Minth Group Limited [敏実集団有限公司] 2022年12月期の動向
業績 |
(単位:百万元) |
2022年12月期 | 2021年12月期 | 増減率 (%) | |
売上高 | 17,306.39 | 13,919.27 | 24.3 |
売上総利益 | 4,784.15 | 4,083.77 | 17.15 |
税引前利益 | 1,779.07 | 1,845.81 | (3.62) |
純利益 | 1,530.36 | 1,579.45 | (3.11) |
要因
-2022年、同社の中国国内売上高は前年比15.9%増の約9,502百万元。複数の顧客からバッテリーボックスの受注を獲得したほか自社ブランド事業の改善により前年比増となった。 中国国外向けの売上高は約7,805百万元。BMW、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン、GMなどの顧客に向け事業拡大を行ったほかグループの海外新工場において量産を開始したことにより、前年同期比で約36.5%増加した。
戦略的提携
-ルノーと覚書を締結。今後両社はフランスに合弁会社を設立し、ルノーのさまざまなEVモデルにバッテリーボックスを供給する予定。 (2022年アニュアルレポートより)
-Magnaと合弁会社を設立する契約を締結。 (2022年アニュアルレポートより)
-子会社の敏実汽車技術研究開発有限公司(敏実技研)は浙江三花智能控制有限公司(三花智控)と協力協定を締結し、合弁で浙江三花敏実汽車零部件有限公司を設立する。欧州市場での競争力の強化を目的としている。 この合弁会社は、欧州において水冷プレート(新エネルギー車のパワーバッテリーを冷却するために使用される新エネルギー車パワーバッテリーボックスと一体化できる冷却プレート)および関連スペアパーツの研究開発、生産、販売を行う。 合弁会社の登録資本金は1億元で、三花智控が51%、敏実技研が49%を出資する。 (2022年4月6日の複数メディアより)
受注
製品 | 納入先 |
---|---|
アルミニウムトリム | Mercedes-Benz |
発光エンブレム及び発光グリル | Geely、VW、GM、日産 |
バッテリーケース | Mercedes-Benz、BMW、Stellantis、Lucid、Li Auto、XPeng |
バッテリーケース複合カバー | EVE Energy、広汽乗用車 |
インテリジェントテールゲート | XPeng |
ボディおよびシャシー部品 | VW、長安汽車、北米クライスラー |
ラゲージラック | ホンダ |
内装部品 | 北京現代 |
研究開発活動
プロジェクト | 詳細 |
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統合インテリジェントフロントソリューション | レベル4以上の自動運転において適用可能な発光、加熱、波長透過、自動洗浄機能を統合したインテリジェントフロントフェイスソリューションの開発を行っている。 |
インテリジェントドア | インテリジェントエントランスや自動開閉などの応用分野において、顔認証インテリジェントピラーパネル、電動開閉駆動機構、超軽量ドアなどのソリューションを提供。 |
アルミニウム合金 | -320Mpaの降伏強度と破砕性能を備えたMinal-S632クラッシュアルミニウム合金を開発。 -リサイクルアルミニウムを原料として使用し、廃棄物のリサイクル率が最大80%に達し、二酸化炭素排出量が2.5KG CO2e未満であるグリーンコリジョンアルミニウム材料「エコアルミSシリーズ」を開発。 -ポリマー材料の研究開発と革新に重点を置き、環境に優しいリサイクル材料のEco OleComおよびEco LonitBlendシリーズの研究開発を完了。 |
金属加工プロセス | バッテリーケース関連部品から多様な製品の開発へ展開、フロント・リアコリジョンモジュール、サブフレーム、ダイカスト構造部品など周辺製品への展開。 |
海外展開
動向 | |
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欧州 |
-チェコ工場で各種バッテリーボックスプロジェクトを量産し、ポーランドバッテリーボックス工場のインフラ工事を開始。 -セルビアのロズニツァにて工場の開所式を行った。280,000平方メートルの工場は、アルミニウム合金製のバッテリーケース及び付属部品を主に生産し、ルノー、VW、BMW、メルセデス・ベンツなどに供給する。3億ユーロを投資し、2025年までに1,000名以上の雇用を創出する予定。敏実グループは、2018年よりセルビアで工場をスタートし、現在5つの工場を保有しており、セルビアのLoznica市に2つ、Servišabac市に3つ保有している。工場がすべて稼働すると、3,000名近い雇用が創出されるという。(2022年3月13日付プレスリリースより) |
北アメリカ | -各種バッテリーボックスを受注し、バッテリーボックス事業の組織体制の確立を図る。 米国工場のサプライチェーン計画は収益性を強化するために最適化され、メキシコのアルミニウム工場の生産能力は拡大する注文納品需要に対応するために拡大された。 |
設備投資
-HELLAと敏実グループの合弁会社であるHELLA MINTH Jiaxing Automotive Parts Co. Ltd.は、浙江省嘉興市に第2生産工場を開設した。新工場の敷地面積は約20,000平方メートルで、当初の生産能力は年間約300万個。その後の拡張フェーズでは、生産能力を最大500万個まで倍増させる予定。新工場には、総投資額約数百万ユーロの研究開発センターも併設する。新会社は2021年1月に設立、主にレドーム、電飾看板、LIDARカバーの生産を行う。(2022年4月28日付プレスリリースより)
-敏実グループの新規事業部門にあたる浙江励敏铝業有限公司が、浙江省安吉市で操業を開始した。同社は主に自動車用のグリーンハイエンドアルミニウムを製造する。グリーンハイエンドアルミニウムの生産に必要なエネルギーは、一次アルミニウムの生産に必要なエネルギー消費の5%のため、二酸化炭素と硫化物の排出を90%以上削減することが可能だという。(2022年4月19日付プレスリリースより)
受賞
-インテリジェント発光グリルでGMの2021 Overdrive - Accelerating Innovation Awardを受賞した。(2022年4月2日付プレスリリースより)
特許
-2022年12月期、635件特許を出願し、うち海外関連特許12件、取得済み特許は592件。アルミニウム合金の材料配合とプロセス技術に関連した50以上の特許を保有。BMW、メルセデスベンツ、アウディ、フォルクスワーゲン、その他のOEMのバッテリーケースやボディシャーシ構造部品に使用されている。
研究開発費用 |
(単位:百万元) |
2022年12月期 | 2021年12月期 | 2020年12月期 | |
研究開発費用 | 1,172.39 | 940.70 | 764.19 |
売上高に占める割合(%) | 6.80 | 6.80 | 6.10 |
研究開発施設
社名 | 内容 | 所在地 |
寧波敏実汽車零部件技術研発有限公司 [Ningbo Minth Automotive Parts Research & Development Co., Ltd.] |
金型製造及び金属製品の開発 | 浙江省 寧波市 |
敏実汽車技術研発有限公司 [Minth Automotive Technology Research & Development Co., Ltd.] |
自動車部品関連機器、自動車用金型、治具、自動車用プレス部品などの研究開発、生産 | 浙江省 寧波市 |
敏向科技(上海)有限公司 [Minxiang Technology (Shanghai) Co., Ltd.] |
ボディ部品の開発及び設計 | 上海市 |