CATL (Contemporary Amperex Technology Co., Ltd.)[寧徳時代新能源科技股份有限公司] 2023年12月期の動向
業績 |
(単位:百万元) |
2023年12月期 | 2022年12月期 | 増減率(%) | |
売上高 | 400,917.05 | 328,593.99 | 22.01 |
営業利益 | 53,718.30 | 36,821.98 | 45.89 |
経常利益 | 53,914.05 | 36,672.86 | 47.01 |
純利益 | 46,761.03 | 33,457.14 | 39.76 |
要因
全社売上高
‐2023年12月期、駆動バッテリー市場の需要増により売上が増加した。同社によると、2023年の世界での新エネルギー自動車の販売台数は1406.1万台に達し、前年比で33.4%の増加を記録した。
-2023年12月期、同社の売上高は40,091,704.49万元で、前年比22.01%の増加となった。親会社株主に帰属する当期純利益は4,412,124.83万元で、前年比で43.58%増加した。リチウムイオンバッテリーの販売量は前年比34.95%増の390GWh。その中で、駆動バッテリーシステムの販売量は前年比32.56%増の321GWh、蓄電バッテリーシステムの販売量は46.81%増の69GWhであった。
-2023年12月期、中国国外での売上高は13,099,214.99万元で、売上高の32.67%を占めた。これは主に会社の中国国外ビジネスの継続的な拡大と、既存の海外顧客への定期的な供給によるもの。同社の中国国外での主力製品はバッテリーシステムである。
部門別事業ハイライト
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-同社の事業は、駆動バッテリー部門、蓄電システム部門、バッテリー材料部門の3部門で構成。
駆動バッテリー事業:
-同社の中核事業。2023年、同社は凝聚態電池、神行電池、第一世代のナトリウムイオン電池を発表した。M3P電池は奇瑞のモデル向けに量産を開始した。また、麒麟電池は理想汽車との協力により量産を開始している。神行電池は、常温での4Cの急速充電が可能な電池で、阿維塔 (Avatr)、合衆新能源 (Hozon)、奇瑞、北汽新能源、東風嵐図、広汽などが神行電池を搭載することを公式に発表している。
-中国市場では、2023年同社の国内駆動バッテリー使用量は前年比28.7%増の171.9GWhで、市場シェアは44.5%であった。主な顧客は理想汽車、Zeekr、蔚来、問界、BMWなど。
-中国国外市場では、BMW、Daimler、Stellantis、VW、Hyundai、Hondaなどの海外主要自動車メーカーに製品を供給している。Stellantisとは欧州市場におけるLFPバッテリー供給に関するMOUを締結しており、DaimlerやVolvoなどの大手商用車メーカーとは戦略的な協力関係を結んでいる。
蓄電システム事業:
-2023年12月期、当社の蓄電システムの売上は599.01億元、前年比で33.17%増。オーストラリア、イタリアなどの国の企業から蓄電システムプロジェクトを受注した。
バッテリー材料事業:
-2023年12月期、同社のリチウム電池材料の売上は前年比29.08%増の336.02億元。
新技術/新製品
急速充電バッテリー「神行超充電池 (Shenxing Superfast Charging Battery)」を発表 |
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図1:神行超充電池の構成 | 図2:神行超充電池の技術 |
(出典:CATLのWeChat公式アカウント、プレスリリースより) |
-2023年8月,新開発の急速充電が可能なバッテリー「神行超充電池 (Shenxing Superfast Charging Battery)」を発表した。このバッテリーは、正極材にリン酸鉄リチウム(LFP)を使用し、充電能力はLFP電池では世界初の4Cだという。航続距離は700km以上であり、10分間の充電で400km走行可能となる。また、-10℃の低温条件下でも、30分間で80%までの充電が可能。正極では、「超電子網正極技術」を使用し、充分にナノ化されたリン酸鉄リチウムを採用することで、リチウムイオンの脱離抵抗力を低減し、リチウムイオンの伝導速度を高めた。負極では、「グラファイトイオン環技術」を採用し、グラファイト表面の特性に変更を加えることで、電流が高速で伝導するようにした。同時にマルチレベル極片設計を採用することで、急速充電と航続距離のバランスを取った。電解液では、電導率を引き上げて電解液の粘度を低減させた超高伝導電解液を開発し、リチウムイオンの脱溶剤化力を増強した。そのほか、超薄SEI膜を最適化し、リチウムイオンの浸透抵抗力を効果的に低減した。CATLはさらにセパレータの高空隙率や低屈曲度の貫通孔を改善し、リチウムイオン液相の伝送速度を引き上げた。この「神行超充電池」は、2023年末に量産、2024年第1四半期の市場投入を予定している。
欧州で「神行超充電池」を公開
-同社は、IAA MOBILITY 2023で「神行超充電池」「M3P電池」を公開した。いずれも中国国外では初公開だという。
神行超充電池に関するOEMとの提携 |
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奇瑞 |
2024年2月、同社は神行超充電池を奇瑞傘下の星途汽車(EXEED)ブランドのハイエンド電気SUV「星紀元ET」に世界で初めて搭載すると発表した。この電池を搭載する「星紀元ET」は、あらゆる温度域における急速充電が可能。25℃の常温条件では10分間の充電で、400km走行可能。また、-20℃の極寒環境下においても24分でSOC (充電率) 20%-80%の充電可能。「星紀元ET」はさらに、一連のバッテリー安全試験を行い、中国自動車技術研究センター(CATARC)の「NESTA6次元バッテリー安全」技術試験に合格した。(2024年2月20日付星途星紀元のWechat公式アカウントより) |
広汽集団 |
2023年11月、同社は第21回広州国際汽車展覧会(広州モーターショー2023)において、広汽集団の代表と交流し今後の協業について述べた。両社は新技術の開発、神行超充電池の供給、ビジネスモデルの構築、市場の共同開拓などの面で協業する。また、リソースの共有、強みの補完によって共同で新エネルギー車(NEV)の開発や、電池技術のイノベーション、グローバル化の推進を図る。現在のNEVにおける低温充電、電池寿命などの課題に対して、両社は神行超充電池の低温バージョンと長寿命バージョンを共同開発する。そのうち、長寿命バージョンは8年または走行距離80万kmを保証し、2024年6月から発売する予定だという。(2023年11月17日付CATLのWechat公式アカウントより) |
嵐図汽車 | 2023年11月、同社は嵐図汽車と急速充電技術、電池の安全性、ビッグデータなどの分野で戦略的提携に合意したと発表した。急速充電技術では、「神行超充電池」の嵐図汽車への採用を推進する。また、電池の安全性の分野では、安全性の高い電池を共同開発し、情報ネットワークを確立することでエコシステムを形成する。海外事業では、すでに海外市場に進出している両社はグローバル戦略を強化し、新エネルギー車(NEV)の選択肢を提供する。(2023年11月3日付CATLのWechat公式アカウントより) |
北汽新能源 | 2023年10月、同社は北汽新能源は、ARCFOX (極狐) ブランドに急速充電、長寿命、高い安全性などを特長としている「神行超充電池」を採用することを発表した。 今後、両社は駆動用バッテリー分野で協力を深め、過充電時の発熱、バッテリーパックレベルの超高速充電、航続距離の延長、軽量化などの課題を共同で解決し、「神行超充電池」の普及を進めていく考え。(2023年10月18日付CATLの公式サイトより) |
凝集態電池(Condensed Battery)を発表 |
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凝集態電池(Condensed Battery) (出典:MarkLines) |
-CATLは、2023年上海モーターショーで凝集態電池(Condensed Battery)を発表した。この電池は出力特性の高いバイオニック凝集態電解質を採用し、ミクロンレベルのメッシュ構造を構築している。チェーン間の相互作用力を調整して安定性を高めると同時に、電池の動的性能を高め、リチウムイオンの移動効率を引き上げる。凝集態電池の単体でのエネルギー密度は最高500Wh/Kgに達する。CATLは現在民間の有人電動航空機プロジェクトの開発に力を入れており、航空機レベルの安全品質に適合しているという。同社はさらにEV搭載用の凝集態電池を開発しており、2023年内の量産開始を予定している。(2023年4月19日付CATLのWechat公式アカウントより)
バッテリー交換分野でのソリューション |
-同社は、2022年に「EVOGO」モジュール式バッテリー交換ソリューションをリリースし、2023年にワンストップ式の大型トラック用バッテリー交換ソリューション「騏驥バッテリー交換」をリリースした。
バッテリー交換分野でのソリューション | |
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EVOGO モジュール式バッテリー交換ソリューション |
CATLの完全子会社がサービスブランド「EVOGO」を設立、モジュール式バッテリー交換ソリューション「Modular battery swap solution」を発表した。バッテリー交換ソリューションは、バッテリーモジュール、バッテリー交換ステーション、及びアプリで構成されるサービス。バッテリー交換ステーションで、板チョコのように大きさを自由に選択できるバッテリーモジュール「Choco-SEB」を用いバッテリー交換ステーションで素早くバッテリーを交換。またアプリも同時に開発し、交換時のスピードや利便性を大幅に向上させる。
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ワンストップ式の大型トラック用バッテリー交換ソリューション「騏驥バッテリー交換」 | 2023年6月、CATLは交換式バッテリーモジュール、バッテリー交換ステーション、クラウドプラットフォームから構成されるワンストップ式の大型トラック用バッテリー交換ソリューション「麒麟バッテリー交換」をリリースしたと発表した。このうち、バッテリーモジュールはCATLの第3世代リン酸鉄リチウムをベースに、熱拡散防止技術やCTPモジュール技術を採用し、安全性や使用コストにも配慮している。バッテリー交換ステーションは、様々なブランドやモデルのバッテリー交換をワンストップで実現する。1つのバッテリーの容量が171kWhのモジュール設計を採用し、1-3個のバッテリーを選択可能で、必要に応じて電力を分配できる。クラウドプラットフォームはビッグデータによって資産の管理、配車、バッテリー交換の予約、ルート計画などの機能を実現し、運営や輸送効率を高める。 |
-以下は2023年までの「EVOGO」と「騏驥」バッテリー交換サービスの対応モデル、開始地域などの状況
「EVOGO モジュール式バッテリー交換ソリューション」対応モデル | |
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南菱汽車 | 2023年12月、CATL傘下の時代電服科技有限公司(時代電服)は、広州南菱汽車股份有限公司(南菱汽車)と戦略的提携枠組みを締結したと発表した。
両社は共同でバッテリー交換サービスネットワークを構築する。今後、バッテリー交換ステーションへの投資運営、新エネルギー車両(NEV)の市場への投入、アフターサービス、ゼロカーボン工業団地の構築といった分野で提携を行う。(2023年12月11日付時代電服のWechat公式アカウントより) |
神龍汽車 「東風富康ES600」 |
2022年10月、神龍汽車有限公司及び時代電服科技有限公司とEVOGOバッテリー交換プロジェクトで提携を行うと発表した。東風富康ES600をベースとして、バッテリー交換モデルの開発を行う。現在、東風富康ES600のバッテリー交換モデルは試験段階であり、2022年11月から配車サービス向けに導入開始する計画だという。今後、東風富康ES600バッテリー交換モデルを購入するオーナーはCATLのバッテリー交換サービス「EVOGO」を利用することができるようになる。(2022年10月25日付CATLのWechat公式アカウントより) |
愛馳汽車 「愛馳U5」 |
2022年4月、中国EVメーカーの愛馳汽車 (Aiways) とバッテリー交換サービス「EVOGO」で提携を行うと発表した。両社は愛馳汽車が投入する初の量産車「愛馳U5」において、バッテリー交換モデルを共同開発する。このモデルは、2022年第4四半期に市場投入される予定。(2022年4月27日付CATL公式Wechatより) |
三一重工 | 中国の大手建機メーカー、三一重工と共同で、福建省寧徳市においてバッテリー交換式の大型トラックの実証を開始。中国国内初の電動大型トラック用幹線「福寧幹線」が正式に運営開始され、また福建省で初めて三一重工の電動ダンプトラックが投入された。(2022年2月23日付CATLの公式Wechatに基づく) |
「EVOGO モジュール式バッテリー交換ソリューション」サービス開始地域 (中国国内) | |
福州市 |
2023年6月、CATLは福州市にEVOGOバッテリー交換ステーションの運営を開始すると発表した。福州市で運営開始するEVOGOバッテリー交換ステーションは合計3カ所で、それぞれ倉山区、晋安区、高新区に位置し、2023年末までには福州市において半径8キロメートル圏内のサービス提供を目指す。また、バッテリー交換ステーションの運営を担うCATL傘下の時代電服科技有限公司は、中石化福建石油分公司、国網電動汽車服務(福建)有限公司、国電投康富国際租賃股份有限公司とEVOGOに関する戦略的提携枠組みを締結した。各社は福建省を重点地域として、共同で充電・バッテリー交換事業を推進する。(2023年6月6日付CATLのWechat公式アカウントより) |
貴州省 貴陽市 |
2022年12月、貴州省貴陽市でバッテリー交換サービス「EVOGO」の運用を開始したと発表した。すでに「EVOGO」バッテリー交換ステーション4基が貴陽市で稼働している。(2022年12月12日付けCATLのWeChat公式アカウントより) |
安徽省 合肥市 |
2022年6月、バッテリー交換サービス「EVOGO」を安徽省合肥市で開始したと発表した。第1弾として、3基のバッテリー交換スタンドが始動した。2022年末までに合肥に20基の交換スタンドを設置し、市内でのサービス展開において、半径5キロメートル以内での提供を実現させる。(2022年6月18日付けCATL公式WeChatより) |
四川省 成都市 |
2022年7月、成都市政府と戦略的提携を締結したと発表した。両者はバッテリー交換ステーションの運営や、新エネルギー分野における研究開発、資源利用などで提携する。同時にCATL及びその子会社は、新津区政府、成都交投集団、成都環境集団とも協力関係を構築した。バッテリー交換技術の開発と応用を進めるほか、成都に西南運営本部及び成都研究院を設立する。また、新エネルギーの開発利用、駆動用バッテリー、ゼロカーボン交通などに対して、技術および製品の開発やプロジェクトの推進に取り組む。さらに資源の総合利用の領域では、長安静脈産業園でゼロカーボンモデルエリアを立ち上げる計画。(2022年7月31日付CATL公式WeChatより) |
福建省 厦門市 |
2022年3月、CATL子会社の時代電服と福建省高速公路集団傘下企業が戦略的提携に向け覚書を締結。両社は合弁会社を設立し、福建省においてバッテリー交換サービスを展開する。福建高速サービスエリア及びターミナルにバッテリー交換ステーションを建設し運営することで、周辺の省への事業拡大も図るという。(2022年2月23日付プレスリリースより) |
2022年4月、バッテリー交換サービス「EVOGO」を福建省厦門市(アモイ)で開始。第1弾としてサービスを開始したのは厦門市思明区、湖里区、海滄区に立地するバッテリー交換ステーション4か所。Choco-SEB (swapping electric block)の1か月のサービス利用料は最安値で現在399元/個だが、今後ユーザーの様々な使用条件に合わせて調整するとしている。CATLは2022年末までに厦門に30か所のバッテリー交換ステーションを建設する計画で、これにより半径3km内に1か所の交換ステーションが存在することになるという。(2022年4月18日付プレスリリースより) |
「騏驥バッテリー交換」サービス開始地域 (中国国内) | |
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山東高速集団 |
2023年8月、同社は山東高速集団有限公司と戦略的提携契約を締結したと発表した。協議に基づき、両社は大型トラックのバッテリー交換、グリーン電気製造などの新エネルギー分野で提携を行う。そのうち、大型トラックバッテリー交換事業である騏驥バッテリー交換ソリューションは、山東高速集団のリソースと組み合わせて、省内における高速幹線道路を重点的に高速バッテリー交換ネットワークを構築する。将来的に両社は共同でグリーン幹線輸送ネットワークを構築し、山東省におけるエネルギー構造の転換を加速させ、国の「双炭(カーボンピークとカーボンニュートラル)」目標実現を推進する。(2023年9月13日付CATLのWechat公式アカウントより) |
福建高速 |
2023年8月,傘下の時代麒麟数字科技(上海)有限公司と福建省高速集団が共同で建設した、中国初となる大型トラックのバッテリー交換が可能なグリーン物流の高速道路「寧徳厦門幹線道路」が正式に開通したと発表した。この道路は瀋海高速道路の福州環状道路区間に位置し、総距離は約420km。4つのバッテリー交換ステーションが配置され、バッテリー交換ブロック、バッテリー交換ステーション、クラウドプラットフォームを統合した麒麟のバッテリー交換ワンストップ式ソリューションが提供される。これにより、寧徳と厦門間を往復する大型トラックは適時エネルギーの補給が可能となる。福建省の大型トラック保有台数は12万台であり、ガソリン価格や車両購入コストの変動を考慮しない前提で、騏驥バッテリー交換ソリューションを採用すると1年当たり約30億元の物流コストを低減することができると同時に1,800万トン超のCO2排出を削減することができるとしている。(2023年8月24日付CATLのWechat公式アカウントより) |
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図3:建省厦門市のバッテリー交換ステーションにおける東風富康ES600 | 図4:騏驥バッテリー交換ステーション |
(出典:CATLのWeChat公式アカウント、プレスリリースより) |
その他技術動向
長寿命バッテリーの開発 |
同社と蔚来(NIO)は、バッテリー交換事業において、長寿命バッテリーの開発を推進すると発表した。両社は共同で技術上の課題を解決しながらバッテリー交換事業における長寿命バッテリーソリューションの普及を図る。CATLは蔚来向けに長寿命のバッテリーシステムを開発し、後発モデルに搭載させる。ユーザーは駆動用バッテリーの保証期間後の交換コストや、バッテリーの劣化による車両価値の下落を回避することができる。(2024年3月14日付CATLのWechat公式アカウントより) |
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麒麟電池 |
第3世代CTPバッテリー。体積利用率は72%を超え、エネルギー密度は255Wh/kg、航続距離1,000kmを実現する。セルの冷却面積を拡大したことで、5分間の急速暖機始動ができるほか、10分間で80%の急速充電が可能となる。麒麟電池は、同サイズの4680系電池と比較して、蓄電容量を13%向上させたほか、航続距離、急速充電、安全性、寿命、効率、低温性能において全面的に性能向上を果たした。2023年3月より量産開始。厳しい使用環境においては、麒麟電池のセルは急速に冷却され、セル同士の熱伝達を低減して熱暴走を防ぐ。また、異常な動作温度による不可逆的損傷を防ぎ、セルの寿命や安全性を高める。複数の機能モジュールを底部空間に共有させることで、セルが専有できる空間を6%増加させた。そのほか、多機能弾性インターレイヤー層から構成される一体化構造を採用している。さらに、走行に対して垂直方向に、より強固な受力構造を採用し、電池パックの強度と耐衝撃能力を高めたという。 2023年3月、CATLの麒麟電池が量産を開始した。三元電池ではエネルギー密度255Wh/kg、リン酸鉄リチウム電池システムではエネルギー密度160Wh/kgとなっており、バッテリーパックは高度に統合されている。 電池体積利用率は72%に達し、同じ化学システムとサイズの下で、4680大型円筒型電池システムと比較して電力容量を13%増加。 Zeekr 009、Zeekr 001、AITO 問界シリーズの新モデル、およびAvatrにはすべて麒麟電池が搭載される。(2023年3月22日複数メディアの報道より) |
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MTB (Module to Bracket)技術 |
MTB技術とは、バッテリーモジュールを直接大型トラックのブラケットやシャシーに組み込んだもの。直接組み込むことで、バッテリーの体積利用率を40%向上させ、重量を10%軽減することができる。これにより、低重心の設計を実現した。システムのエネルギー密度は305Wh/L (または170Wh/Kg) に達し、バッテリーのサイクル寿命は10,000回/10年となる。セルでは、U字形の水冷システムにより、放熱の課題を解消した。バッテリー容量は、140kWhから600kWhまで自由に組み合わせることが可能。動作温度範囲は-35~65℃。 これは中国政府が進める、国家電投啓源芯動力のプロジェクトに採用される予定。なお、国家電投啓源芯動力は、グリーン交通分野に注力する国家電力投資集団有限公司[State Power Investment Corporation Limited]傘下のスマートエネルギーサービス会社。(2022年9月17日付CATLのWeChat公式アカウントより) |
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CTC (Cell to Chassis) バッテリー技術 | 技術 |
CIIC(CATL Integrated Intelligent Chassis)は、バッテリーの内部構造を最適化し、バッテリーパック、モーター、及びその他の主要部品を車両下部に統合することで高度な集積化を実現したもの。バッテリーのエネルギー密度を高め、同じサイズで容積効率を向上させることで、コストの削減や省エネルギーを実現し、かつ乗車スペースを拡大する。 |
提携 |
哪吒汽車:CIIC技術で提携。CIICを搭載した哪吒汽車のモデルは、早ければ2024年末に投入される予定。 |
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量産化 |
2022年12月,統合電動シャシー研究開発(R&D)拠点上海スマート動力システム工場(2期)が上海市の臨港新片区で着工した。 |
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ナトリウムイオン電池 |
第一世代のナトリウムイオン電池は、セル単体で160Wh/kgのエネルギー密度をもち、常温環境下では15分で80%以上を充電可能、-20℃の低温環境下でも90%以上の容量維持率を持つほか、80%以上のシステム統合効率をもつ。また、熱安定性も中国で定められた安全要件を十分に満たしているという。ナトリウムイオン電池は、低温性能や急速充電時に優れており、特に高山地域などで求められる高出力の条件で利点がある。現在、2023年までの量産化に向け取り組みを進めている。 |
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ABバッテリー | ナトリウムイオンバッテリーとリチウムイオンバッテリーの2種類を一定の比率で混合させ、BMSのアルゴリズムでそれぞれを制御する技術。ナトリウムイオン電池におけるエネルギー密度の弱点をリチウムイオンバッテリーで補うことができるほか、高効率や低温性能が高いといったナトリウムイオン電池の長所を活用できる。 |
研究開発費 |
(単位:百万元) |
2023年12月期 | 2022年12月期 | 2021年12月期 | ||
研究開発費用 | 18,356.11 | 15,510.45 | 7,691.43 | |
売上高に占める比率 (%) | 4.58% | 4.72% | 5.90% |
-同社の研究開発人員は前年度比で20.78%増加し20,604名となった。なお同社全従業員の17.75%を占める。中国国内で8,137件、海外で1,850件の特許を保有。また出願中の中国国内および国外での特許は合計19,500件で、前年より48.44%増加した。 (2023年12月31日時点)
研究開発組織
-電気化学エネルギー貯蔵技術の国家工程研究センター、福建省リチウムイオン電池企業重点実験室、中国合格評定国家認可委員会(CNAS)認定試験検証センター、エネルギー貯蔵・変換分野の最先端基礎研究に注力する21Cイノベーション実験室を有している。また、「ポストドクター研究ステーション」「福建省学術専門家ワークステーション」を設立した。報告年度において、同社は上海未来エネルギー研究所を設立し、上海交通大学、清華大学、復旦大学、中国科学院などと人材育成や科学技術研究の分野で協力関係にある。
2023新設 | 詳細 |
中国移動-寧徳時代情報エネルギー共同研究院 |
同社は中国移動(チャイナモバイル)と共同で「中国移動-寧徳時代情報エネルギー共同研究院」を設立したと発表した。この施設では、エネルギー貯蔵情報のデジタル化、エネルギー低炭素化といった分野における技術開発に取り組む。(2023年12月21日付CATLのWechat公式アカウントより) |
CATL香港科学技術イノベーション研究センター |
中国の複数メディアは、同社が香港に国際本部を設立し、香港科学園(Hong Kong Science Park)に「CATL香港科学技術イノベーション研究センター」を設立すると報じた。最先端の新エネルギーソリューションの開発を行うと同時に、香港の新エネルギー分野における持続可能な発展を支援する。(2023年12月6日付複数メディアの報道に基づく) |
リチウムイオン電池の安全に関する研究開発を行う共同実験施設 | 同社は、中国民航科学技術院(航科院)と福建省寧徳市でリチウムイオン電池の安全に関する研究開発を行う共同実験施設を建設すると発表した。両社はリチウムイオン電池の試験、標準、技術革新、エコシステムの構築、人材育成などで連携を図り、新エネルギー分野での競争力を高める。(2023年11月20日付CATLのWechat公式アカウントより) |
寧徳時代(成都)新能源研究院 | 同社は、成都市新津区に完全子会社の寧徳時代(成都)新能源研究院有限公司を設立したと発表した。この研究施設は新エネルギーの開発利用、駆動用バッテリー、エネルギー貯蔵、ゼロカーボン輸送、バッテリー交換などの分野に注力し、技術研究、や研究成果の転用などを行う。先進的な製造技術分野においては、リチウムイオン電池設備材料の製造技術の開発に注力し、製造効率と品質を高める。応用シナリオのイノベーション分野においては、エネルギー貯蔵、駆動用バッテリーなどの技術応用を進める。工業品質検査分野においては、リチウム電池産業の高精密で高精度な検出装置の開発に力を入れると共に、新しい検出ソリューションを開発する。相互接続の研究分野においては、乗用車、大型トラックのバッテリー交換の相互接続ネットワークにおけるバッテリー交換の市レベルの規格を模索し、四川省の急速バッテリー交換の規格の乗用車および大型トラックのバッテリー交換ネットワーク等を構築する。(2023年8月28日付成都新津のリリースより) |
OEMとの提携
OEM | 詳細 |
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江汽集団 |
同社は、江汽集団と戦略的提携に合意したと発表した。両社は駆動用バッテリーの供給、バッテリー交換技術の提供、新技術・製品の共同開発や応用、市場の開拓、産業チェーンの低炭素化などの分野で協業する。駆動用バッテリー分野では、CATLは江汽集団に製品の供給や技術の提供を行うほか、生産・販売・研究の共同サービス、車両プラットフォームとバッテリーの統合技術を提供する。そのほか、共同研究開発チームを立ち上げ、新技術、新製品の共同開発や応用を行い、スケートボードシャシー(CIIC)技術の導入を共同で推進し、CIIC適用モデルを確定し、需要に基づき提携方案や開発計画を制定する。(2024年1月7日付CATLのWechat公式アカウントより) |
猛士科技 |
同社は、猛士科技と3年間の戦略的提携契約を締結したと発表した。CATLは猛士科技の駆動用バッテリーの供給サプライヤーとして、車両開発や生産をサポートする。また、両社は新型バッテリーの開発、神行超充電池の応用、技術革新プロジェクト、マーケティングなどの分野で協業する。なお、発売予定の「猛士917」に「CATL Inside」マークを付ける予定。(2024年1月4日付CATLのWechat公式アカウントより) |
Stellantis |
ステランティスは、CATLとの間で欧州におけるLFPバッテリーおよびモジュールの現地供給に関する拘束力のないMoUを締結したことを発表した。ステランティスのEV生産強化を目的としており、合弁事業の可能性も検討されている。MoUではBEVの技術向上とバッテリーのバリューチェーン強化に焦点を当てた長期的なパートナーシップの概要が示されている。長寿命と高い熱安定性を特徴とするLFP技術によって、ステランティスはBおよびCセグメントで耐久性が高く手頃な価格のEVの提供を目指す。(2023年11月21日付プレスリリースより) |
陝西汽車 |
同社は、陝西汽車控股集団有限公司(陝汽)と10年間の戦略的提携契約を締結したと発表した。今回の提携によって、両社は商用車向け電池技術の開発を推進し、標準技術の確立を目指す。また、産業チェーンを構築し、技術開発力と市場ニーズを組み合わせ、グローバルで商用車向けの競争力が高く、品質の高い製品を提供する。(2023年8月19日付CATLのWechat公式アカウントより) |
北汽集団 |
同社は、北汽集団と先進技術に関する戦略的提携に合意したと発表した。両社は、駆動用バッテリーの共同開発、新エネルギー車(NEV)の市場開拓を推進する。CATLは北汽集団のNEVブランドの車両開発や生産で関与を深め、駆動バッテリーや保障サービスを提供する。(2023年3月14日付CATLの公式サイトより) |
長安汽車 | 長安汽車との合弁会社設立を発表。両社は合弁会社を通じて協業する。CATLは駆動用バッテリーの開発、生産、製造、アフターサービスなどの開発力、優位性などで長安汽車の更なる製品競争力向上に貢献するという。(2022年12月20日付けCATLのWeChat公式アカウントより) |
阿維塔科技 (Avatr Technology) |
同社と電気自動車(EV)メーカー阿維塔科技(重慶)有限公司(Avatr Technology、アバター・テクノロジー)が、重慶市における戦略的提携深化の合意書に調印した。両社は先進バッテリー技術を基本に、業界トップクラスのバッテリー供給体制を構築する。調印式当日、アバター・テクノロジーは初のスマート電動クーペSUV「アバター11」と台数限定バージョン「アバター011」の量産車をラインオフした。同モデルは、長安汽車、ファーウェイ(華為、Huawei)、CATLの3社が共同開発したスマートEV技術プラットフォーム「CHN」を採用した初のモデル。搭載するCATL製バッテリーは10分間で航続距離200km分の充電が可能だという。(2022年12月20日付CATLのWeChat公式アカウントに基づく) |
戦略提携
提携先 | 詳細 |
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中国石化集団 |
同社は、中国石化集団と戦略的提携枠組み契約を締結したと発表した。両社は太陽光による充電のマイクログリッド技術の実証を推進する。合弁会社を通じて乗用車のバッテリー交換事業の実施を加速すると同時に、総合エネルギーステーションによる商用車用バッテリー交換の実現可能性を探る。技術面においてはバッテリーの応用(エネルギー貯蔵、バッテリー交換など)に関連した標準の制定・改訂を推進するほか、石油化学製品の全ライフサイクルにおけるカーボンフットプリントの測定方法の研究やデータ測定を行う。エネルギー貯蔵では、両社は商工業用エネルギー貯蔵、精練企業向けのエネルギー貯蔵給電、ディーゼルエンジンを代替する貯蔵エネルギーによる給電など複数の分野で提携する。(2024年3月14日付CATLのWechat公式アカウントより) |
滴滴出行 |
同社は、滴滴出行とバッテリー交換に関する合弁会社を設立すると発表した。合弁会社はオンライン配車サービスのバッテリー交換をターゲットとして設定し、多くの新エネルギー車(NEV)向けにバッテリー交換サービスを提供する狙い。CATLは合弁会社設立に加えて、滴滴傘下の小桔能源との戦略的提携にも合意した。太陽光エネルギー貯蔵/充電一体化など幅広い新エネルギー分野での提携を推進する。小桔能源の事業はネット給油、スマート充電、仮想発電所、電力取引、電力補助サービスなどの複数分野にわたる。(2024年1月28日付CATLのWechat公式アカウントより) |
フラウンホーファー研究機構セラミック技術・システム研究所 |
フラウンホーファー研究機構セラミック技術・システム研究所(IKTS)は、IKTSのバッテリー革新技術センター(BITC)とCATLがErfurter Kreuzの施設でバッテリー生産最適化の基礎となるバッテリー寿命予測モデルを開発していることを発表した。2020年に「BattLife」プロジェクトとして始まった協業は現在、「BattForce」 プロジェクトとして継続・拡大している。2027年まで実施予定の「BattForce」プロジェクトではバッテリー寿命の重要な要素であるバッテリーの膨張に焦点を当てる。この目的のためのデータ収集を容易にするためにテストセンターを拡張し、新技術を導入する。プロジェクトの一環として、IKTSとCATLはドイツ・テューリンゲン(Thuringia)自由州の支援を受け、CATLのErfurter Kreuz工場にハイエンド試験施設を設置した。この施設では温度、湿度、充放電時間の異なる様々な環境条件を同時にシミュレートできる。収集されたデータはIKTSの専門家によって分析、評価される。(2023年10月23日付プレスリリースより) |
璞泰来 |
璞泰來は、寧徳時代(CATL)と複合銅箔集電体事業に関して、戦略的提携を締結すると発表した。両社は複合銅箔集電体の新エネルギーリチウム電池分野における研究開発、生産、普及、販売、応用に注力し、中国内外の市場開拓を共同で進める。契約期間は2029年6月30日まで。(2023年10月10日付璞泰來のプレスリリースより) |
Arun Plus |
同社は、タイのArun Plus(アルン・プラス)と戦略的提携を行うと発表した。両社は、ASEAN地域における電池関連事業で協業する。CATLはArun PlusにCTP技術の権限を付与し、タイおよびグローバルでのCTP技術の普及を推進する。Arun Plusはタイ石油公社[PTT Public Company Limited](PTT)の完全子会社。両社は、Horizon Plusやその他電気自動車(EV)ブランドに対して電池の供給を行う。Horizon Plusは、Arun Plusと富士康科技集団(Foxconn Technology Group、フォックスコン)の合弁企業であり、2024年からタイで電気自動車(EV)の生産を行う計画。(2022年5月13日付CATL公式Wechatより) |
銀崙股份 | サーマルマネジメント部品などを手掛ける浙江省銀崙機械有限公司(以下、銀崙)と戦略的協力協定を締結し、以下の3点に関する提携を結んだ。 1:バッテリー冷却プレート、銅・アルミ棒、アルミダイキャスト部品、CTC統合モジュールの製品において協力モデルを構築 2:双方のグローバル化、海外でのプロジェクト共同開発、海外協力・加工生産拠点の建設などの支援 3:二酸化炭素排出などの面におけるサプライチェーンの持続的発展の促進(2022年11月26日プレスリリースより) |
长盈精密 | 深圳市長盈精密技術股份有限公司は、CATLと戦略的提携を発表。両社は電池パックモジュールに加えて、電池パックフレーム、水冷プレート、バスバー、CCS(セル接続システム)などの構成部品の領域で協業を強化する。さらに、海外工場での開発やサプライチェーンの発展などでも協力していく。(2022年12月9日付長盈精密のプレスリリースより) |
華為 (ファーウェイ) |
CATLは、華為終端有限公司[Huawei Device Co., Ltd.](華為終端)とMOUを締結。両社はファーウェイのスマートカープロジェクトにおいて提携する。CATLは華為終端による推薦を受けて、ファーウェイの同プロジェクトに駆動用バッテリーを供給する計画。(2022年12月14日付CATLのWeChat公式アカウントより) |
新エネルギーに関する政府・関連機関との提携
提携先 | 詳細 |
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四川省政府 |
同社は、四川省人民政府と包括的な提携契約を締結したと発表した。両者はグリーンエネルギーの開発、新エネルギー貯蔵技術の育成、「ゼロカーボンパーク」建設などの面での協力を強化する。リチウム鉱資源の開発・利用を共同で推進するほか、CATLの西南地区の本部建設を推進する。CATLは2019年に完全子会社の四川時代新能源科技を設立して以来、宜賓市、成都市、甘孜県などで複数の工場を建設している。(2024年2月3日付CATLのWechat公式アカウントより) |
Aneka Tambang |
・インドネシア海洋・投資担当調整相は12月29日、インドネシアにおけるリチウムイオン電池・エコシステムのサプライチェーン構築に、国営資源大手のAneka Tambang (Antam)、寧徳時代新能源科技(CATL)傘下の寧波普勤時代(CBL)、国営企業4社の連合であるIndonesia Battery Corporation (IBC)が共同で出資すると発表した。 ・同社によると、ニッケル採掘からギガファクトリーでのバッテリーセル/パック、これらのリサイクルまで、各段階をカバーする世界初の試みとなる。インドネシア投資省/投資調整委員会(BKPM)のトップは、これは最大で約80兆~90兆ルピア(約7.4兆~8.3兆円)規模の大型投資案件であり、環境基準に照らして細心の注意を払う必要があると述べた。CATLは2022年4月、子会社であるCBL、Antam、IBCの3社がインドネシアで、ニッケル採掘、電気自動車(EV)バッテリー材料、EVバッテリーの生産、バッテリーのリサイクルを含むEVバッテリーの統合事業を推進すると発表している。(From Indonesian Ministry of Energy and Mineral Resources release on December 29, 2023 and an article of Paul Tan on December 28, 2023) |
肇慶市政府 | 同社は、肇慶市政府と新エネルギー事業に関して提携契約を締結したと発表した。両者は新エネルギーの総合応用、グリーン電力の開発、製造などで包括的な提携を行い、より多くの新エネルギー産業発展モデルプロジェクトを推進し、駆動バッテリー及び蓄電池産業クラスターの構築を加速させる。(2023年10月11日付CATLのWechat公式アカウントより) |
広東省東莞市政府 | 同社は、広東省東莞市政府と戦略的提携枠組み契約を締結したと発表した。両者はグリーンかつ低炭素な経済発展を推進し、東莞をパイロット地区として「ゼロカーボン生産」、「グリーン電力生産」を推進する。また、新エネルギーや新材料などの活用を進めて新製品開発の新しいモデルを確立するほか、東莞における製造業の構造転換と高度化を図る。(2023年9月8日付CATLのWechat公式アカウントより) |
深圳市政府 | 同社は、深圳市政府と戦略的提携協議に合意したと発表した。両者は新エネルギー車(NEV)のバッテリー交換、電動船舶、新型エネルギー貯蔵、グリーン園区、金融サービスおよび貿易などの分野で協業する。(2023年6月17日付CATLのWechat公式アカウントより) |
インドネシア | インドネシア投資庁(INA)は、CATLおよびCMB International Capital Corporation Limited (CMBI) との間で、新エネルギー分野における新規投資、ファンド設立等の協力に関する覚書(MoU)を締結したと発表した。インドネシアの持続可能性と2060年までのカーボンニュートラルへのコミットメントに沿って、主にインドネシアでのエンドツーエンドのEVバリューチェーン投資に重点を置くグリーンファンドを設立する。20億ドル規模と見込まれるグリーンファンドは、グリーン原料の主要生産国としてのインドネシアの優位性、成長する国内自動車市場、各当事者の強み、ネットワーク、資源を活用して、新興のEVエコシステムにおける投資機会を得るための独自のプラットフォームを目指すという。(2022年11月14日付プレスリリースより) |
バッテリー生産能力(GWh)
-寧徳 (福建省)、西寧 (青海省)、溧陽 (江蘇省)、宜賓 (四川省)、肇慶 (広東省)、上海臨港新片区、厦門 (福建省)、宜春 (江西省)、貴陽 (貴州省)、済寧 (山東省)、洛陽 (河南)、Erfurt (ドイツ)、Debrecen (ハンガリー)に計13の生産拠点を保有。 また、上海汽車、吉利、一汽、広汽、東風などのOEMと合弁で電池生産工場を設立。2023年12月時点で、生産能力は552GWhとなる。
2023年12月期 | 2022年12月期 | 2021年12月期 | |
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生産能力 | 552 | 390 | 170 |
生産量 | 100 | 325 | 162 |
稼働率 | 70.47% | 83% | 95% |
建設中の追加生産能力 | 389 | 152 | 140 |
新工場
場所 | 面積(万㎡) | 投資金額 | 生産能力 | 生産製品 | |
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北京市 | - | - | - | セル |
北京市政府は、「2024年市政府事業報告重要任務リスト」を発表した。新型電力システムなどの実証ベンチマークプロジェクトを立ち上げや、新エネルギー車(NEV)産業の発展推進に加えて、モーター、バッテリー、電子制御、車両向けチップなどの重要部品産業チェーンの構築、自動車産業の育成、自動車輸出の奨励などが盛り込まれている。CATLのセル工場プロジェクト第1期の建設が開始されることも記載されている。(2024年2月1日付北京市政府の公式サイトに基づく) |
四川省 宜賓市 |
130 | 120億元 | 40GWh | -駆動バッテリー |
四川時代新能源7・8期プロジェクトは、総投資額120億元、最高計画着工容量225GWhで、すべて完成すると世界最大のバッテリー拠点となる。 プロジェクトが完成し、生産が開始されると、年間350億元の売上高となる見込み。 これまでは、2019年から約320億元を投資し、6期に分けて建設していたが、1~6期に加えて240億元を追加投資する「四川時代7~10期プロジェクト投資契約」を締結し、総投資額は660億元となる。 2021年6月に第1期が正式に稼動している。 時代長安動力有限公司(時代長安)は、同社初の駆動用バッテリーを宜賓三江新区の工場で生産開始したと発表した。この工場は、寧徳時代(CATL)、長安汽車、深藍汽車(Deepal)の共同出資により設立された拠点。四川省宜濱市に位置し、総額60億元が投じられた。新興エネルギー技術、新材料技術の開発、製造、販売を行う。(2023年11月25日付時代長安のWechat公式アカウントより) |
福建省 厦門市 |
127 | 130億元 | - | 駆動バッテリー、エネルギー貯蔵システム | 総工期は26ヶ月以内。 100%子会社である厦門時報新能源科技有限公司を主体として、電力電池システムおよび蓄電システムの生産を行う予定。 |
福建省 |
- | 3.57億元 | 6.5GWh | 駆動バッテリーモジュール | 2022年4月に完成。 |
広東省 肇慶市 |
- | 120億元 | - | 駆動バッテリー、エネルギー貯蔵システム | 2021年3月28日に着工し、2022年5月に生産開始。 |
湖北省 宜昌市 |
- | 320億元 | - | -以下傘下企業により運営 ・邦普時代:バッテリー正極材(2022年9月着工) ・邦普循環:廃リン酸鉄リチウムのリサイクル ・邦普宜化 |
2021年10月、持株子会社である広東邦普循環科技有限公司と、その子会社である寧波邦普時代新能源有限公司、宜昌市は、共同プロジェクトにおいて合意。「リン鉱石、原料、前駆体、正極材料、バッテリーリサイクル」といった産業のライフサイクルにおいて提携。工業団地を建設し、400万台分の新エネルギー車に相当するバッテリー正極材を供給可能にする。 |
河南省 洛陽市 |
113 | 140億元 | - | 駆動バッテリー、エネルギー貯蔵システム | 100%子会社である中州時代新能源科技有限公司によるプロジェクト。 |
江蘇省 蘇州市 |
11.5 | 50億元 | - | CTC統合電動シャシー、パワードメイン統合、パワーエレクトロニクス・蓄電システムなど | - |
山東省 済寧市 |
133 | 140億元 | - | 駆動バッテリー、蓄電システム | 大型トラックのバッテリー交換ステーション |
ドイツ Thüringen |
- | 18億ユーロ | 14GWh | バッテリーセル |
ドイツ・テューリンゲン州開発公社は、CATLが中国以外で初めてバッテリーセル工場をErfurter Kreuz工業団地に建設し、2023年1月下旬にリチウムイオン電池の現地生産を正式に開始したことを発表した。同工場は新型コロナウイルスの影響による遅延の後、計画通りに生産を開始した。当初は2本のモジュールラインで生産を開始し、2023年末までには6本のラインが稼働し、24GWh/aのバッテリーセルを生産する予定。その間、従業員数は約1,000人に増員されるという。同社は現在欧州最大のセル生産施設に約20億ユーロを投資しており、最大2,000名の雇用が創出される見込み。(2023年5月5日付プレスリリースより)) 2021年に着工。同工場は2つに分かれる。 |
ハンガリー Debrecen |
221ha | 73.4億ユーロ | 100GWh | バッテリーセル、モジュール | ドイツ・ハンガリーのメルセデス・ベンツの生産拠点にバッテリーを供給する予定。 |
メキシコ/アメリカ (計画中) |
- | - | 80GWh | - | - |