Hunan Corun New Energy Co., Ltd.[湖南科力遠新能源股份有限公司] 2017年12月期の動向

業績

(単位:百万元)
2017年12月期 2016年12月期 増減率 (%) 要因
売上高 1,565.06 1,700.16 (7.95) -貿易業務とシステムアセンブリ業務は減収
-動力電池及びフィルム、ハイブリッド車両パイロット運営は増収
営業利益 (138.10) (269.77) - -
経常利益 28.43 (247.09) - -
純利益 40.98 (252.17) - -



受注

-2017年12月26日、同社は海馬汽車有限公司[[Haima Car Co., Ltd.]と、海馬汽車M6ハイブリッド車の開発、生産、販売などについて合意し、戦略提携協定書に調印したと発表。協定書によると、科力遠は海馬汽車にハイブリッドシステム(エンジン、ハイブリッドトランスミッション、モーターコントローラー、車体コントローラー、動力電池パック、回生ブレーキシステムなどを含む)を提供する。M6は海馬汽車が製造し、科力遠が主となって販売と普及運営を行い、まず公共モビリティ市場を開拓する。目標は2021年末までに提携する車種の累計生産販売台数を15万台以上とすること。特に2019年と2020年は科力遠が一手に販売を引き受けるが、双方が協議の上合意すれば海馬汽車は提携製品を外部に販売することができるとしている。(2017年12月26日付け会社公告より)

-2017年9月、子会社厦門市福工動力技術有限公司[Xiamen Fugong Engineering Technology Co., Ltd.]の「電気自動車用高性能ドライブコントローラー及び高出力モーターの研究開発と産業化」プロジェクトが「2017年中独インテリジェント製造協力パイロット事業プログラム」に認定された。認定されたプログラム17件のうち、新エネルギー車関連はこの1件のみ。福工動力は2015年10月から2017年12月までの間に総投資額25百万元をかけ、独ARADEX社と高性能ドライブコントローラーを、独E. M. B社と高出力モーターを共同開発した。現在生産ラインの自動化レベルアップを終え、製品はすでにカーメーカーから受注を獲得している。8月20日現在、中通客車にシステム部品2,000台を納入、第4四半期にはさらに数量が増える見込みである。(2017年9月9日付けプレスリリースより)

-2017年6月、子会社「湖南科覇汽車動力電池有限責任公司[Hunan Copower EV Battery Co., Ltd.]」が進めている新工場生産能力拡大プロジェクトの生産ラインがトヨタの検収に合格。この生産ラインは主に同社が独自に開発設計したハイブリッド用ニッケル水素電池セル生産に用いる。(2017年6月23日付けプレスリリースより)

戦略提携

-2018年4月3日、同社は吉利集団と提携合意書を結んだと発表。両社はハイブリッド車及びその中核部品の分野で提携する。科力遠は海外との提携により開発するハイブリッドシステムを吉利に供給し、両社はHEVの開発、製造、販売で協力する。吉利汽車FE-6(開発コード)が初の提携モデルとなる。量産開始後2年以内は、吉利は完成車の製造に責任を負い、科力遠は公共モビリティ分野への販売に責任を負う。2年後は公共モビリティ分野への販売は科力遠が、消費者への販売は吉利が責任を負う。量産後3年間の累計販売台数は15万台。内訳は、1年目2万台、2年目5万台、三年目8万台とする。吉利は提携モデルの開発、製造、品質保証などを主導するとともに、両社の戦略提携計画に基づき、HEV/PHEVの省エネ・新エネ車生産拠点建設への投資を行う。科力遠は提携モデルに搭載するハイブリッド動力システムとバッテリーパック(管理システムを含む)の性能開発とその他の技術サポートに責任を負う。(2018年4月4日付け会社公告より)

-2018年1月30日、同社は一汽轎車股份有限公司[FAW Car Co., Ltd.]と提携協定書に調印した。両社はハイブリッド動力専用のトランスミッション、エンジン、バッテリーなど基幹部品の領域で技術提携、製品提携を行う。また、一汽轎車系列モデルに科力遠のハイブリッドシステムや関連重要部品(統合開発したハイブリッドシステム、独自開発したCHSシステム、ハイブリッド用トランスミッション、ハイブリッド用エンジン、バッテリーパックおよび管理システム、エネルギー回収システム、電動エアコンなど)を搭載する。ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)を共同開発する。両社はまず科力遠が統合開発したハイブリッドシステムを奔騰(Besturn)シリーズに搭載し、カスタムメイドHEVを1モデル開発して2019年に発売し、公共交通分野での使用を推し進める。2019年から2021年までの3年間で生産、販売規模を15万台とする。共同生産車種の年次生産台数が5万台に達したならば、両社は科力遠が統合開発したハイブリッドシステムに関する提携(共同生産、合弁工場建設など)について再度協議し、提携を深化させる。カスタムメイドHEVの生産が商業規模になった後、一汽轎車は科力遠をサプライヤー体系に組み入れ、科力遠からハイブリッドシステムと部品を購入する。(2018年1月30日付け会社公告より)

新会社

-2017年11月1日、同社の子会社科力遠混合動力技術有限公司(CHS)が無錫明恒混合動力技術有限公司[Wuxi Mingheng Hybrid Technology Co., Ltd.]と、技術ライセンス契約及び開発業務委託契約を結んだと発表。CHSはディーゼルエンジンに適用する同社の特許技術と非特許技術のライセンスを無錫明恒にすべて供与する。ライセンス費用は総額314.60百万元。同時に無錫明恒はCHSにHT3800縦置きハイブリッドユニットA試作機の開発を委託する。このプロジェクトの第一段階での委託費用は総額35.40百万元。2017年6月、科力遠は昆明雲内動力集団有限公司[Kunming Yunnei Power Co., Ltd.]と合弁会社「無錫同潤混合動力技術有限公司[Wuxi Tongrun Hybrid Power Technology Co., Ltd.]」を設立すると発表したが、7月、工商管理局の承認を経て、無錫明恒混合動力技術有限公司が正式名称となった。無錫明恒の登録資本金は6億元。昆明雲内動力が3.06億元を、科力遠が2.94億元を出資し、持ち株比率を51%と49%とした。無錫明恒は自動車ハイブリッド技術の開発、自動車部品の製造、加工、技術普及、アフターサービスを手掛ける。(2017年11月1日付け会社公告より)

技術ライセンス

-2017年11月、子会社の科力遠混合動力技術有限公司(CHS)が無錫明恒混合動力技術有限公司[Wuxi Mingheng Hybrid Technology Co., Ltd.]と、技術ライセンス契約及び開発業務委託契約を結んだ。CHSはディーゼルエンジンに適用する同社の特許技術と非特許技術のライセンスを無錫明恒にすべて供与する。ライセンス費用は総額314.60百万元。同時に無錫明恒はCHSにHT3800縦置きハイブリッドユニットA試作機の開発を委託する。このプロジェクトの第一段階での委託費用は総額35.40百万元。(2017年11月1日付け会社公告より)

許可取得

-2017年2月、子会社の深圳先進儲能材料国家工程研究中心[National Engineering Research Center Of Advanced Energy Storage Materials] は、UL美華認証有限公司[UL China] からUL WTDP(Witnessed Test Data Program)試験室の許可認証を取得。同センターが行える試験対象は1次及び2次リチウム電池、ニッケル電池、電池パック及び移動電源など。UL [Underwriter Laboratories Inc.] は米国のもっとも権威ある、世界的な製品安全認証機関。(2017年2月10日付け会社公告より)

生産開始

-2018年6月28日、子会社科力遠混合動力技術有限公司[Corun Hybrid Technology Co.,Ltd.]が建設している年産100万台の省エネ、新エネハイブリッドパワートレイン工場の第1生産ラインが完成し、間もなく稼働を開始すると発表。この生産ラインの年産能力は10万台/セット。本プロジェクトの第1フェーズの投資額は46.5億元で、30万台/セットの年産能力を整備する。年産20万台/セットの第2生産ラインは間もなく入札に入る。(2018年6月28日付けリリースより)

買収

-2018年7月2日、同社は吉利集団が持つ科力遠混合動力技術有限公司[Corun Hybrid Technology o.,Ltd.](略称:CHS)の株式9.90%及び同じく上海華普汽車有限公司[Shanghai Maple Automobile Co., Ltd.]が持つCHSの株式27.07%を買収すると発表。買収の価格と方法は未定。現在同社はCHSの株式を51.02%保有している。CHSはハイブリッドパワートレインプラットフォーム及びシステムソリューションの開発、製造、販売を手掛けている。(2018年7月2日付けリリースより)

投資

-2018年3月30日、同社は科力美汽車動力電池有限公司[Corun PEVE Automotive Battery Co.,Ltd.]に対し、その他の株主とともに54.4億円の増資を行うと発表。その資金を用いて科力美は自動車用ニッケル水素電池モジュールの生産設備を拡張し、年産能力を倍増する。科力美は2016年に生産ラインを完成させ生産を開始した。設計生産能力は11.32万セット。湖南科力遠新能源は今回の増資のうち21.76億円(1.29億元相当)を出資する。増資完了後も持ち株比率は変わらず40%のままとなっている。(2018年4月10日付け各種リリースより)

-2017年12月6日、同社は子会社湖南科覇汽車動力電池有限責任公司[Hunan Copower EV Battery Co., Ltd.]、常徳力元新材料有限責任公司 [Changde Liyuan New Material Co., Ltd.]、科力遠混合動力技術有限公司[Corun Hybrid System Technology Co., Ltd.](略称CHS)に対し、それぞれ4.62億元、0.70億元、2.00億元を追加出資し、設備投資に充てると発表。湖南科覇は20.99億元をかけ年産5.18億Ahの駆動電池産業化プロジェクト(第1期建設)を実施する。常徳力元は8.06億元をかけ年産600万平方メートルの新エネルギー車用発砲ニッケル生産拠点を建設する。CHSは2.9億元をかけ、ハイブリッド動力アセンブリ研究開発プロジェクトを実施する。(2017年12月6日付け会社公告より)

研究開発費用

(単位:百万元)
2017年12月期 2016年12月期 2015年12月期
研究開発費用 237.82 111.09 103.82
売上高に対する比率 (%) 15.19 6.53 9.23



研究開発体制

-2017年末現在、同社は研究開発員599名を保有、従業員総数の20.72%を占めている。

-同社はハイブリッドシステム、ニッケル電池、発泡ニッケルなどの分野において研究開発を行っている。

-同社はセンター(先端エネルギー材料工程研究センター)1つ、科学研究プラットフォーム(広東省深圳市、日本名古屋、湖南省長沙市、上海市)4つを有する。

特許

-2017年12月31日現在、国内特許532件、海外特許6件を保有。

投資プロジェクト

(単位:百万元)
プロジェクト名 予算 2016年投資額 進捗 (%)
子会社「益陽科力遠」生産設備 28.59 4.19 78.00
子会社「蘭州科力遠」HEV材料 17.78 15.03 100.00
子会社「常徳力元」新拠点建設 347.25 0.65 99.00
子会社「常徳力元」生産ライン建設 - 1.21 60.00
子会社「上海CHS公司」工程建設 - 6.17 75.00
子会社「科覇電池」車載ニッケル水素動力電池 680.00 - 95.00
子会社「科覇電池」生産能力拡大 217.56 77.41 90.00
子会社「科覇電池」知能化製造 - 1.33 5.00
子会社「湘南Corun Energy」湘南工場 - 5.84 -
子会社「湘南Corun Energy」湘南工場設備更新 - 0.47 -
子会社「仏山CHS」拠点建設 567.97 156.31 67.00
子会社「福工動力」工場付属施設 85.00 5.14 -
電池パック事業化 2.00 0.02 事前評価段階
長沙エンジニアリングセンターリチウム電池開発 - 1.99 -

開発費用

(単位:百万元)
プロジェクト

金額

1.子会社「科覇電池」
(1)電池マネジメントシステム(BMS) 0.97
(2)大型バス用電池マネジメントシステム 20.84
2.子会社「蘭州科力遠」
(1)HEV電池用合金粉末 1.06
(2)ニッケル水素動力電池リサイクル 0.005
3.子会社「深圳工程研究中心」
(1)024自動車スターター電源 1.25
(2)023ポータブル蓄エネルギー 1.35
(3)021CBTL実験室 0.13
4.長沙エンジニアリングセンター
(1)BMS開発プロジェクト 1.69
(2)電池リサイクルプロジェクト 0.71
(3)リチウム電池プロジェクト 2.73
5.子会社「CHS公司」
(1)CHSハイブリッドシステム 176.54
(2)BPS開発プロジェクト 5.97
6.子会社「福工動力」
(1)商用車ハイブリッドシステム(ニッケル水素電池を含む) 4.78
(2)三合一コントローラーASSY 0.04
(3)五合一インテグレーション開発 0.18
(4)FGHS1800 0.04