Behr GmbH & Co. KG 2011年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2011年
12月期
2010年
12月期
増減率
(%)
要因および備考
全社
売上高 3,706 3,349 10.7 -北米および欧州地域の売上が堅調に推移
-OE向けエンジン冷却事業の売上が最も力強く伸張
-HVAC事業が復調
-経済危機以前の売上水準を超過
EBIT 174 98 77.6 -

地域別業績概要
欧州
-経済の回復基調が2010年より継続し、2011年12月期の同社の売上高は、前年比13.3%増加の1,009.6百万ユーロ。生産量および輸出量の増加が寄与。
-チェコ子会社の売上高が、前年比24.0%増加と二桁成長を達成した一方、スペインおよびフランスの南欧子会社は軟調に推移した。

北米
-米国子会社の2011年12月期の売上高は、前年からの回復基調を受けて、前年比16.4%増加の657.3百万ユーロ。

アジア・太平洋
-同地域の2011年12月期の成長率は7.3%増であり、前年の売上成長率と比べて緩やかな成長を見せた。
-インド子会社の2011年12月期の売上高が前年比15.8%増、合弁会社Shanghai Behr Thermal Systemsの売上高が同9.7%増、合弁会社Shanghai Sanden Behr Automotive Air Conditioningの売上高は同7.2%増のプラス成長を達成。
-一方で、合弁会社Dongfeng Behr Thermal Systems、中国子会社、韓国子会社はマイナス成長に留まった。

Mahleによる資本参加

-Mahleと同社は、Mahleの段階的な出資による資本参加に関して合意。2013年1月1日付けでMahleが同社の株式の過半数を取得する計画。まず、2010年7月にMahleはBehrの株式19.9%を取得し、2011年1月に持ち株比率を36.85%まで引き上げた。

-上記資本参加に伴い、同社のブラジル拠点Arujaの全てのセールススタッフと開発エンジニアが、2012年中旬までにMahleのJundiai R&Dセンター(Sao Paulo近郊)に異動する。

事業提携

-2011年2月、同社の合弁会社Shanghai Behr Thermal Systemsと上海汽車(SAIC)が電気自動車用サーマルマネジメントシステムの共同開発に関する契約を締結。なお、両社は2009年からハイブリッド車用サーマルマネジメントの共同開発を実施している。

受注

2011年の主な受注
<欧州>
-Porsche 「911」向けのHVACモジュール
-Mercedes-Benz 「Actros」向けViscoクーラントポンプ
-スロバキアNamestovo工場において、Volkswagen向けの排ガス熱交換器(2012年2月供給開始)、PSAグループ向けの排ガス熱交換器(2012年2月供給開始)
-スロバキアNamestovo工場において、Volvo向けオイルクーラー(2012年下期供給開始)
-2015年に量産が開始されるKAMAZのトラック向けHVACモジュール
-YaMZ AvtodieselからViscoクラッチおよびファン
-Vaihingen/Enz、Pforzheimから排ガス熱交換器
-AvtoVAZからサーモスタット

<インド>
-Chennai工場において、インド生産の日産、Tata、Volkswagen向けインタークーラー
-Chennai工場において、インド生産のVolkswagen 「Polo」向けHVACモジュール

<韓国>
-Renault Samsung向けHVACモジュール

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
合計 217 209 206
売上に対する割合(%) 5.9% 6.2% 8.3%

-ハイブリッド車用および電気自動車用サーマルマネジメント、排ガス削減および燃費向上、車内の快適性向上に注力。

研究開発拠点

-Stuttgart(ドイツ)とTroy(米国、ミシガン州)にテクニカルセンターを保有。
-Behr Engineering Services (インド、Pune)では、200名のエンジニアが他拠点向けの設計、シミュレーション、購買事業を実施。
-Pune-Chakan拠点 (インド、Pune)では日産、Renault、TataおよびMahindra向けの開発事業に75名が従事。

製品開発

<Mahleとの共同開発>
間接インタークーラー一体型エアインテークモジュール
-通常の直接冷却タイプと比較し、間接インタークーラー一体型の過給空気経路を通すことで過給気圧損失の最大80%の低減を実現。さらに、速度変更等による 負荷の変化に対応できるため低燃費を、また、負荷変更時の熱放射を向上させることで排ガスの排出量削減を可能とした。過給空気経路を短縮し、容積を小さく することでよりダイナミックなエンジンレスポンスが得られる。同製品はフロントエンドおよびインタークーラーを大幅に縮小できること、また直接式インター クーラー用の過給空気ホースと比べて細いクーラントラインを使用することで、車両のスペースをより確保することが可能となった。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2011年12月期 2010年12月期
欧州 69 53
NAFTA 19 10
アジア 18 14
その他地域 7 7
合計 113 84

海外投資

<チェコ>
-新規事業の増加によりキャパシティの逼迫を受け、Mnichovo Hradiste工場で最適化を図った。さらにOstrava工場を乗用車用エンジン冷却部品生産の中心拠点とするために、工場拡大を予定。2014年までに規模が2倍になる見通し。
-2011年末、OstrovにHVAC生産拠点の新設を決定。

<スロバキア>
-Namestovo工場が開設。

<インド>
-Chennai工場が開設。

<中国>
-2012年に中国成都市(Chengdu)に新拠点を設立予定。