プライム プラネット エナジー&ソリューションズ (株) (PPES)
会社概要
業容
-トヨタとパナソニックが設立した車載用角形電池の合弁会社。
-車載用高容量/高出力角形リチウムイオン電池や車載用全固体電池の開発・製造・販売を行う。
同社設立の経緯
2017年12月 | トヨタとパナソニックが車載用角形電池事業の協業について検討を開始 |
2019年01月 | 両社が車載用角形電池事業に関する合弁会社の設立に合意 |
2020年04月 | 同社が操業開始 |
-2019年1月22日、トヨタ自動車とパナソニックは、車載用角形電池事業に関する合弁会社の設立に合意したと発表した。2020年末までにトヨタが51%、パナソニックが49%を出資する新会社を設立し、角形リチウムイオン電池、全固体電池、次世代技術の研究開発から調達、製造、受注までを一貫して担う。トヨタは電池関連事業をすべて合弁会社に移管し、パナソニックはテスラに供給する円筒型電池事業と要素技術開発を除き車載電池事業を移管する。両社の車載電池の経営資源を集め、世界ナンバーワンの開発・製造力の実現を目指す。パナソニックが窓口となりトヨタ以外にも幅広く販売する。新会社は両社から3500人が移り発足する。パナソニックは角形電池を製造する国内3工場と中国の1工場を移管する。新会社の生産能力や投資額は検討中としている。新会社はトヨタの子会社となる。トヨタ子会社のプライムアースEVエナジー (PEVE) は引き続きハイブリッド車 (HV) 用電池を主体に生産する。(2019年1月23日付日刊自動車新聞より)
-2020年4月1日、パナソニックは当時の連結子会社である三洋電機(株)の車載用角形電池事業をプライム プラネット エナジー&ソリューションズに会社分割により移管。同時に、パナソニックオートモーティブエナジー大連(有)の全ての持分を同社へ譲渡した。また、株式の一部はトヨタに譲渡され、同社は合弁子会社となった。
-2020年4月1日、トヨタは車載用電池の設計開発および要素開発に係る事業を同社に移管することに伴い、電池事業領域を廃止。
主な搭載車種:
- トヨタ:MIRAI、RAV4 PHV、Lexus NX450h+、bZ4X
- スズキ:ACROSS PHV
資本構成
-未上場 | (2024年3月31日時点) |
氏名または名称 | 資本比率(%) |
トヨタ自動車株式会社 | 51.0 |
パナソニック株式会社 | 49.0 |
主要製品
-角形リチウムイオン電池
-全固体電池
-高容量角形電池 (BEV向け)
-高出力型電池 (HV向け)
沿革
2017年12月 | トヨタとパナソニックが車載用角形電池事業の協業について検討を開始 |
2019年01月 | 両社が車載用角形電池事業に関する合弁会社の設立に合意 |
2020年04月 | 同社が操業開始。 |
<トヨタ略史 (車載電池関連)>
年月 | ニュース |
2005年10月 | HV用電池を製造・販売するパナソニックEVエナジー(静岡県湖西市)への出資比率を60%に高めると発表。 |
2010年04月 | パナソニックEVエナジーへの出資比率を80.5%に拡大したと発表。 |
2013年06月 | 中国の電池メーカー湖南科力遠新能源股份有限公司(Hunan Corun New Energy Co., Ltd.)と提携し、江蘇省常熟市にHV用ニッケル水素電池の製造合弁会社を設立すると発表。 |
2013年11月 | 中国にハイブリッド車(HV)用電池製造合弁会社「新中源トヨタエナジーシステム有限公司」を設立したと発表。 |
2019年03月 | スズキとの開発・生産領域における協業について、具体的な検討に着手することに合意したと発表。 |
2019年04月 | 電動車の普及に向けた取り組みの一環として、同社が単独で保有する車両電動化技術の特許実施権を無償で提供すると発表。 |
2019年06月 | 電動車用電池の調達先に寧徳時代新能源科技 (CATL) 、比亜迪 (BYD) 、東芝、GSユアサ、豊田自動織機を新たに加えると発表。 |
2019年06月 | 電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)の事業戦略企画、EVの開発企画及び商品開発を推進する専門組織である「トヨタZEVファクトリー」を拡充し、意思決定の迅速化を図ると発表。 |
<パナソニック略史 (車載電池関連)>
年月 | ニュース |
1996年12月 | パナソニックEVエナジー設立。 |
2004年08月 | 松下電池工業が、蓄電池ビジネスユニットなどで担当していた自動車用バッテリー事業を分社化し、10月に新会社「パナソニック ストレージ バッテリー」を設立すると発表。 |
2007年11月 | 松下電池工業が、和歌山工場に新棟を建設し、リチウムイオン電池の生産を拡大すると発表。 |
2008月05月 | パナソニックEVエナジーが宮城県大和町にハイブリッド車用ニッケル水素電池を生産する工場を新設すると発表。 |
2010年01月 | TeslaとEV用電池開発で提携すると発表。 |
2010年01月 | パナソニックEVエナジー宮城工場が生産開始。 |
2010年03月 | 住之江工場で4月から電池セルの量産を開始すると発表。 |
2010年06月 | パナソニックEVエナジーが社名を「プライムアースEVエナジー」に変更したと発表。 |
2010年10月 | パナソニック液晶ディスプレイ(兵庫県姫路市)を設立。 |
2010年11月 | Teslaと資本提携を結んだと発表。 |
2011年02月 | 湘南工場の車載用ニッケル水素電池事業を中国の湖南科力遠新能源股份(湖南科力遠)に譲渡すると発表。 |
2011年10月 | Teslaと自動車用リチウムイオン電池の供給契約を締結したと発表。 |
2011年11月 | トヨタのプラグインハイブリッド車「Prius PHV」向けに、リチウムイオン電池を供給すると発表。 |
2012年09月 | トヨタの電気自動車(EV)「eQ」にリチウムイオン電池が採用されたと発表。 |
2013年04月 | スバル「XVクロストレック ハイブリッド」(米国仕様)にニッケル水素電池を供給すると発表。 |
2013年11月 | TeslaとEV用リチウムイオン電池セルの供給を拡大する契約を締結したと発表。 |
2014年10月 | 米国ネバダ州のSparksに、Tesla Motors向けのリチウムイオン電池セルの生産・販売を行う新会社「Panasonic Energy Corporation of North America (PENA)」を設立したと発表。 |
2016年02月 | 中国・大連市に、角形リチウムイオン電池製造の合弁会社「大連松下汽車能源有限公司」(現大連泰星能源有限公司)を設立したと発表。パナソニックチャイナと大連遼無二電器(劉国臣董事長)が50%ずつ出資。 |
2017年10月 | 子会社のパナソニック液晶ディスプレイの姫路工場(兵庫県姫路市)で車載用角形リチウムイオン電池の生産を開始すると発表。 |
2018年03月 | 中国・大連市に建設していた車載用角形リチウムイオン電池工場が量産出荷を開始したと発表。これにより日本、米国、中国の世界3極で車載用リチウムイオン電池の生産体制を構築。 |
<同社前身の旧三洋電機略史 (車載電池関連)>
年月 | ニュース |
1964年08月 | 洲本工場を開設。ニッカド電池の量産を開始。 |
1985年 | 鎮岩工場 (現加西事業所) が操業開始。 |
1988年 | 徳島工場が操業開始。 |
2000年10月 | 東芝電池のニッケル水素電池事業を東芝から取得することで合意。 |
2001年01月 | Ford「Escape HEV」にHV用バッテリーシステムを独占供給すると発表。 |
2003年10月 | リチウムイオン電池の基幹生産拠点である徳島工場敷地内に新工場を増築すると発表。 |
2004年10月 | DaimlerとHV用2次電池の共同開発の検討を進めることで合意。 |
2008年05月 | VWとHV用リチウムイオン電池の共同開発で合意。 |
2008年12月 | パナソニックと資本・業務提携契約を締結。 |
2009年10月 | HV用リチウムイオン電池の生産工場を兵庫県加西市の加西事業所内に新設。 |
2010年05月 | 2020年度に自動車用二次電池世界シェア40%を目指すと発表。 |
2010年12月 | 徳島工場(徳島県松茂町)内に建設を進めていたリチウムイオン電池の研究開発を行う新技術棟が完成したと発表。 |
2011年04月 | パナソニックが同社を完全子会社化。 |