CATL (Contemporary Amperex Technology Co., Ltd.)[寧徳時代新能源科技股份有限公司 (CATL)] 2018年12月期の動向

業績

(単位:百万元)
2018年12月 2017年12月 要因
売上収益 29,611.27 19,996.86

-急速な環境対応車市場の拡大による国内駆動用電池市場の大幅な拡大。

営業利益 4,168.48 4,832.02
経常利益 4,204.81 4,848.10
純利益 3,735.90 4,194.06

新会社

-中国第一汽車股份有限公司(FAW)と「時代一汽動力電池有限公司合弁経営契約書」に調印したと発表。両社は合弁会社時代一汽動力電池有限公司(以下、時代一汽)を設立し、EV用二次電池の生産、販売を行う。時代一汽は、福建省寧徳市霞浦県経済開発区に最大44億元を投資し工場を建設する。持株比率はCATL51%、FAW 49%。時代一汽は1月31日に会社登記を済ませている。リチウムイオン電池、動力電池、超大容量蓄エネルギー電池、電池システムの開発、生産、販売及びアフターサービス、技術コンサル等を手掛ける。(2019年4月25日付プレスリリースより)

-2018年7月19日、広汽集団と2件の合弁契約に調印すると発表。両社は共同出資し、広州に時代広汽動力電池有限公司[Amperex GAC Power Battery Co., Ltd.](仮称)と広汽時代動力電池系統有限公司[GAC Amperex Power Battery System Co., Ltd.](仮称)を設立する。時代広汽動力電池有限公司はリチウムイオン電池、動力電池、超大容量蓄エネルギー電池及び電池システム事業を手掛ける。登録資本金は10億元とし、CATLは5.1億元を出資し51%の株式を保有、広汽集団は4.9億元を出資し49%の株式を保有する。広汽時代動力電池系統有限公司は動力電池システム及びその関連技術サービスを手掛ける。登録資本金は1億元とし、CATLは49百万元を出資し49%の株式を保有、広汽集団は51百万元を出資し51%の株式を保有する。(2018年7月19日付けリリースより)

新工場

-12月23日、寧徳時代(CATL)と広汽集団の合弁会社である広汽時代動力電池系統有限公司(以下、広汽時代)および時代広汽動力電池有限公司(以下、時代広汽)が、広州市の広汽インテリジェント新エネルギー車産業パークで着工式を行った。広汽時代は、2019年末に工場第1期建設が完了し生産を開始する予定。総投資額は3億元で主にバッテリーパックを生産する。時代広汽は、主にバッテリーセルを生産する。総投資額は42.26億元で、2020年末の生産開始を目指す。(広汽集団のリリースより)

稼働開始

-東風時代(武漢)電池系統有限公司[Dongfeng Amperex (Wuhan) Battery System Co.,Ltd.]は2018年7月4日、東風新エネルギー車産業パークで新工場が稼働を開始した。同社は2020年までに生産能力19.2万台・セット、生産量9.6GWh、生産高114億元とする計画。同社の登録資本金は100百万元。東風電動車両股份有限公司[Dongfeng Electric Vehicle Co., Ltd.]と寧徳時代新能源科技股份有限公司[Contemporary Amperex Technology Co., Ltd.]が各々50百万元を出資し、株式を50%ずつ保有している。(2018年7月6日付けリリースより)

戦略提携

-2月25日、北汽新能源、北京普莱徳新能源電池科技有限公司(Pride-Power)と「中長期(2019-2023年)深化戦略提携合意書」に調印したと発表。3社は2019年からの5年間、新エネルギー車のバッテリーパックの調達限度額、価格、新型バッテリーパックについて提携を深めることを取り決めた。(寧徳時代(CATL)のリリースより)

- 2018年7月17日、華晨BMWと戦略的提携合意書に調印。それによると、華晨BMWは、CATLから8.15億元のバッテリー生産能力建設プロジェクトを取得し、指定の関連会社に指定する型式の動力電池を生産、供給させ長期的に調達する。また双方が合意した条件の下で、華晨BMWは28.525億元を上限としてCATLに対し資本参加する権利を有するとしている。長期的なバッテリーの調達については、華晨BMWはCATLに手付金として28.525億元を支払い、詳細は別途協議し取り決めるとしている。(2018年7月18日付けリリースより)

-2018年4月25日、拜騰(BYTON)と戦略提携基本合意書に調印。それによると、寧徳時代は拜騰初の量産SUVに動力源を供給する。将来、双方は自動車電池技術分野での提携深化を積極的に探るという。またこの日、寧徳時代はJaguar Land Roverとも戦略提携基本合意書を結んだ。両社は自動車電池技術の分野で提携し、自動車駆動電池技術の開発に共同で取り組む。(2018年4月26日付け会社公告より)

研究開発

-2018年7月9日、独テューリンゲン州政府と投資契約に調印。それによると、寧徳時代は2.4億ユーロを投資し、独テューリンゲン州エアフルト市に電池生産拠点及びテクニカルセンターを設立する。生産拠点では主にリチウムイオン電池の研究開発と生産を行う。建設は2期に分けて実施。2021年に生産を開始し、2022年には14Gwhの生産能力形成を目指す。現地で600名の雇用を創出する計画。製品はBMW、VW、Daimler、JLR、PSAなどに供給する予定。なお、CATLは、BMWより、この期間での電池のニーズ量に当たる価値40億ユーロ相当との知らせを受け取ったが、CATLより購入を予定する電池の数量には言及しなかったとしている。(2018年7月10日付けリリースより)

研究開発費

(単位:百万元)
項目 2018年12月 2017年12月 2016年12月
研究開発費用 1,991.00 1,602.92 1,080.99
売上高に占める比率 (%) 6.72 8.02 7.27

特許

-2018年12月現在、子会社も含め同社は国内特許1,618件、国際特許38件を保有。現在、国内、国際合わせて2,110件の特許を申請中。

-下記の5大コア技術の研究開発に取り組んでいる。
・超高速充電
・超高エネルギー密度
・超長寿命
・超高信頼性
・超高環境適応力

-同社は動力電池の長寿命、高エネルギー密度、超高速充電、高安全性といった4つの研究開発分野において飛躍を遂げていた。 動力電池のサイクル寿命は、10,000回以上に達した。エネルギー密度の面では、リチウム鉄リン酸電池パックシステムのエネルギー密度は130Wh/KG以上に増加した; 5.2C超高速充電製品は、12分間で100%充電できる。

国内投資

-2019年4月24日、最大で46.24億元を投資し、リチウムイオン電池生産拠点を拡張すると発表。建設場所は福建省寧徳市。建設用地は約570,000平方メートル。工期は36ヶ月を予定する。(2019年4月25日付けリリースより)

深圳市場に上場

-2018年4月4日、同社は中国証券監督管理委員会(China Securities Regulatory Commission)のIPO審査を通過し、深圳市場に上場する。
-IPO資金調達の投資プロジェクト

投資プロジェクト名称 内容
寧徳時代湖西のリチウムイオン駆動用電池製造拠点プロジェクト 製品:リチウム駆動用電池のセル、モジュール及ぶ電池パック
投資額:98.6億元
建設期間:36ヶ月
製造ライン:24
年間生産能力:24GWhリチウムイオン駆動用電池製品
寧徳時代リチウムイオン駆動用電池及び電力貯蔵電池の研究開発プロジェクト

投資額:420,000 万元
建設期間:36ヶ月
研究開発目標:環境対応乗用車用リチウムイオン駆動用電池、環境対応商用車用リチウムイオン駆動用電池、電力貯蔵電池、次世代電池等。

その他

- 2018年7月、CATLは独テューリンゲン州政府と投資協定書を結び、2.4億ユーロを投じてエアフルト市に電池生産拠点とインテリジェント製造技術研究開発センターを建設するとしていた。生産拠点は2期に分けて建設され、リチウムイオン電池の開発と生産を行うもので、生産開始は2021年、工場敷地面積は82ヘクタール。また、600名の雇用が創出される。当初目標とする生産能力は2022年14GWHとしていたが、今回この目標を引き上げ2026年100GWHとし、世界最大の電池工場を目指す。(2019年2月18日付け複数メディア報道より)

- 2019年にコバルト含有量の少ない、高エネルギー密度EV用新型NCM 811電池を投入すると発表。業界では初めてとなる。VW Neo、BMW i3がこの新型電池を採用する見込みである。CATLは多くの独カーメーカーと電池供給大口契約を結んでいる。BMWは10億ユーロを超える電池をCATLから調達することに同意するとともに、独エアフルト(Erfurt)市にCATL欧州電池工場を建設するよう推薦している。これを受け、CATLは2022年に同市で電池生産を開始する予定である。この工場ではVWとDaimlerとも契約を結び、VW I.D.シリーズ、Benz EQへも電池を供給する計画である。このほか、PSA、Renault日産もエアフルト工場から調達する可能性がある。(2018年8月16日付けリリースより)