CATL (Contemporary Amperex Technology Co., Ltd.) [寧徳時代新能源科技股份有限公司 (CATL)] 2016年12月期の動向

業績

(単位:百万元)
2017年12月 2016年12月 増減率 要因
売上収益 19,996.86 14,878.99 34.40%

・急速な環境対応車市場の拡大によるリチウムイオン電池(LIB)市場の大幅な拡大。

営業利益 4,925.98 3,382.19 45.64%
経常利益 4,942.06 3,570.28 38.42%

地域別販売額

単位:百万元
地域 2017年度 2016年度 2015年度
売上高 構成比 売上高 構成比 売上高 構成比
中国国内 18,840.71 98.42% 14,543.40 99.43% 5,627.09 99.40%
海外地域 303.11 1.58% 82.71 0.57% 33.83 0.60%
合計 19,143.82 100.00% 14,626.11 100.00% 5,660.92 100.00%

受注と納入

-2017年3月7日、同社と韓国LGが仏PSAのハイブリッド自動車と電気自動車の電池サプライヤーに選ばれた。LGは2019年発売のDS7 Crossback ハイブリッド車に電池を供給する。同社も同モデルの生産に参画する。(2017年3月7日付けプレスリリースより)

-北京新能源汽車「EC200」が搭載する高性能三元系リチウム電池セルは同社より供給され、エネルギー密度が130.72Wh/kgに達し、電池の減衰率が低く、冬の充電も障害がない。 (2017年8月17日付けプレスリリースより)

新会社

-2017年6月19日、上海汽車は同社と合弁会社建設の鍬入れ式を江蘇省常州溧陽(Liyang, Changzhou)で行った。 両社が出資して設立したのは、時代上汽動力電池有限公司[Contemporary SAIC Power Battery Co., Ltd.]と上汽時代動力電池系統有限公司[SAIC Contemporary Power Battery Systems Co., Ltd.]の2社。時代上汽は資本金20億元。主にリチウムイオン電池、リチウムポリマー電池の開発、生産、販売、アフターサービスを行う。上汽時代は資本金3億元。主に動力電池システムの開発、生産、販売を行う。 本プロジェクトの動力電池生産能力は36GWH、総敷地面積は約130万平方メートル。第1期建設の投資額は約100億元、敷地面積は53万平方メートル。稼働開始は2018年末の予定。稼働開始時の生産能力は18GWH。(2017年6月20日付けプレスリリースより)

新工場

-2016年9月28日、同社はリチウムイオン電池の長江デルタ生産拠点の着工式を江蘇省溧陽市の江蘇中関村科技産業園[Jiangsu Zhongguancun Science and Technology Industrial Park]で行った。このプロジェクトの総投資額は100億元。敷地面積は約666,700平方メートル。完成後の年産能力はリチウムイオン電池10GWH。200億元の増収を見込む。新たに7,000名の雇用を創出する。(2016年9月28日付けプレスリリースより)

買収

-2017年1月、フィンランドの製造受託メーカーヴァルメット(Valmet Automotive)と同社は、戦略的提携を締結し、同社がヴァルメットの新株を取得した。新株発行後のヴァルメットの株主構成は、Pontos(フィンランドのプライベートエクイティファンド)が39%、Tesi(フィンランド政府系ファンド)が39%、同社が22%。ヴァルメットと同社は共同でEVドライブトレインのエンジニアリング能力を高めるとともに、EV・ハイブリッド車用の電池パック供給へ同社が参入することを支援する。ヴァルメットは高級車とコンバーチブルカー、EVに特化した製造受託メーカーで、フィンランド、ドイツ、ポーランドに拠点がある。サーブ、オペル、ポルシェ、メルセデスベンツなどの受託製造を行い、世界最大の受託メーカーのひとつ。 (2017年1月31日付けプレスリリースより)

戦略提携

-長安汽車は11月1日、投資ファンドである鎮江徳茂海潤股権投資基金の基金割当てを調達する方法で同社に出資し、同社との提携を強化することを発表した。 2017年6月に鎮江徳茂海潤基金は10億元を出資し同社に資本参加し、持ち株比率を1.18%とした。 今回、長安汽車は招商財富と「有限責任組合割当譲渡契約」を締結し、5億1,874万3,029.48元で招商財富が保有する鎮江徳茂海潤基金の4億9,000万元の払込パートナー割当を調達する予定。今回の調達完了後、長安汽車は鎮江徳茂海潤基金のリミテッドパートナーとなり、32.67%の権益を有することになる。 (2017年11月1日付けプレスリリースより)

-National Electric Vehicle Sweden AB(略称NEVS)は2月27日、同社と戦略提携を結ぶことで合意した。NEVSは同社との提携により、「サーブ 9-3(Saab 9-3)」ベースの電気自動車(EV)に搭載する電池の供給源を確保する。同EVは新エネルギー車のリースを手掛ける熊猫新能源有限公司(Panda New Energy Co., Ltd.)へ納入することが決まっている。NEVSは2012年にサーブ(Saab)の資産を買収した合弁会社。スウェーデン・トロルヘッタン(Trollhattan)に本部を置き、現在天津市で工場建設を進めている。 (2017年3月8日付けプレスリリースより)

-2016年12月23日,東風汽車公司は同社と戦略提携協約を締結した。提携により、両者は環境対応車産業におけるプラットフォームを共同構築することで、相互援助・相互補完・共同発展・ウィン-ウィン局面を形成する。(2016年12月26日付けプレスリリースより)

海外投資

-2017年10月、日本横浜に子会社「日本時代新能源科技株式会社」を設立。登録資本金は4,900万円。主にリチウムイオン電池、電池システムの設計、研究開発、測定、製造、販売など関連業務を行う。
-2017年9月、米国に子会社「Contemporary Amperex Technology (USA), Inc.」を設立。主にリチウムイオン電池、電池システムの設計、研究開発、測定、製造、販売、貿易、技術サポート、アフターサービスなど関連業務を行う。
-2017年5月、フランスに子会社「Contemporary Amperex Technology France」を設立。登録資本金は40万ユーロ。主にリチウムイオン電池、電池システムの設計、研究開発、販売、輸入、技術っサポート、取付、アフターサービスなど関連業務を行う。

研究開発

-同社は福建寧徳、上海、独ミュンヘンにR&Dセンターを設置。2016年末現在、研究開発要員は約500名。うち、電池パックシステム研究開発に従事する人は約350名。

-毎年全社売上の約6%が研究開発費として投資されている。分析とテストを統合したテストセンターに4.5億も投資した。また、5,600台の設備を保有し、材料、電池、モジュール、電池パック及び電池管理システムの分析とテストが行われる。さらに、CNAS認定を獲得したことで、テストレポートを公開する権利も持っている。

研究開発費

項目 2017年12月 2016年12月 2015年12月
リチウム駆動用電池システム&電力貯蔵システム (百万元) 1,561.16 1,056.40 267.17
リチウム電池材料 (百万元) 41.76 24.59 13.89
研究開発費 (百万元) 1,602.92 1,080.99 281.06
売上高研究開発費比率 (%) 8.02 7.27 4.93
特許申請数 849 691 226

設備投資額

項目名称 投資額 (千元) 構成比 (%)
設備購入 1,013,000 100
事務用設備 12,000 1.18
専用設備 954,000 94.18






新材料の研究開発及び次世代電池の研究開発設備 68,200 6.73
検査・実験設備 90,330 8.92
セル製品の研究開発設備 27,840 2.75
セル及びモジュール製造プロセスの研究開発設備 696,000 68.71
電池管理システムの研究開発設備 48,020 4.74
電池パックの研究開発設備 23,610 2.33
設備設置 47,000 4.64


-同社は動力電池の長寿命、高エネルギー密度、超高速充電、高安全性といった4つの研究開発分野において飛躍を遂げていた。 動力電池のサイクル寿命は、10,000回以上に達した。エネルギー密度の面では、リチウム鉄リン酸電池パックシステムのエネルギー密度は130Wh/KG以上に増加した; 5.2C超高速充電製品は、12分間で100%充電できる。

受賞

-2017年7月,同社は中国商務部からアフターサービスシステムの5つ星認証を取得。

-2017年4月,中国工信部「リチウムイオン電池業界標準コンプライアンス」の合格企業第1弾となった。

2020年の見通し

-電動車とエネルギー貯蔵システム事業に80億ドルを投資する計画。

深圳市場に上場

-2018年4月4日、同社は中国証券監督管理委員会(China Securities Regulatory Commission)のIPO審査を通過し、深圳市場に上場する。
-IPO資金調達の投資プロジェクト

投資プロジェクト名称 内容

寧徳時代湖西のリチウムイオン駆動用電池製造拠点プロジェクト

製品:リチウム駆動用電池のセル、モジュール及ぶ電池パック
投資額:98.6億元
建設期間:36ヶ月
製造ライン:24
年間生産能力:24GWhリチウムイオン駆動用電池製品
寧徳時代リチウムイオン駆動用電池及び電力貯蔵電池の研究開発プロジェクト

投資額:420,000 万元
建設期間:36ヶ月
研究開発目標:環境対応乗用車用リチウムイオン駆動用電池、環境対応商用車用リチウムイオン駆動用電池、電力貯蔵電池、次世代電池等。

上場計画

-同社は2017年11月10日、A株を初めて発行すると発表。131.2億元を調達し、同社湖西リチウムイオン電池生産拠点建設、動力電池・蓄電池研究開発プロジェクトに充てる計画。湖西リチウムイオン電池生産拠点建設の総投資額は98.6億元、動力電池・蓄電池研究開発プロジェクト総投資額は42億元を見込んでいる。(2017年11月13日付け会社公告より)

-2017年6月15日,同社は上場カウンセリングを受けていることを発表し、上場を計画。(2017年6月17日付けプレスリリースより)