GETRAG 2011年12月期-2013年12月期の動向

ハイライト

近年の動向

受注

-2013年10月、同社と江鈴汽車 (Jiangling Motors) の合弁会社は、中国において観致汽車 (Qoros Automotive) 向けにデュアルクラッチトランスミッションの生産を開始した。このデュアルクラッチトランスミッション「6DCT250」は、新型「Qoros 3」に初搭載される予定。両社の合弁会社である格特拉克 (江西) 伝動系統 [Getrag (Jiangxi) Transmission] は、南昌 (Nanchang) 工場に527百万元 (約63百万ユーロ) を投資した。2022年までにさらに約20億元 (238百万ユーロ) を追加投資し、トランスミッションの年産能力を80万基まで引き上げる計画。2022年には、約1,200名の従業員が面積133,340平方メートルの同拠点に勤務するとみられる。(2013年10月28日付プレスリリースより)

-2012年11月、ドイツにある同社のNeuenstein工場およびRosenberg工場が大口受注を獲得したと発表。この受注に向けた生産は2020年まで続く予定。Rosenberg工場では、2種類のマニュアルトランスミッション「6MTT220」および「6MTT350」を生産する。2013年9月に量産開始となる見込みで、生産能力は30万ユニット。一方のNeuenstein工場では、近代化に向けた再編を行う基本計画が進められている。この計画は年内に完了する見込み。2017年までに、同工場は生産品目を段階的にデュアルクラッチトランスミッションへ移行していく計画。 (2012年11月27日付プレスリリースより)

-2012年10月、2010年4月にデュアルクラッチトランスミッション「6DCT250」の量産を開始して以来、累計生産数が1百万ユニットに達したと発表。同社は現在、この製品に関して大手自動車メーカー4社から受注を獲得しており、2013年中に中国の江西省南昌 (Nanchang) にある工場でも生産を開始する予定。なお、この「6DCT250」の開発・生産は、イタリア、メキシコ、米国、ドイツの拠点で行われた。 (2012年10月17日付プレスリ リースより)

-2012年2月、6速トランスミッション「Powershift 6DCT450」がVolvoに採用されたと発表した。2012年はじめに発売されるVolvo 「S60」・「V60」・「V70」・「S80」に搭載の1.6Lディーゼルエンジン向け。CO2排出量は、「S60」のエンジンで114 g/km、「V60」・「V70」・「S80」では119 g/kmとなり、スタート・ストップ機能付きのマニュアル車と同等レベルを達成。また、新欧州ドライビングサイクル基準 (NEDC) における平均燃費では、それぞれ4.3L/100kmと4.5L/100kmを実現する。 (2012年2月1日付プレスリリースより)

-2012年、中国の観致汽車 (Qoros Automotive) より、デュアルクラッチトランスミッション「6DCT250」を受注したと発表。このトランスミッションは、小型・中型車セグメント向けに開発され、現在はRenaultの「Megane」・「Scenic」、Fordの「Focus」・「Fiesta」に搭載されている。今回受注した「6DCT250」の生産は、2013年より中国・江西省の南昌 (Nanchang) 拠点で開始する予定。(2012年1月11日付プレスリリースより)

事業再編

<タイミングギア事業を売却>
-2013年6月、ドイツLudwigsburgにあるタイミングギア工場をKoepfer Zahnrad-und Getriebetechnikへ売却。今回の売却により、Getragは乗用車用のトランスミッション事業に注力する計画。(2013年6月10日付プレスリリースより)

<Getrag Precision Gear>
-2011年、同社は傘下のGetrag Precision Gear (米国サウスカロライナ州Charleston) を、マネジメントバイアウト (MBO) により分社化すると発表した。Getrag Precision Gearは、大型車用のタイミングギアを生産している。 (2011年11月24日付プレスリリースより)

<Getrag Corporation、Getrag All Wheel Drive AB>
-2011年7月、Getrag KGは四輪駆動 (AWD) 用部品事業をGKNに売却することで合意したと発表。今回の事業売却には、GetragとDanaによる米国合弁会社Getrag Corporationと、Getrag・Dana・Volvoのスウェーデン合弁会社Getrag All Wheel Drive ABが含まれている。両社は「Getrag Driveline Products」事業に属し、四輪駆動車向けパワートランスファーユニット (PTU) およびリアドライブユニット (RDU) や、後輪駆動車向けファイナルドライブユニット(FDU) などを生産している。GKNによる買収完了後、「Getrag Driveline Products」はGKN Drivelineへ統合される予定。またこの他にGKNは、電気自動車・ハイブリッド自動車向け電動ドライブトレイン技術の独占ライセンス権をGetragより取得する。この技術は、主に欧州・米国で使用される予定。なお、今回の買収金額は283百万ポンド。買収手続きは2011年9月に完了する見込み。 (2011年7月28日付プレスリリースより)

-2011年、同社は、同社とDanaとの合弁会社2社に対する持分を買収することで合意したと発表。今回の事業買収には、米国のGetrag Corporationと、スウェーデンのGetrag All Wheel Driveが含まれている。Danaが株式49%を保有するGetrag Corporationは、リアアクスルユニット、パワーテイクオフユニット、タイミングギアなどを生産している。一方、Getrag All Wheel Driveは四輪駆動システムやシャシー部品を生産。Getrag Dana Holding GmbHとVolvoによる合弁会社で、Getrag Dana Holdingが株式60%を保有している。売却手続きは、2011年9月に完了する見込み。なお、この取引はGetrag・GKN plc間の取引の一部にあたり、Danaによる売却手続きが完了すると同時に、Getragは今回の取得分を他の事業と共にGKNへ売却する予定。 (2011年7月28日付プレスリリースより)

合弁事業

-2012年10月、同社と東風汽車集団は、中国に折半出資による合弁会社「Dongfeng Getrag Transmission Co., Ltd. [東風格特拉克汽車變速箱有限公司)]を設立することで合意した。新会社では、東風汽車の乗用車および小型商用車向けにトランスミッションの開発・生産を行う。生産開始は2015年後半となる見込み。新会社の最初の製品として、まず中国市場向けの新型6速デュアルクラッチトランスミッション「6DCT150」を生産する計画。(2012年10月22日付プレスリリースより)

開発動向

製品開発

7速DCTおよびハイブリッドトランスミッション
-2種類の新型トランスミッションとして、7速デュアルクラッチトランスミッション「Powershift 7DCT300」およびこれをベースにした「Hybrid Drive 7HDT300」を開発。「7DCT300」は、中型車および小型車向けのフロント横置き構造。最大トルクは300Nmとなる。このトランスミッションの乾燥重量は65kgで、軽量車両のプラットフォームにも適合する。ギアシフトアクチュエーションは電気機械式シフトドラムを採用しているため、ハードウェアを変更することなくアイドリングストップ機能の追加も可能。また、「7HDT300」は「7DCT300」のハイブリッドバージョンで、マイルドハイブリッドから電気のみの走行できるプラグイン構造まで、幅広い対応が可能になる。(2012年9月25日付プレスリリースより)

設備投資

海外投資

<中国>
-2013年10月、同社と合弁相手の東風汽車は、中国の湖北省武漢 (Wuhan) にデュアルクラッチトランスミッション工場の建設を開始した。2016年から6速デュアルクラッチトランスミッション「6DCT150」を生産し、アジアの小型車市場向けに供給する予定。2015年までに完成予定の同拠点は面積48,000平方メートルで、生産エリアのほかにオフィスや研究開発センターも有する。(2013年10月23日付プレスリリースより)

-2011年10月に中国上海 (Shanghai) に地域本社を開設したと発表。新拠点は、アジア製品向けの研究開発センターも兼ねている。なお、同社は中国において、2012年にトランスミッション90万基を生産する計画。同国での売上額は約400百万ユーロに達する見込み。また、2015年にはトランスミッション190万基を生産し、約10億ユーロの 売上を見込んでいる。 (2011年11月24日付プレスリリースより)

<インド>
-2012年、同社はインド市場参入に向けて、グジャラート州Sanandに新工場を設立する。小型マニュアルトランスミッションを生産し、Fordに納入する予定。 (2012年5月8日付プレスリリースより)