Faurecia (China) Holding Co., Ltd.[仏吉亜(中国)投資有限公司] 2022年12月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
2022年12月期 2021年12月期 増減率(%)
Faurecia売上高 (中国市場)  5,377.1 3,117.4 72.5

-要因:

1)2022年12月期、中国事業における売上高は53億7,700万ユーロ。主にHellaの買収により前年比72.5%増。既存事業売上高では21.6%増となった。
2)うち、中国OEMからの受注は21.29億ユーロで、グループ全売上の8.4%を占めた。

-Faureciaによる2023年12月期の業績見通し:売上高252億ユーロ~262億ユーロ、営業利益率は5%~6%
 

HELLAとの合併により新会社FORVIAが発足

-FaureciaとHellaは、2022年1月31日にFaureciaがHellaの支配権を取得したと発表した。2025年には売上高330億ユーロ、営業利益率8.5%以上、純キャッシュフロー17億5,000万ユーロの達成を目標とする。新グループは6つのビジネスグループ (インテリア、シート、エレクトロニクス、クリーンモビリティ、照明、ライフサイクルソリューション) を通じて運営され、24の製品ラインのポートフォリオを展開する。新たに統合されたグループはその範囲を拡大し、近接性と顧客との親密性を強化し、アジアでの成長を加速し、強化されたエレクトロニクスおよび電動化製品 (BEVおよびFCEV) を提供する。グループの内燃機関 (ICE)関連の売上高は、2025年には総売上高の約10%にまで削減される。両社のビジネスモデルを連携させるために、Hellaは3つのビジネスグループ(エレクトロニクス、照明、ライフサイクルソリューション)を正式に設立した。ドイツのLippstadtに本社を置き、それぞれが損益の責任を負う。今後も両社は共通のプロセスに向けて収束し、グループとしての一貫したアプローチと統合を実現する。(2022年2月7日付プレスリリースより)

将来コックピットイノベーション・センターが上海に移転

-Faureciaは、2022年1月1日から将来コックピットに関する主要な開発業務を上海にあるFaurecia中国技術センター及び本社ビルに移転すると発表した。同社は引き続きFaureciaのシステム統合方式により、コックピットソリューションを構築し、中国の消費者インサイトに注目して、インテリア設計、コックピットエンジニアリングからアプリ及びサービス開発、メカトロニクスアーキテクチャ、スマート化マーケティングまでの包括的な事業を行う。(2022年1月17日付プレスリリースより)

戦略的協力

-Faurecia (フォルシア)は、零跑汽車と戦略的提携を締結したと発表した。両社は持続可能で高品質な自動車用シートのサプライチェーン構築を目指すという。(2022年10月8日付 FaureciaのWechat公式アカウントより)

 

技術革新

-Hella (ヘラー)は、Faurecia (フォルシア)と統合後のFORVIAとして、初めて第5回中国国際輸入博覧会(輸入博)に出展したと発表した。輸入博において、FORVIAはトラック向けに開発した水素貯蔵システム、モジュールのほか、持続可能な材料の使用によりライフサイクル全体で二酸化炭素排出量を30%削減したシートを展示した。そのほか、軽量化された天然麻繊維ドアトリムや、自動でディスプレイ表示の調整を行う自己適応型ディスプレイ技術「IRYStec」も紹介した。(2022年11月7日付プレスリリースより)

-Faurecia (フォルシア)は、電子ミラー「eMirror」を投入すると発表した。eMirrorは、カメラにより車両後方の情報を取得し道路状況を検知するソリューションで、従来の物理的なミラーを置き換えるもの。広い視野を提供すると同時にスマート運転アルゴリズムの活用で安全性を高めることができる。eMirrorはさらに人工知能尾(AI)アルゴリズムを採用することで、カメラが汚れたり、ブロックされたりした場合に、運転者に注意喚起する機能も持つ。Faureciaの電子ミラー製品は現在すでにEマークを取得し、UN ECE-R46試験に合格しているという。(2023年1月17日付 FaureciaのWechat公式アカウントより)

-FORVIAグループは4月18日-27日に開催される第20回上海モーターショーFaureciaHellaの融合技術を出展すると発表した。EV化とエネルギー管理、安全性と自動運転、デジタル化と持続可能なコックピットに関する最新ソリューションを紹介する。(2023年2月28日付Faurecia中国の公式サイトより)



研究開発施設

所在地 設立年 名称 主要開発分野
重慶市 2020年 佛吉亜歌楽汽車電子重慶研発総部
[Faurecia Clarion Electronics Chongqing R&D Headquaters]
車載エレクトロニクス製品の研究開発及び、アフターサービスと技術コンサルティングサービスの提供
吉林省
長春市
2013年 長春佛吉亜旭陽汽車零部件技術研発有限公司
[Changchun Faurecia Xuyang Automotive Components Technology Co., Ltd.]
シート及び内装部品の設計、開発
上海市 2011年 緑動智行系統中国研発中心
[Faurecia Clean Mobility R&D center]
旧:排放控制技術系統研発中心
[Formerly: Faurecia Emission Control Technology R&D center]
乗用車、商用車用排気コントロールシステムの研究開発
上海市 2005年 佛吉亜技術中心
[Faurecia R&D center]
本部及びテクニカルセンター
江蘇
無錫
2004年 佛吉亜(無錫)座椅部件有限公司
[Faurecia (Wuxi) Seating Components Co., Ltd.]
シートの研究開発と生産


 

工場建設

-Faureciaクラリオンエレクトロニクスは、豊城に建設するグリーンでインテリジェントな「未来工場」の起工式を正式に着工。この工場は、自動化、カーボンニュートラル、グリーンビルディングにおいて業界をリードする基準に沿っており、完成後、Faureciaのカーエレクトロニクス事業部門のサプライチェーンをさらに強化する。2022年1月31日のFaureciaによるHELLAの買収と新グループFORVIAの発足により、HELLAのカーエレクトロニクスとFaureciaのクラリオンエレクトロニクスが融合し、カーエレクトロニクス事業部が発足、両社の電動化・知能化分野における変革・最適化を加速させることになる。(2022年2月15日付プレスリリースより)

-Faurecia (フォルシア)は、BYDとの合弁で6番目の工場である合肥工場を開業式典を執り行い、また同時に1万セット目のシートがラインオフしたと発表した。この工場は合肥市下塘工業団地に位置し、2022年7月に稼働開始、8月に量産開始した拠点。(2022年9月20日付Faurecia公式WeChatより)