産能力は現在の250万個から、2016年までに500万個に引き上げる。すでにChryslerグループ、Mercedes、GMから受注を獲得している。(2013年6月17日付プレスリリースより)

<中国>
-照明部門が中国広東省の仏山 (Foshan) 市に自動車部品工場を開設したと発表。投資額は約30百万ユーロ。まず、リアランプを生産し、その後フロントヘッドランプおよび電子照明部品を生産する予定。面積は26,500平方メートルで、そのうち17,800平方メートルが生産エリアとなる。第1段階での従業員数は約300名で、年産能力はリアランプ約2.4百万個。主に中国市場、華南地域のグローバル自動車メーカーに供給するほか、一部は日本にも輸出する予定。(2013年5月16日付プレスリリースより)