Weichai Power Co., Ltd.[濰柴動力股份有限公司] 2022年12月期の動向
業績 |
(単位:百万元) |
2022年12月期 | 2021年12月期 | 増減率 (%) | |
売上高 | 175,157.54 | 203,547.70 | (20.46) |
営業利益 | 5,834.03 | 13,888.99 | (59.17) |
税引前利益 | 6,085.21 | 14,054.79 | (57.92) |
純利益 | 5,682.69 | 11,561.89 | (53.36) |
-2022年12月期、大型トラックの販売台数がに減少。同社の大型トラック関連事業の業績は前年比で大幅に落ち込んだ。
新製品
-濰柴動力は、金属支持形の固体酸化物形燃料電池(Metal-Supported SOFC)を発表した。この製品はTUV SUDが発行するCE証明書を取得している。発電効率は60%超で、コージェネレーション効率は92.55%に達するという。(2023年2月18日付濰柴動力のWechat公式アカウントより)
-濰柴動力は、世界初となる本体の熱効率が52.28%のディーゼルエンジンと54.16%の天然ガスエンジンを開発したと発表した。濰柴動力は2020年に熱効率が50.23%を超えるディーゼルエンジンを発表し、2022年1月には51.09%のエンジンを発表していた。(2022年11月20日付濰柴動力のWechat公式アカウントより)
-エンジン本体の熱効率が51.09%に達するディーゼルエンジンを開発したと発表。このディーゼルエンジンはドイツの第三者認証機関であるTUV SUDの認証証書を取得している。同製品の発表会においては、さらに産業団地や港湾地区、高速道路などでの燃料電池車の活用成果を展示した。(2022年1月8日付プレスリリースより)
受注
-濰柴動力は、WP14Hエンジンを搭載する陝汽重卡の「X6000」が発売されたと発表した。WP14Hエンジンの排気量は13.5L、610Ps馬力で、幹線道路輸送に適している。WP14Hエンジンは世界初となる熱効率51.09%を超えるディーゼルエンジンで、低フリクションロス及び高効率・低熱伝達燃焼技術を採用している。(2022年10月22日付濰柴動力のWechat公式アカウントより)
-2022年12月期、中国重型汽車集団(中国重汽)に対して大型トラック用エンジンを約99,000台、小型トラック用エンジンを約130,000台供給する。 (2022年3月4日付中国国家重工集団公司の香港証券取引所発表資料より)
戦略的提携
-Mahleの中国子会社である馬勒投資(中国)有限公司[MAHLE Holding (China) Co., Ltd.](Mahle中国)は、濰柴動力股份有限公司[Weichai Power Co., Ltd.](濰柴動力)と戦略的提携を締結したと発表した。両社は内燃機関分野において、主に中・大型向けエンジンの信頼性、CO2排出、熱効率などの性能向上を目指す。また、水素などの新エネルギー動力の開発も行う。提携範囲はエンジン部品、フィルターシステム、エンジン周辺機器、熱管理、車載エレクトロニクス及びメカトロニクスの一体化に加えて、天然ガスや水素エネルギー分野の関連製品に及ぶ。(2023年2月14日付Mahle中国のリリースより)
展示会
-濰柴動力は、アラブ首長国連邦のドバイで開催される中東国際電力展において、Baudouinブランド8M33エンジンを初公開すると発表した。その他、Baudouinブランド16M55大口径エンジン、米国PSIのガソリンエンジン、濰柴のリチウムイオン電池エネルギー貯蔵装置などを出展。(2023年3月10日付濰柴動力の公式サイトより)
-濰柴動力は、複数の製品をドイツ・ハノーバー(Hanover)で開催されているIAA Transportation 2022に出展したと発表した。濰柴動力は排気量が2L~15.3L、出力が190馬力~660馬力をカバーする熱効率の高さが特長のHプラットフォームのパワートレインを出展した。51.09%の高熱効率技術を採用するWP13H商用車向けパワートレインはその内の1つ。新エネルギー分野では、260kWの出力を持つ燃料電池エンジン、15Lの水素エンジン、WPH12ハイブリッドパワートレイン、統合型電気アクスルドライブシステムなどの製品を出展した。そのうち、WPH12ハイブリッドパワートレインは、排ガス規制ユーロ7の実施に向けたもの。(2022年9月22日付濰柴動力のWechat公式アカウントより)
研究開発費 |
(単位:百万元) |
2022年12月期 | 2021年12月期 | 2020年12月期 | |
研究開発費用 | 8,850.90 | 8,568.71 | 8,294,09 |
研究開発費用の売上高に占める割合(%) | 5.05 | 4.21 | 4.20 |
-2022年12月31日時点で、同社の研究開発人員は13,850名(全体の15.93%)。
進行中の研究開発プロジェクト
プロジェクト名 | 内容 | 状況 |
WP2.5N国6対応SCR技術(Selective Catalytic Reduction)ディーゼルエンジン開発 | 青色ナンバープレート(重量4.5トン以下のトラック)市場向け | 最終テスト段階 |
WP8H国6対応ディーゼルエンジン開発 | 競争力のある中型エンジンの開発 | 開発完了、市場に投入 |
WP14T国6対応ディーゼルエンジン開発 | 500馬力以上の製品分野で企業の競争力を強化 | 開発完了、市場に投入 |
エンジンとAMTの協調制御電子制御システム開発 | 従来のパワートレインシステムの相乗効果と開発効率を向上 | 完了 |
軽型トラック純電化システムの開発と最適化 | 顧客のニーズに応える軽トラック用純電化システムを開発 | 開発完了、市場に投入 |
大型トラックのハイブリッドシステム開発 | 大型トラック用ハイブリッドシステムの開発 | 開発完了、市場に投入 |
高比エネルギー硫化物固体リチウム電池の研究 | 全固体リチウム電池の技術を強化、製品競争力を高める | 完了 |
自動運転システム開発 | 迅速なイテレーションができる汎用自動運転システムの開発 | テスト完了 |
研究開発拠点
-中国とオーストリア、日本に研究開発センターを保有。
認証
-同社の新エネルギー試験センターがCNAS(China National Accreditation Service for Conformity Assessment)より認可を取得し、水素燃料電池や固体酸化物形燃料電池(SOFC)製品の全技術チェーンの開発と試験能力を備えると発表した。濰柴動力新エネルギー試験センターは2019年に稼働開始。海抜環境シミュレーション機能を備えるシステム試験台や環境シミュレーション機能を備える高出力スタック試験台等、専用機器試験設備は100セットを超え、多用途、複数段階の出力、全シリーズの水素燃料エンジン、スタック及び主要部品の研究開発や試験に対応可能。(2022年3月9日付プレスリリースによる)