Hunan Corun New Energy Co., Ltd.[湖南科力遠新能源股份有限公司](旧 長沙力元新材料股份有限公司) 2021年12月期の動向

業績

(単位:百万元)
  2021年12月期 2020年12月期 増減率 (%)
売上高 3,085.57 2,545.78 20.14
営業利益 43.08 49.98 (13.81)
経常利益 44.74 54.30 (17.59)
純利益 5.17 40.90 (87.37)

 

事業動向

バッテリー

1.HEV用駆動バッテリー
-バッテリーモジュールを生産する傘下の科力美のHEV用駆動バッテリー事業における2021年12月期の売上高は前年比63.7%増の32億2,500万元。 年間生産量車両48万台相当となる第3期及び第4期拡張が完了し正式に量産を開始した。

2.CHS (中国混合動力及伝動系統総成技術平台:中国ハイブリッドパワートレインシステム総合技術プラットフォーム)
-既存のシステムからエネルギー効率を高め、市場競争力の高い新エネルギー車向け製品の開発を行った。

 
材料

1.HEV用バッテリー材料
-子会社である常徳力元のHEV向け発泡ニッケルの販売高は車両38.2万台相当となる251.5万平方メートルとなった。前年比では98.8%増。また、HEV向け発泡ニッケルの第4期拡張プロジェクト (年間48万台相当)が完了し量産を開始した。

-同じく子会社の科覇公司のHEV向け正・負極材の販売高は36.5万台相当となり、前年比92.3%増。同じく年間48万台相当の生産を目指す第4期拡張プロジェクトは、2021年8月に量産を開始した。HEV向けのバッテリー材料の売上高は合計で13億9,600万元となり、前年比107.4%増となった。同社はニッケル水素電池への参入を目指し、バッテリー材料の改善にも継続的に取り組んでおり、鋼帯及び粉末合金の品質及び生産能力を継続的に行っている。

 

2. 水素製造用材料
-子会社の常徳力元は、水素製造用の発泡金属を開発した。表面積が大きく水素製造効率が高いため、電解槽の触媒性能を高めることができ、水素製造にかかるエネルギーと設備費用を削減できるという。2022年半ばに量産開始を予定している。

 

生産能力

-2021年、同社はHEV用駆動バッテリーの生産能力を車両48万台相当分拡張した。

-子会社の科力美汽車動力電池有限公司の第3工場が2021年5月17日に量産を開始。HEV用動力電池の年産能力は36万台となった。第4工場は8月に拡張目標を達成する見込み。科力美は主にHEVの用駆動バッテリーを生産しており、現在、製品はすべてトヨタのカローラ(Corolla、卡羅拉)、レビン(Levin、雷凌)、カムリ(Camry、凱美瑞)、アバロン(Avalon、亜洲龍)、RAV4 (榮放)、ワイルドランダー(Wildlander、威蘭達)などのハイブリッドモデルに採用されている。(2021年6月24日、6月23日付ニュースより)

-2021年5月11日、子会社の湖南科覇汽車動力電池有限責任公司が第3期拡張工事を終え、量産・出荷を開始。年産能力は36万台となった。第1四半期の極板出荷量は前年同期比148%増の7.7万台。第3期拡張工事後の稼働率は100%。(2021年6月24日付けリリースより)
 

新プロジェクト

-同社は、新たに子会社を設立すると発表した。科力遠の子会社である常徳力元新材料有限責任公司の各株主が保有する株式の割合に応じて出資し、新会社を設立するもの。新会社名は、宜春力元新材料有限責任公司となる予定。リチウム鉱、リチウム電池材料、リチウム電池セルの調達、生産、販売を行う。新会社は、科力遠が宜豊県で行う3万トンの電池用炭酸リチウム材料工場、6万トンの高出力リン酸鉄リチウム正極材料工場、3GWhのリチウム電池電極シート工場などの建設を引き受ける。(2022年6月25日付プレスリリースより)

-同社は、江西省宜春市の宜豊県人民政府と投資プロジェクトに関する契約を締結したと発表した。科力遠グループは、宜豊県人民政府工業園区に「3万トン電池用炭酸リチウム材料工場」、「6万トン高出力リン酸鉄リチウム正極材工場」、「ハイブリッド動力技術プラットフォーム工場」の3つの工場建設プロジェクトを開始する。総投資額は35億元以上で、プロジェクト承認後、24カ月以内の竣工、生産開始を予定している。(2022年6月25日付プレスリリースより)

増資

-科力遠は、子会社の科力遠混合動力技術有限公司[China Hybrid System Co., Ltd.](CHS公司)が江西鼎盛新材料科技有限公司(江西鼎盛新材料科技)に追加出資を行うと発表した。CHS公司は、ハイブリッド技術に対する出資を通じて、江西鼎盛新材料科技をリチウム鉱、リチウム電池材料、ハイブリッド動力システム、ハイブリッドエネルギー貯蔵技術などの事業を一体化したハイテク企業に転換させる。なお、科力遠は電池事業に回帰し、ニッケル水素、リチウム電池、その他電池及び材料などの産業に重点を置くように戦略的見直しを行っている。(2022年4月12日付プレスリリースより)

  

研究開発費用

(単位:百万元)
2021年12月期 2020年12月期 2019年12月期
研究開発費用 99.56 88.64 210.20
売上高に対する比率 (%) 3.26 3.48 10.11

-2021年末現在、同社は研究開発員133名を保有、従業員総数の4%を占めている。

研究開発体制

研究開発拠点 主要業務 設立年 所在地 持株比率(%) その他の持株比率

先進儲能材料国家工程研究中心有限責任公司

ニッケル系電池材料、リチウム系電池材料、高容量電池材料、燃料電池材料などの研究開発 2010年 湖南省
長沙市
87.50 金川集団股份有限公司 6.25%
中南大学教育基金会 6.25%
科力遠CHS日本技研株式会社 HEVシステムの開発 2016年 日本
名古屋
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特許

-2021年12月期、同社は中国国内特許63件、国際特許1件を申請した。国内特許710件、国際特許14件の合計724件の既存特許を保有。(2021年アニュアルレポートより)