Zhongshan Broad-Ocean Motor Co., Ltd.[中山大洋電機股份有限公司] 2021年12月期の動向

業績

(単位:百万元)
2021年12月期 2020年12月期 増減率(%) 要因
売上高 10,017.29 7,776.47 28.82 -建築・家電事業分野および新エネルギー車用パワートレインシステムの売上高が大幅に増加。
営業利益 330.26 116.00 184.70 -北汽藍谷 (BAIC BluePark) の株式売却に伴い、51,61.33万元の利益増。
経常利益 363.60 119.88 203.31
純利益 269.00 79.42 238.72

 

事業動向
-建築及び家電向けモーター (BHM) 事業部では、ベトナム工場における生産の安定化及び効率化、並びにメキシコ工場における第1期増産計画の完了により、売上高は前年比29.20%増の5,567.64百万元となった。

-車両事業グループ(EVBG)については、新エネルギー車パワートレインシステム事業が多数の3in1製品および新製品の設計と検証を完了し、長安汽車、長城汽車、ルノー、東風汽車、小鵬汽車、Tata、現代、北京新能源、上海通用など多くの自動車メーカー向けに量産を開始。年間の売上高は1,356.86百万元となった。スターター及びジェネレーターでは、主に子会社の佩特来と杰諾瑞が展開。売上高は前年比11.11%増の2,499.69百万元となった。

-水素燃料電池事業については、主にパワーエレクトロニクスとソフトウェアの統合技術、高速モーター技術に強みを持つ。燃料電池オールインワンコントローラー、高速遠心圧縮機、DCDC、高圧電子ポンプ、水素循環システムなど、水素燃料電池BOP(Balance Of Plant)の研究開発に注力。2021年には水素燃料電池モジュールや主要部品開発などのプロジェクトも実施した。
 

子会社動向

完全子会社である上潍電駆動を設立
-上海電駆動股份有限公司は2021年11月30日に潍坊上潍電駆動科技有限公司を設立した。資本金5,000万元で、出資比率は100%。(2021年アニュアルレポートより)

CIIE 2021に出展
-上海電駆動は、Nexperiaと共同で第4回中国国際輸入博覧会(CIIE)に出展した。両社は、共同開発した新エネルギー車向けGaNパワーコンポーネントとモーターコントローラを展示した。中国初の量産水準GaNモーターコントローラとして、NexperiaのCCPAKの放熱性が最も高いグレードを採用したデバイスを発表。この製品は、最大出力35kW、ピーク出力165Armsで、高出力密度、優れたNVH性能、A00/A0クラスEVに対応する。また、上海電駆動の3-in-1電動ドライブASSYも展示された。(2021年11月25日プレスリリースより)

ルノーDacia Spring EVに2-in-1電動ドライブシステムを搭載
-中国生産モデルである完全電気自動車Daciaの「Spring」は、2021年欧州で4万台以上の受注を獲得したという。このモデルのバッテリーは欣旺達、モーターと電子制御(2in1電動ドライブ製品)は上海電駆動、DCDCと充電器は浙江富特科技、ギアボックスは浙江鑫可伝動科技が供給しているという。(複数メディア報道に基づく)

諾瑞が新規受注を獲得
-商用車事業において諾瑞は全柴動力、新柴動力、雲内動力のスターターモーターとジェネレーターにおける国6、国5プロジェクトを獲得。Caterpillar、Carrierのサプライヤーとなった。新エネルギー車事業では、五菱宏光MINIと奇瑞QQ Ice Creamの160プラットフォーム用駆動モーターの開発と応用を行い、奇瑞小蟻用3in1駆動システムの受注を獲得した。(2021年アニュアルレポートより)

見通し

-2022年も安定した成長を維持し、売上高は前年比10%増の11,019百万元を計画。当期純利益は、前年同期比37.5%増の370百万元と予想。(2021年アニュアルレポートより)

研究開発費

(単位:百万元)
2021年12月期 2020年12月期 2019年12月期
研究開発費 512.69 428.66 410.16
売上高に占める割合(%) 5.12 5.51 5.04

-2021年末現在、研究開発人員は2,070名で、全体の16.29%を占める。
※2021年には、風力発電システム、新エネルギー車パワートレインシステム、水素燃料電池パワートレインシステムの研究開発への投資を拡大し、研究開発費は前年比19.6%増となった。
 

研究開発活動

製品 開発目標
第3世代70kW 3-in-1電動ドライブシステムプラットフォーム 2023年に量産予定、A0クラス向けでの業界地位獲得を目指す
SiC技術による800Vモーターコントローラプラットフォーム 2023年量産開始予定、800Vプラットフォーム向けの製品ラインナップを構築
レンジエクステンダージェネレーターASSY 2022年10月に量産を開始し、レンジエクステンダーEV向け製品ラインナップを構築(浙江合众汽車に供給)。
平角線技術によるディープカップリング電動ドライブシステム 2022年末に量産予定、平角線技術によるディープカップリング電動ドライブシステム製品ラインナップを構築
ハイブリッド車用統合モータコントローラー 2023年に量産開始予定、ハイブリッド車向け統合モーターコントローラープラットフォームを構築
高出力燃料電池システム及びBOP バス、小型トラック、大型トラック用途をカバーする燃料電池システム製品ミックスの改善を行う
燃料電池オールインワンコントローラー 昇圧DCDCコンバーター、エアコンプレッサーコントローラー、水素リターンポンプ用コントローラーなどの製品群における競争力を強化する
半密閉モーターの高速永久磁石化 2023年に量産化、世界水準の半密閉型モーター技術実現を目指す

 

研究開発施設

-中国国内中山、北京、上海、深圳、武漢、蕪湖のほか、デトロイトなどに研究開発センターを保有。

-国家級実験室3拠点、省級企業テクニカルセンター3拠点、省級工場テクニカルセンター2拠点を保有。また、ポスドクワークステーション及び研究者・専門家ワークショップを設立。
 

特許

-2021年末現在、累計3,494件の特許を申請し、2,649件の特許を取得。2,073件の有効特許を保有。そのうち発明特許は536件。